マイクロフォンの出力レベルを把握する
 アマチュア無線でも様々なマイクを使用する様になった。HFセットが買えてしまうような超高級品から有名メーカーモドキの格安製品まで様々なマイクが存在する。ところが意外とどの程度の出力(感度)があるかを把握している人は少ない。
 それで同じサウンドを浴びせた時にどの程度のレベルを出力するのか測定してみた。AFアンプやミキサーを製作するとき、入力にどの程度のレベルが入るかを把握する事は重要な要素であるが、無線機でも全く同様である。

音源はフルレンジスピーカーとFMノイズ
無線機のモードをFMにしスケルチを外しFMノイズをスピーカーで鳴らす。
マイクをスピーカーから一定距離(ウィンドウスクリーン先端で決める)に置き、マイク出力をHi-Z(Open)受けしてレベルメーターを読む。
被測定マイクを取替えそれぞれのレベルを読みとる。
以下、手持ちのHM-14・HM-118TN・SM63L・DM-D39MKU・CM-2000の出力レベルを測定してみた。
スピーカーまでの距離は約60cm、スピーカー音量はSM63L出力が-55dBになるように設定(1W程度)した。スピーカーユニットはダイアトーンのP-610DA(16cmフルレンジ)。この値は口元で普通に喋った時のレベルに相当する(但しオーナーの場合)。

 HM-14:-50dB(DTMF:-63dB)・・・icom
 HM-118TN:-49dB(DTMF:-53dB)・・・icom
 SM63L:-55dB・・・SHURE
 DM-D39MKU:-54dB・・・AIWA
 CM-2000:-53.5dB・・・CUSTOM TRY

*マイクの測定は、マイクインピーダンスでは受けずHi-Z(10K〜100KΩ/Open)で受ける。上記は10KΩ受けしたデータでレベルメータのf特は低周波帯域内フラット。
*測定距離を2倍にすると出力レベルは6dB低下する。また半分にすれば6dB増加する。またスピーカーの電力を2倍にすると3dBの増加、半分にすれば3dBの低下になる。これらは無響室での話しだが・・・。喋り方でも同様で非常に変化が大きく、如何にAF段階でレベルを揃えておく事が重要か分かる。必然的に制限増幅器など、何らかのプロセッサが欲しくなる。

写真は測定中のシュアーSM58モドキのCUSTOM TRY/CM-2000(Made in China)。マイクはスピーカーの軸上に設置する。本来なら無響室での作業なのだろうが、相対差や傾向を掴む程度ならこれで十分だ。レベルメーターはSHIBASOKU/AH979G(Flat)。