RCA-Jack〜CZコネクタ変換の製作

民生品HDハンディカムのD3特殊端子出力(アナログ)を、業務用HD-CAMへのコピーしようとして苦慮された経験は無いだろうか?。専用の再生アダプタは高価だし、またi-linkも簡単そうで意外と面倒くさい。そこでHDW-250等のHD-CAM_VTRを既にお持ちであれば、以下に紹介する変換装置(箱とケーブル)を製作すれば容易に目的を果たすことが出来る。また音声も同時にエンベデットされる。なおカメラ出力はRCA_Pin-Jackに変換しておく必要がある(市販品)。

(1)全体構成
写真は製作した変換ボックス(左)と流用したCZケーブル(右)。CZケーブルは元々HDカメラとVTRを接続するためのものであるが、近年は業務用ロケカメラもVTR一体型が一般的になり、使用するケースは非常に少なくなった。
CZケーブルはSDカメラ時代にソニーからCZZ(26P-26P)、CZQ(26P-14P)、CQZ(14P-26P)という名称で販売されていた歴史がある。それで26PコネクタをZと呼ぶ習慣が一般化し、最終的にHDアナログでは26Pを使っていたのでCZと呼ぶようになった。
ここではCZケーブルのカメラ側のコネクタを思い切って取り外し、代わりに変換ボックスを取り付けている。
左の変換ボックスで変換後はCZケーブル(26Pin)が収録VTR(HDW-250)まで導く。通常CZケーブルには映像(Y/Pb/Pr)と音声(1ch/2ch)以外に電源線をはじめとする多くのラインが通っているので、短絡などが発生しないように端末はボックスの中で絶縁処理する。

(2)ボックス部
写真はボックス部のアップ。TAKACHIの塗装済みアルミダイキャストボックスTD 5-8-3B(55x30x80)を使用し、RCAコネクタ(映像Y:Green/Pb:Blue/Pr:Red、音声1ch:White/2ch:Red)を取り付けている。CZケーブルは太く質量があるので丸穴を開けフレキシブルブッシングを挿入し、さらにボックスに直に12mm幅の真ちゅう板でクランプしている。上部に見える3mm皿ビス2本はクランプのためのものである。これをしっかりやらないとケーブルがグラグラになり使用に耐えない結果となる。
なおCZケーブルの総合シールドは前記クランプに共締めし、映像・音声関係のシールドはボックスでコモン接地されている。

(2)ボックス部
写真はボックス部の逆向きアップ。CZケーブルの径はかなりあるため、このこのサイズに合うブッシングはケース側面に収まらない。したがってここでは写真の様にフレキシブルブッシング処理を行っている。
このブッシング処理や前項のクランプ処理等は些細なことだが末永く道具として活用するためには必須のアイテムである。
既に古くなって使われなくなったCZケーブルは、こうしたチョッとした細工でリサイクルが出来る。ゴミにしてしまわないで必須アイテムとして生き返らせ活躍させてあげたい。

Data:CZ Connector's Pin Asign
HD-Video(hot/shield) Y:4/3 Pr:5/6 Pb:7/8
Audio(hot/cold/shield) 1ch:9/10/11 2ch:15/16/11
Shield:Outer shield, Video & Audio All Common at Box Ground!

注:音声はRCA-Jackでコールド側を接地し不平衡処理している。