RC(Radio Control)サーボをプリセットチューンに使う(Oct 31, 2009)
同調用VCやSW類の操作をリモートコントロールしたり、或いは一気に目的位置に移動したいと言うのは、アマチュア無線家なら誰しも思うところだろう。
ところがこれを真面目に自作しようとすると、ギアモーターを中心とした機構系とポテンショメータ等の角度センサやモーター駆動等の電気回路、そして両者の整合など何時になったら出来るか分からない状況になる。
何とかローコストで自作できないかと考えた結果、ラジコン用RCサーボがその目的に最も近いと考えた。
以下RCサーボの制御概要とプリセットチューンのについて簡単に説明する。
なおこの資料は当拙作HPのHFオールウェーブ受信機サイトからの抜粋です。

左はテストのために入手したサーボ4個(2種)とVCに仮付けを試みようとする様子。
銀ラベルがGWServoのS03T_2BBMGで金ラベルがMiniServoのRB995。低価格で買えるこの種のサーボは殆どが台湾か中国製である。国産品は高くて買う気が起きないが、タンク回路のVCやVRにローターリーSWの制御ならこれでも全く問題ない。



RCサーボはPWM(PulseWidthModulation)処理された制御信号により回転角(180度)を制御する。 すなわちパルス幅の大小がそのまま回転角度に比例する事になる。
市販のRCサーボからは3芯のフラットケーブルが出て3Pのフラットコネクタ処理されている。色は黒・赤・白の組み合わせや茶・赤・橙などの組み合わせがある。黒(茶)がコモン線で、赤が5V電源、白(橙)が制御線になっている。
コモン線と制御線の間に下記及び回路に示す制御電圧を加えれば、思いのほか簡単に目的を果たす事が出来る。

左上図はRCサーボの制御信号の標準波形。PWM発生回路は下記参照・・・LM555で矩形波を発生させLM358の積分回路で3角波に変換したあと、コンパレータで基準値と比較して出力するとPWM波が取り出せる。
右上図はコンパレータの基準電圧に対するRCサーボ回転角の関係。
左はRCサーボをVCに周波数直線VCに取り付け、試作基板から制御を試みている様子。周波数直線VCを使うと、制御電圧と可変周波数の関係が直線になる。
写真をクリックすると、これらの制御を発展させた事例(周波数表示からVCを回転させる実験)を見る事が出来る。

基準電圧をVRでプリセットすれば、SWの切替で瞬時に目的角度波形を出力する。
特殊な部品を使わず低コストで高精度の制御が実現する。
リニアアンプのVCやロータリーSWの回転に格好の方式と思われる。

関連情報
その後秋月電子がPICアクチュエータとしてPICとプログラムによる駆動基板を販売していることを知った。製造元は北海道のトライステート社である。
これを元にRC-SERVOによる真空管リニアアンプのプリセットチューンを実験し好結果を得た。