8.開局申請編
リモートシャック設備の用意に並行して開局申請を行う。
写真は6月になって書き上げた申請書類で、概要を説明する参考資料も含まれる。
申請日は2016年6月3日(金)とし、同日午前郵便局より発送した。
なお当初は電子申請を試みたが、ファイル添付で数回もつまづき(反応が無くなる)があり、通常の紙ベースの申請とした。申請料がリーズナブルだったので期待したが、時間ばかり要するため断念した。


申請書類の内訳は以下の通りである。
@リモートシャック申請に関する挨拶文と書類目次
A無線局開局申請書(収入印紙¥8100)
B無線局事項書及び工事設計書
C送信機系統図(遠隔制御系統含む)
D工事設計書添付 適合説明書(RS-BA1)
E50MHz帯で空中線電力1000Wを必要とする理由書
F電波防護指針 基本算出式による算出結果
G参考資料 送信所‐自宅の位置関係、送信所近傍の写真
H電波使用料前納申出書
I連絡用返信封筒


8月12日(金)、東海総通担当者よりメールで以下の要請があり対応する。
J送信機系統図に全アンテナ(1.8-50MHz/Windom、10MHz/八木、50MHz八木)と切替機の追加
Kアンテナ設置平面図に土地所有者名を記入した図の追加
L土地所有者を証明する資料(関係する地番全て…法務局)
M地図(公図…法務局)
*Jは初期系統図に追記。KはGoogle航空写真をベースに作成。LMは別件で入手していた資料を利用。何れもPDFファイル送付で了解を頂く。
*同日予備免許通知が発行され、メールでPDFコピー版が届く(右)。

8月16日(火)、予備免許通知(本書)及び予備測定データ作成資料等が郵送で届く。
*工事落成の期限…予備免許の日から6ケ月目の日
*運用許容時間…常時
*識別信号…JH2CLV
*電波の形式、周波数及び空中線電力…1.9〜50MHz/1kW

8月18日(木)、0125試験電波発射…50MHz、3.5MHz…。

8月18日(木)、試験電波発射届発送(8月18日〜落成検査の日まで)。

8月21日(日)、予備測定データ取得。

8月27日(土)、予備測定データ取得(最終)、工事落成届(手数料\31300)・予備測定データ発送。

9月**日(*)、落成検査調整。

10月7日(金)、落成検査・本免許交付。
 13時過ぎにJA清水駅で東海総通のS事務官とM技官をお出迎え。早々に自宅工房(通信所)へ移動。検査の段取りについて打合せを行う。そして通信所・送信所を含めた概要を説明。参考としてPCからのリモコンでリモートシャックの発電機を起動、PC画面上にアンサーが返ることを実演して見せた。移動時間を予熱時間とする狙いもあって…。
 打合せ後、送信所のある通称「大峰」へ軽ワゴンで上る。一番早い西側の戸倉地区から上った。総通殿が持参されたのはBIRDの電力計のみ。開局申請書類と現物を照合。アンテナと切替器を含め、バンドごとの系統を説明。トランシーバのバンド情報に連動する仕掛けであることも説明。また電源が無いため太陽光発電とバッテリー、及びガソリン発電機をリモートしている状況も見て頂いた。
 そしていよいよ測定。前述の如く測定器は電力計のみで実は拍子抜け。アンテナ切替器をダミーロードに倒し、全バンドで最高出力を測定。50MHzから順に下がって行ったが、50MHz(GU-74B)はチューン済み、HFのHL-2.5KFXは非同調のため、IC-7300のバンド切替でスイスイと作業が進んだ。
 50MHzは50.2MHzとし、HFは各バンドの指定周波数で測定を行った。出力は概ね1000W程度だったが、24MHzのみ効率が悪く900W程度で電源電流も多く発電出力がトリップする場面があった。
 その後場所を工房に移すが、同じ道を戻るのは芸がないので、東側の茂畑地区を回り柑橘試験場前からタワーとアンテナをご覧いただいた。工房ではリモートによる実通テストが行われた。事前にお願いしておいた静岡市駿河区のローカル局(JA2FGL)と50.2MHzと14.15MHzのSSBで交信を行った。2波になった理由はリニアアンプが2台有るから。
 最後の打合せでは、今回は新規の開局申請のため無線従事者免許証の提示を求められた。その他特段の問題も無く「指示事項無し合格」となり、免許状と落成検査結果通知書(無線検査簿は廃止になった)を受領した。
 一連の検査は15時前に終了していたが、S事務官殿もM技官殿もコールをもつHamとのことで、カミサン差し入れのコーヒをすすりながら、暫く無線談義に花が咲いた。16時頃JR清水駅へお送りしお見送りした。無事検査が終了し、ようやく一区切りついた印象だ。
*登録免許税について
 500Wを超える無線局(500Wは含まれない)の新設には登録免許税が必要となる。落成後に総務省から案内があり、落成日から1ヶ月以内に納付する必要がある。ちなみに1KWの場合は\30Kとなる。登録免許税を納めた場合は、開局申請料\8.1Kは還付されていたが、現在この制度は廃止されている模様。
 この税を避けるには、当初は200W以下で申請を行い落成後に変更申請で1KW局にする手があるが、殆どの場合はこちらのプロセスを踏んでいるだろう。
 今回の申請(既に1KW固定局・50W移動局保有)は、2.4GHz帯無線LAN(Wi-Fi)を専用線として使用し、通信所から送信所設備(無線機・発電機等)をリモートするなど、東海総通で判断できない部分があり本省の判断を仰いでいる。このことは、200W以下でJARDかTSSへ申請しても、すんなり免許が下りるとは限らないことを意味している感じがする。
 東海総通担当者は、直接1KW局を申請して頂いた方が、入念なチェックや確認が可能で好ましいとも言われている。
 登録免許税は本来全ての無線局の設置に課せられるものだが、500W以下の無線局については免除扱いになっているらしい。