マウンテン・リモートシャックの運用(Mar 21. 2017)
電気も電話も無い山頂で落成したシャックは、普通のリモートシャックにはない手間(楽しみ!)があります。 以下電波発射までの段取りを記します。ちなみに山頂設備は、ソーラー発電とバッテリにる24時間待機運転(サーバーPC・無線LAN端末・HUB・IP伝送装置・IC-7300)をしていますが、無線運用する場合はベアフットでも発電機を起動することにしています。サーバーPCではRemoteUtilityTeamViewerが自動起動しています。
発電誘起まで
@クライアントPCの電源をON。
AIP伝送装置(LANIO)を起動。
Bネットワーク上にあるLANIO端末を表示するので、目的のLANIOを選択してクリック。
CLANIOのON/OFFメニューが表示される。
D発電誘起の自動ボタンにチェックを入れる。
E発電ボタンでON/OFFを2回繰り返す(ON/でランプが点滅する)。
F7秒程度過ぎると発電が始まり発電誘起ランプが点灯する。
*時間が経っても発電誘起しない場合は、エンジンが回っていないので、引き続き発電機ボタンON/OFFを2回繰り返す。5回やっても発電しない時は発電機の点火プラグが燃料で湿っている可能性があるので、暫く時間をおいてから再トライする。冬季2ヵ月間の実績では、凡そ1.8回のトライで発電に至っている。
G発電誘起すると13.8V/30AのAC電源が起動し、バッテリ(150A/h)へフロート充電が行われます。


RS-BA1の起動
@クライアントPCでRemoteUtilityを起動。
Aサーバーの接続を確認(接続されていなければ接続する)
B無線機の接続を実施(前回の状態を保持している)
CBで接続行為をした場合、COMポート番号が新たにウィンドウ表示される。
DRemoteControlを起動する。
ERemoteControlの電源を入れる。
F過去に接続行為をしていない場合は、接続メニューで各種設定を行う(前述のCOMポート番号やCI-Vアドレス、接続無線機、接続タイプ…等々)
GクライアントPCにMIC(SP)を接続。
H接続設定が正常ならRemoteControlの操作画面をマウス操作すれば運用が出来る。
*RS-BA1設定の詳細はicomサイトのマニュアル参照。
図右はクライアントPCデスクトップのRemoteControl画面、図左はTeamViewerで見るサーバーPC側のRemoteUtilityとLANIO(IP接点リモコン)操作画面。


周辺機器の起動と連動
@ATU(Windom)電源…IC-7300のDC13.8Vを利用しています。RS-BA1の制御画面の無線機電源に連動します。仮にATUがハングアップした時はこの電源を再投入して回避できます。何らかの理由で電流容量(1A)に余裕がない場合はIC-7300内(上蓋内基板右端)のヒューズを1.5A程度に変更します。
Aアンテナ/ダミー切替…これも無線機電源に連動します。電源OFF時はアンテナ切替箱(PORT0)で無線機はダミーロードで終端されています。電源ONでアンテナ切替リレー箱のPORT1(Windom)を選択します。10MHzと50MHzのみ、バンド情報(icom電圧検知)によりアンテナ切替リレー箱でそれぞれPORT2とPORT3が自動選択されます。リモートシャックでダミーによる保守を行う場合は、アンテナ切替箱のDC13.8Vを断にします。
Bリニアンプ切替…発電機を起動したLANIO制御画面のリニアアンプON/OFFで動作させます。このON/OFFはSSRで電源のAC100Vを制御する方式です。またHF/50MHz切替は、リニアアンプ切替リレー箱により、HF(リレーブレイク)はHL-2.5KFXで、50MHz(リレーメイク)切り替えます。切替情報はアンテナ切替と同様に50MHzバンド情報によります。またHL-2.5KFXのバンド切替はIC-7300のCI-Vデータに連動します。


リモートデスクトップ機能を準備
@サーバーPCの動作状況を確認するためにリモートデスクトップソフトTeamViewerをサーバー側とクライアント両方にインストールする。サーバーPCの再起動を行ったりLANIOの通りが悪い時に直接サーバーPCでLANIOを制御することも可。
Aリモートデスクトップ機能はWindows付属のソフトでも良いが、設定はTermViewerが格段に容易。
BサーバーPCのRemoteUtilityやRemoteControlをTermViewerで直接操作(ローカル操作)することが出来る。
C最終SWR/POWER計とアンテナローテータ制御機など、機器収容箱の内部を撮影するWebカメラを設置(クライアントPCへUSB接続)し、リモートデスクトップで監視する。
D不測の事態(PC再起動や設定変更)に備えて日常的に用意しておくと便利(必要不可欠になる)。


運用
@RS-BA1の運用にはRC-28が必須。クライアントPCへUSB接続すると、周波数制御、送受信制御、モード等のプリセット4つが可能になる。
Aリニアアンプの起動はLANIO画面のON/OFFで行う。50MHzアンプは真空管の予熱時間が3分程度かかるので注意。バンドはIC-7300のCI-Vのバンドデータに基づいている。
Bアンテナの切替は、IC-7300のバンドデータ(バンド電圧)に基づいている。50MHzと10MHzのみそれぞれHB9CVへ切替わるが、その他のバンドは逆V-Windomに切替わる。アンテナの組換えは出来ない。
CアンテナローテーはをLANIOのCW/CCWボタンで行う。方角モニターは機器収容箱に設置したWebカメラに依存する(前項参照)。
DCW運用はRS-BA1内のKeyerで行うキーバードキーイング。とっさの対応が出来る様にマニュアルKeyも検討中。
ERC-28を使用する場合であっても、RS-BA1の設定で「送信」をキーボードの「SPACEキー」等に割り付けると使い勝手が良い。


保守
@発電機の燃料…全負荷(2.6kVA)時の燃費は1時間/1リットル。外部燃料タンク=45リットル、発電機内臓タンク=7リットル、合計52リットルあり、通常の運用で2昼夜以上の連続運転が可能。
A発電機オイル交換…50〜100時間の運転を目途に交換(500CC)する。
B機器バッテリ(150Ah)…未定(様子見)
C発電機始動バッテリ(40Ah)…5年
D太陽光パネル…未定(様子見)
E発電機無線リモコン電池…未定(様子見)
F台風通過後等…随時、装置確認、倒木等進入路確認
Gガソリン…JA-SS(出光系と思われる)が季節を通して一番始動性が良く、2017年5月以降これ1社に決定した。
Hプライマリポンプ…給油後これを使い、外部タンクから内部タンクへ燃料を送り、内部タンクの空気は最少にする。