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マルチメーターの分流器Rs(シャント抵抗)と倍率器Rm(マルチ抵抗)の計算
電流計はDC500μAフルスケールとします。最初にデジタルテスターのΩレンジで電流計の内部抵抗Riを測定します。一般のテスターでは測定電流が多く電流計がスケールアウトしストレスを与えますので注意します。
図1:分流器
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i=is+im・・・・・・・・@
is・Rs=im・Ri・・・A
@Aから
Rs=im・Ri/is=im・Ri/(i-im)
ここでim=500μA、Ri=225Ωを代入
Rs=0.0005・225/(i-0.0005)
レンジ(i)に対応したRsを求めると
i=500mAならRs=0.225Ω
i=50mAならRs=2.273Ω
i=5mAならRs=25Ω
従ってIg用には25Ω、Isg用には2.3Ωが適当と言える。
図2:倍率器
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Hv=i(Rm+Ri)
Rm=Hv/i−Ri=5000/0.0005−225
≒10MΩ
なお電流計については、あらかじめ既知抵抗R(例えば1Ω)に流れた電流による電圧降下を、倍率器を通して電圧計として読む方法があります。但し、この方法は一箇所の測定に抵抗2本が必要になるばかりか、小電流と大電流でR値と倍率器値の両者を吟味する必要があります。例えば内部抵抗Ri=225Ω/500μA(FS)の電流計を1mAで使いたい場合、電流が倍だからRi相当の分流器のみでOK・・・と簡単な計算になりません。