HP8657D/JとURM-25Dの高調波と2波合成等をみる(Jul 23, 2009)

HPのSG、8657Dが先月やってきた。早速に電源を入れスペアナR4131Aでスペクトラムを見る。分解能が1KHzなのでとても近傍の分析は出来ないから10MHzの高調波成分を見てみた。単身赴任先まで持ち込んだもう一つのSG、URM-25Dも3年振りに電源投入し同様に見てみた。また両者の2波合成によるツートーン特性を14MHz帯で見てみた。やや思いつきの感ありスペアナの設定に統一性が無い部分があるがご容赦を・・・。
HP8657D

右はHP8657Dの高調波状況。スペックは2次で-30dB以下らしい。ここでは約-40dB程度とれており問題無さそうだ。このSGは高調波より近傍のスプリアスの低さが売りの製品らしい。しかしスペアナの分解能が1KHzで、かつ表示レンジが80dBしかないので、その売りを確認する術がない。高安定化オプションが追加され周波数安定度は極めて高く、ラジオ放送局との周波数ズレは感じない程だ。目的周波数が目的レベルで取り出せ見事である。



URM-25D

右はURM-25D(別名SG-85)の高調波状況。真空管式でTCXO制御のシンセサイザSGには太刀打ちできないが、アナログ操作できるのが嬉しい。フロントパネルにCALIBRATEDシールが貼られ、そこに12Nov71とあり歴史を感じる。何と38年前の校正だ。
このSGには出力に関するVRが2個あるが、調整すると写真の様に2nd高調波を激減させる事が出来る。最大出力0dBmを得る事が出来るがその場合は歪みの増加を伴う。



HP8657D & URM-25D

試しにHP8657DとURM-25Dの出力をU-PAD(HYB)コンバイナで合成しツートーン波形を表示してみた。周波数は約14MHzで周波数差は±20KHz。レベルは合成ロスがあるがシングルトーンで-20dBmを表示させた。近傍がやや賑やかに感じるが、IMDはノイズレベル近くまで落ちているがこんなモノ?。ミキサのIMD特性を見るのに何とか使えるか・・・。過去データと余り変らない様にも見えるが、実はスペアナの設定を揃えるのを失念している。



HP8657D & URM-25D

ポンコツ・スペアナを最大分解能力にして(RBW:1KHz/Span:200KHz)HP8657D(左)とURM-25D(右)のシングルトーン近傍の様子をみた。1KHz幅以下の状況は望むべくも無い。両者共±17KHz付近に妙なスプリアスがあるが・・・これって何?。うーんもう少し分解能のあるスペアナが欲しい。レベルはURM-25Dの最大出力(約0dBm)にHP8657Dを合わせた。シングルトーンに自動トレースさせている。


HP8657D & HP8657J

その後HP8657Jを入手する事になり、HP8657Dとの2波混合を上記と同じ条件で実施し測定してみたのが右の写真。
上記のHP8657DとURM-25Dとの混合の場合に比べて幾分かは良好に思えるが、ここまでくるとスペアナのDレンジの狭さや残留ノイズレベルの影響もあり良く分からないのが実態。
本当のIMやノイズレベルは-80dBm以下にあると思われるのだが…。-20dBm以上の入力を加えると3次IMDが顔を出してくる始末で、本当にポンコツスペアナである。外部ATTを利用してレンジを拡大してみる手もあるが、スペアナ表示上で全ての条件を語れないので信憑性に欠ける。
適当にポンコツであることが、測定器や測定方法に対し疑いを持つ目を育ててくれていると妙な自己満足を展開している。
上の写真は、早る気持ちを抑えきれず到着したHP8657Jに電源を入れHP7657Dと混合してスペアナ表示している様子。両者とも高安定回路が組み込まれているが、片方の基準出力でもう片方をロックすれば完全な同期運用が可能である。

左はHP8657J/HP8657Dに475とR4131A。下左はHP8657D高安定出力でHP8657Jをロックさせ、両出力を475でXY表示させたもの。周波数1MHzでレベル-20dBm、475入力で50Ω終端。ロックタイミングでリサージュ波形が変わるが動きは完全停止。下右はロックを外した様子。高安定入力は10MHzなので、GPSの高安定信号を使えばルビジウム級安定度(2×10E-12/100秒)が家庭で得られる。希望だが相互のロックタイミングが調整できると嬉しい。



HP8657DとHP8657Jの主な違い   「π/4 QPSK」モードの発振可能周波数が、HP8657Dは800〜960MHz、HP8657Jは1800〜2000MHz。