(株)T&Dのサーモレコーダーが便利です。PCへのデータ取り込みと表示がRS-232C経由でできます。
Sampler:高周波抵抗による分割型で、RFを受信機レベルまで減衰させます。本来なら反射電力を嫌って方向性結合器を使うのですが、ダミーでの測定ならこれで十分です。
DummyLoad:電力に見合い、かつ低SWRの物を使用します。
Oscilloscope:垂直入力が目的周波数を満たしているものを使います。SSBのツートーンやCWのキーインイング波形を見ます。
SpectrumAnalyzer:手持ちのスペアナはFM用で分解能が低いため、SSBのIMDは見れません。高調波や寄生発振の確認をします。スペアナにも色々ありますからご注意を。
DirectConverter:SpectrumAnalyzerの分解能不足をこれらのツールで補います。Information欄のPc-Rxがその正体です。
Att:DirectConverterの入力レベルを歪まない範囲に設定します。
PC-VFO:米ByteMark社のソフトとISAユニットです。PCに内蔵されたPC-VFOjrユニットの出力で、受信周波数に数KHzのオフセットを付けます。
WaveAnalyzer32:斎藤滋樹氏作のシェアウェアソフトです。オーディオFFTアナライザーで、これによりDirectConverterのオディオ出力の周波数スペクトル表示をします。
コメント・・・DirectConverterのオーディオ出力は、原理上0Hzを境に反対側のサイドバンドが折り返し、目的のサイドバンドと輻輳してしまいます。これを避けるために、局部発振器に周波数オフセットを与え、両サイドバンドがオーディオ周波数で重ならないようにします。
こうして処理された信号をFFTアナライザにかければ、周波数方向にきちんと並んだ歪み表示が可能となります。
周波数変換を重ね、帯域の異なる伝送系を経る通常の受信機と異なり、たった一度の変換で、しかもIF回路のハンプ等もありませんから、かなり精度の高い歪み測定が可能です。
ただ、サウンドカードへのアナログ信号の接続は、グランド回路を考慮しないとHumやPCのクロックノイズの飛び込みに悩まされます。伝送は極力平衡伝送とし、サウンドカードの入力で不平衡にすべきでしょう。
Information欄の「GU-74B/50MHzアンプ」の測定データやTest&Data欄の「IC-756オーディオ出力」データは、以上により得られたものです。