TL-922の入出力リレー(RL-1)の改善(Sep 04, 2012)

TL-922の入出力リレーはOMRONのMM2/DC100Vである。MM2はメーカー資料によると15Aの電流容量があるものの、動作時間は50ms以下、復帰時間は30ms以下となっている。やはり小型リレーに比べ動作が鈍い。
並列動作するRL-2(DC100V)はバイアスとランプ表示の切替を行うが、こちらは構造やサイズから見て動作時間等は後述するLY4と同等と思われる。
RL-2はRL-1より動作速度が速いため、RL-2でアンプ動作が開始してもRL-1のRF入力・RF出力が繋がらない矛盾した時間帯が発生するが、TL-922はもとよりこの状況を対策する回路を設けていない。
そしてMM2は大型であることで騒音も大きい。更に接点剥き出し構造のため空気にさらされると接点の酸化を招き、特に受信側(ブレイク)接点で接触不良を起こし易い。
そこで、やや小振りながら樹脂ケースに収まったLY4/DC100Vを交換投入する。LY4の動作時間と復帰時間は共に25ms以下。
写真左は、RL-1をMM2/DC100VからLY4/DC100Vへ変更し、同軸もテフロン同軸RGU-400に変更した様子。右下のドアノブコンはLY4とのクリアランス確保のため約10mm奥へ移動している。
SWRはブレーク側でSWR=1(50MHz)であったため、特に補償は行っていない。この数字はMM2ではなし得なかった数字。

RL-1はソケットを利用しているがシャシへの固定は行っていない。その代わり、入力π回路の貫通端子へソケットを直に半田付けしている。
RFメーター信号は、減衰抵抗R11/68KΩでリレーから取り、追加した貫通端子で取り出し検波回路へ導いている。リレー交換はこの2者の半田付けを外すことで容易に実現する。
TL-922はご丁寧にスタンバイとオンエアのランプ表示をリレーで切替えているため、送受切替えに4回路必要になる。3回路で済めばこのリレーに統合できたのだが・・・ランプのことを失念し叶わなかったHi。
写真右はLY4と同軸処理の様子。リレー4回路の内2回路をパラって出力用に、1回路を入力用に、間の1回路は空きにしている。入出力の結合を嫌い空き回路を接地する手もあるし、上述のようにスタンバイ目的にも使える。
同軸のシールド側は入力コネ・出力コネ・π出力の3社をリン青銅板で括り半田付け。むやみに接地して同軸関係を崩さない方が懸命。π側シールドもリード線式処理ではなく直接地する。
スタンバイ時ブレーク経路のSWRは無補償でSWR=1(50MHz)。当然送信側も改善されている筈。交換によりV3(DSA-301L/SergeSuppressor)は撤去。
以上により送受切替えタイミング、リレー騒音、接点接触不良、不用輻射が大幅に改善され快適な運用が約束される。