「真空管用電源装置PS-2」の不具合対策

真空管用電源装置PS-2と称する実験用電源が転がり込んできた。早速に電源を入れたがウンともスンとも言わない。
上蓋をビスで固定してないので嫌な予感がしていたが案の定。ヒューズホルダを開けると空っぽ。これも可笑しい。代わりのヒューズを入れて電源を入れると一瞬にして溶断。10Aもあるヒューズが飛び散りガラス管内側に蒸着するほど。これを3回ほどやった結果ようやく中を覗く気になった。
この電源はB電源用と整流平滑回路、及びC電源用&ヒーター電源(A電源)用トランスと平滑整流回路がある。其々の整流回路以降を切り離して様子を見るが依然として状況は変わらない。次にB電源用トランスの1次側を切り離し、C電源及びヒーター電源用トランスのみにしても状況が変わらない。これだぁと言うことでトランスの状況をさらに詳しく見る。
このトランスは、100V:80V/0.1A・5V/1A・6.3V/2A・12V/1Aの構成で80V/0.1Aを整流平滑してC電源出力とし、他は直に出力している。調べると80V/0.1A巻線が内部短絡状態で直流抵抗で0Ωだった。

トランスの取り出し
早速このトランスを取り外した。外見上は全く問題なく、匂いもない。ヒューズの溶断状態から見て80V巻線は相応のパワーを有していると思われる。
昔なら自分で分解もするだろうが、そこまで気力が無いので関係サイトを調べ以下の対応をとる。

@伊勢の西崎電機へ修理又は新規製作した場合のコスト打診
・・・修理より新規製作の方が安く\5K弱(送料別)
A製造メーカーであるナリカ(旧中村理科工業/株)のサポートにトランス購入の可否を打診
・・・\6.5K(税別・送料込み)在庫有りで即納可

何故修復に拘るか・・・それは友人の「SgやCg電源に使えるね!」の一言。よせばいいのにと思いながら手が動いてしまうのはラジオ少年だから。ちなみに不良トランスの絶縁紙を剥ぎ取ると中に焼損痕があった。

凡そ半年後Aで入手し実装し修理完了となった。写真はPS-2内部の様子と取り外したトランスのスナップ。良く見ると交換実装した物(内部の最左)は、VAは同じだがやや小振りで、取り付け穴スペースが短かった。このため締め付けナットは板ナットを使用し、トランスの取り付け部(片方)を押さえ込んで固定している。