太陽誘電のVCO「YU-0901A」をテストする(Nov 16, 2009)

YU-0901Aの思い出
もう四半世紀以上も前の事で記憶も曖昧だが、1983年頃上京した折に秋葉原で太陽誘電のVCO、YU-0901Aを2個買い求めた。
今となっては買った店も値段も思い出せないが、部品箱を覗いていたらこのYU-0910Aが当時のまま2個出てきた。
YU-0901Aは数字が示すように900MHz帯を発振するVCOで、バイアスにより2つのバンドを切り替えることが出来る。
当時はこの周波数帯を確認する術が無く、せいぜい100MHzオシロスコープ程度しかなかった。面白そうなので入手したけどその後が続かなかったのだ。
しかし、何とか高い周波数を獲得したいとする当時のややハングリーなアマチュアスピリッツを感じ取れないだろうか・・・。
そして現在、GHz帯まで確認できるスペアナやワイドバンドレシーバー等がシャックの中に存在するようになった。
それではと、電源をつなぎ出力を見てみようと重い腰が上がった。ところがデータシートが見つからず行方不明。
しかし世の中便利になった。インターネットでそれを探せる時代になった。関係サイトにリンクを張らせて頂き以下の如く概要を紹介したい。
写真は四半世紀振りに部品箱から取り出したYU-0901Aのツーショット(裏表)。

通電してみる
左は12Vを加え、制御・バンドPin接地で発振させたスペクトラム。2HGzスパンで中央が1.5GHz。電源をつなぐだけで勢い良く発振する。暫くして筐体を触るとほんのりと暖かい。下方にスプリアスが見え2nd高調波は-15dBc程度ある。右は基本波の拡大。レベルは+5dBm程度と比較的大きい。

内部回路図・・・JA3KPAさんのサイトへリンク及び転用させて頂きました。
ピン番号図・・・KEN無線電子さんのサイトへリンクおよび転用させて頂きました。

左はMiniCircuitのPOSシリーズ等も併記された中から、YU-0901A部分を切り出させて頂いたもの。

定格・・・Vcc:12V、Icc:50mA、発振周波数:890〜992MHz、出力:約10dBm(?実機では+5dBm)、発振:ストリップライン方式 制御電圧:1〜16V、バンド切替:GNDでHighバンド、VCCでLowバンド

制御入力に音声を入れるとFM-Txになる。逓倍かヘテロダインすればマイクロ波のFM-Txが出来てしまう。
PLL制御すれば水晶発信機並み安定度の900MHz帯発信機が出来る。
幸か不幸か高調波レベルも2ndで-10dBm程度あるから、逓倍して取り出すことも簡単だ。
また鋸波で制御すればスイープジェネにもなりトラッキングジェネも容易だ。
当時もそんな事を考えていたのだろうか・・・。