2006年7月18日

蜷川作品は、「タイタス・アンドロニカス」に続いて二度目。

◆内容◆
ジョヴァンニとアナベラは兄妹ながら、愛し合ってて、一線を越えちゃうわけですよ。
でも、それってキリスト教の世界では禁忌なわけで。
いや、どの宗教だって、近親相姦は禁忌ですな。
しかも、子どもまで出来てしまって。
で、二人はその罪を背負いつつ、宗教によって救いを求める。
しかし、その罪は宗教によっても洗い流されることはなく、破滅へと向かっていくんだよね。
色んな人間関係があり、色んな憎しみの感情が交錯して。
みんながそれぞれ破滅にむかっていく。
これからご覧になる方がいるといけないので、かなり簡易だけど、内容はこの辺でやめておきます。

◆主な出演◆(敬称略)
三上博史(ジョヴァンニ)
深津絵理(アナベラ)
谷原章介(ソランゾ)

◆感想◆
眠くてさぁ、芝居観ながら眠くなっちゃったらどうしようかと思ったけど、全くその心配なかったね。
ストーリーに引き込まれちゃった。
すっごい集中してたと思う。
たるいシーンないし。
前回観た「タイタス・アンドロニカス」で、血みどろの復讐劇だったけど、それとは違うどろどろさがあるもの、「タイタス〜」より見やすい舞台だった。
人間関係はややこしいし、細かいことを考え出すとわかりにくい部分もあるかもしれないけど、大筋はわかりやすい。

近親相姦の話だけど、いやらしくないの。
むしろ、三上さんと深津さんの兄妹が美しいんだよ。

三上さんの情熱的なジョヴァンニがすごく素敵だった。
熱い芝居をする役者さん、好きだ。

深津さんがこういう役をやっているのを観るのは初めて。
TVとは全然違う。
そもそも、声の出し方も違うし。
可憐だった。

そして、谷原さん。
かっこいい、っていうより、美しい。
エレガントです。
四季の石丸氏も生まれながらの王子だと思うけど、谷原さんもそう見える。
なんていうか、ほんと、貴族ですよ。

その谷原さん演じるソランゾが、深津さん演じるアナベラへの怒りをあらわにして、感情を大爆発させるシーンは、ほんとすごかった。
ソランゾとアナベラの感情のぶつかり合い、すごかった。。。
一部を除き、みんなそれぞれにネガティブな感情を抱いてるんだけど、それでも、嫌いな人物っていなかった。
多分、それは、登場人物一人一人の感情がすごく伝わってきたからだと思う。
それに、彼らの感情って、多かれ少なかれ、誰の中にもあると思うんだよね。

加えて、やっている役者さんからの熱も伝わってきて、エネルギーをもらった気がする。
これだから、やめられないんだよねぇ、観劇。

◆カーテンコール?◆
章介さん!
客席に向かって親指立てたポーズは何?
そしてガッツポーズ取っていた。。。
お茶目さんだなぁ。

◆お席◆
中二階で、舞台にめちゃくちゃ近い席だった。
見切れるシーンはあるんだけど、それでも、1階で遠い席より、ずっとよかったと思う。

誘ってくれた友人に大感謝の一夜でございました。