2006年5月18日

木曜日の「も」は物憂いの「も」。

そんな物憂い木曜日に、友人に誘われて舞台を観てきた。

◆演目◆
 最遊記
 (同名漫画が原作らしい。)

◆団体◆
 AXEL
 (男子ばかりの演劇ユニット。これが第6回公演だそうで)

◆会場◆
 シアターVアカサカ

◆内容◆
三蔵/悟空/悟浄/八戒の4人が天竺へ向かうという点は本家「西遊記」と同じ。
ただし、物語の世界観は、「西遊記」とは異なる。
三蔵は金髪で、銃ばんばん撃ちまくったり、タバコなんか吸っちゃうかなりのなまぐさ坊主だし、悟浄は赤の長髪!しかも女ぐせが悪いという設定だし。
要は4人とも無法者なんですわ。
見た目、みんな人間だしね。

まぁ、そんな彼らが悪い妖怪共を倒しながら、成長しながら天竺へ向かっていくわけです。
戦いは妖怪だけでなく、時には自分自身(ハートの部分ですな)だったり。
根底のテーマとしては「ひたむきな生」だって。

◆感想◆
この演劇ユニットは演技集団として独特の世界を持っているようで、私はそれに馴染むまで1時間以上かかっちゃいましたよ。
つまり、ちゃんと物語に乗っかれたのは、2幕目から(;^_^A
偉そうなことを言うようかもしれないが、台詞回しはそれほどうまくはない。
が、一人一人が、一生懸命に各々のキャラを確立しようとしてた感がよかった。
(たまに、「本人」が見え隠れしちゃう役者もいたけどね。)
特に、4人の行く手を阻む悪役をやっていたうちの一人(清一色役の長谷川友紀(トモキ)氏)は一際キャラクター性が感じられてわたし的にはかなり好感度高し。

前にも書いたことがあるけれど、役者自身が感じてることが伝わってくる演技が好きで、今回のそれは伝わってきた、というか伝えようとしてた、と思う。

特に舞台において、なぜだか私はヒール役が好きだ。
悪役が悪役たるゆえん、つまり、「なぜ」そうなっちゃったか、バックグラウンドに、そうならざるをえなかった理由を見いだすのが好きなのだ。
最近はそれに加えて、ただただ悪いヤツよりも、そこに哀れと思わせる何かがあるとなおいいと思っている。
悪は悪に撤すればいい場合もあるけれど、その結末が哀れであればあるほど、シンパシーを感じるというかなんというか。
ま、現実の世界で自分がそれを体感するのはいやだけどね。

昨日は初日(実際は前日に追加公演があったためほんとの初日ではなかったのだけれど)だったので、「初日イベント」なるものがあった。
メインの4人を本役以外のキャストがやってみせるというもの。
ある一つのシーンをチーム分けして3組がそれぞれ演じてました。
ほぼギャグになってました。
ま、それがおもしろかったんだけど。

◆気になったこと◆
よくあることだが、後ろの席の人が、うるさかった。
こしょこしょとおしゃべりばっかりしている。
今回はまぁ、私にとってはアウェイな舞台だったので、気にしないことにした。

が、いつもと違うことがあった。
何が可笑しいのか知らんけど、しょっちゅう笑っているのだ。
笑うべきシーンではないのにもかかわらずだ。
舞台上では、「おい、大変だぞ。」というような状況なのにも関わらず、くすくす笑っている。
幕間に話している内容を聞いていたのだが、彼女らは相当なファンのようだ。
ま、原作のファンなのか、彼らのファンなのかどっちかわからないけどさ。
いずれにしても、ファンなら余計に静かに黙って観るもんじゃないんかね?
よくわかんないけど、「自由人」だったなぁ。
うん。
あまりに度を超していたので、彼女らのその行為がおかしい、というか、びっくりで、友人と無言で顔を見合わせちゃったりして。
色んな人がいるものです。

◆総評◆
とても楽しめた。
次の公演も観てみたいと思えたし。

◆おまけ◆
お腹が空いて仕方がなかったので、近くでちょこっと飲んで帰りましたとさ。
おいしかったー。