皆既月食終了時に、再び月が輝く瞬間にあたる太陽光線は、地球の大気圏上空 高度何kmを通過した光だろうか    menuへ
 皆既月食で、隠された月が、再び輝きだす瞬間は、とても感動的です。この瞬間の太陽光は、地球の上空何kmを通過して月に当たっているのでしょうか。おそらく太陽光は、地球の厚い大気圏の上を通過していると考えられます。流星が大気圏に突入して光を発する高さは、100km辺り、夕日の光の散乱による薄明が起こるのは高さ80km位まで、対流圏の高さは10km位といろいろ言われています。どの辺りを通っているのか興味のあるところです。地球には大気があるため月に映った地球の影は、輪郭がぼやけています。そのためハッキリ何kmとは決まらないと思いますが興味のでたところで調べてみたいと思います。

 

1953.7.26の皆既月食のデータ

半影食始

欠け始

皆既始

食の最大

皆既終

食終

半影食終

18:35.9

19:32.5

20:29.9

21:20.6

22:11.4

23:08.8

0:05.3

 1953年7月26日の皆既月食は、最近の65年間で太陽-地球-月が、最も一直線に近く並んで起きた月食です。この時のデーターで計算してみましょう。光の通過する高さをふくめた地球の半径の大きさを月から見た角度Xとします。 
 従って、再び月が輝き出す時に月から見た大気圏を含む地球の半径の大きさは、
1.0135度

1.0135×2÷0.5443×1738=約6472km

これから地球の半径6378kmを引くと

6472-6378=94km 光の通過した高さは、94km

 一応94kmとでました。太陽ー地球ー月の並び方には、ほぼ一直線ですが微妙なずれがあり、大気層にも常に流れによる変動があります。また、大気による散乱の起こる限界高度は、約80kmです。これらのことや誤差を考えると、太陽光は、およそ地球上空80数km〜90数km以上を通過して月に当たっていると考えられます。

(2000年10月)

 menuへ