1975年ごろ、ヘロンの蒸気タービンを作ってみたいと思いました。しかし、金属球でつくるには加工が困難です。そうした時、ちょうど良く合うガラス管の組み合わせが見つかり、この蒸気タ−ビンを作ってみました。
4年生の「水の3つのすがた」の単元を教える機会に恵まれた時は、単元の最後にこの蒸気タービンの実験をして蒸気の力を演示してきました。点火してガラス管が蒸気を吹き出しながら回り出すとみんなびっくりし、歓声を上げて喜びます。眼では見えない蒸気の力を実際に示し、印象深く水蒸気の学習ができたと思います。
子どもの感想
一番面白かったのは、蒸気タービンの実験です。フラスコの中に水を入れてふっとうさせたら、急に回ってどんどんスピードが上がるのでとてもおもしろかったです。 小4 S.O
ぼくが一番よかったのは、蒸気タービンの実験です。水を入れてふたをしてしばらく待つとヒユンヒュンと回り出しました。先生が火を強めるともっと強く回りだしました。ぼくは、「この実験を自分でもやってみたいな−」と思いました。 小4 N.U
タービンが回るわけを考えてみました。水がわいて蒸気が出て、その蒸気の圧力で回っていると思います。くるくる回っているところがとてもおもしろかったです。 小4 K.O
先生は、おもしろいものを見せてくれた。蒸気を使いガラスの管を回す。見ているうちに目が回りそうだ。 小4 M.Y
とてもすごいのを見たと思いました。今度、自分でつくって回したいです。 小4 R.K
作り方 口径6ミリと4ミリのガラス管を用意します。或いは内側を真鍮の金属管にしても可です。上図のようにフラスコに細い方のガラス管をつけ、その上に太いガラス管をかぶせるように通します。(差し込んで軽く回ればよい。買う前に必ずうまく合うか確かめること。メーカーによっては合わないことがあります。)この太いガラス管は、図のように直角に二回曲げておき先端は、細くのばし加工しておきます。(ゴム管でつないでも可)これで出来上がりです。
動かし方
上図のようにセットします。ただ回転があがるとフラスコが倒れますので必ずフラスコを三脚に固定することが必要です。平底フラスコを使用しても固定は必要です。フラスコ内に、お湯を入れて熱するとはやく動き出します。
注意 ガラス管を曲げたり細くしたり加工する時、やけどしたり、手をガラスで刺したりしないよう注意しましょう。厚手の手袋等着用すると良いでしょう。
余り火力を強くすると回転が上がりすぎガラス管が徐々に上へせり上がってくるので注意が必要です。また、ガラス管どうしの隙間が多いと回転中、管のつなぎ目から水滴が垂れ、フラスコの底へ回ると割れる危険があります。常に見ていて、出て来たらゴム栓の上の水を布で拭き取ることが安全です。また、アルコールは、引火しやすいので気をつけましょう。
2001.3 記