ネタバレ注意……とらいあんぐるハート2をまだ楽しんでいらっしゃらない方、特に愛さんシナリオをクリアしてない方はネタバレ覚悟の上お読みください。「そんなのいやぁ〜」という方は先にゲームを終わらせてからお読みください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

”耕介の日記”より

 

俺と愛さんのおよそ10年ぶりの再会……これが俺たちの始まり。

俺の母親の妹(つまり、俺の叔母さんだな)、神奈さんが香港に旅行に行っている2週間の間だけのはずだった管理人代理のアルバイト。

そんな短い間の中で、四苦八苦しながらもなんとかこのさざなみ寮の住人たちに認めてもらい、今思うと本当にあの頃から、神奈さんが帰ってくるのを恨めしく思うほど俺はここの人たちを、俺の優しい従姉妹を好きになっていたんだろう。

最後だと思っていた日…

「…また来るよ。…会いに来る。知佳や美緒に薫、真雪さん、十六夜さん、そして、誰よりも愛さん。愛さんに会いに…きっと来る。」

「……耕介さん……」

なんてことをしてたんだもんな。

それがまさか、さっさと就労ビザに書き換えて向こうで屋台を開いていたとは…。

皆に帰れないことを伝えて俺に管理人を頼む以前に、俺の親にすでに連絡を取っていたとこをみるとありゃ絶対確信犯だ。

あとで聞いたことによると、香港に行きたかったというよりは香港にいる啓吾さん(美緒の親父さんだ)に会いたかったらしい。

そういや、いつだったかお袋が言ってたな、「あの子の後ろで銃撃戦の音がしてたけど、いったいあの子どこにいるの?」って。

いやはや…。ま、そのおかげで俺はここに残れたのだから、まったく文句はないのだが…。

 

正式に正管理人に昇格してから2年、いろいろあったよなぁ。

1年目

春…。

皆でお花見をした。俺がこのさざなみ寮に来て初めての花見。

はは、そういえばあの時愛さん完全に酔っ払って、お姉さんモード全快になってたっけ。

それに確か、はっきり愛さんと恋人になったのもこの時期だったよなぁ。

夏…。

夏休みの間、今は亡きミニちゃんを愛さんと二人で朝から晩まで必死に修理したよな。

まるで新品同様ぴっかぴかで一発でエンジンのかかるようになったミニちゃんに、愛さんはすごく嬉しそうに笑ってた。

そうそう、海にも行った。

予想通りというか、カナヅチだった愛さんと海岸をてぺてぺ歩いたり、水の掛け合いっこしたり…。楽しかった。水着の愛さんも見れたしね。

ま、あの後くらげに刺されるは、置いてった真雪さんたちにいじめられるはで、散々だったけど。

秋…。

そういえば、二人で公園で綺麗に黄色く染まったイチョウ並木を見に行ったときの愛さん作ってくれたお弁当。

あれはあらゆる意味ですごかった…。

味の素でオイスターソースおかかのお握り、すっぱい卵焼きに、紫色の物体…、なんとも独創的(というか、ある意味殺人的)だった。

あの時ほど、知佳と兄妹の関係を築いておいてよかったと思ったことはなかった…。

後で、真雪さんには「よく生きてたなぁ。」とかって、言われたし。

冬…。

雪の降った、ホワイトクリスマスだった。

クリスマスパーティーでは、ゆうひと美緒の捨て身のにゃんこソリサンタで皆で大爆笑だった。

普段あんまり大きく表情を変えることのない薫がお腹を抱えて笑ってたもんなぁ。

いや、ほんと楽しかった。

あの後、愛さんに手編みのセーターをもらったんだったな。前から少しづつゆうひに教わりながら編んでたのは知ってたけど。

ちょっと網目が不揃いのところもあるけど、愛さんの編んでくれたセーターは愛さんと同じでほんわかと暖かい。

そうそう、お正月には愛さんの着物姿もみれた。

想像どおり、よく似合っていて綺麗だった。

それにしても、真雪さんが着物の着付けをできるのには驚いた。ほんと、謎なお人だ…。

 

そして、俺がさざなみ寮に来て2年目がめぐる。この頃にはすっかり管理人が板についてきたように思う。

3月23日、愛さんの誕生日、そして俺の管理人1周年を皆が祝ってくれた。

嬉しかったが…、うぅ、あのときの騒ぎは思い出したくない…。

そんで、この春にリスティが入寮してきたんだったな。

今思うと俺たちとどう接していいのかわからなかったんだろう、寄ると触ると電撃をくらってたもんだ。

すったもんだあったけど、愛さんの心からの思いがリスティの心を開いたんだろうな。

今ではすっかりさざなみ寮の一員だ。

そういえば、あの頃だよなぁ、二人でまどろんでたとき、愛さんは俺たちの未来理想図を話してくれたっけ…。

「子供、ほしいな…。男の子と女の子二人くらいずつ…」なんて。

うーん、もう一人娘ができちゃったけど、やっぱり別勘定かなぁ?ま、期待に添うようにがんばんなきゃな。

夏、秋。

リスティを学校に行かせたり、皆でピクニックに行ったりといろいろあった。

そして、この冬…。ミニちゃんとの別れ。

あのでかいトラックとぶつかって、俺達二人ともかすり傷程度ですんだのは…、やっぱり、愛さんのお爺さんとミニちゃんが守ってくれたからだろうか…。

いまでも、ミニちゃんのハンドルについていたエンブレムはお守りとして愛さんが肌身離さず持っている。ミニちゃん2号も快調みたいだし。

そして、俺と愛さんの婚約。

あの夜、ベランダでの一部始終は今でも鮮明に思い出せる。俺達の大事な思い出だから…。

っていうのもあるんだけど、一番の原因は真雪さんの取ってたビデオテープ。

まさか、みんなが見ていたなんて…、みなみちゃんのくしゃみがなかったまったく気付かなかったかも。

うぅ、真雪さん言ってたな、「ここにいるうちは、お前らにプライベートなど存在しないのだ。」って。

どっかに盗聴器など仕掛けてあったりして…。まさかなぁ、でも、あの人ならありえるかも…。

う〜ん、今度知佳かリスティといっしょに調べてみよ。

 

 

とにかく、俺と愛さんはこの大切な『家族』と共にこれからも過ごしていく。

これから先、いろんな出会いや別れがあるだろうけど、きっと二人なら大丈夫。

俺は愛さんから離れるつもりはないし、愛さんもきっとそうだと思う。

先のことはわからないけど二人でがんばっていこう。

心の触れあいを大切に、触れあった思い出を忘れずに、このさざなみ寮で…。

 

 

to be continue .........