新世紀エヴァンゲリオン

〜美形〜

翳李

「・・・・なぜ？」

最近シンジはどこにいても数多くの視線を感じる。

街を歩いていれば、道行く人は振りかえり。

公園でベンチに座り読書をしていれば、いつの間には女の子に囲まれている。

そして、今も。

教室に来るまで感じる視線。

教室に入ってからも感じる視線。

「・・いったい・・これは・・なに？」

頭を抱えて机に突っ伏した。

そこに、カメラを持ったケンスケと真っ黒なジャージを来たトウジがやってくる。

「おい、どうしたんだよ碇？」

「どないしたんや？」

「ああ、ケンスケにトウジ。なぜか最近どこにいても、異様な数の視線を感じるんだ。はぁ〜」

・・・・・・・・・

・・・・

ケンスケとトウジは沈黙した。

き、気付いてないのか碇は。

「おい・・・それ本気でいってる？」

「もう、本気も本気。一体どうしてだろう？」

この鈍感やろ〜！！！！

ケンスケ、トウジの心の叫びだ。

「お前、自分の顔見たことある？」

「毎日見てるけど。それが？」

「自分が、類稀なる美形だって気付いてる？」

「はぁ？僕が美形？」

もう、全く持って気付いていなかったシンジ。

「だめや、ケンスケ。わかっとらんみたいや」

「そうだ、トウジ。耳をかせ」

こしょこしょと話しをしている二人。それを不思議そうに眺めているシンジ。

「おお、おもろそうやないけ」

「だろ！よし、碇耳貸せ」

素直に耳を貸すシンジ。

こしょこしょこしょ。

「ええ！そんなの出来ないよ！！」

「バカ！声がでかい！」

「そや！いいからやってこい！」

背中を強引に押されて、席を立ったシンジ。向かった先は。











「でね、まったくバカシンジが・・・」

「ええ！うっそ〜！」

ヒカリと一緒にシンジの話しに花を咲かせているアスカ。

トコトコと歩み寄るシンジ。

それに気付く二人。

「なによ、バカシンジ」

「どうしたの、碇くん」

とても同じ女の子とは思えない言葉遣い。

「ほ、洞木さん・・・・お話があるんですが・・」

なぜか丁寧な言葉遣いになってしまうシンジ。

しかし、その言葉の効力はあまりにも大きいものだった。

「「「「なぁにぃぃぃぃっぃぃぃぃぃぃぃ〜〜！！！！！」」」」」

もう、学校中の女子がほとんど叫んだに近い数だ。

んで、一番びっくりしているのは、そこにいたヒカリとアスカだ。

「ど、どういうこと？」

ちらちらとアスカを見ながらヒカリがいう。

「そ、そうよ。どういうことよ！」

「・・・う・・・」

かなりの数に詰寄られているシンジ。

トウジとケンスケはそれを遠くから見ていた。

「予想以上だな・・」

「・・・・・・」

「どうして、どうして私じゃないのぉ〜！！」

とうとう叫び出して泣き出す子や。

「やめてぇ〜！！」

現実逃避しているもの。

もう大パニック。

「さぁ、いいなさいよ！バカシンジ！」

・・・・・にげちゃだめだ・・・

何年かぶりにいった言葉。

がしっ！

いきなりヒカリの手をつかむシンジ。

「ほ、洞木さん！」

「は、はい！」

緊張しているシンジと同じようにヒカリも緊張していた。

「お、おいしい卵焼きの作り方教えてください！」

・・・・・・・・・どがしゃぁ〜ん！！！

もうあっちこっちでひっくり返る人々。

「はぃ！？」

ヒカリも予想外の展開に戸惑っている。

でも、一人だけ。

「まぎらわしい言い方するなぁぁぁぁぁぁ〜〜！！！」

ばちぃ〜ん！

どこからか持ち出してきた、はりせんでシンジを叩くアスカ。

「いたっ！なにするんだよアスカ。紛らわしいって何さ！僕は最初から美味しい卵焼きのつくり方を聞こうと思ってただけじゃないか！」

・・・・・・・・・しーん・・・・・・

「一体僕が何をしよと思ってたのさ」

「あんた、あの展開だったら１つしかないじゃない！」

「はい？」

「告白しようと思ってるみたいじゃない！」

「えええええぇぇぇぇぇ〜！！！！」

なぜか驚くシンジ。

「あ、あんたもしかして気付いてなかったの？」

「うん・・トウジとケンスケにやって見ろって。」

瞬間・・・トウジとケンスケは女子大勢に連行された。

「ああ、碇のばかやろ〜」

「うらぎりもん〜」

きえさった。












「んで、どうしてそんな展開になったわけよ」

シンジの机に集まって会議をはじめたアスカ、ヒカリ、シンジ。

傍聴席には、その他大勢の女性徒。

「・・・だって・・最近異様な数の視線を感じるんだ・・・どうしてかなぁ〜て」

・・・・・・・・・・・・

「そしたらケンスケが来て、僕のこと美形だって・・・美形ってなに？」

・・・・・・・・・

「いいから続けなさい」

こくり。

「それで、さっきのをやれば分かるって言ってたんだ。でも、わかんなかったけど」

「そう、そう言うことね・・・・」

「うん。でも、みんな大騒ぎだったね。」

にこり。

（*＾＾*）

天使の笑み炸裂。

「・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・」

それを真正面で受けたヒカリとアスカはぼぉーとしている。

「おお〜い。」

なぜか固まってしまった２人の目の前で手をふりふりする。

「な、なによ！」

「いや別に」

「それより、あんたもう一度自分の顔を見なさい。どうして視線を感じるかわかるわよ」

そう言って鏡を見せる。

それを受け取り自分の顔を見るシンジ。

・・・・・・・・・

・・・・

ぴくっ。

シンジが動いた。

「ああ！わかった！！」

「どうやら気付いたよ「みんなこれを見てたんだね！」」

アスカの声をさえぎり、シンジが自分のおでこを指差した。

「ああ、にきびができちゃってるよ。だからみんな見てたんだね。」

なっとくと鏡を返すシンジ。

・・・・・・・・・・

・・・・

「でも１つでよかった。しかし、みんなよくわかったね」

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・

ぴくぴく。

「うんうん。なるほど、これで疑問もか「解決してなぁ〜い！！！」」

こんどはアスカが叫んだ。

「なにさ、アスカ。みんなにきびが気になってたんじゃないの？」

「根本的に違うわ！！！いい、みんなあんたが好きなのよ！わかるわね！」

「ええええええ！！！嘘だよね！！」

周りを見渡すと。

胸に手をあてて、本当よ。と言った顔でこちらを見ている。

「洞木さんも？」

こくりと頷くヒカリ。

「もちろんよ。わたしの場合はお友達としてだけどね」

「アスカも？」

こくりと頷くアスカ。・・・っあ。

・・・・・・・・・・

「「「「えええぇぇぇぇぇぇ〜！！！！！！」」」」」

「アスカ本当なの！！！」

「・・・・・うぐ・・・」

勢いとは言え、素直に返事をしてしまったアスカ。

「・・・・・・・・」

「アスカ・・・・」

にぎりと手を握る。

「僕もアスカが好きだよ」

ぼっ！

顔が真っ赤になるアスカ。

こんな大勢の目の前で告白されるとは思っていなかったようだ。

「「「「いやぁぁぁぁぁ〜！！！」」」」

今度は本当の告白で大パニックになる教室。

その日の午後の授業は、すべてつぶれたと言う。

そこには、涙を流している女性徒と見つめあったままのアスカとシンジがいたとかいなかったとか。







ＥＮＤ

あとがき

翳「今日のゲストは・・・・アスカちゃんです！！！」

ア「いいかげんにしろぉ〜！！！！このバカ作者！！！！」

バチ〜ン！！

翳「いたぁっ！なにすんですか！！ハッピーエンドでしょ！！」

ア「そこはいいのよ！！問題はシンジの告白のタイミングよ！！」

ア「ムードも何もあったもんじゃない！しかも、あたしなんて勢いで告白しちゃったじゃない！」

翳「わがままヽ(´ー‘)丿」

タタタタタッ！！（逃走

プチッ！

ア「なんですってぇ〜！！！」

ドドドドドドッ！（追跡