讃岐日記 
うどん屋巡りの旅
讃岐日記1

高松への道 夜行高速バスって寝られない


1999年9月20日午後8時30分新宿発高松行き高速バスにて出発。
前日極東オフ第二会場近くのバス乗り場。
この日の新宿はお祭りでした。御神輿がでてこの都心の風景にはなんだか
余り馴染まず、気勢も余り上がっていないような・・・少し寂しげ
夕食は暫く食べられないと思われるラーメンを求めで少し歩いてお滝橋の
ラーメン二郎へ・・・むむむ。大盛りを食べなくて良かった。
私の方向とはずいぶん違ってました。武蔵が開いていれば良かったのに。

コンビニでビールと少しのお菓子と水とお茶を仕込み乗車。
夜行バスは若かりし頃の上高地探索の夜行日帰り以来だ。
バスは横三列の結構ゆったりの席・・・こりゃ寝れそうだ。安堵。
明日はばっちり走れそうだとお気軽モード。

いざ出発。バスの窓は遮光カーテンで覆われて外が見えない。
寝られるように環境が整えられている。
首都高速から中央高速へバスは進む。といってもまだ9時だよね。
いつもならやっと家に帰る頃。それから食事して、風呂入って、遊ぶ時間
ここ1週間は午前2時、3時まで遊んでいたわけだし・・・
寝れんな。こんな早くには。寿は酒に弱い。すぐに酔いが廻り眠くなると
言う特技が有る。これを実行してみる。なんだかビールがまずい。
そうさっきのラーメンのせいだ。ちなみに弱いくせにいつも飲むときは渇
いた状態を保って飲んでいる。だって旨いんだもの。
バスの中は少し暗い。10時が消灯時間なのでそれまでマルチチャンネル
の音楽をヘッドフォンで聴く・・・がめちゃくちゃ音が悪い。
脳味噌腐りそう。歪みだらけ・・・私のデリケートな耳を壊すのかい、損
害賠償請求するぞ!と怒るが声にはもちろんでない。
1つのチャンネルで落語をやっていたのでこれを聴く。
古今亭志ん生の「鰍沢」「仙気の虫」「紙入れ」をエンドレスでやってる。
実は寿庵は落語が好きである。←よくよくオジン臭い趣味ばかり、枕を聴
けばだいたい何の話に進むか位わかる。
ここでこれを1時間聴いてしまったのが敗因かもしれない。酔いが醒める。
だんだん夜が更けてくる。1回目の休憩の双葉サービスエリアで止まると
後は岡山まで止まらない。運転手の交代で数回止まるがお客はおりられな
い。(みんな寝ているはずということで)←俺は起きてる降りたい!!

運転手が変わると面白い。運転の癖があるのだ。いけいけでアクセル踏み
っぱなしの加速を感じさせる人と、ある程度のスピードで後は巡航を維持
する人と、ロードノイズの質が違うのだ。

バスの座席はいろいろ装備があってなかなか工夫されている。だけど最大
の欠点はうるさいのだ。もちろん走行音だ。お客は皆静かだ。
ほとんど話し声もないし・・・かすかにヘッドフォンのカチャカチャと漏
れるあの音。しかしーこの音気になる。まわりの3人が同じチャンネルを
つけたまま寝たのだ。それも相当大音量で漏れてる。1人でもうるさいの
に・・・この音朝まで聴いた・・・耳に紙を詰め込んでも聞こえる3重奏
ロードノイズのが大きいのに(強調ON)神経の細やかな(強調OFF)
寿庵は気が狂いそう。

それでもウトウト30分刻みで寝たり覚めたりして朝を迎えました。
午前5時頃岡山の何処だかで休憩があり外に出る。薄明るくなっている。
頭が重い。外で体操して体をほぐす。
この後運転手がテレビつけて天気予報やニュースを見せるが・・・気が狂
いそうに音がとぎれ、おとが歪む。また耳壊れそう。
天気は気になるがこんな時間に見たくないのでは?みんな寝てるぞ。

橋を渡って坂出到着。後少し・・・30分。
6時45分高松築港駅前に到着。やっと着いた。10時間15分。
お疲れ・・・今日のツアーは大丈夫か。体ヘトヘト。レンタカーの開くの
が8時、後1時間ある。
歩いて1軒目 「さか枝」を目指す。小雨の中第一歩を踏み出す。

讃岐日記2  第1歩 さか枝
讃岐日記2  第1歩 さか枝

頭のはっきりしない体を引きずりながらとりあえずレンタカー会社の場所
をチェックする。時計は7時少し前。
攻略本でチェック済みのさか枝は7時30分開店、見当では20分くらい
で着けそうだ。小雨のなかを歩き始める。座り続けの体を起こさなければ
・・・少し歩くと汗びっしょり。荷物はリックになるナイロンバック1つ
と小さいナイロンショルダー1つと紙袋1つ(おみやげ用)結構な荷物だ。
髭面で両手に荷物・・・結構怪しい。暑いから首にタオル。
もう色気は無い。←もともと無い。

歩くこと20数分、見当をつけたあたりで道の反対に竹清の看板発見。
10時からだよね。半熟卵の天ぷらそそられているが・・・
角を曲がってさか枝発見。ちょうど7時30分到着。
もう食べ終わってシーシーしながら出てくるおっちゃんがいる。
店内に数人、おばさんに1玉と告げると温かいのか冷たいのか聞かれる。
朝一番だし、おなかのことも考えて温かいのにする。湯がいてどんぶり
に入れてくれる。天ぷらもある、これだなとおもってなんだか丸いのを1つ
乗っけて、幾らときくと¥230、一瞬?と思う。
そうだここ香川のセルフは嬉しい価格なのだ。
1玉¥150てんぷら¥80
東京なら駅そばも食えない。出汁をかけ、ネギ、ショウガ、ゴマ、天かすを
かける。すぐに食べたいのを我慢してとりあえずお約束のデジカメにて撮影。
お客はまばらだし、今なら迷惑ではないだろうと勝手に解釈。
おもむろに撮影してまずうどんをすする。
「ズズズー、ムニムニ」ふーん。
あつあつを期待したら意外とぬるい。温めが足らなかったか・・・
うどんはそれでも旨い。結構しっかりしている、あまり熱くないせいか。
2分で胃袋に収まる。香川で初めての讃岐うどんだ。
ジワーと嬉しくなる。とうとう香川に来たのだ。
落ち着いたところで店内を見回すと次々お客さんが来る。そして皆、大を頼
んで天ぷら頼んでずるずるうどんを食う。そしてさっさと片づけて店を後に
する。まずはセルフ1店征服!←征服とは言わんと思うぞ。
また高松駅前まで25分違う道を帰る。あちこちにうどんの看板とうどん屋
がある。ああ香川に来たんだなー。
レンタカーはロゴの予定がミラージュになっていた。一瞬不安が・・・
見たこともないなかむらのドラム缶が頭をよぎる。とりあえずレンタカー
なのでナカマニアにはなりたくない。
なんでもロゴは昨日事故ったということで、上のクラスを同価格でという申
し出。小さな声で「うどん屋めぐりするんですが、大丈夫でしょうか?」
?という顔でレンタカーの会社の方は怪訝顔。
「ああいいですと」私・・・問題はドラムだ。
さて時間は8時少し過ぎ、SANUKIUDONさんこと宏さんの所へ向かう。
その後はいよいよ本格うどん行脚だ。しゅっぱあーっ!!

衝撃のうどん編その2へつづく。





讃岐日記3 
笑劇 寿庵 赤坂にて修行する。




高松をレンタカーで出発して陶(すえ)へ向かう。
32号線を左折してすぐに陶病院。
ここで今回いろいろお世話になる宏(こう)さんにお会いする。
宿泊先の手配やら巡回ルートのアドバイス等いただいている。
いろいろメールのやりとりでお人柄は分かっているつもりだがお会いするのは
はじめて、来意を受付で告げるとすぐにおいでになりました。想像どうりの若
々しい体格の立派な笑顔の素敵なおじさまです。←宏さんファンの女性の方へ
(結構多い女性)どうも私の目は寝不足で腫れぼったかったらしい。これは上
の人物描写とは関係有りません。
決して目が悪いわけでは有りません。←強調しすぎとちがうんか?という訳で
ご挨拶して徒歩2分の赤坂へ

赤坂にはお客さんは誰もいなかった。「食べられますかー」と聞くと「はいは
い」とおばちゃん。「出汁かね、醤油かね?」と聞かれて出汁でお願い。
これにお約束のネギをはさみでちょきちょき切ってくれる。
ずずずーと一口、出汁はいりこ(煮干し)全開・・・思わずむせそう。(失礼)
うーんこれはいきなりすごい出汁だ。
思わずさとなおさんの本「胃袋で感じた沖縄」山羊汁偏を思い出す。
うどんはつるつるヌルリンと柔らかい。赤坂のおじちゃんの話では赤坂のうど
んは柔らかいという。明日でも食えるという。何度暖め直して旨く食えるという。
昔から柔らかいのが良いのだという。もっとも私の理解した範囲の説明ですが、
讃岐弁なので理解、聞き取り不能の箇所が多いと思います。

赤坂で修行する

うどんMLの話や別府さんの話など伺っていると「うどん踏んでみるかね」とい
うことになり踏ませてもらう。
踏みながら自分もうどんやそばを打つという話をすると・・・
先日は九段一茶庵の方がうどん屋巡りにいらして赤坂で踏んでいったとか。(こ
のお店東京では超有名な蕎麦屋さんです。)オヤマア。
「誰が踏んでも同じじゃ」とおじちゃんは言いますが。
そのうち「暫く来れないだろうから、今度来るときはおっちゃん死んでると思う
から、うどんの作り方覚えて行け」と言うんです。
どひぇー、もちろん午前9時30分頃の話ですからお客さんは滅多に来ないし仕
込みは大半終わっているようだし・・・(その前に8玉ほど踏みましたが)
あれよあれよという間にたらいが出て来て粉を計って塩水入れて水回しから教え
てもらい、踏み、のばし、切りまで・・・
時には厳しいことまで言われながらも讃岐うどんを作ってきました。

これって大爆発です。九段一茶庵を抜いてしまった。(^^;)
「あんたがはじめてじゃ」とおばちゃんいいよりました。
午前、午後の予定は大幅変更となったことは言うまでもありません。
がすばらしい体験をさせていただきました。おじちゃん、おばちゃんありがとうね。
打ったうどんはいただいてきました。食べた分と粉代しか取ってい
ただけなくて300円でした。おみやげに持ってきたウエストのリーフパイでうど
ん打ち講座受講してしまいました。大爆発!!

おまけ
翌日の夜「讃岐でそば打ち会」の締めにそのうどんを茹でて自分で作った鰹ベース
の出汁で食べたら。アアタ旨いの旨くないの(どっちなんじゃい)旨いんです。
自分の出汁で食べる讃岐うどん実現してしまいました。
詳細はまたね。

続く