2003年12月の日記

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12月31日(水) 新宿のタワーレコードまで歩いて出かけ、“レコード芸術”とHISTORYレーベルのチェリビダッケBOXを買いました。寒かった〜!すっかり身体が冷えてしまいました。レコ芸1月号はレコード・イヤー・ブックが付録に付いてるのでありがたいです。レコード歴も長くなると、本誌の評論は読まなくなります。情報収拾だけが目的ですね。

 大晦日なのでベートーヴェンの第九でも聴きましょうか。一昨日の第九は食い足りなかったので・・・。取り出したのは、ヘザー・ハーパー(s)/ヘレン・ワッツ(a)/アレクサンダー・ヤング(t)/ドナルド・マッキンタイヤ(b)/レオポルド・ストコフスキー指揮ロンドン交響楽団。合唱はジョン・オールディス指揮の合唱団。

 第1楽章は早めのテンポで澱みなく進行します。バランス感覚にすぐれた指揮者だけに、整理されている上によく歌うこと。第2楽章のダイナミックな昂揚感も申し分ありません。中間部の“問題になる”木管楽器のメロディーにはホルンをかぶせて編曲してあるので、ちょっと賑やかしいかも。第3楽章はとても艶やかで美しいですね。

 いちばん違和感を感じるのは第4楽章ですが、芝居がかったレシタティーヴォは、この楽章をオラトリオか何かのように捉えたと考えれば納得できます。いい加減な解釈などではなく、ストコフスキーの世界として統一されているのです。“1人でも多くの人に分かってもらえるように”が彼のモットーなのですから。

 マッキンタイヤの力強いバス・・・いいなあ、この声は。(^^)日本人歌手が上手くなったとはいえ、その声は西洋人にかないません。声質も声量もぜんぜん追いつかないのです。このレコードは4人の独唱者、合唱ともたいへん優れたものでした。一昨日の第九は何だったんだろう?(^^;

 例えば、イタリア人はたいへんなお喋りで、その声の大きいこと!まるでオペラのようですね。日本人の子供をイタリアで育てたら、成人したとき、どんな声になるのでしょうか?オペラ歌手になれるかな?誰か実験してみてくださいな。(^^;


12月30日(火) 今年もいよいよあと2日で終わりですね。やり残したことを片付けてしまいましょう。というわけで、冷蔵庫の霜取りです。(笑)独り暮らし用の冷蔵庫なのでもちろん直冷式。製氷室には厚さ5cmの霜が凍り付いています。大気中の水分が凍ったものだから、純度の高い氷に違いありません。夏場なら何かに利用できるでしょうが、この寒さではねえ。(^^;

 ちょうど冷蔵庫の中が空っぽ(貧乏!)になったところだし、スイッチを切って開けっ放しにすれば、1時間ぐらいでゴチン!と外れることでしょう。レコードでも聴きながら待つことにしましょう。『乙女の祈り』と題されたピアノ小品集(東芝セラフィムAA-5080)は、ジャン=ベルナール・ポミエとティエリ・ド・ブリュンホフの演奏。

 ブリュンホフについては調べがつかないけれど、ポミエは1944年フランスのベジェ生まれ。4歳からコスロフ夫人に学び、7歳の時の公開演奏でイーヴ・ナットに認められて師事。パリ音楽院ではピエール・サンカンに学んでいます。15歳でベルリンのコンクールに優勝。1962年(18歳)のチャイコフスキー・コンクールでは4位に入賞しています。

 よく考えてみると小学生の年齢にして、音楽大学への入学を許されているわけで・・・天才少年だったんですよね。コンクールでも輝かしい成績を残しているのに、日本での知名度はゼロに等しい・・・演奏はすばらしいのに残念です。こうしたピアノ小品集こそ、その実力がはっきりと聴き取れるものなのですが。(^^)


12月29日(月) 深夜に日本テレビでベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」を放送していたので観ていました。佐藤 しのぶ(s)/坂本 朱(a)/吉田 浩之(t)/三原 剛(br)/テオドール・グシュルバウアー指揮読売日本交響楽団の演奏。合唱は武蔵野音楽大学。12月21日にサントリー・ホールで演奏された録画です。

 読売日本交響楽団は、世界最高の発行部数を誇る読売新聞社と日本最初の民間テレビ局である日本テレビ放送網(NTV)、大阪に本拠を置く読売テレビ(YTV)という日本を代表するマスコミ3社が母体となり、1962年4月に発足しています。簡潔にいうと、財政的に最も恵まれた日本のオーケストラなのです。

 日本では月給制でなく、歩合制で給与が支払われている楽団だってあります。財政はまさに火の車!主席奏者を置き、欧米にならったシステムを整えているのは日本でも少ないんじゃないかな?アルブレヒト、ゲルギエフなどの有名指揮者を呼べるのも、NHK交響楽団と読売日本交響楽団くらいだと思います。

 最近の日本のオーケストラがどれだけ実力を付けたか?AKGのヘッドホンを装着してお手並み拝聴といきましょう!・・・しかしながら、手堅い演奏・・・それ以上の評価は得られませんでした。ひと昔前と比較すれば、演奏上のミスもほとんどないのですが、ぬるま湯に浸かっているような気分です。

 ひとことで言うと、表現力の幅が狭いのです・・・。滑らかな響きの中に埋没してしまって、ハッとさせるような動きが何もない。第1ヴァイオリンは6プルトを用いていますが、オリジナルの2管編成でした。フルートは明るく綺麗な音色ですが深みに乏しく、オーボエも美しいけれどイマイチ一本調子。

 ホルンはアシスタントを置かず4人の編成。第3楽章のソロは主席奏者が吹いていました。安全運転をせず、トゥッティはアシに任せて冒険して欲しいなあ。それが“主席”という高給取りのプライドなのか?財政の整ったシステムの中では、チームワークよりもスタンドプレイが横行するものなのです。

 “社会”という言葉をひっくり返すと“会社”になります。案外、日本のオーケストラは音楽的に成熟する前に、企業として老成してしまうのではないかと・・・。ヨーロッパより200年遅れて産声を上げ、たった50年で衰退してしまうのではシャレになりません。う〜む、何とかならないものか。

 武蔵野音楽大学は変則混成四部合唱。男女共学とはいえ、男子学生は少数派。女子が圧倒的に多いものなのです。近年の少子化も手伝って、器楽科や教育学科の学生も駆り出されていることでしょう。今どき苦学生なんて流行らない・・・クローズアップされるのは、何とも可愛い顔立ちばかり。

 独唱陣の4人では、アルトがきめ細やかな歌唱を聴かせたのみで、ソプラノは何か勘違いをしているし、テノールはべらんめぇでいただけない。バリトンは几帳面だが響きが及ばない・・・ということで、素直に音楽を愉しんでいる方には、まことに申し訳ない辛口批評。すみませんでした。(^^;


12月28日(日) テレビで映画『千年の恋 ひかる源氏物語』を観ました。吉永小百合、天海祐希、常盤貴子、渡辺 謙 出演、堀川とんこう監督、冨田 勲 音楽。(2001年東映)
公式ホームページ

 何でこの映画を観るかというと、私がCDショップで働いていた頃、冨田 勲の新作アルバム『源氏物語幻想交響絵巻』(コロムビアCOCQ-83482 ¥2,913)が、邦人作品としては異例のヒットを放ちました。タイトルは『源氏物語・・・』ですが、この映画とは直接関係ありません。

   
 

   
※写真をクリックするとそれぞれのCDの紹介へジャンプします。

 このアルバム、現在までベスト・セラーを続けていて、2004年1月21日には品番変更&プライス・ダウンが予定されています。そして続いて発売されたのは、この映画『千年の恋 ひかる源氏物語』のサントラ盤でありました。“きっと売れるだろう!”と拡売に力を注いだのはいうまでもありません。

 特大のパネルを製作して設置!もちろん試聴機にもセッティング!さらに当店オリジナル特典として、お買い上げのお客さまにもれなく、劇場用豪華パンフレットをプレゼント!ここまでやれば完璧でしょう。後は劇場の公開を待つのみでした。ところがどっこい、ぜんぜん売れなかったのです。(^^;

 映画専門雑誌には、“今年1番のトンデモ映画”と叩かれたこの作品。さっさと興行を終えてしまったので、私は観損ねてしまいましたが、今でもその特典パンフレットは持っております。(笑)ようやくテレビ放送で観ることができました。う〜む、やはりすごい映画であります。(^^;

 ストーリーと関係なく突然!松田聖子がCGで空を飛びながら歌い出すとはっ!監督のセンスを疑うなあ・・・。(^^;海外へ売り込むために“世界のSEIKO”を挿入したという噂もありますが、ハリウッドはそんなに甘くないぞっ!と。ラストがじじぃになったひかる源氏とはねえ。(^^;

 びっくり映像満載!海に潜ってのラヴシーンもあるし、エッチなシーンもふんだんに。笑える映画としては最高ですが、演技のできる役者さんはかわいそう。カメラワークは劇場映画の王道を行く構図で、美術的にもすぐれた部分は多いのですが、すべて台無しになってしまっています。


12月27日(土) 昨日の深夜、架空料金請求メールが届いておりました。(笑)TBS『サンデー・ジャポン』でも特集していましたが、こんなん嘘っぱちですわ。見せしめのために全文を掲載いたします。

あなたの「未払記録」につき平成16年1月9日までに正式な関係書類を持参の上、あなたの自宅に訪問致します。

あなたが後払い会員登録した下記通信料金※1が未払いのままです。
支払期限※2が過ぎておりますので、料金(延滞利息等を除く)には年14.5%の割合で計算した延滞利息※3が別途加算されています。
訪問を拒否する方は支払いの約束※4をして頂きます。
※1当サービス利用料金です。
※2下記支払い期限を参照して下さい。
※3支払い日によって変動します。
※4訪問を拒否する方はこちらをクリックして下さい。


訪問を拒否する方はこちら(ここをクリック)
支払いの約束をして頂きます。


あなたの「通信履歴」
2003/06/5/23:43


あなたの「申込記録」
■登録日時:平成15年6月5日(木)午後11時36分
■支払期限:平成15年6月12日(木)午後3時
■SITE名:動画でGOGO
■商品名:銀行振込後払い会員180日
■期間:180日
■料金:36,800(延滞利息等を除く)


※注意
@当方は法人ではありません。独自の判断で回収致します。
Aあなたの自宅に訪問する際、交通費、調査費用等は当方が負担致します。
B原則的に、午前9時から午後8時までの間に訪問致します。
Cあなたが留守の場合は訪問時間が大幅に前後する場合があります。
D本状到着までにお支払いの場合は、行き違いにつき何卒ご容赦願います。


 情報の早いことで有効な
fresh EYEで『動画でGOGO』を検索してみたら、やはり同じメールを受け取った方がいまして、自分のホームページに通信履歴とアクセス解析をUPしておられました。ここで詳しくは掲載しませんが、メール・ソフトはOutlook Expressで初心者らしくHTML形式で送信されています。

 トクトク・フリーメールというサービスを使っているようです。“訪問を拒否する方はこちら”というリンクをクリックすると、メール送信フォームが開きますが、このURLも“20MB無料ホームスペース”に開設されたものです。URLの表紙を表示させようとしましたが「工事中」と出てきました。

支払いの約束
あなたの名前
メールアドレス(半角英数)
約束の内容
支払い可能日(3日以内)


 これが送信フォームの内容です。というか、何にも書いてないのですが。これは“念書”を相手に書かせるという手口です。もちろん身に覚えはないし、自分の所在を相手に知らせることになるので、ほうっておきます。

 すでにお気づきのことと思いますが、請求メールに私の名前はありません。有料サイトならログインのためのIDくらいあってもよさそうなものですが・・・。ホームページでメルアドを見て送信してきたのでしょうか?フツーなら封書で送付されるものですが、相手は私の住所も電話番号も知らないのでは?

 『動画でGOGO』へのリンクは記載なし、サイト自体の存在も不明。たとえ架空であれ、事業主の住所も連絡先も、担当者の名前もないし、振込口座も記載されていません。そもそも利用者の顔が見えないインターネット上で、後払い銀行振込などという効率の悪い回収方法があるでしょうか?

 『サンデー・ジャポン』で追跡調査された事件は、請求書を封書で送付していました。中間に情報売買を行なっている業者が介在するわけです。今回の手口はそれに比べたら、いかにも“かんたん”な感じがします。このままほっとけば1月9日までに訪問してくれるそうなので、楽しみに待っていましょう。


12月26日(金) テレビで映画『模倣犯』を観ました。宮部みゆき原作、中居正広、山崎 努、木村佳乃、津田寛治、藤井 隆、伊東美咲 出演、森田芳光監督。(2002年東宝)この映画は公開時に観ているんですが、その頃はホームページの更新ができなかったんですよね。
公式ホームページ

 劇場で観たときにも思ったのですが、テレビによく収まる映画だな・・・と。ヴィスタ・サイズの両端をカットされてはいますが、バストアップ(胸から上のクローズアップ)が多いですね。映画の中には架空のCMが多くちりばめられていて、実際のテレビCMとごっちゃになっても違和感はないな・・・と。

 森田芳光監督は“模倣犯”というより“確信犯”。SMAPの中居正広にしろ、芸人の藤井 隆にしろ、アイドルの小池栄子にしろ、観衆がネガティヴに感じる印象を逆手に取っています。つまり写真週刊誌にスクープされるような映像を見せてやる(潜在的な願望を叶える)ということで。

 原作はまだ読んでいないのですが、宮部ワールドの持つ“絶対悪への憎悪”は、少しも薄れていません。人物描写がしっかり描かれていて、その人のなりわいがよく分かるのです。その愛情は、善玉だけでなく悪玉にも注がれているのですから、“人が道を踏み外す”までの過程もしっかりと。


12月25日(木) ベートーヴェン:交響曲第7番&第8番を、クラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽の演奏で聴いています。(DECCA SLC-2308)第7番は1966年頃の録音で、アバドのデビュー盤です。最初は『プロメテウスの創造物』序曲とのカップリングで発売されたそうですが・・・。

 アバドは1933年生まれだから、若干33歳の録音ということになります。音楽がみずみずしく、そしてよく歌うこと。老練なウィーンフィルとの相性もばっちり。旧いものと新しいものが、これほどうまく調和した演奏というのも、なかなか聴かれるものではありません。レコードとして世に遺されたことに感謝せねば。

 キャリアの最後にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督に就任し、ベートーヴェンの交響曲全集を録音してから引退したアバドですが、その演奏は伝統に培われたベートーヴェンではなく、小編成・新解釈のベートーヴェンでした。私はその冷徹でコンピューターのような色彩が嫌いです。(^^;


12月24日(水) クリスマス・イヴですねえ。な〜んにも予定の入ってない私は、抹茶アイスを食べながら、独りでテレビを観ておりました。テレビ朝日の『スポーツエンター愛2003』、ふだんスポーツなど観ない私ですが、吉岡美穂さんが進行役を務めているので観ちゃいます。

 ここ半年ばかりテレビ&ラジオで彼女を追っかけています。少し前まで喋りが下手くそだったのに、最近は仕切り上手になりました。フジテレビの競馬番組『あしたのG』も、最初は中村仁美アナがメインで喋っていましたが、秋のリニューアル以後、吉岡美穂メインとなっています。

 ホワ〜ンとしていかにも頼りないけど、彼女もまた成長しているのですね。そして今年のクリスマス・イヴは、特に何もないけれど焦らず慌てず、家でノンビリ過ごすのもいいじゃないですか。それもまた小さな幸せといえるのかも。(^^)「テロと戦争が1日も早く終結しますように。」(願)

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 メリー・クリスマス!


12月23日(火) 今日は祝日だったのか・・・ずっと家に引きこもっていたので、7時のニュースを見るまで忘れていましたよ。(^^;インスタント・コーヒーが無くなったので、BLENDY(モカ)詰め替えタイプ250gを買ってきました。これを空ビン2本に入れようと思ったわけです。

 インスタント・コーヒーは粘り気があるので、砂糖のようにサラサラと出てきません。袋を傾け過ぎたので、ドサッとこぼれてしまいました。再度挑戦・・・ドサッ!再再度挑戦・・・ドサッ!床がコーヒーだらけ。雑巾で拭き取ったけれど部屋中、匂いが充満してしまいました。

 基本的にビンが小さすぎたのか・・・どうやら100g容器だったらしい。2本に入り切らず、袋にはまだ少し残っています。ネスカフェの大ビンでも200gなんだよね。そういえば¥100ショップのキャン・ドゥでは、ガラスの特大ビンが良く売れているとか・・・買っとけばよかったなあ。


12月22日(月) 昨日は国分寺の友人宅へ出かけたのですが、夕食を摂るために2人で街をぶらつきました。有名な名曲喫茶“でんえん”にも入ってみたかったのですが、閉店時刻が迫っていたので今回は見送り。代わりに“珍屋”(めずらしや)という中古レコード店を覗いてみました。

 ずっと前に立ち寄ったときは、LPレコードの段ボール箱の上に、飼い猫が鎮座していてびっくりしたものです。昨日は残念なことに猫が出張中。(^^;小さなお店ですが品揃えはけっこうマニアックです。“バーゲンLP50円”と銘打った箱の中にはポップスに混じって、クラシックが少しだけありました。

●ベルリオーズ:幻想交響曲 ロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団(テラーク 20PC-2006)
●ブラームス:弦楽六重奏曲第1番 アイザック・スターン(vn)、パブロ・カザルス(vc)他、(CBSソニー SOCU-7)

 この2枚を“救出”いたしました。誰かが買ってやらねばゴミになってしまうので。(笑)一夜明けて、マゼールの幻想から聴きはじめています。テラークといえばデジタル録音の草分けレーベルですが、パルシヴなイメージとは程遠い、極めて滑らかな音質ですよ。(^^)

 マゼールといえば“反則ボレロ”でお馴染み。作為的な解釈のイメージが強いですが、この頃はまだクリーヴランド管弦楽団に就任したばかりで、素直な音楽性を聴かせてくれます。物故した巨匠、ジョージ・セルの後釜ということで、オーケストラに対して適度な親密感と距離感が保たれていたのでしょう。

 第5楽章で粛然と鳴り響く鐘の音。実は録音会場であるセヴァランス・ホールから1/4マイル離れた、コヴェナント教会の2つの鐘にマイクが仕掛けられました。しかも、演奏を生きたものにするため、リアル・タイムで鳴らしているのです。ダビングだと、この空気感ともいうべき自然さは録音できないのですね。


12月21日(日) インスタントをベースに、野菜ラーメンをこしらえて遅い昼食。突然!電話が鳴りました。友人Y君からであります。「オーディオ・ラックが届いたんですけど、重くて重くて・・・今、泣きながら組み立ててるんですよ〜。」確かにそれは重くてやっかいなもの。じゃ〜これから手伝いに行くよ、ということで。(^^;

 東中野から国分寺まで約1時間。到着すると、すでにオーディオ・ラックは組み立て上がっていました。しかし、機器をセッティングするには、散らかしっぱなしの部屋を片付けなければなりません。(^^;ラックのおかげでようやく腰の座った音になったのです。以前は押入れの中にセッティングされていたので。(^^;

 お次はテレビ用のローボードを組み立てるのですが、その前に本棚を分解して捨てなければならない。ドライバーが小さくてネジの溝が潰れてしまいます。仕方なくペンチで回して引き抜きますが、指にマメができてしまいました。ローボードは板の厚い割には簡単構造で、木ダボとボンドで接合するものでした。

 ところがプラスチック・ハンマーが必要なのですね。ペンチで叩いたくらいでは嵌め込めません。何かいいものはないかと探したところ、ありました!鉄アレーが。(笑)これは強力です。ローボードは力づくで完成しました。コンポーネントをセッティングしてYAMAHAのスピーカーNS-1000MMを接続します。

 NS-1000MMはかのスタジオ・モニターNS-1000Mを、ミニチュア・サイズにデザインした12cm3ウェイ密閉型。ウーファーが12cmなら2ウェイの方がバランスが良いのでは?たとえコンパクト・スピーカーでもウーファーは16cmくらい欲しいもの。デザインはたいへん美しいスピーカーなんですけどね。

 付属のスピーカーコードはなぜか極細タイプ?安物のミニコンでもここまで細くはありません。スピーカー本体にはバナナ・プラグ対応のがっちりした端子が付いているのに。アンプはMARANTZのローコスト機。さっそく繋いで音を出してみたものの、やはり蚊の鳴くような音しか出てきません。

 NS-1000MMの出力音圧レベル(定格)は86db。実際の能率はそれ以下でしょう。YAMAHAのスピーカーは相当パワーを入れないと鳴らない・・・昔からそう言われていました。ローボードの上に載せてあるので、材質の鳴きが音に悪影響を及ぼしています。スピーカーコードも交換しなくてはなりません。


12月20日(土) 年末ともなれば、郵便受けに投げ込まれるチラシの多いこと。引っ越し屋、クリーニング、デリバリーの中華にお寿司にお弁当。とりわけ目を引くのがデリバリー・ピザですが、どの会社も同じようなデザインで、見分けがつきません。しかし、値段が高いなあ。

 少し前のことですが、スーパーでピザを買ったら、Mサイズに相当するものが¥680。焼きたてだったのは、たまたま時間帯がよかったから。持ち帰るまでに少し冷めてしまったけれど美味しかったです。デリバリーで注文すると、シンプルなものでも¥2,000はするのですね。

 冷凍食品のピザも買ったことはありますが、火力の強いオーブンでないと上手く焼けません。表面だけ焦げて、中身は凍ったまま・・・という大失敗をやったことがあります。ほんらいのピザのことを考えれば、上手く焼けても美味しくはないでしょう。それは分かりますよねえ。(^^;

 最近のデリバリー・ピザはカニやエビ、はてまたフォアグラやトリュフ?高級食材をトッピングして値段を吊り上げていますが、“チーズの味に負けてしまう”ということを知らないのかな?本場イタリアの人たちが見たらびっくりすることでしょう!気軽に楽しめるご馳走なのに。

 手作りパン屋さんに並んでいる、切り売りのピザが美味しそう。値段も手ごろだし、私としてはこれでじゅうぶん。デリバリー・ピザは世間の価格競争にも反しています。パン屋さんは品切れしないよう、いつもアツアツのピザが食べられるよう、がんばってピザを焼いてください。(^^)


12月19日(金) カーメン・ドラゴン指揮ハリウッド・ボール交響楽団の『ショパンの魅力』(東芝ECC-40029)を聴いています。ショパンのピアノ曲をオーケストラに編曲して聴いてしまおうという1枚。カーメン・ドラゴンのレコードはもう1枚持っていて、『フォスターは招く』(東芝ECC-40035)はキャピトル交響楽団。

 米CAPTALに録音されたこのシリーズ、実はキャピトル交響楽団もハリウッド・ボール交響楽団も同じ団体で、正式名称はグレンデール交響楽団といいます。ハリウッドには映画音楽を録音するために、腕利きのプレイヤーが多く集まっていました。だからこのオーケストラはとてつもなく上手いのです。

 カーメン・ドラゴン(1914〜1984)は、カリフォルニア生まれ。14歳でダンス・バンドを結成し、作曲家のメレディス・ウィルソンに認められ、ニューヨークのクラフト・ミュージック・ホールで、大歌手アル・ジョルソンのショウの伴奏の編曲と指揮を担当、その後、カリフォルニア州グレンデール交響楽団の音楽監督に就任しました。

 アーサー・フィードラーやアンドレ・コステラネッツとともに、ポップ・クラシックの分野をリードした1人で、映画音楽で培われた華麗な編曲は、かのレオポルド・ストコフスキーをも感嘆させたほど。彼のスコアは現在もポップス・コンサートで演奏され続けています。1978年には初来日して、読売日本交響楽団を指揮したそうです。

 さて、ショパンのピアノ曲をオーケストラで演奏したらどうなるのか?例えば有名な“英雄ポロネーズ”・・・。お国も時代も異なりますが、チャイコフスキーの歌劇『エフゲニー・オネーギン』の中には、“ワルツとポロネーズ”という管弦楽曲があり、しばしば単独で演奏されます。これはもちろんショパンの形式を模して作曲されたものです。

 ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団のレコードで聴く、チャイコフスキーの勇壮なポロネーズは、「ショパンの英雄ポロネーズをオーケストラに編曲したら、きっとこんな感じだろうな・・・。」と想像させるものがありました。カーメン・ドラゴンの演奏がまさにそのとおりだったのは、言うまでもありません。(^^)


12月18日(木) 高田馬場までお買い物。DISC FUNで¥50のLPレコードと、¥100のLPレコードを合わせて20枚購入。家に帰るとさっそくレコードのお手入れです。ジャケットの黴や汚れを拭き取り、レコードをクリーニングした後は、スリーヴ(内袋)を新しい袋に交換。

 バーゲン品だからOPP(外袋)は付いていません。これもすべて新しい袋に入れて終了。ブルックナー:交響曲第3番「ワーグナー」 カール・ベーム指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のレコード(キングSLC-6102)は、いつでも買えると後回しにしていたものの、ようやくげっとしました。

 ああ、やっぱりいい音だなあ・・・。交響曲第4番「ロマンティック」に比べ、さほど人気の高くない曲目ですが、ベーム&ウィーンフィルの演奏はすばらしい。テンポの変わる箇所に差しかかると、アンサンブルがグシャッとなることもしばしばですが、豊麗なサウンドはそれを補って余りあるものです。

 高田馬場“キャン・ドゥ”(¥100ショップ)に寄って、懐かしの駄菓子“エースコイン”を買ってきました。発売元は
日清シスコで、袋の裏にホームページのURLが記載されています。「エースコインがおいしくなって、新パッケージになりました。コインは全部で20種類。ぜひお試しください。」

 30年前の駄菓子は甘味が少なく、“砂糖が高い”(ケチってある)といわれました。今や豊かな時代となり、駄菓子もずいぶん美味しくなったのです。ザクザクとした歯ざわりと、ほどよい甘味がいいですねえ。ホームページにはコイン(日本の古銭)の種類について説明がありますのでご覧ください。

   
 ※画像をクリックするとコインの説明にジャンプします。


12月17日(水) 朝寝坊して顔を洗っていたら、ピンポーン!とチャイムの音が。「どちらさまですかぁ?」「明治乳業の販売店ですが、サンプルをお届けに参りました。」新聞の勧誘ならそのまま追い返すところですが、こういうのは大歓迎。(^^)

 やった〜!牛乳、ヨーグルト、豆乳、野菜ジュース、蜂蜜黒酢ドリンクの計5本。明治牛乳だ〜い好きっ!家を空けてたら貰えなかったんだよなあ。ラッキー!今年最後の幸運がこれで尽きてしまいませんように・・・。(小市民)

 インターネットで調べた早稲田大学近くのリサイクル・ショップまで、出かけてみました。しかし収穫ナシ・・・。道路の向かい側にあるホームセンターも覗いてみました。ここはなかなか面白い。

 何と、マクセルのS-VHSテープ10巻セットが¥1,980で売られています。シマッタ!先月、石丸電気で2セットをまとめ買いしてしまったのです。(1セット¥2,380でした。)¥400の価格差×2=¥800は大きい。

 ホームセンターでありながら、AV機器や家電も揃っていて安い。衣料品も安くて良い品が揃っていました。う〜ん、穴場だなこれは。田舎と違って東京には、ホームセンターというお店が少ないんですよね。(^^)


12月16日(火) 中野の¥100ショップへ買い物に出かけました。塩こしょうと綿棒が無くなりかけていたのです。陶器売場では、もう入荷しないだろうな・・・と諦めていたマグカップが買えました。来客用にと5個セットで購入したのに、ひとつだけ斯いてしまったものですから。

 新製品を見つけました!その名も“ダイソー文学シリーズ”。夏目漱石をはじめ、芥川龍之介、太宰 治、樋口一葉、宮沢賢治、新美南吉など、全部で30冊の文庫本です。シンプルな装丁ですが、ページは2色刷り。文字は読みやすい大きさだし、下段には注釈がこと細かに付けられています。

 インターネット図書館
青空文庫のテキストを使用していて、夏目漱石『坊ちゃん』の巻頭には、物語の舞台となった松山の写真が載っていたり、巻末には年譜が載っていて、とても¥100とは思えない内容です。思わず手が出そうになりましたが、よく考えたら、実家には中央公論社の文学全集があったんだっけ。

 しかし、東京に持ってくるわけにはいかないので、読みたくなったら買ってしまうかも・・・。最近は文庫本でも¥500くらいはしますからね。BOOK OFFには置いてないのですが、街の古書店などは不揃いの文学全集(箱入りハードカバー)を、1冊¥100で投げ売りしています。

 神保町の古書店では、フランクリン・ライブラリー(革装・金箔押し)の豪華本が、¥500くらいで投げ売りされていることも・・・。内容はスタンダードな世界文学全集です。映画『マイ・フェア・レディ』のヒギンズ教授邸などは、2階建ての書架がありますが、革装・金箔押しの本がずらっと並んでいますよね。

 本に囲まれた空間というのは、とても落ち着けるものですが、いかんせんアパート暮らしではねえ。それでも自分が一生を終えるまでには、スタンダードな世界文学全集と、日本文学全集は読破したいと思っているのです。
青空文庫を利用するのもひとつの手段ではあります。

 ただ、WEB上でこれを読むのは、たいへんに見づらいです。Internet Explorerでは、行間が詰まってしまうから・・・。テキストをWORDに貼り付けて、タテ書きの書式に直すのがいいでしょう。パソコンで閲覧するので、外に持ち出すことはできませんが・・・。(プリントアウトするくらいなら、文庫本を買ったほうが経済的です。)


12月15日(月) ラヴェル作曲、管弦楽のための組曲「マ・メール・ロワ」を聴きました。演奏はシャルル・ミュンシュ指揮ボストン交響楽団。1958年2月19日の録音で、レコードはRVC(日本ビクター)の国内盤、RGC-1088(1973年6月発売)。カップリングは、フランス山人の歌による交響曲と「魔法使いの弟子」。

 「マ・メール・ロワ」って何ぞや?英語に直すと「マザー・グース」。17世紀の詩人シャルル・ペローの童話集で、これに作家のドールノワ子爵夫人やド・ボーモン公爵夫人の童話を混じえ、ラヴェルは子供の世界への愛着と、遠くルイ王朝時代フランス・バロックの典雅で優美な世界への憧れとを、重ねて表しました。

 このレコードのために書かれた上野 晃さんの解説が素敵なので、少しだけ引用してみます。言葉の旧い箇所もありますが、雰囲気を大切にしたいので原文のままとします。

●組曲「マ・メール・ロア」……ラヴェル

 第1曲〈眠りの森の美女のパヴァーヌ〉 ゆっくりとした4分の4拍子の短い前奏曲で、古い宮廷舞曲パヴァーヌのリズムに乗って、フルートのソロと、対旋律のホルンとヴィオラが、夢見るように静かなプロローグをかなでる。

 第2曲〈一寸法師〉 貧しい父親に森へ捨て子に連れていかれた一寸法師は、帰りの道しるべにと、こっそりパン屑を道に落してきたが、森の鳥に食べられてしまって、一寸法師は帰れなくなってしまう、というペローの童話。弱音器をつけたヴァイオリンによる短い導入部のあと、オーボエが寂しい旋律を吹く。つぎに、かわいそうな一寸法師の姿が、コールアングレにあらわれ、わずかに発展する。ヴァイオリンやピッコロに鳥のさえずりがきこえ、はじめのオーボエの旋律がもどりかけて消えていく。

 第3曲〈パゴダの女王レドロネット〉 ドールノワ夫人の〈緑色の蛇の木〉という東洋的なお伽噺。女王は着ものを脱いで浴湯をはじめる。シナ陶器の人形たちが、くるみの穀でつくった琴や、アマンドの殻でこしらえた胡弓を鳴らしながらうたい出す。4分の2拍子、行進曲のテンポによる豊麗な色彩をもったエキゾティックな音楽。弱音器をつけた弦のトレモロに乗って、主旋律がピッコロであらわれ、チェレスタ、グロッケンシュピール、シンバル、タムタムなどをにぎやかに混じえながら、ミニアチュアの世界を展開する。

 第4曲〈美女と野獣の対話〉 このド・ボーモン夫人のお伽噺は、ジャン・コクトーの映画〈美女と野獣〉にもなって非常に有名。「おまえの美しい心を思うと、おまえは醜くありません」「そうです。私は美しい心をもっています。でも、私は醜い動物です」「あなたよりもっと醜い人間だっているのです」「美しいかた、私の妻になってください」「いいえ、いけません。私は動物なのですよ」「あなたにこうしてまたお目にかかれた私は、喜んで死ぬことができます」「いいえ、優しいかた、死んではいけません。生きていて私の夫になってください」醜い動物は、彼女の愛によって呪いを解かれ、美しい王子の姿にかえる。ハープの和音をともなったクラリネットが、ワルツ風の優雅な美女の旋律をうたうと、野獣はうめくようなコントラ・ファゴットで応じる。クライマックスに達して、シンバルの音とともに呪いが解け、ハープのグリサンドで、輝くばかりに美しい王子が、ヴァイオリンの高音のハーモニックスであらわれる。

 第5曲〈妖精の園〉 第1曲と同じように、全曲のムードを、今度はゆるやかなワルツでエピローグ風に描く。魅惑的な光にみちた妖精の世界は、弦の四重奏の静かな旋律にはじまり、花園にまどろむ美女が映し出される。王子があらわれて彼女を見つける。ヴァイオリンとチェレスタの高音城の旋律が、高雅な王子の容姿を描き、美女は次第に眠りから醒める。オーケストラは勢いを加えて、太陽は昇り、二人のよろこびは輝く陽の光に包まれ、幸福にひたされて、平和なひびきのうちに全曲を閉じる。


 第2曲の〈一寸法師〉は日本のお話とは違って、むしろ「ヘンゼルとグレーテル」に近いですよね。原題は“Petit Poucet”・・・“親指小僧”と訳した解説もあります。第3曲〈パゴダの女王レドロネット〉“Laideronnette, imp
ératrice des pagodes”には“女王の陶器人形レドロネット”という訳も。

 陶器は英語でも“china”ですからね。音楽自体はちょっとした京劇風。くるみの殻でつくった琴(ハープ)や、アマンド(アーモンド)の殻でこしらえた胡弓というのも想像するだけで楽しいじゃありませんか。20世紀初め、フランス版の“トイ・ストーリー”みたいなもんです。音によるイマジネーション。


12月14日(日) 師走もいよいよ半ばとなりました。ちょっと甘いものが食べたくなって、近所のコンビニまで歩いていくと、夜半だというのに、けっこう人が歩いているのに気がつきます。みんな忙しいんだなあ・・・私は依然、マイ・ペースなんですけど。その代わりクリスマスも正月もないわけですが。

 クリスマスといえば、
アデランスのホームページ。吉岡美穂さんの「e-check!あなたの髪はどのタイプ?」がクリスマス・バージョンになっています。私の髪はまだ大丈夫だと思うのですが、美穂さんのサンタ姿が見たいので、トライしてみましょう。(先に進まないと見れないですよ。)

 「ここをクリックしてミホ!」 クリーム色のボードを持って、ニコニコ笑っている画像をダウンロード。BMPで保存してから、アクセサリ→ペイントで開きます。ボードの文字をうまく消して、別の文字を描き入れるのは簡単です。「ねも艦長さん がんばって!」とか(馬鹿)。癒されるなあ・・・。

※著作権&肖像権がありますので、個人で楽しむ範囲に留めてください。


12月13日(土) 今日は『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の公開初日です。舞台挨拶の行なわれる日劇PLEXへ行ってまいりました。ところがたいそうな警備が敷かれているのでびっくり。持ち物検査まで行なわれ、カメラ持ちこみはもちろんのこと、危険物の所持までチェックされました。

 というのは、併映の『とっとこハム太郎』に声で出演している、なっち+ミニモニが来ているから。御用提灯を手にした親衛隊がゾロゾロ。ハム太郎&ミニモニ・ファンのちびっこが観客の大半を占めていました。まず『とっとこハム太郎』を上映、ハム太郎舞台挨拶、ゴジラ舞台挨拶、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』上映の順番で進行しました。

 『とっとこハム太郎』は、2001年度の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』から、お正月映画として併映されています。子供向けアニメとはいえ、ずいぶん凝った作りだと感心したものの、今回の『ハム太郎』はダメだなあ・・・。演出に目新しいものがないし、いろいろ詰め込みすぎて焦点がボケてしまっている。

 アニメーションは動きが硬いし、ストーリーのテンポも速すぎます。売店で売られているハム耳のカチューシャを付け、ちびっこは大喜びでしたが、内容はどうでもよかったみたい。(^^;ミニモニを生で見たかったというのも大きいでしょう。どこにでもいそうなフツーの女の子たちなんですけどね。(私はファンではないので。)

 続いてゴジラ舞台挨拶です。メカゴジラ&ゴジラ登場!ゴジラはサンタの衣装を着け、煙をしゅうしゅう吐きながらやってきました。ドライアイスの煙と思われますがすごい迫力です。(^^;そして手塚昌明(監督)、高杉 亘、虎牙光輝、金子 昇、吉岡美穂、大塚ちひろ、小泉 博、浅田英一(特技監督)の登場。

 吉岡美穂さんは長い髪をストレートに落とし、ワインレッドのワンピースにクリーム色のブーツ。グリーンのアームバンド(腕時計)はおちゃめですが、いかにも彼女らしいです。めっちゃめちゃキレイでした。私の席は残念ながら最後尾。(映画を観るにはいいんですけどね。)それだけ離れて見ても、彼女には華があるのです。

 機龍隊長役の高杉 亘さんは、のっけから中尾 彬さんの物マネを披露。「総理はイラクの派兵問題で、今日はこちらに来られません・・・。」虎牙光輝さんも、「世界中でテロや戦争がありますけど、戦争なんかやめてゴジラを観ろ!と言いたい。」とアピール。観客から拍手が湧きました。

 高杉 亘さんはこの場を借りて、昨日、入籍を済ませたことを発表。「たぶん吉岡美穂は、悲しみで震えてると思います。」「えーそんなー!お相手はどんな方ですか?私、本当に舞台袖で泣いちゃいますよー!」と楽しいやりとりも。小泉 博さんは喜寿を迎える御歳ですが、とても矍鑠としていて、また機会があれば映画にも出演したいとのこと。

 残念なことに舞台挨拶が終わると、ミニモニ親衛隊やちびっこの多くは、『ゴジラ』を観ずに退場してしまいました。子供には刺激が強すぎる、ということなのでしょうか?それは親の勝手な思い込みなのでは?

 私の隣に座っていたちびっこは、家から持ってきたクマのぬいぐるみをギュッと抱きしめ、真剣な眼差しで『ゴジラ』の世界を見つめていました。この子が大きくなったとき、『ハム太郎』は卒業してしまうだろうけど、『ゴジラ』を観たことは忘れないでしょう。

 親は子供が喜ぶと思って安直に、“ハム太郎”や“アンパンマン”などを与えてしまいますが、そんなのはただの“お菓子”じゃないですか。いずれスポーツでも趣味(ホビー)でもいいから、大人でも子供でも楽しめる、本格的なものを経験させてやるべきでしょう。子供を“ヲタク”に育てちゃいかん?(^^;

 さて12月7日の試写を観たあと、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』は、手塚昌明監督作品の中でも最も完成度が高く、2001年度の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(金子修介監督作品)にもひけをとらない、と書きましたが、少し判明した事実があるので記します。

 この映画の脚本は、『クロスファイア』(2000年)、前述の『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』(2001年)で、金子修介監督と組んできた横谷昌広さんの手によるものでした。SF映画は脚本が命であり、どんな作品にも必ず“矛盾”が生じます。いかに観客の注意をそらし、説得力を持たせられるかが肝要なのです。


12月12日(金) ベートーヴェンの七重奏曲をレコードで聴き比べてみましょう。(その2)

 C新ウィーン八重奏団(1977年録音)LONDON L20C-1967
 エーリッヒ・ビンダー(vn)/ヨゼフ・シュタール(va)/フリードリッヒ・ドレツァル(vc)/ヘルベルト・マンハルト(cb)/ペーター・シュミードル(cl)/ディートマール・ツェーマン(fg)/ギュンター・ヘーグナー(hr)

 録音も優秀で、とても美しい演奏ですが、Dと比較するとこじんまりとしています。ビンダーのかっちりした音楽性によるものでしょう。甲乙付け難いです。ヘーグナーのホルンは、ベルガーよりずいぶん小ぶりですね。この七重奏曲、ホルンの個性で全体の印象が大きく変わります。

 Dウィーン・フィルハーモニー室内アンサンブル(1975年録音)DG MG-1060
 ゲルハルト・ヘッツェル(vn)/ルドルフ・シュトレンク(va)/アダルベルト・スコチッチ(vc)/ブルクハルト・クロイトラー(cb)/アルフレート・プリンツ(cl)/ディートマール・ツェーマン(fg)/ローラント・ベルガー(hr)

 録音は優秀。Cを純粋な室内楽とすれば、ヘッツェルの躍動的な音楽性を反映し、交響曲のように巨大な演奏となりました。強弱の幅やアクセントを大きく扱い、ベルガーの太くて柔和なホルンが華を添えています。爛熟したウィーン芸術の頂点といえましょう。私のお気に入り。

 Eウィーン八重奏団(1959年録音)LONDON L18C-5022
 ウィリー・ボスコフスキー(vn)/ギュンター・ブライテンバッハ(va)/ニコラウス・ヒューブナー(vc)/ヨハン・クルンプ(cb)/アルフレート・ボスコフスキー(cl)/ルドルフ・ハンツル(fg)/ヨゼフ・フェレバ(hr)

 こじんまりと室内楽のスタイルで、チームワークのいいところを聴かせます。甘美なボスコフスキーのヴァイオリンが、アンサンブル全体をリードしていきます。とても軽快で清々しい演奏。

 Fバリリ弦楽四重奏団員(1954年録音)WESTMINSTER VIC-5384(日本ビクター)
 ワルター・バリリ(vn)/ルドルフ・シュトレンク(va)/エマヌエル・ブラベッツ(vc)/オットー・リューム(cb)/レオポルド・ウラッハ(cl)/カール・エールベルガー(fg)/ゴットフリート・フォン・フライベルク(hr)

 購入時(20年前)に聴いたときは、音の悪いレコードだと思っていたのに、改めて聴いてみたらすごくいい音でした。カートリッジもアンプもグレードアップしたんだっけ。モノラル録音とは思えない音質です。往年の名手が揃っているだけに、自信に満ち溢れた表現を聴かせてくれます。

 ユーモラスなファゴットの響きに、聴く人を包み込むようなホルンの音色。弦楽器もすごく愉しんで弾いているのが伝わってきます。苦悩に満ちたベートーヴェンではなく、陽気にワッハッハと笑っている。こんな演奏、今では聴くことができないでしょう。貴重な1枚、久しぶりに感動しました。


12月11日(木) ベートーヴェンの七重奏曲をレコードで聴き比べてみましょう。(その1)

 @ベルリン・フィルハーモニー八重奏団(1972年録音)PHILIPS 13PC-216
 アルフレート・マレチェック(vn)/土屋邦雄(va)/ペーター・シュタイナー(vc)/ライナー・ツェペリッツ(cb)/ヘルベルト・シュテール(cl)/ハンス・レムケ(fg)/ゲルト・ザイフェルト(hr)

 Aベルリン・フィルハーモニー八重奏団(1963年録音)DG MGW-5148
 アルフレート・マレチェック(vn)/ディートリッヒ・ゲルハルト(va)/ハインリッヒ・マヨウスキー(vc)/ライナー・ツェペリッツ(cb)/ヘルベルト・シュテール(cl)/マンフレート・ブラウン(fg)/ギュンター・ケップ(hr)

 同じ団体の録音でありながら、9年の歳月を経て、ヴィオラ、チェロ、ファゴット、ホルンの4人の奏者が入れ替わっています。まず@から針を落としてみましょう。30年前の録音ですが、非常に高音質です。各奏者の演奏技術がすぐれているため、音程がぴったり揃っています。整然としながら活気にも溢れていて、特にザイフェルトのホルンはコントロールが完璧。

 @とAはずいぶん雰囲気が違います。Aは音の重心がぐっと低いですね。1963年といえば、すでにカラヤンの時代ですが、フルトヴェングラー時代の楽員も多く残っていたはずです。60年代と70年代のベートーヴェン:交響曲全集を聴き比べれば、音色の変化は歴然ですが、この演奏も懐かしいベルリンフィルの音がします。

 ほの暗い音色で独特の味わいがあるのですが、イマイチ音程が揃っていないようにも聞こえます。部分的にはとても良い雰囲気を出しているのですが・・・。どちらかひとつを選ぶとすれば、1972年の演奏に軍配が上がります。ドイツ風ではないかも知れませんが、無国籍化した現在のベルリンフィルと比べたら、まだまだドイツ風といえましょうか。

 Bライプツィヒ・ゲヴァントハウス七重奏団(1966年録音)PHILIPS 13PC-163
 ゲルハルト・ボッセ(vn)/ディートマール・ハルマン(va)/フリーデマン・エルベン(vc)/コンラート・ジーバッハ(cb)/クルト・ヒルタフスキー(cl)/ヴェルナー・ゼルトマン(fg)/ヴァルデマール・シュイーバー(hr)

 懐かしいドイツの音は、旧東ドイツにありました。卓越した技術を前面に押し出すベルリンフィルとは大違い。ライプツィヒの奏者たちは、優しくまろやかな響きで聴く人を包み込みます。上品で趣味が良い、とは、こういう音楽を指すのでしょう。互いに寄り添いながら、響きをブレンドさせているかのようです。


12月10日(水) 最近、インスタント・ラーメンを食べていて気づいたこと。サッポロ一番しょうゆ味の麺が茶色なのは、しょうゆを練り込んであるからなのか・・・。ということで、包装の裏に印刷された“おいしい発見!守り続けた5つの秘密”を見てみましょう。

 サッポロ一番しょうゆ味
 @鶏ガラと香味野菜のコクダシスープ
 Aしょうゆを練り込んだ香ばし麺
 Bスープにマッチする専用小麦粉を使用
 Cどんな野菜にも合う味づくり
 D徹底した品質管理による安心商品

 サッポロ一番みそラーメン
 @七種の味噌を合わせたコクスープ
 A味噌スープとよく合うしなやか麺
 Bスープにマッチする専用小麦粉を使用
 Cどんな野菜にも合う味づくり
 D徹底した品質管理による安心商品

 サッポロ一番塩らーめん
 @野菜の旨味が効いてるコク塩スープ
 A山芋を練り込んだコシのある麺
 Bスープにマッチする専用小麦粉を使用
 Cどんな野菜にも合う味づくり
 D徹底した品質管理による安心商品

 スープが違うだけで麺は同じと思っていたら、3種類とも、麺の配合を変えていたんですね。おそるべしサンヨー食品株式会社。一昔前と比べると麺のコシは強くなったように思います。野菜や肉を炒めてトッピングすると、けっこう美味しく頂けますよ。(^^)


12月9日(火) ビデオで映画『戦場にかける橋』(THE BRIDGE ON THE RIVER KWAI)を観ました。アレック・ギネス、ウィリアム・ホールデン、早川雪洲、ジャック・ホーキンス主演、デヴィッド・リーン監督、マルコム・アーノルド音楽。(1957年アメリカ)何度もテレビで放送されてはいますが、155分という大作のため、今まで機会を失っていました。

 第2次大戦下のビルマ・タイ国境近くにある日本軍捕虜収容所。捕虜となったアメリカ海軍少佐シアーズ(ウィリアム・ホールデン)は激しい労役に堪えかね、脱出の機会を狙っていた。そこへニコルスン大佐(アレック・ギネス)を隊長とするイギリス軍捕虜の一隊がやってきた。バンコック=ラングーン間を結ぶ泰緬鉄道を開通させるため、クワイ河に橋梁を建設せよとの命令が下り、その労役のために送られてきたのである。

 開通は5月12日、日数は幾ばくもない。斎藤大佐(早川雪洲)は捕虜全員に労役を命じたが、ジュネーブ協定に違反すると、ニコルスン大佐は将校の労役従事を拒否、営倉に監禁された。いっぽうシアーズ少佐は仲間と脱走を図るが、1人だけ助かってコロンボの英軍病院に収容される。収容所では日本人中尉の指導が拙劣なのと、捕虜のサボタージュが災いし、架橋工事は大幅に遅れていた。焦る斎藤大佐は、ニコルスンら将校の翻意を促したが、彼らは頑として屈しない。

 やがて3月10日、陸軍記念日となった。斎藤大佐はニコルスン大佐の意志に負け、彼らへの恩赦を伝える。ところが意外にもニコルスンは、自ら架橋工事を指導しようと申し出た。彼は、すっかり怠け癖のついてしまった捕虜たちに、建設の喜びを与えることにより、本来の軍人の姿へ鍛え直そうと考えたのである。架橋工事の主導権はニコルスン大佐へと移った。期日までに橋を完成させるため、斎藤大佐はあえて屈辱に甘んじたのだ。

 その頃、英軍病院にいたシアーズ少佐のもとに、ウォーデン少佐(ジャック・ホーキンズ)が訪れた。バンコック=ラングーン間の橋が完成すれば、日本軍はインドへ迫ることであろう。それを阻止するには決死隊を組織して、橋を爆破するより策がない。収容所までの地理に詳しいシアーズ少佐に、道案内を依頼したのである。シアーズはウォーデンの説得を受け入れ、かくて4人からなる橋梁爆破決死隊は、輸送機からタイの密林へと降下したのだが・・・。

 冒頭でシアーズ少佐は、仲間の遺体を埋めながらこう言います。「殉職ではない・・・犬死にだ・・・」と。それぞれの威信を背負った、斎藤、ニコルスン、シアーズ、ウォーデンの4人ですが、勝者など誰もいないことに気づかされます。“殉職”・・・そんな美しい言葉はこの世に存在しないのです。

 それでもイラクに自衛隊を派兵するつもりかい?小泉さん。戦地に安全な場所などあるはずがない。いつまでアメリカの言いなりになってるんだろう?日本が馬鹿にされていることに気づいていないのか?そこまで言うんなら、小泉さん自身でイラクに行くべきですよ〜!(^^;

 脱線しましたが、凄惨な結末を迎えるこの映画。シアーズ少佐と看護婦のロマンスや、ガイドとして同行するタイ女性と、決死隊とのくつろぎのひとときが描かれていて、平和の喜びを噛みしめさせてくれます。自然は美しい・・・人間は何て小さな存在なんだ・・・デヴィッド・リーン監督の独壇場ですね。

 クワイ河マーチとしてもお馴染み、マルコム・アーノルドの音楽は、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏。古い映画ではありますが、音声はソニー・ピクチャーズにより、ドルビー・サラウンドに加工されていました。臨場感がすばらしい!テレビではなく大スクリーンで観てみたいですね。(^^)

   


12月8日(月) めっきり寒くなってきましたね。ガス・ストーブを出してきました。やっぱり効きますねえ〜、スイッチを入れた瞬間に暖かくなります。(^^) 話はガラッと変わりますが、今、テレビのCMでは、液晶パネルから音の出るNECのパソコンが大賑い。新しい技術でも何でもないんだけどなあ?調べてみました。

 
2002年9月17日
 NECとオーセンティック、パネルから音が出る液晶ディスプレイを今秋出荷。

 株式会社オーセンティックとNECアクセステクニカ株式会社は17日、液晶ディスプレイのパネル面から音声を発生する、スピーカー一体型液晶パネルの実用化に成功したと発表した。第1弾として、17型ワイド液晶ディスプレイを2002年秋より出荷開始する。価格は未定。

 液晶パネルに搭載した保護用のアクリルパネルを、スピーカーの振動板として利用することで、液晶表示面から音を発生させることに成功した。フラットパネルをスピーカーとして利用する、英NXT社の「SoundVu(サウンドビュー)技術」を採用している。

 音の発生に時間差を設け、振動板の振動が減退していく特性を活かし、ステレオ出力にも対応する。また、10〜20Hz程度の低周波数を高音量で出力する際は液晶画面が振動してしまうため、低周波数の音域をカットしている。このためカットされた低周波数の音域は、液晶ディスプレイ内蔵のサブウーファーによって出力されるという。

 ディスプレイは、NECの秋モデル以降のパソコンなどで採用予定のほか、今後はサイズの異なる液晶ディスプレイの出荷も予定されている。携帯電話の液晶と同じか、やや大きい程度のサイズまで実現できるとしている。


 何で私がツッコミを入れるかというと、@音質がよくない、A液晶に悪影響を及ぼす、からであります。

 @平面振動板については70年代後半、オーディオ・ブームの最中、新素材の開発で取り上げられ、ソニー、松下、日立が新製品を発表。ちなみに現在のように薄型ではありません。理論的には完全だとメーカーは豪語しましたが、ユーザーは敬遠しました。音質がよくなかったからです。

 結局のところスピーカーは、材質を吟味した木製の箱、紙製コーン型ユニットが、伝統的なスタイルとして生き残っています。音楽的な表現を求めると、この形態に行きつくようです。アコースティック楽器は木でできていますからね。

 Aニュース本文にも10〜20Hzの低周波が液晶画面を振動させてしまう、とあります。画面がチラついて見にくくなるわけですが、実際には100Hz前後の周波数でも影響は出ます。ホルンで低音を吹きながらテレビを見ると、画面が揺れて見えるのがそれです。

 低周波数の音域をカットして、内蔵のサブウーファーよって補うのであれば、こんなのいらないじゃん!そこまで省スペースにこだわる必要があるのか?どうもオーセンティック社との技術?資本?提携がもたらした悪循環と思われます。

 それにやはり振動は、液晶画面の経年劣化を早めるのではないかと考えられますが・・・。もともと非常にデリケートな素材です。タッチ・パネルは液晶の前面にあるフィルターを用いますが、スピーカーはどうしても液晶を裏側から駆動させなければなりません。

 液晶テレビを、パソコンのモニターを購入するとき、“画面から音が出るから・・・”といって選ぶ人はいないでしょう。やはり決め手となるのは、“画像の美しさ”ではないでしょうか?学習能力ないんですかね?NECさん、負ける喧嘩は売らないほうが得策かと・・・。(^^;


12月7日(日) 有楽町マリオンにある日劇PLEXで行なわれた『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の試写会を観に行ってきました。金子 昇、吉岡美穂、虎牙光輝主演、手塚昌明監督。(2003年東宝)
公式ホームページ

 手塚昌明監督のゴジラは3作目。2000年度の『ゴジラ×メガギラス』では、映像の密度とは裏腹に、脚本の甘さが目立ちました。翌2001年度は降板となり、『平成ガメラ』で評価の高い金子修介監督のおかげで大ヒット!一挙にレベルアップを図ったものと感じています。

 そして2002年に再び登板した手塚監督。『ゴジラ×メカゴジラ』では、メカゴジラ=機龍を、ゴジラの骨から造られた生体ロボットとして復活させ、人間ドラマに重きを置いて成功しました。今年(2003年)の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』は、前作の完全な続編となります。

 公開前なのであらすじは簡単に・・・。前作でゴジラと引き分け、海に追い返した機龍ですが、大きな損傷を受けて修復作業中。しかし最大の武器“アブソリュート・ゼロ”がまだ使えないままなのです。整備士の中條義人(金子 昇)は、叔父の中條博士(小泉 博)の別荘で休暇を過ごしていました。

 そこに現れたのは、43年前に博士がインファント島で出会ったという小美人。モスラの使いである彼女たちは、「人間がゴジラの骨から戦いの道具を造ったのは間違いです。ゴジラの骨を海に返してください、さもないとモスラは人間の敵にならねばなりません。」と進言するのでした。

 前作で機龍の正オペレーターを務めた家城 茜(釈由美子)はアメリカ留学ということで、新たに秋葉恭介(虎牙光輝)が血の気の多い正オペレーターとして登場。整備士の中條義人とは何かと反撥する間柄です。中條の後輩で新規に女性パイロットとして配属されたのが如月 梓(吉岡美穂)。

 少しだけネタを公開すると・・・海岸に打ち上げられた怪獣の死体。巨大なカメの怪獣を見た如月隊員(吉岡美穂)は、
 「カメーバですね・・・」(美穂ちゃん何で知ってんねん・・・)
 「もう少しマシな命名の仕方はなかったのか・・・」と、秋葉隊員のツッコミ。

   

 さて、「カメーバ」って何ぞや?実は1970年に製作された『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』という映画に登場します。「ゲゾラ」=ゲソ(イカ足)=イカの怪獣、「ガニメ」=カニの怪獣、「カメーバ」=カメの怪獣という安直なネーミング。知っている人だけ、ぷっと噴き出してしまうのです。

 映画はすばらしい出来でした。2001年度の金子修介監督作品にもひけをとらないと思います。(カメーバがそれを意味するのか?)前作に引き続き、『エヴァンゲリオン』の影響が色濃く出てはいますが・・・。子供連れで来場していたお母さんたちも、「よくできてるわねえ〜」と感心していました。

 43年前の『モスラ』でも中條博士を演じた小泉 博はいい味出してました。小美人を演じたのは長澤まさみと大塚ちひろ。ザ・ピーナッツと比べると、ずいぶん脚が長くなったもんです。歌についてはもちろん、ザ・ピーナッツにはかないませんが。(ハモリが分厚いからねえ。)


12月6日(土) 深夜のテレビで映画『ロマンシング・アドベンチャー/キング・ソロモンの秘宝』(KING SOLOMON'S MINES)を観ました。リチャード・チェンバレン、シャロン・ストーン主演、J・リー・トンプソン監督。(1985年アメリカ)

 1937年と1950年に『キング・ソロモン』、1958年には『ソロモン王の宝庫』として映画化されたH.R.ハガード原作によるアラン・クォーターメインの冒険物語。それをアレンジしたのがスピルバーグの『インディ・ジョーンズ』3部作なのです。皆さんもご存知と思います。

 だからストーリーとしてはこちらが本家?といいたいところですが、『インディ・ジョーンズ/レイダース 失われたアーク』が製作されたのは1981年。つまり、インディ・ジョーンズのヒットにあやかったB級映画なのでした。ムチはないけれど、アラン・クォーターメインの衣装はインディ・ジョーンズそのものですよ。

 監督は名匠とうたわれたJ・リー・トンプソン。『恐怖の岬』はスゴかった。いや何でこんなオファーを受けちゃったんだろう。(^^;荒唐無稽なストーリーは『インディ・ジョーンズ』もあまり変わらないと思うのですが、SFXのなどの効果は遠く及ばない。ほとんど実写のカラクリで押しちゃってます。予算ないんだな〜。(^^;

 おバカ映画と割り切ってしまえば、これはこれで結構楽しめます。『インディ・ジョーンズ』と比較したらかわいそうかも。(^^;シャロン・ストーンのじゃじゃ馬ぶりが楽しい・・・演技としてはダッサダサですが。ジョン・ウィリアムズの音楽を徹底的に模倣したジェリー・ゴールドスミスは、ラジー賞のワースト音楽賞にノミネートされました。(^^;

 B級とはいえそこそこのヒットを飛ばしたこの作品、翌年(1986)には第2弾の『キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市を求めて』(ALLAN QUATERMAIN AND THE LOST CITY OF GOLD)が製作されています。(やめときゃいいのに!)

 タイトルの『キングソロモン』も2作目のストーリーには出てきません。邦訳の悲しい性です。職人J・リー・トンプソン監督も降板、評判はさらによろしくないときたもんだ。・・・そう言われるとまた観たくなるんですけどね。これまたシャロン・ストーンがワースト主演女優賞にノミネートされました。(^^;

 アラン・クォーターメインといえば先月の、ショーン・コネリー演じる『リーグ オブ レジェンド/時空を超えた戦い』がいちばんでしょう。ラストでクォーターメインは死んでしまいますが、アフリカの呪術で蘇生するのでは?墓の土がモリモリと動いていましたからね。第2弾、第3弾が観たいよ〜!(^^)


12月5日(金) 友人が観てきた・・・という映画『死ぬまでにしたい10のこと』(MY LIFE WITHOUT ME)を観に行きました。本日が最終日だったので・・・。サラ・ポーリー、スコット・スピードマン、マーク・ラファロ、デボラ・ハリー出演、イザベル・コヘット監督・脚本。(2002年スペイン・カナダ合作)
公式ホームページ

(あらすじ)
 とつぜん襲った腹痛のため、病院に担ぎこまれたアン。23歳の彼女はガンに犯されていて、あと2ヶ月の命であることを知る。アンはこの一大事を誰にも知らせず、死ぬまでにしなくてはならない項目をノートに綴った。

 @娘たちに毎日「愛してる」と言う。
 A娘たちの気に入る新しいママを見つける。
 B娘たちが18歳になるまで毎年贈る誕生日のメッセージを録音する。
 C家族でビーチへ行く。
 D好きなだけお酒とタバコを楽しむ。
 E思っていることを話す。
 F夫以外の男の人とつきあってみる。
 G誰かが私と恋に落ちるよう誘惑する。
 H刑務所にいるパパに会いに行く。
 I爪とヘアスタイルを変える。

 感動した・・・と観ていた人にはごめんなさい。死をあまりにも美化していて、涙は出ませんでした。現実にはありえないです・・・こんなの。17歳で妊娠して結婚。23歳とはいえ、2児の母親とは思えない美貌?夫はハンサムで無邪気、信じられないほど優しい?

 トレーラーハウスでの貧乏暮らしだが、母の実家の庭に置かれている?父親は刑務所にいるが、おだやかで優しい人柄?(とても悪人には見えない。)延命のための治療はしない、病気のことは誰にも話さない・・・こんな都合のいいハナシってありますか?

 10の項目のうち、@CDEIはすぐに実行可能。Bテープを録音するのはたやすいが、それをかかりつけの医師に託すのはどうか?夫には病気を秘密にしている(それもひどいハナシだが・・・)のでやむをえないとしても、それほど親しい人でもないのに・・・。

 H刑務所に10年も入ったまま・・・という父親ですが、悪い人には見えませんでした。その理由も伏せたままです。さて問題となるFGですが、コイン・ランドリーで素敵な出会いがあるとは考えにくいでしょう。青年はすっかりその気にさせられたあげくにポイ捨て・・・。

 そして、いちばん難しいのがAであります。まず実現は不可能ですね。ところが美人で独身で子供好き、職業は看護婦さんで愛情深く、辛い経験をして彼氏もいない・・・という、ぴったりの女性が隣に越してくるのです。しかも“アン”という名前まで同じ。信じられませんよ。

 私がいなくても、新しい明日はやってくる・・・主人公が病床で死を迎えるシーンはありません。感動に水を差すようですが、家族や身内に対する気配りは感じられず、彼女自身で完結させてしまったように思えます。もし私が死に至るとしても、こんな態度は取りません。


12月4日(木) ここしばらく調子よくパソコンに向かえてるな〜と思っていたら、持病の肩凝りがやってきました。首に5寸釘が刺さっているかのような痛みです。(フランケンシュタインじゃあるまいし。)そいでもって、寝たり起きたり、寝たり起きたり・・・の繰り返し。嫌んなっちゃうな〜。(^^;

 テレビ東京では、映画『ボーン・コレクター』を放送していました。これも昔、映画館で観損ねたんだよね。デンゼル・ワシントンと、アンジェリーナ・ジョリーが出演していたのか・・・。吹き替え版は好きじゃない。デンゼル・ワシントンの本当の声はこんなんじゃないです・・・がっかり。(^^;

 テレビ放送には、イントロの音楽がない・・・カットされているのです。これから始まるぞーっていう緊張感がなく、いきなり本編に入ってしまうのですね。初めて観る作品だから、どこが?とはいえないけど、途中にも何箇所かカットがあることでしょう。そしてエンド・タイトルもごっそりカットされています。

 事件が解決したら終わりなの?画面に流れる文字を眺め、音楽を聴きながら余韻に浸る・・・。最近の映画では、最後に“おまけ映像”が付いてるものもありますね。結局、テレビで観てしまうと、その後、ビデオなりDVDなり、再上映を待たないと、本当に観ていない気がしてしまうのです。


12月3日(水) 一昨日に観た3本の映画の最後です。『キューティ・ブロンド ハッピーMAX』(LEGALLY BLONDE 2)リーズ・ウィザースプーン主演、チャールズ・ハーマン=ワームフェルド監督。(2003年アメリカ)
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 ベル・エアの超リッチな家庭に育ったショッピング大好きのブロンド娘。自分を振った恋人を追って入学したハーバード・ロー・スクールで法律家の才能を開花させ、ついでに新しい恋人もゲット!これが前作の『キューティ・ブロンド』でした。あまり期待していなかったのに観てみたら面白かった・・・。というわけで、セカンド・ステージも何かやらかしてくれるのではないかと期待。(^^)

(あらすじ)
 大手法律事務所の一員となったエル・ウッズ。仕事もプライベートも絶好調の彼女は、3ヶ月後に控えたエメットとの結婚に向けて、忙しい日々を送っていた。結婚式の晴れの日に、愛犬ブルーザーの家族も招待しようと思い立ったエルは、探偵を雇ってブルーザーの出生を調査。愛犬の母親が、同じボストンに住んでいることをつきとめる。しかし居場所を訪ねてみてビックリ。ブルーザーのママは、化粧品の実験動物にされていたのだ!

 何て非犬道的な!と、動物の権利を主張して、上得意のクライアントに宣戦布告したエル。しかし事務所のボスからはあっさり却下され、おまけにクビを言い渡される始末。キャリアを失い、すっかり落ち込んでしまうエルだが、持ち前のバイタリティで立ち直ると、目標を政治の世界にシフト。化粧品の動物実験を禁止する法律を作るために、ワシントンD.C.へと乗り込んで行く。

 エルが訪ねたのは、ハーバードの先輩で、ビーグル犬の飼い主でもあるヴィクトリア・ラッド下院議員。スタッフの一員に迎えられたエルは、さっそく自分のデスクまわりをピンク・アイテムでデコレートするが、事務所の中で思いっきり浮き上がってしまう。そして意地悪なお局スタッフのグレースは、何も知らないエルを、エネルギー・商業委員会の公聴会に出席させ、皆の前で大恥をかかせるのだ。はやくも法案提出の芽は摘み取られてしまった。

 1日目から大きな壁にぶつかってしまったエル。救世主のごとく現れたのは、長年ホテルのドアマンを勤めてきたシドである。彼の指導を受けたエルは、議会の人脈と政治のノウハウを猛勉強。さらに親友の美容師の助けを借りて、ベテラン下院議員のリビー・ハウザーを、行きつけの美容室で待ち伏せ。ワシントン流ではなく、エル流オシャレ作戦で議員のハートをキャッチしていくのだ。

 かくしてリビーの手で提出された「ブルーザー法案」は、委員会で審議されることとなり、エルも公聴会で証言の機会を与えられた。シドのくれた極秘資料を元にスピーチを始めた彼女は、事態を有利な方向へ導いていく・・・。「ブルーザー法案」は一気に委員会を通過!と思いきや、そこには思いがけない妨害が・・・。絶体絶命のピンチ、はたして審議の行方は?そしてエルは、ブルーザーのママを救うことができるのか!?

 一昨年の『キューティ・ブロンド』が思いがけない大ヒットとなったために、本作はリーズ・ウィザースプーン自身が製作指揮も兼ねたという・・・すごい女の子だ〜こりゃあ、1976年生まれだからまだ27歳でしょう?ホット・ピンクのスーツを着こなす“歩くバービー人形”なんだけど、コメディだけでなく、ヒューマニズムや痛烈な社会批判まで含んだ説得力ある内容になっています。女性だけでなく、ぜひ男性にも観てもらいたいですね。(^^)


12月2日(火) 昨日観た3本の映画の2本目です。『再見(ツァイツェン)★また逢う日まで』(我的兄弟姐妹/ROOTS AND BRANCHES)ジジ・リョン、ジャン・ウー、シア・ユイ、チェン・シー、ツイ・ジェン出演、ユイ・チョン監督・脚本。(2001年中国)
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(あらすじ)
 若き女性指揮者チー・スーティエンは、20年ぶりに祖国・中国の大地に降りた。アメリカで育った彼女の帰国を記念し、中国交響楽団との共演を伝える報道でマスコミは賑っていたが、彼女にはもうひとつ別の目的があった。それは20年前、7歳のときに生き別れとなり、音信不通になったままの3人の兄妹、兄のイクー、弟ティエン、そして末妹ミャオの行方を探し出し、再会することだったのだ。

 ・・・今から20年前、中国の東北部。かつて音楽大学の優等生だった父は、思想的な過ちを犯したために、この地にやってきたという。けれど小学校の音楽教師を務める父が、悲嘆や悔恨の言葉を口にすることはなく、私たち家族はしっかり者の母に支えられ、まるで小さな音楽の楽園にいるかのようだった。父のアコーディオンに合わせ、兄さんが指揮をとり、弟妹はめいめいに食器を叩いて演奏する。貧しかったけれど、何の不自由を感じることもなく過ごしていたのは、そんな両親と兄妹たちが、いつも一緒に暮らしていたからだ。

 しかし悲劇は間もなくやってくる。父が思想と出身の問題で、音楽教師の職を解かれてしまったのだ。そして母は結核を患い、血を吐いてしまう。母は父に言わないようスーティエンに口止めするが、お互いに心配をかけたくなかったのだ。けれど、いたずら盛りの4人兄妹はそんなことお構いなし。お隣の卵を盗んでしまい、父を怒らせてしまったことも・・・。弟妹をかばい、独りでお仕置き受ける優しい兄。私が内緒でお饅頭を差し入れしたことも、両親は暖かく見守っていたのだ。

 ある夜、母の血咳がひどくなった。見ていられなくなった父は、大雪の中、母を背負って病院に向かうという。「イクー、お前は兄貴だ。みんなを頼んだぞ」そう言い残して家を後にした・・・。翌朝、近所のお婆さんに叩き起こされた私たちは、両親の乗った馬車が、雪で滑って崖下に落ちたことを知らされた。そして2人が亡くなったということを・・・。兄は私たちに家族写真を1枚ずつ渡して説得する。「大きくなったら一緒になれる、悲しみも消えてるよ」と。私たちは養子へ行くことになったのだ。

 上映中、客席のいたるところで鼻をすする音が・・・号泣です。4人の子供たち(特に末娘のミャオ)が、むっちゃくちゃ可愛いんですよ。スクリーンの中をわぁわぁ、きゃあきゃあ飛び跳ねるし、ときにはオイオイ泣き出す始末。誠実で愛情溢れる父ちゃんに、美人で優しい母ちゃん。それだけでもグッと涙ぐんでしまうのに、運命はとんでもない悪戯を仕掛けてくるわけでしょう・・・たまりません。(^^;

 いい映画なんだけどな・・・単館上映なので、よほど記憶に留めておかないと観損ねてしまいますよ。お客さんは結構入っていました。あまり宣伝もされていないようだけど、クチコミで噂は広がっていくんでしょうね。上映館によっては“なかよし4人組割引”(4名で入場の場合1名¥1,000)や、金曜日の来場者全員に明治乳業“カフェ フレッソ”プレゼントの特典も行われているようです。(^^)(※2003年12月現在)


12月1日(月) 恒例の映画サービスデーでございます。となればもう、映画館をハシゴするしかないっしょ。『復活』、『再見(ツァイツェン)★また逢う日まで』、『キューティ・ブロンド ハッピーMAX』の3本を観ました。本日より3日に分けて紹介していきます。

 『復活』(RESURREZIONE/RESURRECTION)ステファニア・ロッカ、ティモシー・ピーチ主演、パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ監督、ニコラ・ピオヴァーニ音楽。(2001年イタリア=フランス=ドイツ合作)原作:レフ・トルストイ。

 イタリア人監督によるロシア文学の映画化で、台詞はもちろんイタリア語。予告編を観たときに、その映像美に見とれてしまい、封切りになったら行こうと決めていました。原作は読んでいません(スミマセン)が、忠実に再現されたと伝えられる187分の長編です。
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(あらすじ)
 娼婦と使用人との共犯による殺人事件・・・陪審員として裁判所に出廷したネフリュードフは、被告人として挙げられた娼婦を見て愕然とした。それはかつての恋人、深く愛しながらも身分が傷つくことを恐れて捨てた女、カチューシャその人だったのである。彼女の罪状は窃盗・毒殺であったが、疑うことなく無実であった。

 自らの過去が露見することを恐れたネフリュードフ。しかしカチューシャのおかれている状況を理解しながら、彼女をうまく擁護しようと焦る・・・。皮肉なことに陪審は手続き上の不備をきたしてしまい、判決は裁判官の手に委ねられてしまう。カチューシャはシベリアへの徒刑を宣告されてしまったのだ。

 ・・・7年という歳月は、カチューシャの姿も心も変えてしまっていた。彼女が転落した原因は自分にある・・・罪の深さを悟ったネフリュードフは、自らが犯した過ちに対する自責の念から、いてもたってもいられなくなった。

 ネフリュードフの回想・・・ひと夏を過ごした叔母たちの家。そこで養女兼召使いとして働いていたカチューシャと出会う。それは、純真な青年と少女の淡い恋であった。それから3年後、大人になった2人が再会した復活祭の夜、欲望を抑え切れなくなったネフリュードフは、カチューシャを誘惑してしまう・・・。

 翌朝、ネフリュードフの出発を密かに見送りにきたカチューシャ。彼は無言で彼女にお金を握らせ、立ち去ってしまうのだ。カチューシャは深く傷つくが、実はこの時、彼女はネフリュードフの子を身ごもっていたのである。

 カチューシャは叔母の家を追い出され、娼婦へと転落していった。荒れた生活はやがて、子供の命まで奪ってしまう・・・。ネフリュードフは目覚めた。自らが持てる全てを賭けて、カチューシャを救おうと決意する。そして贖罪の念から、彼女に結婚を申し込むのだ。

 家財を売り払い、判決取り消しを控訴するネフリュードフ。しかしカチューシャの態度は冷たかった。カチューシャはネフリュードフを深く愛しながらも、彼の愛が良心の呵責からくる使命感と、自責の念であることを知っていたのだ。ネフリュードフはカチューシャを追いシベリアへと向かうが・・・。

 日本では大正3年、島村抱月がこの作品を戯曲化して芸術座で上演し、ヒロインを演じた松井須摩子の劇中歌「カチューシャの唄」が大ヒット。“カチューシャ”という名前は日本人にとって親しいものとなりました。

 そういえば、髪飾りの“カチューシャ”というのは、ここから来ているのかな?というわけで調べてみます・・・う〜む、イマイチ確証が得られません。商標名だったとう説もあります。(^^;ちなみにKATYUSHA(Катюша)は、EKATERINAの愛称なんだそうです。

 脱線してしまいましたが、非常に美しい映像でありました。言葉の違和感はありますが、ややこしいことは言わず、文学に酔いしれてください。やがてロシアで上映される際には母国語に吹替えられ、大いに迎え入れられることでしょう。それも観てみたい気はするのだけれど・・・。(^^;

 ニコラ・ピオヴァーニが甘美な音楽で、美しさを際立たせてくれます。昨年公開された『ピノッキオ』も彼の音楽でしたね。ニーノ・ロータ以来のメロディ・メーカーと確信しています。そんなこんなで3時間は少しも退屈ではありません。機会があればぜひご覧くださいませ。(^^)


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