2004年2月の日記

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2月29日(日) IPラジオの部屋追加

 映画に行く予定だったのに、夜型の生活を送っていたため、寝過ごしてしまいました。明日(3月1日)は映画の日なので、空いてる映画館に行く方がいいかな?というのもあります。夕方、食事を摂るために高田馬場に出ましたが、今日は本当に暖かかったんですね。

 高田馬場も日曜日になると、商店街には閉店が多く、いつもの活気がありません。これはちょっと意外でした。スーパーでは¥100のミニケーキが売られていたので、モンブランを買って食べました。とても¥100とは思えぬ品の良い甘味です。久しぶりにケーキを食べたな。(^^;

 
IPラジオの部屋Radio Denmarkの32kbps、20kbpsショート・カットを追加。問題になっていたPILOT版、Mostly Classicalは削除しましたが、Soma FMRadio 13.net のショート・カットで使用できるすべてのコンテンツ、テクノ系Radio Tempo FMを追加しました。

 登録・設定(無料)が必要ですが、すべてのCDが試聴できる
Naxos Japanへのリンクも張りました。チャンネルは合計128という、ものすごい数になってしまいましたが、まだまだ増える可能性も大きいです。内容を吟味してお薦めできるものだけを増やしていきます。(^^)


2月28日(土) Config Safe

 お正月に貰った映画の割引券、期限が今月一杯となります。映画を観に行こうと思ったのですが、どうも昨日から胃の具合が良くない。キャベジンを飲んで仮眠をとったら、そのまま熟睡してしまいました。映画はまた明日、ということで起き出してパソコンを使っていたら、メモリー不足でフリーズしてしまいました。

 再起動させるとフォルダの表示等、設定が変わってしまったじゃありませんか。実は昨日も同じことが起きました。Config Safeを起動させて、一昨日のレジストリに戻してやります。こまめにスナップ・ショットを撮っておいて良かったです。そうでないと、ひとつずつ手作業で再設定しないといけませんから。

 最近は横着なパソコン使いに慣れてしまい、3つのウィンドウを立ち上げて同時作業したりします。メモリーが全然足らないんですけどね。強制終了させられると、せっかく整えたデータが一瞬にして吹っ飛びます。ちょっと悔しいので、『布団が吹っ飛んだ!』などと親父ギャグを飛ばしています。(^^;


2月27日(金) Mostly Classical

 ここのところずっと、パソコンで音楽を聴いています。FM放送をライヴにOAしているサイトと、録音された一定のプログラムをOAしているサイトがありますね。
Mostly Classicalは後者のタイプ。気になるのは途中で止まってしまうことが多いことです。ISDNではちょっと辛いかな?と思っていたのですが・・・。

 調べてみると、
Digitally Importedというサイトが配信している15のジャンルにも含まれていました。興味のある方はリンクをクリックしてみてください。クラシック以外のジャンルも、高音質で楽しむことができます。へぇ〜スゴイじゃん!と思って、リンクを取り込むことを目論んだのですが・・・。

 実はこれ、有料サイトのPILOT(お試し)版だったのです。もちろん音楽は楽しめますが、5分過ぎ(不定期)くらいになると接続が切れ、『DI.FM』の文字が表示されて終了・・・。再接続すれば、また続きを楽しむことができますが、しばらくすると終了・・・。次第に接続時間が短くなっていくようです。

 続けて聴きたい人はお金を払ってね♪ということでした。このようなチャンネルを、IPラジオに設定するのは問題があるでしょう。次回更新の際にはリンクを外しちゃいます。お金(有料)なんか払わなくても、“優良”なサイトはいくらでもあります。新しいサイトをどんどん開発中です。(^^)


2月26日(木) IPラジオの部屋完成

 未完成のまま残しておくと、データ入力の合間に、ついつい気になりいぢくり回してしまいます。リンク切れのサイトはすべて削除!ラジオ国際放送(英語)を取り入れて、クラシックのサイトも多数追加。その結果、85のサイトすべてを聴取可能!というレベルまで追い込みました。

 現在、多くのサイトが閉鎖されているのは、音楽著作権の問題をクリアできないから?と推測します。最初のうちは野放しになっていたようです。ただ、国によって規制は異なりますので、東欧やアジア諸国では今でも、ユニークな番組を放送してくれていますね。

 コンテンツが充実しているのは、
Radio Denmark。通信速度が64kbpsなので、モデムやISDNでは辛いところですが、ホームページからアクセスすれば、32kbps、20kbpsも選択できます。通信速度を落としても、意外と高音質なのには驚かされますね。

 20kbpsでは音がパサパサかと思えば、それを感じさせないよう上手く音作りをしています。“モノは使いよう”といった感じです。ステレオ放送なのに片チャンネルしか音の出ない(偏っている)サイトや、時間外は“ザ〜”と変調ノイズを流しているサイトもあり、微笑ましいです。


2月25日(水) IPラジオのメンテナンス

 昨日立ち上げた
IPラジオの部屋ですが、お楽しみ頂けましたでしょうか?ベースになっているのは、市販のIPラジオに使用されているデータですが、厳しくチェックしてみると、休止サイト、リンク切れ、コマンド間違い等の不備がゾロゾロ出てきました。これって本当に市販されているのかしらん?

 私の経験則でいうと、SEを本職とする人々というのは、器用さと裏腹に実は大雑把だったりします。単なるコンピューター・ヲタクなんでしょうか?それを使用する人たちのことを考えていないのか。美しいデザインや奇抜なフラッシュ・アニメーションを用いたHPほど、内容の伴なっていないものが多いですね。

 メンテナンスを始めたら徹夜になってしまいました。リンクに(不可)と表記のあるサイトは再生できません。ダブって登録されているサイトもありました。これが専門家の仕事とは思えないなあ。没になったサイトは、もっと有意義な別のサイトを探して埋めていきたいと考えています。

 
世界のインターネット放送ガイドというお役立ちサイトを発見しました。デザインも綺麗だし、便利な検索機能も備えていますが、紹介されているサイトの半分以上がリンク切れになっています。私のサイトもまだまだ未完成ですが、いずれ整備して更新していきたいと思います。


2月24日(火) IPラジオの部屋

 お気に入りのタレントさんがパーソナリティを務める遠方のラジオ放送を聴くために、
『AMラジオ遠距離受信の部屋』というサイトでは、ラジオ(受信機)の選定からループアンテナの設置まで、詳しく解説がなされています。かつてはUSEN440によるAMラジオの再送信が行われていたのですが、1999年11月をもって終了してしまいました。

 月額¥6,000という高額だったようで、営業用の著作権を支払っていると考えても、かなり厳しいですね。需要はそう多くなかったのでしょう。ケーブル・テレビで調べてみても、地元FM局の再送信は行われていますが、AMラジオに関しては黙殺されております。(笑)高性能受信機を用い、雑音の中から聴取するしかありません。(^^;

 インターネットを調べているうちに、“IPラジオ”というコンテンツに当たりました。AMラジオではありませんが、インターネットを用いて全世界に放送されているコンテンツです。“ソフィアシステムズ”というブランドはこれを利用し、あらかじめプリセットされた65のチャンネルを、パソコン無しで聴取できる“IPラジオ”という商品を開発しました。

 ただおそらく、この商品は販売実績よろしくないでしょう。パソコン機能の一部だけを切り取ったものですから。それにウェブサイトは日々更新されていきます。“ソフィアシステムズ”がホームページで公開したデータと、ダウンロード用に公開したデータにも食い違いが出ていますし、これらのデータは、パソコンさえあれば誰でも聴取できるものなのです。

 というわけで、
IPラジオの部屋という独自のリンク集を作ってしまいました。トップ・ページからも入室できます。製作途中で新たなプログラムを追加できたし、参照したデータにも多くのリンク切れや間違いがありました。プログラムは膨れ上がって、77にも及びましたが、まだ全てを確認できたわけではないので未完成です。

 またこの先、どんどん増えていくことでしょう。個人サイトの“呟き日記”はオミットします。(笑)かつて短波放送のBCL(Broad Cast Listening)のように、部屋にいながらにして世界と繋がっているような、そんなリンク集にできたらいいな、と思います。(Real PlayerとWindows Media Playerが必要です。)


2月23日(月) S-VHSビデオで録音

 私の部屋には2系統のオーディオ・システムがあります。メインのオーディオ・システムは、LP(アナログ)プレーヤー、CDプレーヤー、FM&AMチューナー、カセット・デッキ(2台)、プリメイン・アンプ、スピーカー・システム、オーディオ・タイマーを組み合わせたもの。

 もう一つは、テレビで映画を観ることに重点を置いたAVサラウンド・システムです。テレビ、DVDプレーヤー、LDプレーヤー、S-VHSビデオ(2台)、AVレシーバー、5.1chサラウンド・スピーカー・システム。最近は“AVアンプ”ではなく、“AVレシーバー”と呼ばれているのはご存知でしょうか?

 なぜならAVアンプにFM&AMチューナーが組み込まれていて、価格は据え置きになっているからです。今やチューナーの回路は、1チップのIC(集積回路)で事足りるようになってしまいました。音質もそこそこ良し・・・メインのチューナーにはかないませんけどね。

 AMラジオで録音したい番組がありました。メインのシステムを使用したいところですが、どうも設置場所が拙かったのです。FMはともかくとして、AMは住宅ノイズに弱いものですから。隣の建物から妨害電波を受けて、“ガ〜”と鳴りっぱなし。移動させるゆとりもないしなあ・・・。

 いいこと考えた!住宅ノイズの影響を受けていないAVレシーバーを使用することに。番組はちょうど3時間だから、カセットでは心許ない。システムに繋がれているS-VHSビデオで、180分テープを回せば良いのです。理屈では分かっていたけれど、今まで実践したことがありませんでした。

 ダビングの要領で外部入力からタイマー録画。特別に繋ぎ替える必要もありません。かつてのオープン・リールに匹敵する音質で録音できました。初期のHI-FI VHSのようなスイッチング・ノイズも出ませんね。ただ、今回のようにラジオ番組から長時間録音という機会は少なくなりました。

 かつてカラヤンやベーム、チェリビダッケが生きていた頃は、ランニング・コストのかかるオープン・リール・デッキを用い、食い入るようにFMのライヴ録音を追いかけたものです。ハングリーでしたね。その頃のライヴ録音は、現在、次々とCD化されていきます。巨匠たちの黄金時代でした。


2月22日(日) 消えたグリフィス賞

 今日は池袋へと出掛けました。朝は肌寒かったので、革コートを着ていったのですが、これは失敗。5月を思わせる暖かさで、汗をかいてしまいました。東急ハンズで、パソコンのキーボードの下に敷く棚板を購入。2枚重ねて4cm弱、高さを増すことができました。完璧。(^^)v

 一昨日観た映画、『国民の創生』ですが、『風と共に去りぬ』に負けるとも劣らない作品であるにもかかわらず、あまり観る機会がないのはなぜか?やはりクー・クラックス・クラン(KKK)団を、正義の使者であるかのように描いてしまったことが問題になるのか?調べてみました。

 やはりこんな記事がありました。

 
『全米監督組合、グリフィスを批判』
 1999年12月14日、全米監督組合は、毎年3月に行われている監督組合賞から、長年にわたり映画業界に功績を残した監督を称えるD.W.グリフィス賞を廃止することを発表した。1953年から実施された同賞は、これまでに28人の監督が受賞し、中には、ジョン・フォード、フランク・キャプラ、アルフレッド・ヒッチコック、スタンリー・キューブリック、フランシス・フォード・コッポラ、そして日本の黒澤明の名前がある。廃止の理由は、新世紀を前に新しい社会の感性を反映させる賞を設けるいい時期であるとしながら、グリフィスは映画界の開拓者として評価されるべき監督ではあるが、その白人優越主義は人種差別を増長させたとして強く批判。
 D.W.グリフィス(デヴィッド・ワーク・グリフィス)は『イントレランス』(1916)や『国民の創生』(1915)など無声映画時代を代表する監督だが、南北戦争を題材にした『国民の創生』では白人優越主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)を称えた描写を盛り込み、公開当時から問題視されていた。


 南部で生まれ育ったグリフィス、やはり思想に無頓着であったわけか・・・。『散りゆく花』(1919)においても、中国人は“YELLOW MAN”と呼ばれていたし、アフリカ人、インド人らの有色人種を蔑視した描写があります。これらは差別というより外国人恐怖症に近いかな。

 江戸時代にオランダ人を“南蛮人”とか“毛唐”と呼んだり、西洋人を“赤鬼”と呼んだり。真っ赤な顔をした“天狗”もまた、日本に漂着した西洋人が、山奥に隠れ棲んでいたことから始まります。言葉も通じなければ、意志の疎通もありません。コミュニケーション不足というやつですね。


2月21日(土) ジャスト・フィット

 2月13日に注文したバランス・チェアが納品されました。さっそく組み立ててみましょう!納品時、腰と膝のクッション部分は最も狭い間隔にセットされています。どうかしらん?と思って、間隔を開けてみたのですが、結果、元に戻しました。おそらく欧米人の体格に合わせた配慮と思われます。

 パソコン・ラックにセッティングすると、今度はモニターの位置が低すぎます。レコード・ラックの仕切り板が4枚遊んでいるので、それを利用して5cmほど持ち上げました。キーボードの位置も低すぎるのですが、これはまた明日、何か下に敷けるものを探してきましょう。

 バランス・チェアは背筋がまっすぐに伸びるので気持ちいいですね。膝のクッションも具合が良く、これで足も痛くなることはないでしょう。それにしても、パソコン・ラックは様々な問題を抱えていました。テーブル位置の高さが調整不能。モニターの高さは、独立して調整できるのが望ましいです。

 デスクトップ・パソコンなら、本体の上にモニターを乗せてしまった方がベストかも知れません。おそらく多くの方が、“グレン・グールド・スタイル”でパソコンに向かっておられることでしょう。肩凝り、腰痛に悩まされているのであれば、バランス・チェアをメインにしたセッティングをお奨めします。


2月20日(金) 『国民の創生』

 レーザーディスクで観る映画、第4弾。『国民の創生』(THE BIRTH OF A NATION)リリアン・ギッシュ、メイ・マーシュ、ヘンリー・B・ウォルソール、ミリアム・クーパー主演。D.W.グリフィス監督、フレーザー・マクドナルド音楽。(1915年アメリカ)

 今回のフィルムは、版権者ポール・キリアム監修による1915年2月8日の初公開版です。2時間34分という大長編でパート・カラー。(セピア、グリーン、パープルなど。)サイレント作品ではありますが、フレーザー・マクドナルドによる美しい音楽(シンクロ)が付けられていました。

 サイレント映画は、いろいろなバージョンが発売されているので要注意です。今回はフル・オーケストラの音楽が付けられていて最高の出来でした。調べてみると1時間44分の短縮版や、カール・ジョセフ・ブレイルの音楽を付けたものも発売されていたようです。

 ピアノや電子オルガンで安直な音楽を付けたもの。部分的に効果音を加えたものや、まったく音楽無しのバージョンもあります。映像もパート・カラーをモノクロに落としてしまったものや、手書きの台詞(字幕)が挿入されたものまで。買ってみないと分からないというのが困り者です。

(あらすじ)
 南北戦争の勃発とともに、親しかった2つの家庭が、奇しくも南北に分かれて戦うことに・・・。そして戦争は終わったものの、リンカーン大統領は暗殺され、人種闘争は混乱をきわめます。北部の白人による黒人議員の擁立。力をつけた北部の黒人による南部の制圧と、それに抗するため立ち上がったクー・クラックス・クラン(KKK)団。大きな時代の波に翻弄され、両家の男女の恋までもが引き裂かれていくのでした。

 何百人というエキストラと火薬を用いた南北戦争のシーンはものすごい迫力です。後半のKKK団と黒人擁立政府軍との戦いも。リンカーン大統領暗殺事件も、その場に居合わせたかのようにリアルです。当時はまだ“見世物”でしかなかった映画というメディアを、“芸術”のレベルまで引き上げたグリフィスは、映画の創始者とも呼ばれています。

 そしてロマンティックな描写にかけても、グリフィスは“映像詩人”であるといえましょう。日常生活の中から仔犬や仔猫の戯れるシーンを切り取ったり、リリアン・ギッシュという最高の被写体を得て、自然とのコラボレーションを演出します。それにしてもリリアン・ギッシュはチャーミングですね。その瞳は優しく、そして女王のように気高く輝きます。

   


2月19日(木) 『キング・コング』

 今日はコンビニで、“竹の子御飯弁当”を買って食べました。春はもうすぐ!東京は暖かいですね。名古屋は例年どおりだと、3月の上旬までは寒いと思います。お風邪を召さぬよう、また花粉症にもお気を付けください。

 レーザーディスクで観る映画、第3弾。『キング・コング』(KING KONG)ロバート・アームストロング、フェイ・レイ、ブルース・キャボット主演。メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードサック製作・監督、マックス・スタイナー音楽。(1933年アメリカ)

 怪獣映画の原点ともいえる作品ですが、全編を通して観る機会は滅多にありません。もっとも人が創造した“怪獣”ではなく“巨大な類人猿”(ゴリラ)ですが。オリジナル完全版は1時間40分という長さです。

 ちょっと驚いたのはこの映画、キング・コングだけでなくステゴサウルス、ブロントサウルス、ティラノサウルス、プレシオサウルス、プテラノドンといった恐竜が次々に登場することです。というか、あまりにも節操なく登場するので呆れてしまいました。サービス過剰ですね。

 キング・コングや恐竜たちは、ギニョール(人形)をコマ撮りしたもので、ギクシャクしています。時代を考えれば仕方ないことでしょうが、着ぐるみの怪獣を考案し、滑らかな動きを実現した円谷英二さんは偉大ですね。キング・コングとティラノサウルスの決闘・・・ちっとも面白くありません。

 ストーリーが単純すぎて、メッセージが何もない・・・怪物が画面の中で暴れまわったらさぞ面白いだろう、という見世物映画なのです。キング・コングがティラノサウルスの顎を砕いて殺してしまうシーンは血が流れるので残酷。人間を噛み殺したり、足で踏み殺すシーンもあります。

 同じ怪獣でも『ゴジラ』の場合は、爬虫類(両棲類)なので無表情、“何を考えているか分からない”といった雰囲気がありますが、キング・コング(類人猿)の場合、きわめて人間に近い表情をするので、悪意を感じさせてしまいます。そしてラストはさらに残酷。

 エンパイア・ステート・ビルディングに登るキング・コング。途中、ビルの窓から1人の女性を掴まえますが、お目当てのヒロイン(アン・ダロー)ではなかったと知ると、ポイっと投げ捨ててしまいます。次に掴まえたのはお目当てのヒロインだったわけですが、あまりにも都合のいいお話。

 4機の複葉機による機銃掃射で力尽き、地面に落下するキング・コング。どうもこのエンディングは、特撮は素晴らしいものの“駄作”と評判のゴジラ・シリーズ第2弾、『ゴジラの逆襲』にも似ているなあ。怪獣の死に際しては、もっと尊厳な演出が欲しいところ。

 ちなみに下の写真はポスター用の合成写真で、キング・コングはこんなに大きくありません。エンパイア・ステート・ビルディングに登ったくらいだから、せいぜい20メートルくらい。顔もぜんぜん違います。この造形はむしろ『キングコング対ゴジラ』(1962年東宝)にそっくりです。

 もうひとつ、音楽は『風と共に去りぬ』で有名なマックス・スタイナー。絢爛豪華なサウンドを聴かせてくれますが、映画自体が見世物なものですから、ただやかましいだけで終わってしまい残念。『ゴジラ』(1954年東宝)と比較すると、この『キング・コング』はつまらないですね。

   


2月18日(水) 『フレンジー』

 レーザーディスクで観る映画、第2弾。『フレンジー』(FRENZY)ジョン・フィンチ、アレック・マッコーウェン、バリー・フォスター、バーバラ・リー・ハント、アンナ・マッシー出演。アルフレッド・ヒッチコック監督、ロン・グッドウィン音楽。(1972年アメリカ)

 ヒッチコックのファンである私ですが、有名な作品はもうほとんど観たとタカをくくっておりました。ざっと挙げると、『レベッカ』(1940)、『断崖』(1941)、『逃走迷路』(1942)、『白い恐怖』(1945)、『汚名』(1946)、『ロープ』(1948)、『見知らぬ乗客』(1951)、『ダイヤルMを廻せ!』(1954)、『裏窓』(1954)、『泥棒成金』(1955)、『ハリーの災難』(1955)、『知りすぎていた男』(1956)、『間違えられた男』(1956)、『めまい』(1958)、『北北西に進路を取れ』(1959)、『サイコ』(1960)、『鳥』(1963)、『マーニー』(1964)、『引き裂かれたカーテン』(1966)。

 観ていなかった作品を挙げると、『海外特派員』(1940)、『スミス夫妻』(1941)、『疑惑の影』(1943)、『救命艇』(1944)、『パラダイン夫人の恋』(1948)、『山羊座のもとに』(1949)、『舞台恐怖症』(1950)、『私は告白する』(1953)、『トパーズ』(1969)、『ファミリー・プロット』(1976遺作)、そしてこの『フレンジー』(1972)であります。実際にはイギリス時代のサイレント&トーキーの作品が、23作品もあるそうですが・・・。

 さて『フレンジー』、ヒッチコック晩年の傑作ということですが、いかにも低予算で作られた感じです。ロケーションで見るかぎりテレビ・ドラマ並ですし、ヒッチコックお約束の美女も登場しません。俳優さんは上手いのですが、有名な人は1人もいませんね。

 平凡な男が連続猟奇殺人の被疑者として追われることになる・・・という定番のストーリー。最初のうちは、“ヒッチコックもパワー・ダウンしたなあ”と思って観ていたのですが、やはり観客を上手く引き込むコツを心得ています。だんだんと画面に釘付けになってしまいました。

 凄惨な殺人事件と、オックスフォード警部夫妻の愛情溢れるエピソードとのコントラストがいいですね。“食”に関するシーンが多いのも特徴です。生きていく上で切っても切り離せないもの、幸福は平凡の中にこそある・・・という、人生の達人ヒッチコックを思わせます。

   


2月17日(火) 『吸血鬼ドラキュラ』

 中古レコードの“DISC FUN”で買ったレーザーディスクの映画を観ています。未開封の新品が1枚¥600でした。LDで買える相場は¥1,000まででしょう。廉価DVDは¥1,500で買えてしまいますから。

 『吸血鬼ドラキュラ』(HORROR OF DRACULA)ピーター・カッシング、クリストファー・リー主演。テレンス・フィッシャー監督、ジェームズ・バーナード音楽。(1957年イギリス)

 ブラム・ストーカーの原作に忠実ではないし、ストーリーをはしょったところもあるけれど、最もスタンダードなドラキュラ映画といえるでしょう。ピーター・カッシングのヘルシング博士、クリストファー・リーのドラキュラという最強コンビ。

 ドラキュラは日の光を嫌うわけですが、映画の中ではおそろしく時間が速く流れていくのですね。“何やってんだよう、ノンビリしてるから、もう日が暮れちゃったじゃないか!”と、観ている方はハラハラ・・・演出が絶妙です。

 ホラー映画にグラマー&セクシー美女を持ってきたのも、テレンス・フィッシャー監督ならでは。女吸血鬼として甦るときの形相と、心臓に杭を打たれて安らかな顔に戻るときのコントラストがいいですね。女優さんはたいへんだけど。(^^;

   


2月16日(月) パクリOK?

 ラジオを聴いていたら、平原綾香という歌手の『ジュピター』という曲が流れてきました。この曲・・・元ネタはクラシックなんですけど。イギリスの作曲家グスターヴ・ホルスト(1874〜1934)作曲、組曲『惑星』の第4曲『木星』(ジュピター)のメロディーであります。

 平原綾香ご本人のメッセージが寄せられていて、“この曲はホルストの『木星』という曲です。学校の音楽概論の授業で初めて聴いて、これが自分の求めていたメロディーだ!と、この曲に歌詞を付けて歌ってみようと思いました”と、カミングアウトしておりました。

 ラジオのMCも、“いや〜、学校の授業で聴いた曲を歌ってみようなんて、やっぱり才能だね〜”と、ヨイショしています。バッカじゃないの?ミュージシャンならオリジナル曲で勝負しなさいよ!そう、彼女は知らないのだ。かつてこの曲をめぐって争いが起きたことを。

 冨田勲がシンセサイザーによる『惑星』を発表したとき、ホルストの実娘であるイモージェン女史から強烈なクレームが付けられ、イギリスでの発売が中止になりました。このレコードは当時のSF映画ブームにもマッチして、ホルストの名を広く世に知らしめることになるのですが・・・。

 冨田勲の『惑星』はアナログ・シンセサイザーによる作品で、パソコンもなかった時代ですから、斬新であるとともに大変な労作であったわけです。平原あやかの『ジュピター』は、そのまんま歌詞を付けただけ。それでもいいと思っているのは、いかにもポカーンとした現代っ子。

 『大きな古時計』といい、そろそろ皆いい加減にしたら?(^^;日本人の音楽観というのは、本当にレベルが低いな〜ということで、欧米人にも馬鹿にされていることを気づいていないのか?(脱線しますが)港には未検査の輸入牛肉が、大量に置かれているというのに。

 これはアメリカから一方的に送り付けられたもの。ほんらい返却すべきところなのですが、船便のメドも立たないし費用もかかってしまいます。しかたなく冷凍保存されていますが、倉庫の費用は日本が負担しているわけです。おそらく1日何十万円という単位。

 外資系CDショップに務めていた頃、これと同じような事件が何度もありました。注文していない商品や、香港で在庫過剰になった商品を一方的に送り付けられたこと。いつまでたってもナメられつづけるサムライ・ニッポン。替え歌なんか歌ってないでマジメに考えましょう。


2月15日(日) ウルトラQ倶楽部

 少し前に気づいたのですが、TBSラジオ(954kHz)で、毎週日曜日19:30からOAされているのは、
『ウルトラQ倶楽部』。先週はうっかり聴き逃してしまいました。今週こそは!と気合を入れて、先ほど聴き終えた次第。ウルトラ世代のおじさんたちにとっては懐かしいかぎりです。

 万城目淳(佐原健二)、江戸川由利子(桜井浩子)、戸川一平(西條康彦)の主役3人がレギュラー出演。新作ラジオ・ドラマを披露してくれるし、円谷プロお馴染みの俳優さんたち、監督さんたちが入れ替わりに登場。ある意味、“おそろしくゴージャスな内容”なのです。

 来週の土曜日(2月21日)は、2時間の特別番組『ウルトラQ倶楽部・スペシャル』が19:00〜21:00までOAされます。ラジオ・ドラマ『ウルトラQ』の1時間スペシャルを、前編・後編に分けて放送するほか、モロボシ・ダン(森次晃嗣)や実相寺昭雄監督も登場して、座談会を繰り広げる予定。

 ちなみに名古屋では放送されていないようです。ラジオを持っている人は954kHzに合わせてみてください。私が中学生の頃は感度良好でしたが、今はどんな具合でしょうか?インターネットとラジオを併用すれば、すばらしいラジオ・ライフが送れますよ。(^^)


2月14日(土) AMラジオ遠距離受信

 MBS(大阪毎日放送1179kHz)で、毎週土曜日23:30からOAされている
『オレたちヒーロー』。吉岡美穂さんのファンなら誰もが聴きたいと思うところですが、関西地区以外ではなかなか受信が難しい。私は東京23区のマンションで、BCLラジオを用い、雑音混じりで受信しています。

 最近は少し暖かくなってきたので、フリースの上に革コートを着込み、BCLラジオを持ってベランダへ出ます。鉄筋コンクリートの部屋では受信感度がよろしくないからです。ヘッドホンを耳に当て、熱いコーヒーをすすりながら聴いていました。ちょっとしたリゾート気分ではありませんか?

 名古屋の実家で文化放送やTBSを聴いていた私は、東京で大阪の放送を聴くことなど難しくない、と考えています。しかし、ファンサイトの掲示板で関東在住の高校生から、“どうしたら聴けるようになるのか?”との質問を受けたため、回答として以下の文章を寄せました。

@ラジオの電源は乾電池を用い、ノイズの少ない場所を探してラジオの角度を変えたり、移動させたりしてください。

Aノイズの発生源となるテレビ、パソコン、携帯電話、CDプレーヤー、蛍光灯などの電源は落としておきましょう。

B鉄筋コンクリートの部屋では受信できません。ベランダに出るか、ラジオを持って外へ出ましょう。(風邪に注意。)

Cミニコンポ、オーディオ製品のラジオ部分は音質重視のため、感度はあまり良くありません。いろいろなラジオで試してみてください。カーラジオが意外と強力かもしれません。

Dそれでもダメなら高感度のワールドバンド・レシーバーを購入してください。中波帯の受信回路にダブルスーパーヘテロダイン(デュアルコンバージョン)を用いています。
※購入したからといって、必ずきれいに受信できるとも保証できません。自己責任でお願いします。

 ワールドバンド・レシーバーとは、昔でいうところのBCLラジオ。時代とともに呼び名も変わったし、デジタル方式に変わって性能も飛躍的に向上しました。25年前のICF-5900や、30年前のRF-888でも受信できるのだから、まずOKじゃないかな?とも思うのですが・・・。

 普通のラジカセで受信してる人もいるわけで、これはもうトライ&エラーを繰り返すしかありません。おおむね最近のラジカセは感度も音質も悪くなりました。CDやMDが中心で、ラジオはオマケ機能としか考えられていないのです。昔のラジオの方が良かったなんて・・・。

 しかし、インターネットの掲示板でそれを指導するのは難しい・・・と、苦戦の兆しが見えたところ、ファンサイトの管理者が便利なサイトを紹介してくれました。感謝!
『AMラジオ遠距離受信の部屋』というサイトで、私の伝えたかったことがすべて表わされていました。(^^)


2月13日(金) 新世紀の椅子

 オフィス用の椅子はどこで買えばいいんでしょう?近所のリサイクル・ショップには、高さを調整できない中途半端な椅子しかありません。とりあえず、品揃えの豊富な、渋谷の東急ハンズへ行ってみることにしました。たくさんある中から選びたいですもんね。

 うわー、たくさんの椅子があります。値段も¥15,000から、上は10万円クラスまであります。いろいろ座ってみたけれど、ノルウェーHÅG社のバランス・チェア(写真)がダントツでした。背骨がまっすぐに伸びるので、5分ほど座っただけでも、肩凝りがすーっと引いていく感じがします。

 普通のオフィス椅子は、2万円でも10万円でも素材が違うだけ。肩が凝ってしまうのは同じですね。かなり考えてしまったけれど、バランス・チェアを購入することにしました。しかし¥38,000(税込み¥39,900)はキビシイ。というか、こんな高い買物をしたことがありません。

 大画面のテレビが買えてしまう値段ですね。しかしこの先、何度も整体治療に通うくらいなら、これで肩凝りからおさらばできると思えば安いかもしれない・・・そう考えることにしました。ちなみに腰と膝のクッションをはじめ、消耗部品はすべて交換できるシステムとなっています。

 一生使えるとすれば、4万円など安いもの?たかが椅子、されど椅子・・・すでに健康を害してしまった私は、すぐにでも持ち帰りたいくらいですが、発送までに1週間もかかるそうです。配送予定日は2月21日、バランス・チェアが待ち遠しい・・・背中がきりきり痛みます。

   


2月12日(木) 理想の椅子

 我慢ができなくなって、今月、2回目の整体に行きました。首も肩もガチガチに固まっているし、背中をそらすとチクリと痛みが走ります。さすがの整体師さんも、「何でこんなになっちゃうんですか?」と不思議顔。上半身のみならず、足腰も痛めているようです。

 マッサージが終わって、起き上がろうとしたら、「一度、身体を横にして、腕で支えながら起きたほうがいいですよ。」とのこと。確かに起きられませんでした。原因をいろいろと考えてみたところ、パソコンに向かうときの椅子がマズいんじゃないかと思うのであります。

 実家から持ってきたのは学習机の椅子でした。小学校入学時のものではなく、高校の時分に買い換えてはいるのですが・・・。外観はきれいなんですが、実はもうスポンジが潰れてしまっているので、ペッタンコになっています。ベニヤ板の上に乗っかっているようなものですね。

 明日は新しい椅子を買いに行ってきます。リクライニング&エアクッションの効いたオフィス用の椅子を購入しましょう!健康な身体になりたいので、少々高くても構いませんが、2万円くらいあれば買えるかしらん?それに、どこで買えばいいんだろう?合羽橋までは遠いしなあ。(^^;


2月11日(水) 購買意欲をそそる音楽

 オープン初日の“ディスクユニオン新宿クラシック館”を探検してきました。12時頃に入ったのですが、ものすごい数のお客さんでごった返していて、一瞬、出直そうかと考えてしまったほどです。“お茶の水クラシック館”に比べるとキャパは半分くらいですが、什器にはぎっしりCDが詰まっているので、かなりの在庫があるんじゃないでしょうか。

 LPレコードも少なからず用意されています。ただ、¥400以下のコーナーは3列だけ。どうしようかな?と思いながらも、他のお客さんの熱気と、店内に流れる“マーラー:「復活」”に乗せられて、¥300のLPを13枚購入しました。(いわゆる珍しいものは1枚もありませんが・・・。)レジの行列に並び、会計を済ませるまで30分程を要しました。

 確かに「復活」の終楽章は購買意欲をそそられます。その日は“ベートーヴェン:第九”もストア・プレイされていましたが、私がCDショップで働いていたときは、セールのピーク時など必ず、“ベートーヴェン:第七”をかけていましたね。ユニオンのスタッフも、その辺はよく分かっているようで頼もしいです。落ち着いたらまた覗いてみようと思います。


2月10日(火) 『アラビアのロレンス』

 高田馬場へ買物に出掛け、中古レコードの“タイム”を訪れました。この老舗は店頭のレコードすべてをクリーニングして販売しています。レコード1枚の平均価格は¥700〜¥1,000ですが、常に“1枚につき¥200引き”を行っているので、¥500〜¥800と考えるべきでしょう。2枚組なら¥400引き、3枚組なら¥600引き・・・となります。

 久しぶりに来てみて驚いたのは、店頭在庫のOPP(ビニール袋)が、すべて新品に交換されていたこと。“ビニールが汚いと売れない”というのは鉄則ですが、たいへんな手間がかかったことでしょう。“不良品はレシートをお持ちくだされば返金いたします”とも説明されています。この店が続く限り、日本からLPレコードが消えることはありません。

 早稲田松竹には、次回上映『アラビアのロレンス』の看板がかかっていました。名古屋では最新設備のシネコンで、デジタル・リマスター完全版を観ているんですよね。そのスクリーンは日本最大級のものでしたが、早稲田松竹ではちと物足りない。(^^;来週、観に行こうかな、どうしようかなと考えていたのですが・・・。

 中古レコードの“ハリー”に、デジタル・リマスター完全版のレーザー・ディスクがありました。2枚組¥800ならぜんぜんOK!DVDはかなり高くなります。テレビ録画のビデオは持っていますが、レーザーの発色はきれいですからね。さて、完全版の序曲、冒頭の数分間は画面が真っ暗なのです。これは壮大なドラマを予感させる演出ですが・・・。

 テレビでこれをそのまま放送すると、放送事故になってしまいます。“画面が映ってないぞ!”とクレームが殺到することでしょう。NHKではこの部分に静止画を入れて放送していました。『アラビアのロレンス』は、現在のイラク事情にも繋がっていくストーリーです。それではこれから、3時間46分の旅に出ます。(^^)

    T.E.ロレンス


2月9日(月) ルドルフ・ゼルキン

 先週購入した¥50の中古レコード。ルドルフ・ゼルキンのピアノによる演奏が2枚ありました。1枚はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラーヴィア」(CBS SONY SOCL-1024)。これ1曲で両面をカッティングしてしまったという贅沢なレコード。1969年12月と1970年12月の録音。

 まろやかな響きは、ピアノが鋼鉄と桜材でできていることを忘れさせてくれます。ffの強打であっても、どこか余裕を感じさせる音なのです。そしてピアノがよく歌うこと・・・まったくもってすばらしい。ヘッドホンで聴くと、ゼルキンが大きく身体を揺さぶったり、モグモグと独り言を喋ってるのが聞こえます。音楽に没頭しているんですね。

 もう1枚はベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」(CBS SONY SOCL-1017)。レナード・バーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルハーモニックによる共演で、1962年5月1日の録音。カップリングはレオノーレ序曲第3番で、こちらは1960年10月24日の録音。

 実はこのレコード、中学生の頃にFM放送で聴いたことがあり、「何じゃこりゃあ?」と悪い印象を覚えてしまったことがあるのです。カラヤン&ベルリンフィルの整然とした響きを聴いてしまった私の耳は、バーンスタイン&ニューヨークフィルのザラザラとした響きに違和感を覚えたのでした。

 今では、美しさばかりを追いかけてハートの冷たいカラヤン。多少の粗っぽさなど気にせず、燃えるハートを音楽にぶつけていくバーンスタイン、と、それぞれに一長一短であることは理解しています。こうして聴き直してみると、なかなかの熱演ですが、それにしても冒頭の和音、ジャーン♪の音程は気になりますね。

 オーケストラというものは、純正調の和音でハモるものなのです。ところがピアノは平均律(正確には中全律)で調律されているため、ピアノ協奏曲を演奏する場合、オーケストラはピアノの音程に合わせ、平均律の和音を保たねばならない。冒頭の和音、ジャーン♪が上手くハモらないのはそのためです。

 先の「ハンマークラーヴィア」が1年の間を置いて、慎重に録音されたことと比べると、後者の「皇帝」はわずか1日で録音を終えています。レオノーレ序曲も1日だけですね。完璧主義のゼルキンと違って、録り直しや継ぎ接ぎを極端に嫌ったバーンスタイン。そんな2人が緊張感を保ちつつ、協調しながら演奏している様子が窺えます。


2月8日(日) 『コンフェッション』

 昨日の2本立ての続きです。肩凝り&背中の痛みが酷く、整体治療に通ったのですが、揉み返し(筋肉痛)に苦しんでいます。(^^;

 『コンフェッション』(CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND)サム・ロックウェル、ドリュー・バリモア、ジョージ・クルーニー主演、ジョージ・クルーニー監督・製作、スティーヴン・ソダーバーグ製作総指揮、チャーリー・カウフマン脚本。(2002年アメリカ)

 実在のテレビ・プロデューサー、チャック・バリスの自伝的小説が原作。彼が1963年に制作した“デート・ゲーム”はお見合いゲームの元祖として、現在も世界中でパクられ続けています。(笑)そんな彼が告白したのは、“CIAのスナイパーとして多くの暗殺事件に拘わってきた”という、まことしやかな真実。

 ウソかホントか分からない?けれど、そこは脚本家の腕の見せどころ。今回の2作品は“脚本家チャーリー・カウフマン特集”だったわけです。ジョージ・クルーニー監督というのも話題のひとつ。“かっこいい男しか演じられない”クルーニーが何ともおかしい・・・。ジュリア・ロバーツも出演してます。

 チャック・バリスは1929年生まれ。まだ元気に活躍されていますが、その遺書に“伝記は真実だったか、ウソだったか?”書き記しておいてほしいものです。どっこい彼は今際の際まで、ガッポリ稼ぐことでしょう。何とも人騒がせで幸せな男の一代記。(どっちだろう?)(^^;


2月7日(土) 『アダプテーション』

 2月に入ってから、まだ1本も映画を観ていないじゃないの?禁断症状を抑えるため、早稲田松竹へ2本立てを観に行きました。

 『アダプテーション』(ADAPTATION)ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ、クリス・クーパー主演、スパイク・ジョーンズ監督、チャーリー・カウフマン脚本。(2002年アメリカ)

 『マルコヴィッチの穴』で名声を博した脚本家、チャーリー・カウフマン(ニコラス・ケイジ)は次回作、スーザン・オーリアン(メリル・ストリープ)原作の『蘭に魅せられた男』の脚色を依頼されました。ところがアイディアに煮詰まってしまい、筆はいっこうに進みません。

 チャーリーの双子の弟、ドナルド(ニコラス・ケイジの1人2役)もやはり脚本家。性格は兄と違い、いたって“C調”。ありきたりのシナリオを継ぎ接ぎして作った脚本は大絶賛を浴びます。ドナルドは煮詰まったチャーリーに、原作者を尾行してみてはどうか?とそそのかすのでした。

 脚本家も原作者も実在の人物で、映画のためなら何でもやってしまう、という製作の裏側を鋭く風刺した作品。現実と本(蘭に魅せられた男)のシーンが交叉して現われては消え、チャーリーの脚色によって大きく歪められていきます。双子の弟は自分の中のもう1人の自分。

 天使と悪魔の囁きみたく、空想と現実がごっちゃになり、最後には破滅が待っている・・・というわけで、極めて毒の強い作品でした。自分の才能を活かせる仕事に就く・・・というのは理想ですが、スランプに陥ったときの苦しみはまさに地獄図です。頭が痛くなってきました。(^^;


2月6日(金) 黄金のフルート

 朝から頭が痛い・・・風邪の引き始めだとまずいなあ。バファリンを飲んで休んでいました。そのまま寝てしまいましたが、数え切れないくらいの悪夢を見て、汗をかきながら起き出しました。とりあえず、目が覚めてしまったので気を取り直し、コーヒーを飲みながら、昨日購入したレコードを聴き始めます。

 『黄金のフルート<U>三村園子』(キングK28C-466)これは¥50でしたが、未開封新品。しかも同じ物が3枚あり、しからば聴いてみようと1枚購入した次第。三村園子さんといえば、昔、NHK教育テレビでフルートの講座を受け持っていた人。フィラデルフィア管弦楽団の主席奏者、ウィリアム・キンケイドのお弟子さんでもあります

 ムラマツのゴールド・フルート使用と記されています。実は世界中のフルート奏者が、日本製のフルートを愛用しているのをご存知ですか?フルートそのものが精密な工芸品であり、日本の職人芸が証明されたようなものです。さて、通常フルートは総銀製ですが、金製のフルートとはどう違ってくるのでしょうか。

 一般に銀のフルートは、柔らかく落ち着いた音色で、弦楽器の音ともよく溶け合う、といわれています。いっぽう金のフルートはきらびやかで遠鳴りしますが、硬くてシャリシャリした音色となります。だから、よほど楽器を美しく鳴らせる人でないと、逆効果。金のフルートは両刃の剣みたいなものです。

 フルートの音色には様々なスタイルがあり、重心が低く深みのある音色、明るくキラキラと輝く音色などがあります。三村さんはキンケイド譲りの前者と後者を兼ね備えた音色。最近の日本のフルート奏者は、キラキラ輝くクリアな音色に傾向していますが、オーケストラの中では軽過ぎて浮き上がってしまいます。

 単純に美しいだけではなく、いかに説得力があるか・・・音楽の流れに柔軟に対応し、幅広い音色のパレットを持っているか?が問題ですが、コンクール優勝者というだけでは計り知れないのが現実。ソロ(独奏曲)だけで優劣を決めてしまうので、アンサンブル能力を無視しているからです。


2月5日(木) レコードのクリーニング

 高田馬場にある中古レコード屋へ買い出しに出掛け、¥100と¥50のLPレコードを22枚、金額にして¥1,600を散財?しました。このお店、¥200以上のレコードはOPP(ビニール袋)をかけて展示していますが、それ以下のレコードはジャケットも剥き出しで、紙帯が破れようがお構いなしです。

 “利益の薄い商品に手間はかけられない”というのがお店の方針で、格安にレコードが入手できるのであれば、文句は付けられません。その逆で、“店頭のレコードはすべてクリーニング済み”という丁寧なお店もあります。しかし、どうしても値段は¥300以上になってしまいます。

 家に帰るとさっそくクリーニング開始です。擦れ、汚れ、黴を吹いたジャケットは、ティッシュに無水アルコールを含ませて拭き上げますが、アルコールは印刷を溶かしてしまうので要注意。汚れだけを落として、印刷を溶かしてしまう前にフィニッシュする、というのは職人芸です。

 スリーブ(内袋)を交換して、OPPを被せると、それだけで¥50〜¥60のお金をかけることになりますね。クリーニングの手間をかけて¥300にするためにはマンパワーが必要ですし、やってみると骨が折れるものです。最初から状態の良い中古レコードもあるわけですが・・・。

 CBSソニーの初期のレコードには、“モニター・カード”というマークシートが封入されていました。ちょうどタイム・レコーダーのカードくらいの大きさです。アンケートに答えて封書で返送すると、毎月抽選で20名様に同社のお好きなレコード(1枚もの)を貰えたそうです。


2月4日(水) サッポロ ドラフトワン

 テレビCMで流れている新商品を試飲してみます。これはビールでも発泡酒でもありません。麦芽無使用、雑酒(その他の雑酒A)に分類される炭酸ガス含有の新酒です。500ml缶の値段が¥175(税別)。

★サッポロ ドラフトワン(生)
原材料:ホップ、エンドウたんぱく、カラメル色素、糖類
麦芽使用率ゼロ アルコール分5.0%

 しょせん発泡酒はビールの味にかないませんが、数々のブランドの中でもサッポロは、ビールに近い味わいを再現しているため、私としては高評価でした。ビールの味を切り捨てて、炭酸の清涼感を強調したブランドも多かったのです。

 麦芽無使用のドラフトワン、期待と不安が交差する思いで飲んでみましたが、意外?とイケるものでした。よくこれだけの味を合成したなあ、とびっくりします。独特の甘味がノンアルコール・ビールにも似ていますが、こちらの方が断然うまい。

 原材料のエンドウたんぱく、というのがちょっと気になりますが、発泡酒に含まれている米やコーンスターチだって、もともとビールには存在しないものですからね。味はまろやか!食事と一緒に飲むのもいいでしょう。

 各社から類似品が乱発しそうな気配ですが、この味(配合)は企業秘密でしょう。サッポロさん、いい仕事してますねえ。(^^)


2月3日(火) 節分とお誕生日

 最近は早朝・深夜であっても、パトカーや救急車、消防車のサイレンがけたたましく鳴ることが多かったのです。ところが今朝はやけに静かで、お寺の鐘が鳴っている音まで聞こえてくる・・・そうか、節分なんだ。

 実家の両親は結婚記念日でもあります。40数年も経つと、めでたくはないのかもしれないけれど。女というものは、夫の世話、子育て、姑との争い、老親の世話・・・と、結婚式を頂点に後は苦労ばかりが続きますもんね。

 もうひとつ、吉岡美穂さんの24歳のお誕生日でもあります。今日はテレビのお仕事だったのか、親しいお友達と楽しく過ごしたのか、大阪の実家に戻って太巻をかぶっていたのか?それはわかりませんけれど・・・。(^^)

 お誕生日おめでとー!美穂ちゃん泣かす奴がおったら、オレにゆうたってやー!腕まくりして待ってるさかい。(^^;


2月2日(月) ラヂヲの時間

 洗濯を終えたら雨が降ってきました。シマッタ〜!やむなく部屋乾しです。パジャマが乾くまでは寝られません。外出しようと思っていたのを諦めて、家でじっとしていました。昨日購入した¥100ショップの乾電池(単1×4)を、ラジオ(松下クーガRF-888)に入れます。

 マンション住いというのは、ラジオに優しくありません。あちこちでノイズを発生しているものですから。自分の部屋はよくても、階下で蛍光灯のスイッチを入れればバチバチと音が出ます。乾電池を使用することで、電源からのノイズをカットできるというわけです。

 ついでに電池ケース蓋の裏に貼ってあるスポンジを修理します。元のスポンジはとうの昔にホコリと化してしまったので。(^^;台所用のスポンジを適当な大きさに切って、両面テープで貼り付けるだけなんです。さて、クーガRF-888ですが、屋内ではロッド・アンテナを伸ばさないと感度不足。

 ロッド・アンテナは繊細で折れやすく、30年前のラジオですから、もちろん交換部品はありません。できれば普段は伸ばさずに使用したいもの。ということで、テフロン被覆のリード線を、ロッド・アンテナの長さ(110cm)にカットして、アンテナの根元に取り付けました。

 リード線を軽く垂らしておくだけで、ロッド・アンテナを伸ばさずとも充分な感度が得られました。まずは上々、さあ今日もラジオを聴きながら、仕事に取りかかるかな!(^^)


2月1日(日) 5.1chサラウンド

 昨夜から徹夜でデータ入力を行っていて、今朝は配水管洗浄の業者が訪問するというので、ずっと起きていました。中野の¥100ショップまで買い出しに出掛け、生活必需品や食料品の一部を調達。いったん家に戻ってから、さらに東中野の“LIFE”に出掛け、食料品の残りを購入。

 後は帰って寝るだけだな・・・と思っていたら携帯が鳴りました。Y君は声を弾ませて、「AVアンプを買ったんですよ!アンプの入れ換えです、また手伝ってください。サラウンドを試したいのでDVDを持ってきてください!」というわけで、昼食のインスタント・ラーメンをかき込んで出発。

 何とテレビまで新調したのか!センター&リア・スピーカー&スーパー・ウーファーも購入。いつの間にかDVDレコーダーまで2台に増殖しているし・・・。「いつまでもこんなことしてないで、いい加減、身を固めろよお〜!」私が説教できる身分ではないのですが・・・。(^^;

 YAMAHAのAVアンプ接続は困難を極めました。VTRが1系統しか接続できないのです。(笑)しかも同軸でのデジタル入力はCDのみ。DVDは1系統で光ケーブルという、不親切極まりない設計になっています。そこをこうしてああしてどうして・・・とパズルのような接続が完了しました。

 さすが、最新機器による映像+音響のクオリティは高いですね。私の超廉価AVシステムも、スピーカーのセッティングをチューンしてやらないといけないな。また東急ハンズに素材選びへと出向くことになるでしょう。私はお金をかけないで、クオリティ・アップを目指します。(お金をかけない=お金がない?)


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