ビーチクリーニング
@城南島海浜公園 Oct/'03 城南島、東京 |
大勢の力で多くのゴミが集まる
東京湾岸には東京都の海浜公園が幾つも整備されている。 東から葛西臨海公園、夢の島緑道公園、新木場緑道公園、若洲海浜公園、辰巳の森海浜公園、辰巳の森緑道公園、有明テニスの森公園、晴海埠頭公園、竹芝埠頭公園、お台場海浜公園、シンボルプロムナード公園、東雲南緑道公園、有明西埠頭公園、水の広場公園、フェリー埠頭公園、東八潮緑道公園、青海北埠頭公園、青海中央埠頭公園、青海緑道公園、青海南埠頭公園、暁埠頭公園品川北埠頭公園、品川南埠頭公園、京浜運河緑道公園、大井埠頭緑道公園、大井埠頭中央海浜公園、みなとが丘埠頭公園、東海緑道公園、昭和島北緑道公園、東海埠頭公園、昭和島南緑道公園、東京港野鳥公園、京浜島埠頭公園、京浜島緑道公園、京浜島つばさ公園、城南島埠頭公園、城南島緑道公園、城南島海浜公園。数えると、かなりの数である。
広い敷地に青い松の木が都心を忘れさせる
10月の土曜日、3連休の初日である。 かみさんは田舎へ帰省しており自由な身分。 企業の社会貢献活動の一環で、そんな海浜公園の中で一番南に位置する城南島海浜公園のビーチクリーニングがあると言うので出掛けた。 案内書によると、都心のオート・キャンプ場との宣伝文句がある。 温暖化を助長するかと、ある種の罪悪感を感じつつ車で行くことにした。 普段は駐車場で休んでいるだけの車だ。 たまには走っても良いだろうと、ハンドルを握る自分を勝手に許してしまう。
車で行くとなると、温暖化ガスを更に多く排出する渋滞は避けねばなるまい。 早く家を出よう。 5時起床、6時に家を出た。 其れでも土曜日の都心は、すいすいとは行かない。 結局2時間掛け城南島海浜公園にやってきた。 なるほど、東京湾に面した公園には松の木や手入れが行き届いた植え込みが広いスペースに広がる。 羽田のC滑走路の真ん前である。 ひっきりなしに国内便の飛行機がこちらに向って飛び立つ。 丁度頭上で大きく旋回しそれぞれの目的地へ向う。 未だ集合時間迄2時間くらいある。 公園のベンチでリュックに入れてきた、資格試験の参考書を出してみたが、あまり読む気にはならない。 東京湾を行き交う大型コンテナ船や大小の仕事船を眺めながら、司馬遼太郎の単行本を読み始めた。
猫が多い。 キャンプ場があるからだろうか。 それにしてもその種類がいかにも飼い猫だったことを語ってやまない。 人間は本当にどうしようもなく、惨い生き物だと反省せざるを得ない。 そんな捨てられた猫達は、一見気ままにアスファルトの歩道に寝転がったりしている。 私の気配を感じては警戒態勢になる。 白黒、三毛、虎、痩せ細そっているようでもない。 まー食べていけているようだ。 少しは救われた気分になる。
ビーチ清掃に合わせて、主催者側がパネルの準備をしてくれた。 私たちの生活と海の生態との関係を写真で紹介している。 プラスチックが海の生物達に酷い災いをもたらしている。 海亀は、くらげが大好物。 川から流れて海に吐き出されたプラスチックは、丁度くらげにそっくりだそうだ。 海亀は、大好物のくらげと間違って食べてしまうのだそうだ。 今では多くの海亀の胃の中には、消化しないプラスチックが溜まっている惨い結果をもたらしている。 シックスパック(6-Pack)、ビールやコーラを6個組みで売るのに便利なプラスチックの連結輪。 これが海鳥や、魚に絡みつきその生き物を命を奪うことが起こっている。 プラスチックは捨ててはいけない、川に流してはいけないと、このパネルを見て強く心に誓った。
ビーチクリーニングの前に主催者側から簡単な話があった。 この公園の砂浜はつばさ海岸と呼ぶ400mの人口砂浜だそうだ。 砂は実に北海道から運んできたことこと。 東京都の努力に頭が下がる。 砂の色は残念ながら黒い。 関東のどの海岸とも同じだ。 この砂を頂いた北海道の海岸も火山性の砂浜らしい。 関西で育った私には、白い砂に異常なほどの憧れを感じる。 白砂青松のイメージが強く脳裏に広がる。
ビーチはクリーニングする前からかなり綺麗。 一見ゴミは殆ど見当たらない。 それでもよく見ると、タバコの吸殻、花火の燃え屑、菓子類の包み、プラスチックのおもちゃの壊れた破片等拾うに事欠かない。 貝殻は自然のものだから良いかと思うが、裸足で歩いていると貝殻の破片で足を切るので、拾って置くとのこと。 特にムール貝に似た貝の破片は鋭利な割れ口をもっているので丹念に拾った。 約1時間のゴミ拾いは結構良い運動になった。 100名近くのボランテイアーが集めたゴミは、ドラム缶数本分にもなろうか。 塵も積もれば山となるとは良く言ったものだ。 心地よい疲れに気分は爽快。
コンテナを満載した大型コンテナ船が入港する
豚汁と中華アンパンを頂き、海を見ながらお昼にした。 海上コンテナを満載にした大型コンテナ船がコンテナ埠頭に着岸した。 今日も日本の生命線は止むことなく、多様化した様々な生活物資を、かつて無い規模で本土へ陸揚げ、貪欲な市民の欲望を満たしている現場を見た思いだ。
公園内には多くの野良猫が居る
11/Oct/'03 林蔵@東京 (Updated on 7/Jun/'08)#158
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