趣味の部屋〜本〜
最近(?)読んだ本についてコメントしています。
本当はもう少し整理してからアップしたかったのですが、いつになっても出来そうにないので少しずつ書いていくことにします。
ある程度増えてきたら整理するかもしれません。
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- タイトル
著者 (出版社)
解説文
- 織田信長−男の凄さ・男の値打ち−
桑田 忠親(知的生きかた文庫)
織田信長について、なぜここまで強くなれたのか、何が織田帝国をここまで強くしたのか、勝つために何をすべきかという観点からとらえており、特に順序だっては書いていない。
ただし、信長の戦いにおいては、桶狭間、長篠、石山合戦の3つを書いているが、その動きは日時まで詳細に描いている。
- 織田信長(上・下)
南條 範夫(徳間文庫)(new-02/03-)
言わずとしれた戦国時代の英雄、織田信長について書かれたもの。
尾張のおおうつけと呼ばれた青年時代から、明智光秀に暗殺されるまでを等身大の人間としてとらえて描いている。また、周囲の人物についても書かれているため、戦国の世に翻弄された女たちや、信長に背いて討伐される武将らについても描かれている。
- 虎狼は空に−小説新撰組−
津本 陽(文春文庫)(new-02/03-)
幕末の京都にて、尊皇攘夷派の志士を切りまくった新撰組について書かれたものである。
池田屋事件などの尊攘派に対する人斬りだけでなく、数多くの同隊士の粛正などを中心に、新撰組をあくまで非情な人斬り集団という視点にて描いている。
- 明治天皇の生涯(上・下)
童門 冬二(徳間文庫)(new-02/03-)
幕末の動乱から明治維新、そして日清・日露戦争という時代を生きた明治天皇について書かれたもの。
幕末・維新から明治時代にかけての歴史の流れを軸に、明治天皇のエピソードを交えるという形となっているので、幕末〜明治時代の歴史書として楽しめる。
- 戦士の名言(戦いに学ぶ処世訓)
是本 信義(PHP文庫)(new-02/03-)
古今東西の名言とその背景について書かれたもの。
書かれた名言をいくつかあげておきます。以下のうち、みなさんどれぐらいわかりますか?
「余は勝利を盗まず」、「賽はすでに投げられた」、「神、それを望み給う」、「フランス国の辞書に不可能の文字はない」、「余は自分の義務を果たした」、「会議は踊る、されど進まず」、「将に将たる器量」、「先帝、三度、臣を顧みたまい」、「まだ沈まずや定遠は」、「我々はドアを開くだけでよい」、「イエスか、ノーか」、「老兵は死なず、ただ消えゆくのみ」
- 戦艦入門(動く大要塞徹底研究)
佐藤 和正(光人社NF文庫)(new-02/03-)
欧米列強の対抗するため、日本海軍が造船技術の粋を集めて作り上げた戦艦を各国主力艦との比較を交えて述べたもの。
排水量や馬力、備砲などの基本性能だけでなく、装甲や兵装についても詳しく述べられていて一種の解剖書ともいえる。また写真や図版もふんだんに用いられておりわかりやすくなっている。
取り上げられている戦艦は第2次世界大戦時代に存在した12隻だが、それ以前の戦艦発展の歴史についても簡単に述べられている。
- 巡洋艦入門(駿足の機動隊徹底研究)
佐藤 和正(光人社NF文庫)(new-02/03-)
戦艦入門の巡洋艦版。軍縮条約の制限下において英米に対抗する艦隊を編成するために、一つ一つの鑑の性能を極限まで向上させた巡洋艦について書かれたもの。
こちらも戦艦入門と同様に、排水量や馬力、備砲などの基本性能だけでなく、構造物や兵装についても詳しく述べられている。
- 幕末動乱の男たち(上・下)
海音寺 潮五郎(新潮文庫)(new-02/03-)
幕末時代に活躍した人々について書かれたもの。
上巻には、薩摩藩士の激烈な士で寺田屋事変にて同藩士に殺害された”有馬新七”、筑前藩士であり、生野義挙の中心人物となった”平野国臣”、どこの藩の後ろ盾もなく浪人軍団新徴組を編成した策士”清河八郎”、井伊直弼のブレーンとして井伊を大老に押し上げ、また将軍跡継ぎ問題や安政の大獄などを計画、実行した”長野主膳”、郷士出身で土佐勤王党の党首となり勤王のために力を尽くした”武市半平太”、開明派の幕臣ながら最後まで幕府に忠義を尽くした”小栗上野介”の6人が収められている。
また、下巻には、激烈な尊嬢思想を持ち松下村塾にて多くの尊嬢志士たちを育てた”吉田松陰”、勝海舟、高橋泥舟とともに幕末三舟の一人に数えられた”山岡鉄舟”、薩摩藩士であり常に冷静沈着を貫き明治の元勲のひとりとなった”大久保利通”、人斬りの異名をとった薩摩藩士”田中新兵衛”、土佐郷士”岡田以蔵”、肥後藩士”河上彦斎”の5人について書かれている。
- ニミッツと山本五十六
生出 寿(徳間文庫)
太平洋戦争中の連合艦隊司令長官である山本五十六と、それに対するアメリカ太平洋艦隊司令長官のニミッツについて書かれた本。
日米開戦となった真珠湾攻撃から、インド洋作戦、ミッドウェー海戦、ガ島戦を経て山本五十六の戦死までを両者の観点から述べている。また両者の人間性をあらわす逸話についてもそれぞれ書かれている。
またあとがきにて、山本五十六がニミッツに完敗した理由を明らかにしたいと述べているように、山本五十六に対しては厳しく述べている。この著者は他に「凡将 山本五十六」という作品も書いていることからも、どうやら山本五十六に対してあまりよい評価をしていないようである。(こちらも読んでみたい本です)
- 超おもしろ三国志
阿部 幸夫(にちぶん文庫)
「三国志の舞台裏が手に取るようにわかる」という副題からもわかるように、三国時代の出来事についていろいろな角度からとらえている。
群雄や武将だけでなく、女性、名馬、武具などについて、史実に即したものだけでなく裏側にあるもの(伝説など)に関するエピソードも記している。
- <三国志おもしろ意外史>諸葛孔明99の謎
加来 耕三(二見文庫)
三国時代の名軍師、諸葛孔明に関する謎を99個集めた書。一般の三国志や孔明ものとは異なった角度からとらえている。
また、これまでにあまり語られることの無かった「三国志」成立のエピソードや、孔明らの具体的なモデルなども書かれている。
- <戦国おもしろ意外史>毛利元就側近99人のビジネス戦略
楠木 誠一郎(二見文庫)
戦国時代の話を現代サラリーマン社会になぞらえて書かれた本。人物は社長や部長などに、家は企業(○○物産や○○商事など)に置き換えている。
タイトルは、毛利元就側近〜となっているが、ライバルの尼子家や大内家など他家の人物についても紹介されている。(話の都合もあるだろうが、側近だけで99人も用意できなかったのかも)
現代人が理解できる言葉に置き換えてあるとのことなので、一般人が読むには良いかもしれないが、歴史好きの人にはあまり向かないかもしれない。
- 空母零戦隊
岩井 勉(文春文庫)
日中戦争から太平洋戦争にかけて、零戦に乗り活躍した著者の記録。
零戦の初登場時のパイロットであり、零戦における敵航空機の初撃墜作戦に参加、その後戦況が悪化するなかの各地転戦、最後は特攻機の護衛と、終戦まで戦い抜いた様子が記されている。
ちなみに、初撃墜記録はこの下二つ目の書(日本の名機)に抜粋されている。
- 中島飛行機物語(ある航空技師の記録)
前川 正男(光人社NF文庫)
中島飛行機と来てピンと来る人は、あまりいないと思われますが、戦前の有名な航空機メーカーであり、発動機、機体ともに高性能のものを次々生み出した企業です。
この本は、そこで昭和12年から技術者として働いた著者のノンフィクションものです。当時の航空機の制作、実機テストがいかに大変だったかを物語っている。また航空産業の生みの親であり、すばらしい先見の明をもつ「中島知久平」についてもかかれている。
余談ですが、大正7年に東京から大阪までの無着陸郵便飛行大会において優勝した中島機の性能は150馬力、所要時間は3時間39分だったようです。ちなみに、150馬力というのは今の中性能の乗用車レベルで、高速道路をとばせば十分到達できそうな時間ですね(警察に捕まるとかいうことは無視します)。
- 日本の名機(グラフィティー・太平洋戦争の勇者たち)
海軍文庫監修(光文社文庫)
太平洋戦争時代の日本の航空機のうち、名機と呼ばれるものについてその基本的性能と活躍について収録したもの、他の本からの実践記録の抜粋もある。
また簡単ではあるが、空戦法や爆撃・雷撃法、さらには空母の発着鑑方法についてというマニアックなことまで説明されている。
- 戦士の賦 上・下(土方歳三の生と死)
三好 徹(集英社文庫)
幕末時に活躍した新撰組の土方歳三について書かれた長編もの。閉塞状態にあった試衛館時代から、新撰組の成立とその興隆・崩壊、新撰組解体後の転戦、箱館での壮絶なる死までが書かれている。
新撰組を、いたずらに美化するようなことはせず、時代の流れと新撰組の運命を重ね合わせるという立場で書かれている。
- 日本合戦譚
菊池 寛(文春文庫)
日本における戦いや乱について、原因、経過、結果等をまとめた作品。桶狭間の戦いや、川中島や厳島での戦いなど戦国時代の合戦の他、朝鮮出兵における碧蹄館の戦い、明治時代の鳥羽伏見の戦いや、田原坂の戦いなど16の合戦について述べた随想集。
- 新説・豊臣秀吉
池波正太郎 他(中公文庫)
池波正太郎の他13人の作家が、秀吉について様々な角度から考察した書。秀吉が行った政策や業績、またその生涯や周りの人々について、さらには秀吉伝と絡めた日本人の出世観にまで考察している。
- 錆びたサーベル(日露戦争秘史、明石元二郎伝)
杉森久英(集英社文庫)
日露戦争時に、ヨーロッパにて防諜活動に奔走した明石元二郎についての話。日露戦争に勝利するために帝政ロシアの内部の敵である社会主義者に援助を行ったことや、敵の女スパイとのロマンス(?)など、決して歴史の表に出ることはないスパイ活動に光を当てている。後半部は反対運動に援助した日露戦争時とは逆に、それを取り締まる立場である朝鮮憲兵司令官時代の話なども書かれている。
- ポーツマスの旗
吉村昭(新潮文庫)
ポーツマス条約の全権・小村寿太郎の話。外交交渉における駆け引き、情報の収集などがいかに大切かがわかる。ポーツマス条約交渉の話がメインだが、日露戦争の開始前や条約締結後の話もある。明治時代の政治家・軍人の偉大さがわかり、これら偉大な人々が多数いれば、昭和時代の戦争も起こらなかっただろうし、たとえ起こったとしてもあれほどの負け方はしなかったであろうと思われる。また、一般大衆の愚かさもよくわかり、我々現代の一般人も肝に銘じておくべき話でもある。
- 「大将」の器
邑井操(PHP文庫)
大将が持つべき人心収穫の極意について記す本。信長・秀吉・家康ら戦国武将における大将に関する話の他に、学問における大将(?)・福沢諭吉や、経済界の大将・渋沢栄一に関する話もあり、それらの例を元に、現在における良き”大将”になるための心構えを示す。
- 戦場の指揮官
柘植久慶(中公文庫)
過去の戦いを例にして戦場における中級から上級に掛けての指揮官の決断について述べた書。情報戦、謀略線、指揮、兵站、突撃、包囲作戦など、あらゆる種類の状況に置ける事例について記していて、戦場における失敗例(敗北例)に関しては著者なりのベストな決断法(例)をも示す。また、平和な(?)現代社会においてもいかに戦争についての研究が必要であるかをも示す。
”古来から経済のみで発展、繁栄した国家は呆気なく滅亡している”との著者の言は、耳に痛い言葉である。
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