〜夜行列車〜
東京・上野←→東北・北海道
夜行列車に関する情報と乗車した列車に関するコメントです


東京・上野発着---東北・北海道方面

カシオペア(上野−札幌)
乗車区間・座席種 : 上野→札幌・A寝台個室カシオペアツイン(2階室)

 1999年7月に登場した、北斗星のグレードアップ版、オール2階建てで二人用A寝台個室のみで編成されている。この列車の登場以前は北斗星が3往復走っていたのだが、そのうち1往復がこの列車に置き換わった。
 このA寝台には3つのグレードがあり、最も豪華な部屋が「カシオペアスイート」であり、展望タイプ(上野側の最後部・1室)とメゾネットタイプ(6室)がある。メゾネットタイプは一階が寝室、二階がリビングとなっている。次のグレードが「カシオペアデラックス」で、これは平屋であり1室だけある。これら二つのグレードの個室には、トイレ、洗面台、シャワー、TVモニターやBGMなどが備わっている。
 最もグレードの低い部屋は「カシオペアツイン」で、この部屋が一番多く、メインの個室である。この部屋は、二階部、一階部、車端部の3タイプがあり、車端部の一部は車椅子対応の身障者用の個室となっている。このタイプの個室にはシャワー設備はないものの、トイレ、洗面台、TVモニターやBGMはついている。洗面台はどの列車のA寝台個室にもついているのだが、トイレまでが全個室についているのはこの列車ぐらいのものであろう。
 この列車はかなりの人気列車であるが、すべてA個室であり個室の数も結構多いため(計86室)日によっては空いていることもある。スイートやデラックスは少ないので早めにとる必要があるだろう。ちなみにJR東日本はこの列車には力を入れているようで、JR東日本のホームページ内にカシオペアの専用のページがあり、また「カシオペアツイン」については予約状況も掲載している。
 ちなみに一人あたりのお値段は「カシオペアスイート」が\25,490-、「カシオペアデラックス」が\17,180-、「カシオペアツイン」が\13,350-である。もちろん二人用なのでこの倍の料金が必要となる。

 この列車には、まず乗ることはないだろうとなかばあきらめていただけに、乗れることになったときはうれしかった。
 上野駅の出発時間は16:20と夕方前であり(入線は15:35)、翌8:55札幌着。つまり約16時間半の長旅である。乗車してすぐにドリンクのサービスをうけた。個室内は快適であり、またのんびりと景色も楽しむことができるので言うことなしである。値段は結構するのだが、私が乗車したことのある他の列車のA寝台個室と比べてみると、値段の割には良い部屋であり私個人としては十分払う価値があると思う。部屋のTVには、ビデオ、衛星放送の他に列車の位置を表示するナビゲータ(GPS)のチャンネルもあった。部屋の鍵は暗証番号式のルームキーであり、扉を閉めて暗証番号を押すことによって鍵が掛かるのである。
 また、札幌側の先頭にはロビーカーが、途中の車両にはロビースペースが2つあり、何度か足を運んだのだが、全個室寝台であるためかそれほど人はいなかった。
 夕食は完全予約制であり、懐石御前(\5,500-)や、フランス料理(\7,800-)をダイニングカー(食堂車)にて食べられるのだが値段も高いため断念し、ルームサービス専用メニューであるディナーセット(\2,500-)を申し込んだ。これでも十分高いのだがせっかくの記念ということで頼んだのである。味はなかなかおいしかった。
 「カシオペアツイン」にはシャワーはついていないが、共用のシャワールームが2部屋あり、ダイニングカーにて予約をすることにより使用できる(\,310-)。これも記念と言うことで予約をしたが、このシャワールーム自体は他の列車のものと代わりはなかった。
 朝食はダイニングカーにて洋朝食を頼んだ(\1,600-、和・洋の2種類、6:30-8:00)。これもまあ値段は高いのであるが、動く景色を見ながら食事をするというのはなかなか風情があって良いものである。朝食の割には量は多かったように思われる。
 まあ、何にせよすばらしいの一言につきる。余談ではあるが、先頭のロビーカーにノートがあってみなさん色々書き込んでいたのだが、その中に結構揺れるので酔ってしまったという記述が何個か見られた。私自身は平気であったのだが、酔いやすい人には今ひとつかもしれない。
(値段は2001年5月現在)
 

北斗星(上野−札幌)
乗車区間・座席種 : 上野→札幌(3号(1999年当時))・2段式B寝台、札幌→上野(2号)・SA寝台個室ロイヤル
            :上野→函館(3号)・A寝台個室ツインデラックス、函館→上野(2号)・B寝台個室デュエット下段

 1988年3月、「青函トンネル」の開業に合わせて誕生した寝台列車。A寝台1人用個室「ロイヤル」、A寝台2人用個室「ツインデラックス」、B寝台2人用個室「デュエット」、B寝台1人用個室「ソロ」、と4タイプの個室と通常の2段式B寝台とで編成されている。私が乗車したとき(1997.03)には一日3往復であったが、カシオペアの登場とともに2往復となった。
 2往復のうち、1往復は2両の一般B寝台の他はすべて個室寝台という編成であり、もう1往復は個室寝台車両が3両の他はすべて一般B寝台という編成である。なお、両編成とも食堂車はついている。

 また、この列車についてもJR東日本のホームページ内に少しではあるが紹介されている。

 初めての北海道旅行に利用した列車。大阪からトワイライトエクスプレスで向かう計画を立てたのだが、初日に人に頼んで申し込んでもらったにもかかわらず満席であり、代わりにとれたのが日本海と北斗星であったためこちらを採用したのだ。通常の2段式B寝台となったのは、北斗星の個室も満席であったためであり、相当な人気であることが伺える。
 この列車で北海道に向かったのは4人であったため、通常の2段式B寝台ではあったが、両向かい上下をとることが出来、気兼ねなく乗ることが出来た。
 この列車にはシャワールームがついているので、記念にシャワールームを使用した。シャワーのお湯は自由に出したり止めたり出来るものの、6分間しか出ないので結構考えて使う必要があった。
 この列車にはロビーカーがついていて景色がよく見えるので何度かそこへのんびりしに行った。また、食堂車も付いているのだが、そんな贅沢をすることは出来なかった。今から考えると朝食ぐらいは食べに行った方が良かったと思う。
 
 
 2度目は北海道旅行の帰りに乗車。前回はB寝台だったので今回は個室に乗ることにした。せっかくの旅行なので贅沢をしようと言うことでSA寝台にする。実はトワイライトエクスプレスのほうに乗りたかったのだが、あいにく満席であったためこちらになったのである。
 さすがにロイヤルだけあって部屋は広く、ベッドの他にイスまで用意されているという贅沢ぶり。さらにトイレ、洗面所、シャワーまで付いている。またテレビが付いていて映画を見ることもできる(こちらが選択できるわけではなく、再生しているのを見るだけですが)。あと、4チャンネルの音楽サービスもある。
 ちなみにシャワーは10分間使用可能(普通の寝台車のシャワーは6分)。一度しか使えないのかと思っていたのだがそんなことはなく、一度10分使い切った後少しすればまた使えるようになる。
 また、この部屋はベッドがセミダブルにもなるという優れもので、この状態にして2人用個室として使用出来る。一人でもセミダブル状態にして使うこともできないことはない(本当はやってはいけないのかもしれないが、私はその状態にしてました)。ちなみに、セミダブル状態にするとイスをほとんど動かすことが出来なくなるのが難点である。
 乗車してしばらくすると、ウェルカムドリンクサービスがやってくる。いろいろ持ってくるのでどれかを選ぶのかと思ってしまうが、すべてもらうことができる。実は、”〜にします”と危なく言いそうになりました。
 ちなみに、もらったドリンクはワインとウィスキーと缶のお茶と水で、氷も付いてきました。なんと贅沢な。
 車内をうろついてみたところ、それなりに混んでいたようだがA寝台2人個室は結構空いていたように思う。2人用個室はあまり需要がないのでしょうか。
 食堂車は雰囲気がよい。ここでのディナーは\7,800-もしくは\5,500-するので、さすがに頼むことは出来ず(ちなみに要予約)。しかし、ディナータイムの後にパブタイムと言う時間があり、こちらは予約せずとも軽食、おつまみ、各種ドリンクを頼むことが出来る。値段は高いものの十分夕食となりそうなメニューであった。夕食は駅にて購入してしまっていたのだが、せっかくなので軽い食べ物と飲物を頼むことにした。
 この列車にはロビースペースが付いているのだが、昔に乗った車両(上記)とは異なり一両まるまるロビーカーと言うわけではなく、せまいスペースしかない。まあ、この列車の編成はほとんどが個室寝台なので、これぐらいでも良いのかもしれない。
 朝になると新聞を持ってきてくれ、モーニングコーヒーのサービスもうけられる(もちろん無料)。朝食は前回食べなかったと言うこともあり、食堂車で食べることにした。和食または洋食から選択可能で値段は\1,600-、洋食を選んだ。
 ちなみにお値段は、寝台料金が\17,180-で、あと特急料金\3,150-と乗車券が必要である。ちなみにこの部屋を2人で使用するときは寝台料金\9,540-が追加される(もちろん、特急料金と乗車券は必要です)。(時刻、値段は2002年3月現在)
 
 
 3、4度目の乗車は函館旅行の際に利用した。東京方面から函館方面へ旅行する場合は、飛行機で行くよりも滞在時間は長くなる(はず)のでおすすめといえる。特に函館朝市にて食事や買い物をする場合は到着後すぐに行けるというメリットがある。
 乗車したA寝台個室は、2段ベッド式タイプでテーブルとソファーもあるが洗面台はなかった(他に平行ベッドタイプもあり、こちらは洗面台も付いているらしい)。部屋はそれなりに広いし、すべてのスペースで立つことは出来るがそれだけであり、同じ値段のカシオペアツインと比較するとずいぶん見劣りがする。B個室デュエットが取れるなら、高いお金を出してわざわざ乗るほどのものでもないと思われる。
 せっかく乗車したことなので、パブタイムに食堂車にてドリンクとつまみを食べた。出来れば朝食もと思ったのだが、函館着が6:34と早いため食べることは出来ず帰りに食べることにした。
 
 B寝台デュエットは平行ベッドであり、下段は真ん中の通路部では立つには十分な高さがある(上段は立てる高さがないようだ)。値段も通常のB寝台と同じなのでかなりおすすめ車両である。
 帰りはパブタイムには行かず、モーニングタイムにて朝食をいただいた。少々揺れるのだが、食堂車で食事を食べるのは楽しいものである。
 
 

はくつる(上野−青森) 2002/12に廃止
乗車区間・座席種 : 青森→上野・A寝台個室シングルデラックス

 上野と青森の間を東北本線経由で結んでいる寝台列車。一般の2段式B寝台の他にA寝台個室シングルデラックス(\13,350-)1両が連結されている。北斗星、カシオペアの影に隠れる形となり、いまいちマイナーであるが、朝早くに八戸や青森に行く場合や(北斗星、カシオペアは早朝に函館停車、青森には停車しない)、早朝に上野に着く(6:39着)ためには重宝する列車(北斗星、カシオペアでは上野に9:00以降に着)。また、青森発は21:06なので北海道帰りに北斗星が混んでいるときにも利用できるかもしれない。(函館発18:34の海峡12号から乗り継げる(青森着21:02))
 この列車にはシャワー室、ロビー室などはなく、車内販売もないので(といっても、これらの設備は現在の一般の寝台列車にはない)乗車前に飲食類は購入する必要がある。
(時刻、値段は2001年5月現在)

 この列車に乗ったのは、北海道に行った帰りである。別にこの列車に乗る必要はなく北斗星でも良かったのだが、北斗星は前に乗ったことがあるためにこれに乗ることにした。
 このA寝台個室は古めかしい造りが感じられ、扉はカードキーでも暗証番号式のルームキーでもなく、ふつうの鍵であった。ただし鍵に付いているキーホルダーは立派そうであった。部屋の広さはさすがにA個室だけあってそこそこであるが、照明もふつうの蛍光灯であるし、TVも無かった。まあ、TVがあっても私はほとんど見ないので別に良いのだが・・・。ベッドはソファー(座席)にする事もできた。
 このときの旅行の往路にカシオペアを利用したと言うこともあるが、とても同じ値段とは思えない設備である。A寝台個室の値段はロイヤル・スイート等の特殊な部屋以外はすべて同じ値段なのであるが、値段を多少は変えた方がいいような気がする(この列車の個室はもう少し値段を下げるべき)、現にB寝台個室は数種類あるのだから。私が乗車したことのあるA個室の中ではいまひとつであった。
 乗車時間は約9時間半、出発も遅く到着も早いので、夜景を見るのならともかく明るい景色をのんびり見る時間はほとんどない(寝台列車なので当たり前)。でも、私のように列車に乗ることに意義を見いだす人ならば問題ではあるが、夜中に寝ながら移動するという本来の目的を考えるとすばらしい列車といえる。ただし、そういう目的ならわざわざA寝台個室をとるまでもないであろう。

 2002年12月1日に新幹線はやてが八戸まで延長され、盛岡〜八戸間の東北本線がIGRいわて銀河鉄道と青い森鉄道となった際に廃止された。
 

あけぼの(上野−青森)
乗車区間・座席種 : 青森→上野・A寝台個室・シングルデラックス

 この列車は当初は上野−青森間を東北本線−福島−奥羽本線を経由していたが、秋田新幹線、山形新幹線の開通により経路を変え、現在は高崎線を経由し長岡を通り、その後は日本海側を通って秋田、弘前を通り青森を結んでいる。一般の2段式B寝台の他にA寝台個室シングルデラックスが1両、B寝台個室ソロが2両連結されている。
 この列車を乗り通すと、上野−青森間であり、はくつると同じなのであるが、寄り道をして日本海側を通るため約13時間ほどかかる。そのため出発は、はくつるよりも早いのに、到着は、はくつるよりも遅くなってしまう。つまり、この列車は上野と酒田や秋田、大館などの移動用であるといえる。実際私が乗ったときも青森ではほとんどの寝台が空いていた。
 この列車のA寝台個室には、補助ベッドが付いているため追加料金を払うことにより2人でも利用可能となる。シャワー室、ロビー室などはなく、車内販売も下り青森行きの秋田−二ツ井間で行われるだけなので、飲食類はあらかじめ購入しておいた方がよいだろう。
(経路・編成は2001年5月現在)

 旅行前に券を取りに行ったときはA寝台個室は満席でB寝台個室にしていたのだが、前日(旅行中)に聞いてみると席があったので座席の変更を行い、手に入れることが出来た。キャンセルする人もいるようであり、だめもとでもいいから何度かトライしてみるべきであろう。1度目の変更なら手数料は取られないのでお金がよけいにかかることもない。(まあ、今回のようにB寝台からA寝台に変えたりすると差額は取られるが・・・)
 この列車のA個室はTVも付いているし(映画2チャンネル・BGM)、照明も暖かみのある照度調節可能な照明であり雰囲気がよい。補助ベッドは寝台の上部に折り畳まれていて一人で乗るときは頭上も高く、また補助ベッド用にも照明や音楽の調節パネルが付いている。さらに、下のベッドを持ち上げることによりソファーが現れる(ただし高さは低い)。鍵はカードキータイプでありこのカードは記念に持ち帰ることが出来る。
 この列車も13時間とはいえほとんどが夜の闇の中を走ることになるが、出発が18時台と早いため、寝る前にのんびり食事をしたり景色を見たりと個室寝台を満喫できる。ただし青森観光をのんびりしたい場合や、北海道から帰ってくる場合においては、はくつるの方が向いているといえる。余談ではあるが、夜中に青森をうろつくスポットとしてはアスパム(青森県観光物産館)があり、ここの13階展望ラウンジからの夜景はなかなかである。
 


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