福井の浅海の生きものMy図鑑 TOP
福井の浅海のサンゴの仲間たち
刺胞動物門
■花虫綱 八放サンゴ亜綱 ウミトサカ目 ウミトサカ科 ウミイチゴ ヤギ目 ホソヤギ科 フトヤギ |
■花虫綱 六放サンゴ亜綱 ハナギンチャク目 ハナギンチャク科 ヒメハナギンチャク イシサンゴ目 キクメイシ科 キクメイシモドキ キサンゴ科 ムツサンゴ イソギンチャク目 ウメボシイソギンチャク科 スナギンチャク目 センナリスナギンチャク科 チビセンナリスナギンチャク |
■鉢虫綱 旗口クラゲ目 ミズクラゲ科 ミズクラゲ オキクラゲ科 アカクラゲ 根口クラゲ目 |
■箱虫綱 立方クラゲ目 アンドンクラゲ科 アンドンクラゲ |
■ヒドロ虫綱 アナサンゴモドキ目 有鞘亜目 ハネガヤ科 シロガヤ |
ウミイチゴ ▲
1990.9.9若狭町常神 岩壁に真っ赤なウミイチゴが点々と生息
1990年9月9日、スノーケリン
グによる海中観察会を、若狭湾
国定公園の三方海中公園地区
でスタートするための事前調査
で、トチノ島周辺の海中公園1
号地区や御神島に潜った時に
撮影した写真です。
フトヤギを撮影している時、周
囲の岩壁に小さなウミイチゴが
生息していることに初めて気が
つきました。
フトヤギ ▲
2002.8.31若狭町常神 樹枝状の動物、宝石サンゴと同じ八放サンゴ類
2002.8.31若狭町常神 フトヤギは触手を伸ばして餌生物を捕らえます
八放サンゴ類のフトヤギは、近
づいて触手の先端をよく見ると、
その名のとおり8本の触手があ
ることがわかります。この触手
でプランクトンを捕まえて餌にし
ています。
2007.8.5若狭町常神 大きなフトヤギが群生
2007.8.5若狭町常神
ヒメハナギンチャク ▲
1992.6.28越前町午房ケ平
岩礁海岸の砂だまりに見られる
ヒメハナギンチャクは、潮間帯直
下の浅いところから水深50m以
上のところにも生息しています。
触手の色彩は、紫色系とオレン
ジ色系の2系統が知られている
ようです。
福井の浅海(やや深い所)には、
この他にも、ムラサキハナギン
チャクやマダラハナギンチャクな
どのハナギンチャクの仲間も生
息しているようです。
キクメイシモドキ ▲
2008.7.6坂井市三国町 キクメイシモドキも触手を伸ばして餌を捕らえます
1990年、越前海岸の亀島周辺
でスノーケリング中に、福井の
浅海で、初めてイシサンゴの仲
間のキクメイシモドキを発見。最
初は錯覚かな?と我が目を疑い
ましたが、もう一度潜り、触って
みて、硬い石灰質だとわかり、
サンゴの仲間であることを確信
しました。
2002年には、若狭町塩坂越の
海岸でも偶然みつけることがで
きました。
2006.10.15坂井市三国町 触手を閉じ、石灰質の骨格だけの状態
2005年には、坂井市三国町で
もみつかりました。2005年以降、
毎年同じ場所に生息しているこ
とを確認しています。
更に、2007年には、若狭町食
見周辺の海岸でもみつけること
ができました。
キクメイシモドキは、福井の浅
海中に点々と生息する、貴重
なイシサンゴの仲間だというこ
とがわかりました。
2002.9.29若狭町塩坂越 こちらも触手を閉じた状態です
ムツサンゴ ▲
2002.8.31若狭町常神 鮮やかな黄色で小さなイソギンチャクのような生きもの
青森県の陸奥湾で最初に発見
されたことから、ムツサンゴと名
づけられた、北方系のサンゴ。
2℃の低水温でも生息可能。若
狭湾以北の日本海に多く生息。
近年、レジャーダイビングがとて
も普及したため、北陸以西の日
本海側や、太平洋側の相模湾
や瀬戸内海でも生息が確認され
ているようです。
2007.8.5若狭町常神 触手を伸ばしたムツサンゴ
この写真は、三方海中公園1号
地区で撮影したものです。
若狭湾国定公園の三方海中公
園は、ムツサンゴのような北方
系のサンゴと、フトヤギのような
南方系のサンゴが入り混じって
生息していることがその特徴の
ひとつです。
ミドリイソギンチャク ▲
2006.1.1坂井市三国町 触手を伸ばしたミドリイソギンチャク
福井の潮間帯で最もよく見られ
るイソギンチャクの仲間。
右上の写真のように、体の外
側のイボが若草色であることが、
この種の特徴です。
触手の色は多様で、透き通るピ
ンク色が多いようですが、下の写
真のように体全体が緑色の個体
もいます。
2006.1.29坂井市三国町 触手を閉じたミドリイソギンチャク
2007.8.4若狭町食見 触手まで緑色が鮮やかな個体
ヒメイソギンチャク ▲
2002.11.17坂井市三国町
地味な色彩のヒメイソギンチャク
も、福井の潮間帯で最もよく見ら
れるイソギンチャクの1種です。
縦分裂によって無性的に増殖して、
同一クローンによる群れをつくる
場合と、群れをつくらない場合が
あるようです。
ヨロイイソギンチャク ▲
2003.1.8越前町梨子ケ平 触手を閉じると、体に小石等がたくさん付着
福井の潮間帯で最もよく見られ
るイソギンチャクの1種。
体の特に上部に吸着イボがあり、
小石や貝殻片などをびっしりと
付けているのが特徴です。
2002.11.17坂井市三国町
スナイソギンチャク ▲
1990.8.27越前町午房ケ平 やや深い砂地の海底に生息、大きなイソギンチャク
砂礫〜砂地の海底で、砂中の
小石などに付いて生息するス
ナイソギンチャクは、色彩が豊
富で、この写真の色以外にも、
白やビンクや黄色っぽい個体
も知られています。
やや深い海底にも生息してい
て、この写真は水深30mくら
いで撮影したものです。
触手の刺胞の毒が強いので、
刺されないように注意が必要
です。
1992.6.28越前町午房ケ平 カラーバリエーション
チビセンナリスナギンチャク ▲
1990.9.9若狭町常神 カイメン動物の体に生息する珍しいイソギンチャクの仲間
このチビセンナリスナギンチャク
の写真も、1990年9月9日の
事前調査で、トチノ島周辺の三
方海中公園1号地区や御神島
に潜った時に撮影したものです。
柔らかいカイメン動物の表面に、
小さなイソギンチャクが生息し
ています。
ミズクラゲ ▲
2007.8.4若狭町食見 ミズクラゲの群れはなかなか美しいものです
透き通るように美しいミズクラゲ
は、福井の浅海で最もよく親し
まれているクラゲです。
7〜9月の3ヶ月間、何気なく
目にするこのクラゲですが、
大発生した群れに出会うと、
その繁殖力に圧倒されます。
2000年9月17日に、若狭町
の烏辺島で大発生した群れに
出会った時には、海中がミズ
クラゲだらけで、ビデオ撮影に
夢中になりました。
2005.8.7若狭町烏辺島
アカクラゲ ▲
2003.5.25坂井市三国町 春の海中でよく見られる足長のアカクラゲは、
刺されると大変です、要注意!
海藻がまだ繁茂している、春・
5月頃の浅海では、アカクラゲ
に度々出会います。
足が長く、刺されるとすごく痛い
このクラゲには、刺されないよう
に注意が必要です。
スナイロクラゲ ▲
2005.9.18坂井市三国町 エチゼンクラゲによく似たクラゲの仲間です
7月から9月にかけて時々見ら
れる、比較的大型のクラゲです。
1988年に、おわん型のこのク
ラゲを初めて見た時には、エチ
ゼンクラゲかと勘違いしましたが、
越前松島水族館の展示でスナ
イロクラゲだとわかりました。
エチゼンクラゲ ▲
2006.9.17坂井市三国町 大発生した年には、秋になると沿岸に弱った
エチゼンクラゲがたくさん漂着
2002〜2007年にかけて日本海
で大量に確認されたエチゼンク
ラゲは、中国本土と朝鮮半島に
囲まれる大湾などの中国沿岸で
初夏に発生し、長江(揚子江)の
海への張り出しや対馬海流によ
り日本海沿岸に運ばれます。
2005.9.18坂井市三国町 弱ったエチゼンクラゲは、魚などにつつか
れてかなりボロボロの状態です
三国海岸には、9月中旬頃に
漂着。弱った個体に度々出会
いました。
小型魚類と同様、カイアシ類
などの動物プランクトンが餌。
大発生の原因は、魚類の過
剰漁獲により餌生物がありあ
まったことや、温暖化、中国
沿岸部の開発による富栄養
化等と考えられているようで
す。
アンドンクラゲ ▲
1987.9.6越前町左右 8月のお盆を過ぎた頃から海水浴場に現れる
アンドンクラゲは、刺されると痛いので要注意
お盆を過ぎる頃から、海水浴場
に群れで現れることが多くなり
ます。
刺されると、かなり痛いため、
海水浴どころではなくなってし
まいますので、要注意。
海水浴は、水中メガネで海中
を覗きながら泳ぐことが大切
です。
シロガヤ ▲
2005.9.18坂井市三国町 岩肌で群生するシロガヤに、素肌を触れ
ると刺されてすごく腫れて痛いので要注意
素肌を刺されると、電気ショック
のような痛みが走って赤く腫れ
てしまいます。
痛みと腫れがかなりの間続くの
で、海中では素肌を刺されない
ように注意が必要です。