「自分の家族が被害に遭うたと思てみぃ」 |
今日からいよいよ高松での実務修習がスタートです。修習生は,4月から7月まで和光市の司法研修所で前期修習を受けたあと,全国各地に散って1年間の実務修習を受けるんですね。自分は高松修習なのですが,ぎりぎりまで京都の実家にいたため,昨日は荷物の搬入でてんやわんやでした。しかも,まだほとんど荷物も開けてないし・・・。まともな生活を送るまでには,しばらくかかりそうです。
実務修習初日の今日は,開始式から始まりました。この式には,地裁所長,民事刑事部長,地検検事正,弁護士会会長,事務局長など,偉い方々がたくさん出席されます。それにもかかわらず,自分は初日から修習生バッジを忘れるという失態・・・。これは非常に格好悪かったです。そして,式の後は,隣の会議室に入って懇談会が行われました。こちらはややくだけた感じで,自己紹介などをします。高松における法曹三者のトップを前にして自分の志望職種を言うのは,結構勇気がいりますね(苦笑)。
懇談会が終わると,休む間もなく,次は挨拶回りです。地裁・高裁・簡裁・家裁・地検・高検・弁護士会のそれぞれで,いくつもの部屋を回り,「第56期司法修習生,総勢8名です。これから1年間,よろしくお願いします。」と一礼するわけです。何度も何度も,数え切れないほど多くの人達に対してこの挨拶をします。これが「組織」なんだな,という感じがしました。その後,再び検察庁に戻ってきて,検察官・検察事務官の方々と,自己紹介をかねた昼食をとります。
・・・以上のような長い前置きがあって,午後からいよいよ検察庁での修習が始まりました(高松では,7月から9月までが検察,10月から12月までが弁護,1月から6月までが裁判です。) 検察修習で一体何をするのかというと,ずばり,検察官がやってることと同じことをやります。すなわち,警察から送致されてきた事件の配転を受け,その捜査記録を精読した上で捜査方針を決定し,自ら被疑者や参考人を取り調べて,最終的に起訴不起訴の判断を下し,上司の決裁を受けます。今日は,指導係検事からこのような説明を受けた後,さっそく各修習生に事件が配転されました。自分は,とある暴行事件を担当します。指導係検事は大変情熱的な方で,これまでの捜査経験を熱く話して下さいます。「検事は,自分の家族が被害に遭うたと思って,事件に取り組まなあかん」というお話に,自分は胸を打たれたのでした。
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Date: 2002/07/03 |
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