大人への不信を取り除くために |
いよいよ今日が最後の社会修習になります。今回は,県内にある少年院の見学に行ってきました。一応,カリキュラム上は刑裁修習の一貫とされているのですが,内容的に見て,実質的には今日から家裁修習の始まりと言えるでしょう。ちょうどいいタイミングですね。
午前と午後に分けて,女子少年院と男子少年院をそれぞれ1箇所ずつ訪問しました(法律上は性別を問わず「少年」とされていますので,女子についても「少年院」という表現になります)。集団部屋や教室,体育館等の施設をひととおり見学した後,処遇・教育過程についての講義です。少年院での教育は「新入時(これまでの自分を振り返る)」「中間期(指導,教育)」「出院準備期(社会適応訓練)」の3段階に大きく分けられること,それぞれの少年の性格や非行の程度に応じて個別に教育計画が作られることなど,経験をふまえつつ色々話していただきました。
驚いたのは,とにかく職員の方が非常に熱心に少年と向き合っていること。「非行に走る少年たちに共通するのは,大人に対する不信感を持ってるんです。それを少しでも取り除いてやるのが,私たちの仕事ですね。」と院長。少年院での教育は,子供の育て直しなのだとか。そういう意識があるからこそ,なぜ物を盗むのが悪いことなのか,少年と何時間もかけて話をしたりすることができるわけです。あれだけ熱意を持って接すれば,少年にも気持ちが伝わりますよ。再犯率わずか7%というのもうなずけます。
・・・ちなみに,自分,修習に来る前に刑務所の見学もしたことがあるんですが,少年院とはえらい違いでしたよ。刑務官は,在監者を教育するというよりも,なんかあきらめモードって感じでしたもん。「まぁ,やるやつは何度でもやるからねぇ。」みたいな(苦笑)。やっぱり,未来のある少年だからこそ,教育にも熱が入るのかもしれません。
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Date: 2003/06/11 |
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