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「そして悲劇は始まった」

 

Otomo警部「現役の京大法学部教授が殺されたぁ?!」

その一報が俺の所に入ってきたのは、午後8時のことだった。被害者は、京大法学部で憲法を教えていた鮭(しゃけ)教授。彼は、京大の西部食堂「ルネ」で倒れていたところを、店員に発見された。夏休みと言うこともあって、当日、校内にはほとんど生徒はいなかったという。

Otomo警部「で、死因は?」
Yana巡査「外傷は一切ありません。毒物か何かを混入されたものと思われます。」

当日に校内にいたとされる容疑者として、Kenji、Takashi、Toshi、Junichi の4人が挙げられた。

Otomo警部「あなたがたは、当時、校内で何をされていたんですか?」
Kenji「正門時計台の前で、K子といっしょにしゃべってました。」
Toshi「あん? 図書館の前でずっとニコチンふかしてたわ!」
Takashi「サイキック研究会の部室で討論をしていました。」
Junichi「図書館で勉強していました。」

俺はすぐさま4人のアリバイのウラを取りにかかった。

まずはKenjiだ。K子に事情を聞いたところ、確かにその時間帯は正門時計台の前で話をしていたという。

次にToshi。掃除のおばちゃんが、大量のタバコをふかすToshiの姿を目撃していた。しかも、図書館前に飛散していたタバコの付着物とToshiのDNAが一致した。

さらにTakashi。他のサイキック研究会員に聞いたところ、この日は南野誠をむかえての一日中の討論会だったという。そして、Takashiはかたときもその場を離れていないとの証言が得られた。

また、Junichiも、友人と法律問答をしている姿が、図書館員に目撃されていた。

・・・・なんと、4人ともきちんとアリバイがあるではないか!

今回のヤマをさらに難しくしているのは、死因が不明だということである。外傷が全くないため、解剖によって死因を調べようとしたのだが、鮭教授の家族が解剖に反対したため、結局、死因も凶器もわかっていないのである。

Otomo警部「くそっ・・・。この4人の中の誰かが犯人のはずなのに・・・。どうなってるんだ。せめて死因がわかれば・・・。」

その時、俺の携帯電話がけたたましく音をたてた。
Yana巡査「Otomo警部! また京大法学部教授が殺されているのが発見されました!」
Otomo警部「なにぃ!!」

 

つづく