ron3.gif (3687 バイト)
 

 択一試験で、残り時間が1分なのにさっぱり分からない論理問題が出てしまった場合の対処法について論ぜよ。



【解答例】

一1 択一試験とは、司法試験の第二次試験であっ
  て、憲法・民法・刑法それぞれ20問を3時間
  30分で解く、五択方式の試験をいう。

 2 かかる択一試験においては、しばしば、社会
  通念上の相当性を逸脱した難問が出題される。
   しかし、だからといって、残り時間が1分し
  ない以上、どれかの選択肢をマークせざるをえ
  ない。

 3 そこで、かかる場合にマークすべき選択肢の
  決定基準が、予備校のテキストの文言上明らか
  でなく問題となる。

二1 この点、「今週のラッキーナンバーは3だっ
  ったから、3にしよう」といった決め方による
  べきとする見解もある。しかし、これでは、そ
  の週のラッキーナンバーが9であった場合に、
  選ぶべき選択肢がなくなってしまい、妥当でな
  い。

 2 そこで、右説を原則としつつ、ラッキーナン
  バーが6以上の場合は、自ら6以上の記載欄を
  作出してそこにマークすべきとする修正説が有
  力である。しかし、自ら記載欄を作出したとこ
  ろで機械がそれを読みとれるはずはなく、また
  下手をすると「採点不能」としてG評価で返っ
  てくるおそれすらあり、全く無意味である。

三  他方、かかる場合は鉛筆を転がして決すべき
  とする見解もある。しかし、これではカラカラ
  と音がうるさく、隣の第三受験者の怒りを買っ
  て、帰り道で闇討ちされるおそれがあるため、
  やはり妥当でない。

四1 そもそも試験委員は、受験生の混乱を誘うた
  めに、あえて最後の方に難しい論理問題を配置
  している。かかる趣旨に鑑みれば、その解答た
  る選択肢も、可及的に最後の方に持っていきた
  いと考えるのが、合理的意思に合致する。

 2 そこで、私は、最後の選択肢である「5」を
  マークするのが、最も正答率が高く、妥当であ
  ると考える(LEC高野講師に同旨)。

                     以上

【みなさんの添削】

 ・25点
   僕は、4も多いと思いますけどね。

 ・22点以下
   くだらん・・・。

 ・25点
   合格答案のレベルには達していると思いま
   す。6以上の欄の作出を考える創造説にま
   で触れている答案はあまりありませんでし
   た。ただ、問題文に残り1分とあるのに、
   時間的要素に触れていないのは残念です。

 ・25点
   隣の受験生を傷害罪で処罰させ、受験資格
   を失わせる方法があることにも触れて欲し
   かった。

 ・25点
   択一対策としては、刑法を先に解いてしま
   う、という少数説まで押さえておくと良い
   でしょう。

 ・26点
   充実した論証で、実力の高さを伺えます。
   なお、選択肢は4が多いという説も近時有
   力に唱えられています。この機会におさえ
   ておけばよいでしょう。

 ・24点
   まずは問題文を読んで一応の解答に達した
   上でマークをするという原則論に触れるべ
   きでしょう。その上で、不都合性を述べ、
   これを修正すれば、より深い理解を示すこ
   とが出来ます。

 ・24点
   法学書院の憲法(平成11年度)では、
   @=88回、A=98回、B=113回、C
   =112回、D=98回でした。

 ・24点
   論理問題であっても、一段階程度の操作な
   のか、二段階以上の操作を必要とするもの
   かによって、極限時における対応は違って
   きます。前者の場合は、何とか肢だけで処
   理しうる点に触れられると、より基本を押
   さえた答案になるでしょう。

 ・26点
   心理学的には3が多い、と昔聞いたことが
   ありますが、今の時代、あてになりません
   ね。

 ・25点
   回収されるまで粘って解く、という新しい
   説を唱えている先生もいらっしゃいます。

 ・24点
   残り1分の時点で解くこととなる問題が最
   後の方の問題であることを前提としていま
   すが、ここは場合分けが必要です。最後の
   問題から解く人もいるからです。

 ・26点
   辰巳の合格鉛筆を転がすのが一番いいと思
   う。

 

※ あなたも、ぜひ採点・添削して下さい。

 点数   

 コメント