論文答練の予習として 従来、択一においては、論文と比べてかなり細かい知識が問われてきました。ここ数年は、あまり重箱の隅をつつくような出題はなされなくなったものの、やはり普段手薄になりがちな分野が出されることもしばしばです。 このような択一用知識の対策として、まず自分は、論文答練(憲民刑)の予習をする際に、択一教材にも目を通すようにしていました。プロヴィデンスで言えば、択プロまで読んでおくということですね。近時は「論文試験の択一化傾向」があると言われており、択一で問われるような内容が論文試験でも出題されはじめています。従って、論文答練の予習として択一インプットをやっておくことは、決して無駄ではないと思います。また、ここで一度やっておけば、直前期の詰め込みも楽です。
択一用知識をインプットするのに、どの教材を使うのがいいかは、人によって意見が分かれるところです。自分の場合は、プロヴィデンステキストと肢別本でした。 受験生の間で人気が高い教材として、自由国民社やLECが出している「択一用六法」がありますね。これを使ってもよいと思います。ただ、自分の場合、1・2・3月の論文の勉強との兼ね合いを考えると、択一のためにテキストが一冊増えるというのは非効率的だと思いました。その点、プロヴィデンステキストを使えば、論文の勉強と択一の勉強を分断せずにすみ、無理なく両立できます。プロヴィをお持ちでない方は、論文の勉強と二度手間にならないよう、読み方に工夫をするとよいと思います。 辰巳が出している肢別本については、賛否両論ありますが、自分は重宝しました。間違えた問題にマークをつけ、それを何度も解くようにしました。また、余白部分には、過去問や択一模試で自分が実際に間違えた肢を書きこんで、問題を補充していました。(過去問は、このような形で、間違えた肢だけを繰り返せばよいのであって、全てを何度もまわす必要はないと思います。) ただし、択一の問題は、必ずしもその肢だけで判断がつくとは限らず、他の選択肢との比較によってはじめて判断がつく場合もあります(特に、その場で考えさせるような現場思考問題)。そのような肢まで覚えていてはキリがありません。間違えた問題を肢別本に写す前に、それが本当に「知識」として必要かどうかを少し考えたほうがよいでしょう。 |