背理法は、ある主張Aを証明するのに、Aでないという前提からは矛盾が生じることを示して行う証明法です。・・・といっても、何のことやらさっぱりわからないと思うので、先の例を使って考えてみましょう。
例えば、4が答えになるとすると、上のようにエオも○ということになりますね。ところが、これでは、オアを含む5も答えになってしまうじゃありませんか。解答が2個になってしまうのです。これは明らかに矛盾です。ということは、そもそも4を答えとして選んではいけないということなのです。 2を答えとして選んだ場合も、同様に、解答が2個出てきてしまうという矛盾が生じます。それゆえ、やはり2を選んではいけないのです。 以上から、本問でアが明らかに正しいと分かった場合は、2と4は絶対に答えとなりえないのです。
このように、「正しいものの組合せ」又は「誤っているものの組合せ」といった問題では、どれか1つの正誤が明らかになれば肢を切ることが理論的に可能です。 そこで、問題は、これを試験の現場でどう使うか、ということなのですが・・・。これは、何度も使って慣れるしかありません。上で見たように、背理法は、一見複雑な論理操作を経るので、はじめは時間がかかってしまうと思います。しかし、慣れてくれば、直感的に「これとこれは背理法から切れるな」とわかるようになります。みなさんも、消去法を使うとき、ほぼ直感的に肢を切ってるでしょう。あれと同様の感覚です。 なお、消去法も背理法も、基本となる肢(上の例でいえば、ア)の判断が正しくできなければ、全く意味がありません。その意味で、消去法も背理法も、勉強をさぼるためのテクニックではないことに注意を要します。 |