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Otomo

「合格者対談、第2回目のお客様は、LEC岩崎クラス出身・二度目の受験で合格された筈井さんです。どうもこんにちは。」

筈井さん

「こんにちは。」

Otomo

「えーと、今回は、自分のほうで多少質問を準備してきたので、少しは実のある話ができるかなと。」

筈井さん

「なるほど(笑)。」

Otomo

「前回のタキさんと同様に、入門・論文・択一に分けて話をしようかと思います。で、まずは入門なんですけど、LEC岩崎クラスを選んだのはどうして?」

筈井さん

「僕は、講義を一日にまとめたかったんですよ。」

Otomo

「なるほど。2コマを一日でいっぺんに受けられるのが、当時、岩崎クラスしかなかったと。」

筈井さん

「あと、友達が伊藤塾なので、あえて別のところへ行って、互いに情報交換しようみたいな思惑もありました。」

Otomo

「ふーん、具体的には?」

筈井さん

「いや、思惑だけで終わったんですけど(笑)。」

Otomo

「入門期って、交換するほどの情報もないしねぇ。講義の受け方とかはどんな感じでしたか? メモはばりばりとった? 自分、実はあんまりメモらないんですよ。よっぽど「なるほど」とか思ったときしか書かない。書かなくても、本文に載ってるやんって。」

筈井さん

「僕も、講義中は、ちょこちょこ書く程度でしたね。むしろ、2年目以降の予習・復習や答練などで出てきた知識を余白に書き込む方が多かったです。」

Otomo

「入門の時のメモって、後々、案外役に立たないんよねー(笑)。わかりきってることだったり、どうでもいいことだったり・・・。」

筈井さん

「書き込みは、鉛筆でやっとくべきでしょうね。消せるし。ボールペンでやると、僕みたいに後々テキストを買いなおすはめに(笑)。」

Otomo

「映像記憶ってありますし、テキスト買いなおすとつらいよね。色分けとかはしてました?」

筈井さん

「やろうかと思ったけど、結局やりませんでした。色分けしたから理解できるようになるかというと、そうじゃないですからね。」

Otomo

「見返すのが速い、っていうのはあるのかな。ここが理由だ、ここが結論だ、って色を見てすぐわかると。」

筈井さん

「いや、それは、色がなくてもわからないとダメですよ。・・・ただ、色を塗る過程で、『ここが理由だ』『なぜここが理由になるのか』といった風に考えることには、意味があるかもしれませんね。逆に、ここオレンジ、とか言われて慢然と引いても意味は無いでしょう。」

Otomo

「なるほどね。ブロックカードを色分けしてる人、たまに見かけますけど。」

筈井さん

「ブロックカード、僕はいらないと思いますね。」

Otomo

「自分も使わなかった。っていうか、LECの場合、プロヴィのすじ道と全く同じでしょ。使う意味ないやんって。」

筈井さん

「そうそう。あと、論点を勉強するときには、こう、見出しの部分と照らしながらやるべきだと思うんですよ。カードだと、それができない。」

Otomo

「自分がどこを勉強してるのかという、全体の中での位置付けみたいなのを意識すると、ほんと全然違いますよね。」

筈井さん

「そうそう。見出しや目次みたいなところの中で論点を位置付けて、初めてその論点が理解できる、みたいな。」

Otomo

「そういう論証とか、あと定義・趣旨は、入門の段階から暗記するようにしてましたか?」

筈井さん

「定義の暗記は、入門ではしなかったですね。でも、それは当時の僕が怠け者だっただけで(笑)。今思えば、やっぱりやっとくべきでしょうね。」

Otomo

「論証はどう?」

筈井さん

「論証は、僕も入門の時から覚えてました。」

Otomo

「それは、入門講座の復習として、それとも答練の予習という形で?」

筈井さん

「講義の復習です。どの説がいいかみたいなのを考えて、その過程で覚えていったような感じですね。『覚えよう』と特に意識はしてませんでした。」

Otomo

「でも、他説については、入門では触れないところも結構あるよね。講義でやらなかった部分って、復習で読んでた? アドヴァンスの部分とか。」

筈井さん

「ちょこちょこ見る程度でしたね。」

Otomo

「適当にみつくろって、という感じ?」

筈井さん

「疲れてるときは見ないとか(笑)。あと、自説を理解するために反対説の理解が必要な場合というのもある気がしますね。」

Otomo

「入門段階で、そこまで自分で考えてチョイスするのは難しいかもしれないけどね。」

筈井さん

「確かに。そこまで明確に意識してたわけではないです。」

Otomo

「予習・復習のやり方みたいなのを、もう少し詳しく聞きたいのですが。」

筈井さん

「予習は全くしなかったですね。というか、予習してわかるぐらいなら、入門講座に出る必要ない気が(笑)。」

Otomo

「自分もやりませんでした。時間ばっかりかかって、かえって復習の時間が食われちゃいますしね。」

筈井さん

「復習は、やっぱりテキストの講義でやった部分を読むということになるんでしょうね。あと、僕は辰巳の肢別本をやってました。」

Otomo

「あ、入門の時から使ってたんだ。全問解いたの?」

筈井さん

「根抵当とか、あんまりわからない問題が続くところはやめましたけど。基本的には全部やりました。楽しいんですよね、○×で正解すると(笑)」

Otomo

「うん。自分、思うんだけど、問題を解くことによって、インプットの精度が高まるみたいな側面ってあるよね。」

筈井さん

「そうですね。そういう意味では、僕は、インプットとアウトプットっていう区別の仕方自体がそもそもナンセンスじゃないかなと思います。知識を仕入れたり、正確にしたりするために問題を解くわけですから。」

Otomo

「なるほど。」

筈井さん

「問題で出てくることによって、今までなんとなく読みすごしてたテキストのある部分を明確に意識するようになって、それが身についたり。」

Otomo

「あるある。読み流しちゃってるだけのところって、問題で出されると解けないんだ、これが(笑)。色分けの功罪みたいな話にも少し関連しますけど、たとえばある部分を蛍光ペンで塗るでしょ。そうすると、そこは注意して読むんだけど、そのかわり、塗ってない部分が逆に目に入りにくくなってしまう。」

筈井さん

「だからといって、全てに色を塗るのも意味ないですしね。結局、問題を解いて、間違えて、そこで初めて気づくわけです。そういう意識があるから、僕、間違えることを全く恐れなかったんですね。」

Otomo

「択一過去問それ自体は解いたりしなかった?」

筈井さん

「入門講座が終わった後、論基礎が始まるまでの1ヶ月の休みの間に、過去問を解きました。」

Otomo

「1ヶ月で?(笑)」

筈井さん

「全部理解できるかどうかはともかく、とりあえず全部見ようと思いましたね。」

Otomo

「なるほど。勉強って、じっくり丁寧に1周やるより、多少ラフでもいいから2周やるほうが、身につくんですよね。」

筈井さん

「僕も、スピードが命やと思いますね。」

Otomo

「うん。あ、あと、チューターの仕事をやってて少し驚いたんですけど、最近の入門生って、講義のカセットを全部ストックしていってるんですよ。ああいうのが流行ってるんですかね? あんま意味ないような気がするんですけど。」

筈井さん

「僕はやらなかったですけど・・・。もう一度聞くのなら、残しておいてもいいとは思います。ただ、入門講座が終了してからそのテープを聞くことはまずありえないでしょう。」

Otomo

「でしょうね。講義の復習として、もっぺん聞くというのなら、ありだと思いますけど。」

筈井さん

「そうそう。遅くとも、その週のうちに聞くべきでしょうね。」

Otomo

「それか、自分がチューターのときにも言ってたんですけど、毎回の講義の最初にやる『前回の復習のポイント』部分だけを録音してストックしとけばいいやんって。それ以外は、使わないですよ、はっきり言って。」

筈井さん

「入門ダイジェストでいいとは思うんですけどね。」

Otomo

「ああ、あれはいいよね。えーと、あと、論文過去問とかどうかな?」

筈井さん

「うーん。深入りしない人だったら、やってもいいんじゃないですか。最後の敵を見据えた上で勉強するっていうのも大事だと思いますし。」

Otomo

「確かに、そういう意味でね。C答練とか受けてても、『本試験はもっと難しいんですが・・・』って言われると、じゃあ一体どんな問題が出るんだよということになる(苦笑)。本試験がどういうものか見ておくという意味で目を通しておくとよいという程度でしょうね。」

筈井さん

「勉強の動機付け、とも言えるかな。そういう意味で見るのなら、入門段階でもいいと思います。過去問は、深入りしたらキリがないので、割り切りの良さは必要でしょうね。」

Otomo

「そのへんは、結局、優先順位の問題だよね。あと、基本書は必要ですか、とか聞いてくる人も多いんですけど。」

筈井さん

「よくわからないところを調べるために、持っててもいいとは思います。ただ、基本書を別テキストとして読むことは不要でしょうね。あくまで、わからないことが出てきた時だけ、基本書を辞書のように引くと。」

Otomo

「自分もそうでしたね。最近は、やっぱりそういう使い方が主流かな。」

筈井さん

「優先順位的には、一番下に位置付けるべきでしょうね。テキスト読み、択一過去問、論文過去問、基本書の順かなと。そして、比喩的に言うならば、テキストを読むために過去問や基本書等があると、そういう感じです。」

Otomo

「なるほど。あと、入門期の答練についても少しうかがいたいのですが。筈井くんはC答練受けてたんだよね。」

筈井さん

「受けてました。けど、途中で挫折しました(笑)。」

Otomo

「確かに、C答練の採点をやっててもね、刑法あたりから一気に答案数が減るんよ(笑)。でも、概して、答案の出来はかなりいい。プレ講義の答案を暗記してきてるのかな。」

筈井さん

「実際、あんまり必要ないと思いますよ。」

Otomo

「自分は、たとえ答えが丸暗記であるとしても、答案を「書く」ということそれ自体に意味があると思うんよね。規範定立してからあてはめとか、ナンバリングや接続詞の使い方とか、そういう形式的なものはもちろん、答案を書いてみることでテキストを読む時の意識が変わるだろうし。さっき、アウトプットをインプットと切り離して区別しても意味がない、みたいな話が出てたけど、まさに入門期の答練は『インプットを高めるための演習』という側面がより強く出るのかなと。」

筈井さん

「ただね、C答練は、答案が長すぎるんですよ。ああいう答案イメージを、入門の時に焼き付けてしまうと、まずいと思いますね。」

Otomo

「昔のよりは、マシになったと思うけどね。反町ジュニアが答案を書き直したりしたみたいだから。」

筈井さん

「だといいんですけど。・・・あと、勉強してると、よく『どの講座がいい、悪い』みたいな話をするじゃないですか。でも、どの講座も、無駄にはならないと思うんですよね。だから、『どの講座がいい、悪い』っていう議論はあまりしない方がいいかなと。むしろ、自分に何が欠けているのかという視点が必要だと思うんですよね。」

Otomo

「そこは、人によって違うわけだからね。」

筈井さん

「C答練であれば、論文を見たことのない人には有効だけど、ある程度論文を書いてる人には効果が無い。講座っていうのは、そういうレベルで考えていかないと。・・・と思います。」

Otomo

「なるほど。じゃ、まぁ、入門はこのへんにしましょうか。」

 
<次回につづく>