たーぼ・マーさんの2004夏 ギリシャ旅行

〜はじめに〜
 8回目のギリシャ旅行である。自分でもよくまあこれだけ同じところに来るものだと思うが、これが我々の夏になっている。新鮮な驚きや未知なる物への期待感は薄れてきているが、より落ち着いてゆっくりとバカンスを過ごせるようになった。今年もこうしてエーゲ海を楽しむことができることに感謝しつつ、簡単に旅行記をまとめておこう。

★日程
8月9日(月) 成田 → アムステルダム (KLMビジネスクラス)
   (スキポール空港Mercure Hotel泊)

8月10日(火) アムステルダム → サモス (トランザビア航空)
         サモス → ヒオス (オリンピック航空)
   (ヒオス Perleas Hotel泊 … 6泊)

8月16日(月) ヒオス → アテネ → ミコノス (オリンピック航空)
   (ミコノス Kouros Hotel泊 … 4泊)

8月20日(金) ミコノス → アテネ → アムステルダム (オリンピック航空)
         アムステルダム → 成田 (KLMビジネスクラス)

★日程決定まで
* 新しい島+ミコノス(またはサントリーニ)というのが最近の定番になっている。今回マーが選んだのはヒオス島で、これでエーゲ海の島は9島制覇になった(サントリーニ、ロードス、コス、クレタ、ミコノス、レスボス、サモス、ミロス、ヒオス)。

* アテネオリンピックと重なる日程であるため、フライト手配には苦労した。もともとアテネには用がない我々であるが、それでも乗り継ぎの関係で1泊ずつは覚悟しなければならなかった。しかし、今年のアテネはホテルがとんでもない値段、そもそも予約が取れない状況である。で、マーは苦労して裏技を見つけ出し、行きはアムステルダムからサモスへの直行便、帰りはアテネ乗り継ぎのみというパターンを確保した。せっかくのオリンピックを全く見ずに素通りするのはちょっと残念な気がしないでもないが、それにしてもこのアレンジは見事であった。
アテネでのオリンピック開催という特別事情のため、今回は早期の手配が必要だった。成田−アムステルダム間の予約は昨年9月という早さである。Transavia航空の夏季のフライトスケジュールは、1月下旬ごろからさみだれ的に決まっていく。4月から5月くらいにならないとエーゲ海のマイナーな島へのスケジュールが出てこないし、メジャーな島を除いてたいてい1週間に1往復。従って、予めアムステルダムまでのフライトを予約してしまっている場合は、乗り継ぎの曜日と時間がマッチする島にしか行けないことになる。また、オリンピック航空の国内便も同様に5月くらいにならないと夏の詳細なスケジュールが出ないのがつらいところだ。今回は1月以降毎日のようにインターネットでTransavia航空とオリンピック航空のスケジュールをチェックし、苦労の末、全工程の予約が完了したのはGW明けだった。これも旅の楽しみの1つではあるが・・・。

* 2人ともワールドパークスマイレージが十分貯まっていたので、アムステルダムまではビジネスクラスのフリーチケットを使った。これも昨年9月(11ヶ月前!)に予約を入れて取れたものである。10万マイル使ったが、この時期ならひとり50万円以上はするチケットだから、マイレージプログラムの恩恵を十分に享受したと言える。

★フライトについて
* KLMは行きが新型の777、帰りが747であった。777のビジネスクラスは新型シートで、これが良く出来ていた。ほぼ完全なフラットになるし、ビデオの種類も結構豊富。もっとも最近のビジネスクラスシートはどこも皆進歩している。長時間フライトにはありがたいが、今回の行きのようにアムステルダム泊まり、時差の関係で特に寝る必要がない場合にはやはり贅沢か。

* Transavia航空はオランダ拠点の格安航空会社。エーゲ海の幾つもの島にアムステルダムから直行便を運行しており、マーは注目していたようだ。今回の利用は大当たりと言ってよい。格安会社らしく飲み物も有料サービスだったが、サンドイッチとコーヒー(5ユーロ)は美味しかった。機材は新しい737だったし、とにかくアムステルダムからサモスまでがひとり146ユーロという安さである(3ヶ月前にネット予約をした時点の値段)。エーゲ海に行くには十分使える。一つだけ驚いたのが、機内アナウンスに英語がなかったこと(多分オランダ語だけ)。こういうのって許されるのだろうか?

★ヒオス到着まで
* アムステルダムのMercureは空港内にあるトランジットホテルで、今回は翌日のフライトが早朝5時だったのでここを利用したが、幾つか問題があった。まず、荷物受取りが入国審査の後になっているため、せっかく空港内にありながら一旦荷物を受取って再入場しなければならなかった。また、Transavia航空のチェックイン時間の制約から1時間ほど待つ必要も生じた。ホテルのチェックインも19時からということで、追加2時間分(19ユーロ)を払った。ということで、空港ターミナル内にあるがためにかえって不便を強いられることも。次回は少々高くても空港すぐ横のシェラトンの方が便利安心かもしれない。

* サモス到着後にヒオスまで乗り継いだが、この間3時間ほどあったので、3年前に訪れたピタゴリオの街までタクシーで行ってカフェを楽しむ予定だった。しかし、サモスの空港ではどこも荷物を預かってくれる場所がなく、フライトのチェックイン手続きも1時間前でないと受け付けないとの返事。結局空港で待つしかなくピタゴリオ散策は果たせぬ夢に。このあたりの融通はもう少し工夫が欲しいところ。

★ヒオスのホテル(Perleas Hotel)
* Perleasは7部屋しかないプチホテルだが、広大な農場の中にあるファームステイ、ないしペンションといった方が正しいだろう。カンポス地区という旧市街風の一角にある。インターネットで予約できるヒオスの宿は限られており、A'クラス、一泊110ユーロという条件で見つけたところである。

* 部屋は清潔で快適。エアコン、バスタブ付きだが、テレビはなし。また、電話が故障ということで不通。テレビも電話も不要なものかもしれないが、今回はオリンピック期間中、メールチェックも最低限は必要ということで、このあたりはちょっとマイナス点。

* もう一つのマイナス点はロケーションで、周辺にタベルナが全くない。また、道路は狭くクルマの出し入れも気を使う。夜、食事に行くにもわざわざクルマで出かけなければならないのは面倒で、もう少し立地条件が良ければと思う。もっとも3日目あたりからはこれにも慣れてしまったが。

* 上記以外はほぼ満足できる宿だった。一面に広がる農場にはオリーブや果実が植えられていて、羊やニワトリも飼われている。朝食に出てくるバターやジャムは自家製で、デザートのケーキも手作りの絶品だった。また、ナナという名前のメス犬(3才)がいて、これが実に利口でかわいい。朝食の時におねだりをして僕のひざに足を出す様子は、これぞ看板犬にふさわしい。

【看板犬ナナ】

* カンポス地区のホテルは皆同様だが、昔の石造りの建物をそのままホテルにしており、建物自体も、また調度品やオブジェもすべてが本物のアンティーク、とても雰囲気がある。部屋はすべて違う作りになっていて、我々の部屋は3ベッドルームの離れの一角。マイナス面はあるものの、バスルームは広くて設備も新しくとても使いやすいしアメニティグッズも完備。バルコニーがこれまた快適で、すわり心地のよい籐の椅子で夕食前のビールを飲むもよし、明るい自然光の中で化粧するもよしといったところだ。

★ヒオスのビーチ、町
* ヒオスでも毎日ビーチに出かけた。行った場所はエンポリオス、リムナス、コミ、リッシー、エリンタ。いずれも島の南部から西部にかけて、1時間ほどのドライブだ。

* ビーチは全体的にレベルが高く、特に水の透明度は特筆ものだ。ただし、ヒオスのビーチはデッキチェア/パラソルがあるところはまれで、持参のビニールシートを木陰に敷いて過ごすことになる。本来のビーチスタイルかもしれないが、長時間過ごすのはちょっとつらい。もっとも、デッキチェアがあったコミビーチでは、料金が無料だった(ビーチタベルナを利用する場合)。ビーチの客の8割以上がギリシャ人(と思われる)ことも含めて、ヒオスは観光地化されていないと言ってよいのではないか。

【リッシー近くのビーチ】

* ヒオスの主なビーチで特筆すべきは、ビーチに水シャワーが設置されていることだ。海で泳いだあとにすぐシャワーを浴びることで、タオルにも塩分が付かずに濡れても乾かせばまた気持ちよく使えるし、ホテルに帰ってから水着を洗うのもざっとで良い。また、水着が乾かない状態でビーチから帰るときにも、上に着るTシャツやショートパンツは海水でなく真水に濡れるだけなので、前記タオルと同様に乾かせば良いだけだ。洗濯を一切しないたーぼはあまり認識していないようだけど、水のシャワーがあるだけで随分と具合がよいのだ。

* 最終日に行った島の南端にあるビーチ(ブロウリディア)は素晴らしかった。ミロスのツグラドビーチとよく似た感じで、絶壁を降りたところにある砂利浜のビーチだ。限りなく透明な海を楽しむことができる。パラソル類もない小さいところだが、エーゲ海の中でもかなり上位のビーチに挙げられるかも。

【プロウリディアビーチ】 


【プロウリディアビーチの水】


* 4日目の夜がオリンピックの開会式だったので、ヒオスの町までクルマで出かけて何とか路上駐車をして、テレビが置いてある港のタベルナに入った。3時間以上にわたって開会式を見ながら食事をしたが、ヨーロッパまで来たことのメリットが得られたか。何せ聖火が終わったのが12時、日本は朝6時だ。いくら金曜の夜でもこれはきつい。それにしても、開会式は幻想的で良かったが、選手入場は長すぎる。

* 5日目の夜はヒオスタウン近くのイタリアンに行った。毎年10日間ほどの滞在中、ほとんどをギリシャ料理にしているのだが、それでも一度か二度はイタリアンか中華を食べたくなるのだ(残念ながら和食の店はない)。多分、ヒオスでは相当高級なレストランなのだろう。スパゲティがやや茹で過ぎだったこと以外は、味もサービスも満足できた。ちなみに、この店が混み始めたのは10時過ぎだが、客の何組かはお互いに知り合いのようで挨拶を交わしていた。地元の人が土曜日の夜、ちょっとリッチな食事をする店なのかもしれない。

* ヒオスのタベルナはビーチも町も良心的な値段。これから行くミコノスに比べると、多分3割ほど安いのではないか。それでも、ドラクマ時代から比べれば倍ほどに高くなったと思う。一番わかりやすいグリークサラダを例にとろう。3年前までは1000ドラクマ(300円)が目安だったが、ここヒオスでは4.5ユーロが標準的。今の為替レートでは600円近い。1ユーロ=100円界隈なら許容できるが、今やギリシャも決して物価安の国とは言えなくなっている。

* 昼は何回か、小魚のフライを食べた。ワカサギの小型版をオリーブオイルで空揚げにしたものだが、なかなか美味である。なぜかミコノスではメニューにないことが多い。なお、我々の昼食はこの小魚フライ(またはカラマリ=イカの空揚げ)、グリークサラダ、ビールが定番であるが(ちなみにこれで14ユーロ)、ギリシャ人の昼食はひとり3皿以上。本当に昼間から良く食べているのだ。

★レンタカー
* 今回ギリシャでは初めてレンタカーを借りた。ネット予約でオートマチックを希望したが、ヒオス島にはないとのことなのでマニュアル車で妥協。Hyundaiのエアコン付き小型車だったが、これはなかなか軽快で良かった。坂道が多いのでパワー不足は否めないが、もともと飛ばすつもりはないからこれで十分。むしろ小型であるが故の小回りの良さを感じた。

* 左ハンドルのマニュアル車は初めての経験だったが、すぐに慣れるものだ。アメリカでの左ハンドル経験、日本ではマニュアル車運転という環境があるからかもしれない。いずれにせよ、今後大きな島ではレンタカーという手段が使えそうだ。

* ヒオスの道路は概ね良好。町の中は結構狭い道が多いが、苦労するほどのことはない。ただし、助手席に有能なナビゲータがいないと大変だと思う。一方、島の中央は山地だから、ここを超えて行く道は相当なヘアピンカーブも多い。ギリシャ人は結構飛ばす人が多いから、慎重な運転が必要なことは言うまでもない。

【西部のピルギの町にて ドライトマト】


【山間部から海を臨む】


★その他ヒオスについて
* 日本ではヒオスの情報はないに等しく、英語サイトの情報をダウンロードしてもってきたくらいだったが、空港で入手したヒオスガイドブック(無料)がとても役に立った。こうしたタウンガイド類は、広告の店も含めて結構な量の情報が載っている。空港やツーリストガイドで、何とか入手することが重要だ。ミコノスでも数年前はあったはずだが、この2〜3年は見てないのが残念。

* ヒオスで6日間過ごしてわかったのは、パンがおいしいことだった。ホテルだけでなくどこのタベルナやレストランで出されるパンも皆同じで、今まで行ったほかの島とちがい、やや黒っぽくてきめが粗い粉を使っているのだが、パリパリの皮で中はややむっちりの歯ごたえ、深い味わいだ。よく見ると、毎日朝食で出されるケーキ類も同じ粉を使ったもので、これまた素朴でおいしいのだ。

★ミコノス到着まで
* ヒオスからミコノスまではアテネ経由のオリンピック航空を利用した。昔に比べるとオリンピック航空の遅れは改善されつつあったが、今年はまた遅れ気味。最終日の乗り継ぎ時間が短いだけにやや心配なところである。

* アテネの空港は思ったほど警備は厳しくなかったが、それでも観光客は多かった。空港の手前、ソフィテルホテルの横に地下鉄が開通しており、市内シンタグマ広場まで直通で行けるようになっていた。オリンピックに何とか間に合わせたというところだろうか。これであの悪質タクシーに悩まされることもなくなるのだろうが、シンタグマまで40分かかるようだから、深夜に到着した場合はやはりつらいかも。

★ミコノスのホテル(Kouros Hotel)
* Kouros(クーロス)は7年前に初めてミコノスに来た時に泊まったホテルで、今回は2回目になる。四つ星クラスのホテルで、前回はその豪華さに感激したものだが、今回も満足できる内容。フロントや食堂の位置が変更されていて、部屋も多少は改装されたようだ。今回の部屋(43号室)は夕日を正面に望める明るい部屋で、水周りも優れている。もっとも、7年前は確か40000ドラクマ(当時は16000円)、今回は216ユーロ(=29000円)だから、倍近くに値上がりしたことになる。ミコノスにはもっと高いホテルもたくさんあるのだけれども。

* 朝食は以前よりは種類が少なくなった感じだが、それでも豪華版のビュッフェ。その他、サービスも的確で心地よく滞在できた。いつもは見かける日本人宿泊客が今回は誰もいなかった。

* クーロスで不思議なことを発見。ホテルに着いて手を洗ったときに、すぐにヒオスの時との水の硬度の違いを感じた。水が軟らかいのだ。さらに思い出してみれば、以前にクーロスに泊まったときには、もっと硬度があっただけでなく若干塩分が含まれていて、歯磨きをする際にも塩味を感じて嫌だったのに、今回はそれもない。これはどうしたことか? 同じ年に複数のホテルに泊まることがないので、ホテルによる差なのか、島全体で水の管理が改善されてきているのかよくわからない。あるいは昨年の冬は雨がたくさん降って貯水池の水量が多かったとか。山や川がなく夏は雨も全く降らない小さな島ミコノスで、水がどのように確保されているのか知りたい。

★ミコノスのビーチ
* 実質3日間の滞在なので、ビーチも3箇所に行った。最初のプラティヤロスはこれだけミコノスに来ていてビーチとして楽しんだのは初めて。風が強かった日だったが、ここは波も静かで、とても居心地が良かった。水の透明度も高いし、町からも近いので、今後のお気に入りビーチの一つになりそうだ。

* プラティヤロスは、ビーチとしてだけでなくここから東側にある各ビーチ(パラダイス、スーパーパラダイス、アグラリ、エリア)へ行く小船の発着所としても有名な場所だ。小船が出るということは、当然ミコノスタウンからのバスも頻繁にやってくる。そういう関係で、人の出入りが激しく落ち着かない場所というイメージが強く、今まで腰を落ち着けたことがなかった。しかし、船着場から離れた場所に行けば落ち着けるし、水がこんなにきれいだとは思わなかった。砂浜の面積が狭いのと、レストランはビーチ前のホテルの経営なので、テイクアウトも含めて食事代は他より高めと思われる。

【プラティヤロスビーチ】


* 2日目は恒例のスーパーパラダイスへ。昨年と違った点が幾つかあった。まずは途中の道で、幅が広がり通り易くなっていた。これならクルマでも問題ないだろう。もちろん急坂であることは変わらないが。次に、海へ入った最初のところに藻が生えた岩が復活していた。これまで何年もあったものが昨年は消えていて不思議に思ったが、また昔に戻った感じだ。エメラルドグリーンの水の色、透明度、泳ぎやすさは変わらず、今までどおり高い評価を与えられるが、混雑は多少緩和されたように思う。昔と比べると、かっこいいゲイの人も、ヌーディストの割合も少し減ったのではないか。もっとも、8月も15日を過ぎるとピークシーズンを過ぎたのかもしれない。
【スーパーパラダイスビーチ、手前が滑りやすい岩】


* 3日目はエリアビーチへ。ここは4年ぶりになるが、風が弱くなった好天の日ということもあって、その魅力を満喫できた。ミコノスでは一番大きなビーチだが、ここの海の色も透明度も素晴らしい。風が弱い日は是非お勧めしたいビーチである。午前中はがらがらだったのに、夕方になると満員になる状況はどこのビーチも同じだ。

【午前中のエリアビーチ】

* ミコノスのビーチはどこも設備は整っているし、海そのものも素晴らしいところがそろっている。サモス、ミロス、そして今回のヒオスもレベルが高いビーチが幾つもあったが、全体的に見ればやはりミコノスが一番かもしれない。ただ、ベストビーチがどこかと言えば、昨年のミロスのパレオホリを挙げておきたい。

* 8月中旬は海水温が最も高くなる時だそうで、今回は非常に快適であった。ミコノスのビーチでは7月や9月は驚くほど水が冷たいので、泳ぐことを楽しむのならば8月上旬から中旬がベストなのだろう。

* 昔は7月に来ることが多かったが、7月のエーゲ海は冷たく、ずっと泳いでいると身体が冷えてくる。初めて8月に来たときに水温の違いを感じたが、それ以来ずっと同様なので、7月と8月の水温の違いは間違いないのだろう。

★ミコノスの町、タベルナ
* 2日目の朝、恒例のバイクを借りようとホテルに頼んだところ、最初の店は全部出払っているとの返事。2軒目で何とか借りられた。値段は1日23ユーロで、昨年より多少上がっている。今回わかったが、バイクも当然ながらシーズン値段があって、6月頃なら半分の値段で借りられるのである。なお、4日目の夕方、返す時には相当数のバイクが店に置かれていた。今回の滞在中感じたことだが、ミコノス全体が最初の頃(月・火)は結構混んでいたのに、後半は空いてきたようだ。

* 夜の食事で行ったところは、順にエルグレコ、タキュピア、アブラ、コスタス。この中ではタキュピアが定番(今回もロブスタースパゲティ)だが、その他は初めて入った。エルグレコ、コスタスはメイン通り沿いにある店でいつも混んでいるところ(マンウォッチングには最適)。エルグレコの味がまあまあだったが、敢えてお勧めするほどではない。アブラで食べたチキン料理(オリエンタル、カレー)はかなり美味しく、こちらはお勧めの一つだろう。ダイナスティあたりのシェフが移って来たのかも?

【アブラでのチキン料理】


* ミコノスタウンの宝石屋に日本人の女性がいて、毎年その前を通るたびに声をかけられていたが、今年最終日に初めて少し話をした。ギリシャに来てもう36年、来月にはおばあさんになるとのこと。アテネにも家があって、夏にはミコノスで店をやっているようだ。この人にも確認したのだが、今回のミコノスは異常なほど日本人が少なかった。オリンピック最中ということで、普段なら毎日数組以上会うのに今年はほとんどゼロ。ありがたいような、でもちょっと寂しいような。

* もうひとつちょっと寂しいことを。ヒオスも含めて今回いろいろな場所のいろいろなグレードの食事処に行ったが、共通していえるのはテーブルからオリーブオイルとビネガーの瓶が消えたことだ。いままでは、たいていのタベルナにはこれが置いてあり、グリークサラダにかけるだけでなく、取り皿にオリーブオイルをたらしてパンをつけて食べたものだった。なぜこれが消えたのかはなぞだが、やはりコストダウン対策の一環なのだろうか・・・。

* また、ミコノスに関して言えば、タキュピアを初めとして全体にタベルナもレストラン化してきているような気がする。サービスもアップしているが値段もアップ。私としては値段も手ごろで、オーダーしたメニューが出来たものからどんどん出てきて、サラダもメインもテーブルの上ににぎやかに並べて気取らずに食べるのが好きなのだが。。。。

★帰国までのトラブル(長文)
* 最後に大きなトラブルが待っていた。20日(金)の朝、5時起きでホテルを出発した我々はミコノス空港でチェックインしたものの、乗るべき飛行機がなかなか来ない。結局、7時5分発のはずが実際に飛び立ったのは8時40分頃。その結果、アテネに到着したのは9時15分で、これは次に乗るアムステルダム行きの出発時間を既に10分過ぎている。ゲートに走ったものの、当然のことながらこのフライトは出発した後だった。

* もともとの計画では1時間20分の乗り継ぎ時間があり、アテネの状況を考えるとリスキーだと(自分で手配しておきながら)マーは心配していた。僕もそうは感じたが、最近はオリンピック航空の運行も改善されていたこと、それに朝早くのフライトで遅れの蓄積影響が少ないことから、大丈夫だと判断していた。残念ながらこの見通しが甘かった(我々が乗るフライトはアテネからの折り返しだった)。

* さて、起きてしまったことは仕方がないので、代替ルート確保を頼むべく、すぐにオリンピック航空カウンターに向かった。ここでは同じフライトの客が何人も並んでおり、1時間半も遅れれば被害を被った人も多いはずと納得したが、一方で手続きに時間がかかり、この後延々と待たされる始まりとなった。

* 最初に提示された代替案は別ルート経由のJAL便だが、これは追加料金要とのこと。実はこの時点で「禍転じて福となす」ではないが、もともと休みにはまだ1日余裕があるから、翌日のフライトにして今日はアテネでオリンピック観戦でもできるのでは、などと思い始めていた。で、明日の同ルートフライトでよいから確保してくれと頼んだところ、ここで1時間半ほど待たされた。時間がかかったのはどうもアテネのホテルを探していたようで、当然ながらどこも満員とのこと。そのプランはどうせ無理だから、今日の夜にアムステルダムへ向かうつもりで考えていたのに、やはりカウンター越しの交渉できちんと伝えるのは難しい。結局、20時発のKLMでアムステルダムへ行くところまでは何とか確保できて、そこから先はKLMカウンターで確認せよとなった。ここまでで2時間(立ちっぱなし)、疲れた。

* 次に荷物を引き取りに行こうとしたが、一旦外に出た我々が到着ロビーに簡単には入れない。これも電話でいろいろと確認した結果、オリンピック航空の関係者を呼び出して同行してもらった上でようやく中に入れた。ところが、苦労して中に入ったのに我々の荷物はなし。ミコノスで一部の荷物積み残しがあったものとわかった。まあ、結果論だが、仮に乗り継ぎが間に合ったとしても、その場合は荷物が行方不明で大変だったかもしれない。

* 荷物は午後に届くとのことだったので、次はKLMカウンターに行き、日本までのフライトを確認した。ここのお姉さんは親切だったが、ひとりしかいなかったので次から次とやってくる客をさばくのが精一杯。僕の番になるまで30分待たされ、状況を確認した後も急ぎの客を優先させるため、さらに延々と待つことになった。朝から何も食べていなかったが、途中3時頃に空港カフェでようやく食事をとった。ちなみに、アテネ空港には日本人も多く、またオリンピック選手らしい人も何人か見かけた。

* 事態が動いたのは4時半頃。KLMのお姉さんがオリンピック航空に一緒に行き、代替案としてパリ経由のAF便(本日夜発で土曜日夜に成田着)を提案。これをオリンピック航空に負担させようとしたものだが、結論はノー。そもそもの原因はミコノスからのオリンピック航空遅延にあり、オリンピック航空としては同時購入のアムステルダムまでの責任を負うのは当然としても、アムステルダムから先の別購入チケットまでは面倒を見ないということなのだろう。マーは、「これは間接損害のケースだからビジネス慣習上仕方がないこと」と頷いていた。まあ確かにそうかもしれない

* アテネでの最終結論は、「今日20時のKLMでアムステルダムまで行き、そこで日本までのフライトを再交渉。現時点では明日の日本便は満席。明後日の日本便は(ビジネスで)確保できた。」というものだった。この時点で5時過ぎ。オリンピック観戦などは夢の話で、カウンターでの交渉と立ちっぱなしの待ち時間で一日つぶれてしまった。

* その後、荷物を引き取りに、また電話呼出手続きを経て中に入ったが、今度は我々の荷物が先にアムステルダムまで行ってしまったことがわかった。どうも歯車が狂っている? 厄日か。

* でも20時のKLM便ではゴールドエリート会員がものを言って、我々はビジネスクラスにアップグレードされた。以前と違って、ヨーロッパ線はビジネスクラスでも3−3配列で席は広くない。ただ、食事は定番のチキンが美味しかったし、多少なりとも気が晴れた感じ。考えてみれば、このトラブルでKLMには何の責任もないのだ。

* 23時前にアムステルダムに着き、まずはKLMカウンターに行ったが既に閉まっている。仕方ないのでフライト手配は明日にし、荷物を探しに。これはすぐに見つかって、まずは一つ課題解決である。

* アムステルダムでのホテルは、空港近くのイビスにした。以前何も予約せずに夜遅く空港からホテルを探したことがあり、夏の週末はめぼしいホテルが軒並み満員で、高価なヒルトンに泊まらざるをえなくなったことがあった。その反省で、夕方にアテネから電話で予約を入れたものだが、その時点では応対したお姉さんが「(夜遅くでも)大丈夫、シャトルバスに乗ってくればいいのよ。」なんて調子で、名前も聞かれなかった(したがって予約もできていない)状況だったが、実際に行ってみたら相当な満員で、フロントの人は「夕方はそうだったかも知れないけど」との発言。それでも何とか泊まることができたけど、危ない危ない。

* イビスは1泊79ユーロという低価格、空港とは無料シャトルバス連絡があるので、若者中心に結構な人気だ。アムステルダムまで遊びに行くのに使っている人も多い感じ。雰囲気は本当の大衆ホテルだが、トランジット用には十分かもしれない。

* さて、ここまでで既に2ページも書いたが、次は翌日の話である。11時頃に空港カウンターに行き、この日の日本便に乗れるかどうか再交渉。ウェイティングリスト用の搭乗券をもらい、一旦荷物を預けてゲートまで行くようにとのこと。乗れるかどうかは最後の状況次第ということらしい。

* さて、いざ搭乗口に行ってみると、同じような空席待ちの人が他にもいた。満席だから当然だが、こうした状況だといつも以上にこんなに大勢のるのかといった感じを抱く。搭乗が始まってしばらくしてから呼ばれ、「今日はほとんど難しい」と告げられた。最終的には空席待ちは3人ほど乗れたようだが、我々のところに来た通知は、「ひとり分だけエコノミー席があります。」というもの。まあ、幾つかのパターンを想定していて、「夜行に近い帰り便はビジネスに乗りたいところだけど、エコノミーなら用意できると言われたらどうするか」も考えていた。でもさすがにひとりしか乗れないのでは仕方がない。すっぱりとあきらめて、もう一度イビスに戻ることにした。まさかイビスに2連泊するとは思わなかったけれど。

* 2泊目の夜はアムステルダムまで出かけ、インドネシア料理の店に入った。12品ほどのコースメニューがひとり17ユーロ、ボリュームは適度で味は美味しく、最後で少し挽回できた感じ。

* 日曜日は今度こそ問題なく搭乗手続きができた。ビジネスクラスは満席。美味しい食事と快適な座席でくつろぐことができた。成田到着は8時40分頃。ちょうど夏期休暇明け初日の勤務が始まったところであった。

最後に
* 今回もほとんどリアルタイムで書いたので、最初の方を読み返すと面白い。KLMの帰りは747型と書いてあるが実際には行きと同じ777型になったし、ミコノス到着時点でアテネの乗り継ぎ時間の短さを心配している。

* 飛行機の手配変更はこれで3回目。最初は2001年、2回目が昨年春のマレーシアで自分たちの勘違いによる乗り遅れである。2回目も結構大変だったが、今回のバタバタはそれをはるかに凌ぐしんどいものであった。まあ、旅にはトラブルはつきものと思うべきなのだろうが、もう少しリスク管理を考えたほうが良かっただろう。

* 簡単な旅行記を書くつもりが、最後のトラブルで一気にボリュームが増えてしまった。ただ、今回の旅全体で言えば、今まで以上にエーゲ海を満喫できた素晴らしいものだったと思う。ヒオスは素朴で良かったし、最初はどうなるかと思ったクルマの運転も慣れてくれば問題なかった。ミコノスもこれまで同様、本当にレベルの高いビーチを楽しませてくれたし、新しい店も開拓できた。

* 残念だったのはオリンピックで肝心なところが見られなかったこと。開会式をほぼ全部見られたのは良かったが、ミコノスではギリシャ放送しか入らず、これが気まぐれのように番組が変わるのだ。北島の2冠はともに表彰式がいきなり入ってきて、肝心のレースは見られずじまい。それと、当初はアテネでの乗り継ぎ時間を長く取って、オリンピック(女子バスケット)を見に行こうという案もあったのだが、大変そうだからやめようと諦めてしまった。今にして思えば一生にめったにないチャンスだったし、最後のトラブルも応援に行かなかった罰が当たったのかもしれない。

* エーゲ海9島制覇というのは結構貴重な記録だと思う。来年はどうするか、物価高になって大変な面も多いが、マーの言葉を借りれば「これがないとやっていられない。」のだから、また今回の反省を活かしてプランを練ってもらうことにしよう。

* いろいろトラブルや課題があったが、これまた次への宿題ということで、来年の手配の楽しみに加えることにしよう。

* ギリシャ行きはすっかり第ニのふるさとへの帰省という感じになり、朝から晩まですべての時間をリラックスして楽しめるようになった気がする。観光旅行もよいけれど、それはリタイア後の楽しみとして、仕事を持っている間はこのような旅を続けたいと思う。

(2004.8.24完 たーぼ・マー)
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