2009夏 ギリシャ旅行


〜はじめに〜
 昨年夏は業務都合でギリシャ旅行を直前キャンセルすることになった。起こりうることではあったけれども、また春や正月にはバリに行ったけれども、やはり夏のエーゲ海は我々には特別な存在だ。旅行直前のばたばたは最近の恒例だが、今回は何としても行きたいという思いがことさら強かった。
 日程は昨年夏とほぼ同じ。ホテルも同じところだ。1月末にはホテル、3月にはフライトの予約をとり、準備万端で出発の日を待った。

★日程
8月13日(木) 成田 → ミラノ (AF、パリ乗り継ぎ)
   (ミラノ Michelangelo Hotel泊 … 2泊)
8月15日(土) ミラノ → ミコノス (easy Jet)
   (ミコノス Pelican Hotel泊 … 3泊)
8月18日(火) ミコノス → ナクソス (フェリー)
   (ナクソス Grotta Hotel泊 … 4泊)
8月22日(土) ナクソス → パロス (フェリー)
   (パロス Argonauta Hotel泊 … 5泊)
8月27日(木) パロス → アテネ → 成田 (OA、AFパリ乗り継ぎ)

★フライト予約、ミラノまで
O 我々はエーゲ海の島が目的地なので、いかに効率的にそこへ行くか(いかにアテネ泊を回避するか)が毎回の課題だが、今回はミラノからミコノスへの直行便を使い、ついでにミラノもちょっと見ていくことにした。エールフランスは成田−ミラノ、アテネ−成田というオープンジョーチケットだが、値段も往復と同じだしホームページで簡単に予約可能だ。ミラノ−ミコノスは格安航空会社(LCC)のイージージェットを使ったが、こちらもホームページから簡単に予約できる。ただし、LCCである以上、キャンセル不可などの制約は当然ある。
O 出発13日は帰省ラッシュの始まりだが、思いのほか空いていてYCATからのリムジンバスは定刻運行、チェックインもすぐ終わった。出発まではノースウェストのラウンジで過ごす(ゴールド会員の特権)。
O 行きのAFは10:30発。エアバス340の機内は2−4−2配列で、食事にワイン、エンターテイメント(個人モニタ)のサービスは相変わらず良好だった。ただし、帰りのAFには問題ありで、これは後述。

★ミラノ
O パリからは1時間半、20時にミラノ・マルペンサ空港に着いた。飛行機は定刻どおりだったが、荷物受渡しがなかなか始まらなかったのはイタリアらしさか? 空港からのリムジンバスは2社あって料金が異なるとのことだったが、あまり迷うことも無く往復チケットを購入(ひとり12ユーロ)。ミラノ中央駅までは1時間弱だった。
O ミラノのホテル、ミケランジェロは中央駅すぐ近くの大型ホテル。ここはツアー客も多いようで、朝食時には日本人が半分以上だったが、ホテルの評価としては高い点数を付けられる。部屋は日本のビジネスホテル並みに必要なものはほぼそろっており、使い勝手もいい。ダブルシンクの洗面所、ジェットバス付きのバスタブはありがたい設備だし、インターネット接続ケーブルも無料で利用可能。朝食はかなり豪華版のビュッフェで、オレンジ搾り機によるフレッシュジュースが飲める(これはミロス島のホテルで見て以来だ)。中央駅すぐという立地条件で、1泊朝食込み92ユーロはきわめてCPが高いと思う(ホテルトラベルドットコムで予約、ミラノ繁忙時期は高くなるはず)。
O ミラノではまず最後の晩餐を見た。完全予約制なのでこれをウェブページから取るのが結構大変だった(夏の3ヶ月分の予約開始は6月中旬で、この日に何回挑戦しても途中でフリーズ、いったんあきらめて2日後に試してみたら何とかとれた)。見学時間は15分しかないが、やはり一見の価値ありだ。
O 次は一番有名なドゥオモで、スケールの大きさに圧倒された。内部のステンドガラスも美しい。ここも当然ながらかなりの賑わいだった。


(ドゥオモ)


(ドゥオモ内のステンドガラス)

O 昼食はドゥオモ近辺のリストランテで、ピザに野菜アンティパスト。ピザの味は良かったけれども、ここはレジで勘定の際にお釣りを間違えられた(10ユーロ少なく渡された)。店を出かけたところで気付いてきちんともらい直したが、どうも確信犯的にやられたようで後味が悪かった。
O この後、ドゥオモ周辺を散策したが、この時期は休みの店が多かったので早めにホテルに戻った。
O ミラノではバーのハッピーアワーがあり、18時から20時頃まで1ドリンク(8ユーロ程度)で簡単なビュッフェが楽しめるとのこと。できればそういうところに行きたかったが、ガイドブックも持たず、ろくに調べても来なかった状態では行くあてがない。それに、レストランも休みのところが多い。ということで、ホテル近くにあった中華系のビュッフェレストラン(Xier)に入ったが、ここは結果的にかなり良かった。ひとり20ユーロでのバイキング形式だが、中華からイタリアンまでメニューは豊富で味も結構いい。パスタや炒め物、ステーキ・シーフードの焼き物はシェフがその場で作ってくれるスタイルだ。追加で頼んだ白ワインも弱発泡系ながら実に美味しい。もっとお腹を空かせた時に来たかった店かも。
O 翌朝はリムジンバスでマルペンサ空港まで行ったが、最初に止まるターミナル2がイージージェット専用。でもターミナル内は利用者が結構多かったし、店もそこそこある。イージージェットは自由席なので搭乗開始の際はあっという間に行列ができたが、二人並びの席が確保できた。25ユーロくらい払えば優先搭乗ができるが、これを利用したのは数人程度。ミコノスまでは2時間半ほどで、有料の飲み物はもらわずに過ごしたけれども、快適なフライトだった。条件をきちんと理解すればLCCは利用価値があると思う。ちなみに、ミラノからミコノスまで片道で115ユーロだった(3月時点での予約)。
O 今回は久々のアテネ“無駄泊”対策を施し、イージージェットで直接ミコノスへ飛ぶためにミラノ経由とした。日本からアテネに着いてしまうと、空港近くに手ごろな値段の宿がないし、翌日船を利用するためには少し離れた港まで深夜に行かなければならない。ミコノスやサントリーニなどの人気の島には、ヨーロッパ各都市からチャーター便だけでなくLCC系の便が飛んでいるのだ(なぜかパリ発がないのが残念)。(マー)

★ミコノスのホテル(Pelican Hotel)
O 空港からは迎えのクルマで15時過ぎにホテルに着いた。ペリカンホテルはミコノスタウン(南のバス停)から5分ほどで、以前泊まったエリジウム(ゲイ専用だった!)の向かい側にある。好ロケーションと言えるけれども、上り坂はかなり急で、足腰の弱い人には無理かもしれない。
O 部屋は普通の広さだが、シャワーブースは広くて快適。バルコニーからはミコノスタウンから海まで望めるけれど、もっと眺めの良い部屋もあるのでちょっと残念。でも、一泊140ユーロはミコノスの中では安く、急坂を苦にしなければ十分お勧めできるホテルだと思う。
O ホテルの朝食は標準的な内容(ハム、チーズ、ゆで卵、フルーツなど)だが、席に着くと運ばれてくるクロワッサンは結構美味しかった。

★ミコノスの町、タベルナ
O 今回ミコノスは3泊となり、夜行ったタベルナはパラポルティアニ、エバズガーデン、タキュピア。
O パラポルティアニとタキュピアはニコスの並びにあり、これまでも何回か訪れたところだ。パラポルティアニは最近の一番のお気に入りだったが、2年ぶりの訪問結果はまあまあか。ミコノス初日だったので恒例のロブスタースパゲティ、シーフードリゾットという組合せで頼んだ。ロブスターが丸ごと一匹入ったスパゲティは、もう少しアルデンテならばと思うのはギリシャ全体で共通ながらも、かなりいける味。
O タキュピアはかつて一番のお気に入りだったが、最近はやや高級路線に走り気味だった。ここではウニスパゲティを試してみたが、味は結構良かったもののウニはちょっぴり乗っているだけ。でも、サービスや雰囲気は以前の感じに戻っていた。


( タキュピアのウニスパゲティ)

O エバズガーデンは老舗の有名店で、今回初めて入ってみた。テーブルクロスの上にキャンドルがともされ、グラス類もきちんとした高級な雰囲気で、ほぼ満席だった。ただ、料理はあまり特徴が無く普通かなという感じ。
O 以上の3店ともにワイン(500ccのハウスワインデカンタ)、グリークサラダにメイン2品を頼んで50ユーロほど。これがナクソスだと30〜40ユーロくらいで済む。ミコノスの物価高は以前からのことだが、これまで以上にその感を強くする。イタリアより高いのでは、昔のよきギリシャはどこへ行ったのかという思いだ。
O 今回、ミコノスタウンの賑わいは以前より明らかに落ちていた。初日(8/15)はキリスト教の特別な日だったからかもしれないが、最もにぎわう21時過ぎのニコスですら、席が半分近く空いている状態だった。2日目以降は多少持ち直していたけれど、以前は人であふれていたミコノスタウンの入り組んだ路地も、あまり苦労せずに歩ける。2年前に来た時は8月最後の週だったので最盛期より空いていると感じたものだが、今回は8月半ばなのにその時よりさらに少ない。昼のビーチも状況は同じだ。この時点では、「やはり世界的な不況の影響かなあ」と話していたけれども、ナクソスではむしろ以前より賑わっていたから、どうも「ミコノス脱出」が進行しているのは事実のようだ。
O 2年ぶりのせいかもしれないが、ミコノスは前回にも感じた“国際化”が非常に加速しているように感じた。ミコノスのタウンには、もうギリシャの庶民の食事処“タベルナ”はどこにもなさそうで、とても残念。また、ナクソスはどうなっているのか心配にもなってくる。。。(マー)

★ミコノスのビーチ
O どこの島でも我々の行動パターンは同じで、朝10時頃にはバイクで出発、ビーチに着いたらパラソル&チェアを確保して夕方までのんびり。パズルや読書、音楽を楽しみ、暑くなったら海に飛び込む。18時過ぎを目処にホテルに戻り、洗濯にシャワー、それからメールチェックをして、20時半過ぎに食事へ出かける。今回もこれを12日間にわたって繰り返した。
O バイクは今回も南のバス停近くのペガサスで借りた。一日25ユーロ。2年前は同じ店で8月末かつ4日間という条件ながら17ユーロだった。国際免許があれば手続きは簡単に終わる。
O 今回のミコノスで残念だったのは、北風(メルテミ)がとても強かったこと。強風で有名なところながら結構穏やかな日もあるのに、今回は大当たりになってしまった。バイクで向かう途中も苦労したし、ビーチに行ってからも特にマーはほとんどタオルにくるまっている状況だった。もちろん天気は快晴なので慣れてしまえば問題ないが、ミコノスは水温も低めだし、日本の女性にはちょっときついかもしれない。
O 今回の日程ではミコノスは2日間しかビーチに行けないので、やはりエリアとスーパーパラダイスを選んだ。ミコノス2日目の朝、エリアビーチで2年ぶりのエーゲ海に入った瞬間は、やっとまた我々の夏が戻ってきたと感激ひとしおだった。透き通ったエメラルド色の水、白い砂浜にちょっと赤い岩山、これまでと同じビーチだ。


( エリアビーチ)


( エリアビーチのマッサージ)

O でも、問題はこの後だった。午前中まだがらがらの状態で最前列のビーチチェアを確保した我々だが、間もなくやってきた集金の兄さんが言うには、パラソル&チェアで16ユーロ、かつ前から3列目までは飲食物のミニマムチャージ40ユーロが必要とのこと。これには驚いたが、ビーチ初日ということもあってOKしてしまった。2年前、12ユーロに上がっていた時も高いと思ったけれど、さすがにミニマムチャージなんて話はなかった。
O 昼食にチキンパスタとカラマリ、ビールにフラッペ(アイスコーヒー)を頼んだが、これでも30ユーロ、かつ金を払おうとしたら「ミニマムチャージは50ユーロでまだそれに達しないから後でいい」との発言。いつのまにか10ユーロ上がっている。頼んだ料理は美味しかったし、ビーチチェアで食べられるのも楽だが、まださらに注文要かと考えると落ち着かない。結局、17時過ぎに帰る際にもうこれ以上は要らないからと言って清算し、注文した分の30ユーロだけ払ったところ、それでOKにはなった。でも、言い値通りだとすると合せて66ユーロ以上払うことになり、ビーチに来て食事込みで1万円かかることになる。
O スーパーパラダイスはさすがにそんなシステムは無く、パラソル代は12ユーロ。食事は奥にある大きなセルフサービスカフェで済ませた(サラダにパスタ、ビールで20ユーロ)。強風だったせいもあるかもしれないが、人は少なめで午後になっても空いているチェアがあるほど。夕方のディスコも混む状態には程遠く、かつての賑わいを思うと寂しいくらいだ。ビーチ自体は相変わらず素晴らしいのだけれども。


( スーパーパラダイスのセルフサービスカフェ食事)

O ミコノスのビーチは確かにどこも美しい。しかし、今回も季節風のメルテミが非常に強く、波も昔に比べると周期的にうねりが来る(但し、周期的なうねりはミコノスに限ったことではなくナクソスのビーチも同じだったが)。デッキチェアの高級化、併設のタベルナの値段の上がり方なども併せると、ミコノスの魅力は半減したように思われる。(マー)

★ミコノスからナクソスへ
O ということで、ミコノスは町もビーチも物価高を痛感させられる結果となった。これについては後でもう一度まとめることにしよう。
O ミコノスからナクソス、ナクソスからパロスへは高速フェリーを利用するが、これも一ヶ月前くらいにネットで予約した。チケットは初日にミコノスタウンの代理店に行って引き換えた。ちなみに、ナクソス−パロスは30分の距離だが、予約時点でエコノミーが取れず、ちょっとだけ高めのビジネス(二人で31ユーロ)を買う羽目になった。
O 強風の影響はフェリーにも及んだ。ナクソスへ向かう前日の朝、ホテルをチェックアウトした家族がしばらくしてタクシーで戻ってきたが、翌日我々が乗る同じフェリーが強風でパロスを出港できず、キャンセルとなったためだった。我々が移動する当日も風はかなり強かったが、ホテルの人が運行状況を確認してくれた。もっとも、「もし欠航となってもホテルの部屋はあるから」とのことで、ミコノス全体の空き具合をまた確認したことにもなったが。
O ホテルからオールドポートまでは共同ミニバスで送迎してくれた。ナクソスまではヘリニック・シーウェイズのFlying cat 3。ほぼ定刻運行で、40分ほどでナクソスに到着。強風、白波の状況下ながら安定感があって乗り心地はよい。
O 昨年まではミコノス→ナクソスは高速カタマランカーフェリーのHighSpeedが運行されていたが今年は乗客オンリーの小型高速カタマランFlyingCatに変わってしまった。カタマランといえども小型なので、やはり強風時の向かい風コースは欠航もあるということを認識した。実際に乗ってみても追い風の向きなら安定感があるがそうでないとかなり揺れる。

★ナクソスのホテル(Grotta Hotel)
O グロッタは2年前に続き2回目、値段は7ユーロ上がって一泊102ユーロになった。港には見覚えのあるお兄さんが迎えに出ていたが、彼も我々のことを覚えてくれていたのはうれしい。1月末に予約を入れた際も、リピータだからカード情報もデポジットも不要とのことだった。
O 今回は2階の40号室で、ここからはナクソスの町と海が正面に見えるし、バルコニーも広い。シャワーの使い勝手もいいし、必要なものはひととおり揃っている。リピータのためか、ハーフボトルワインの差し入れもあった。
O 朝食は前回以上にすばらしい。ホットミールはゆで卵だけだが、ホテルのお母さん手作りのケーキ類がさらに充実。毎日5種類ほどあって、どれも本当に美味しかった。ライスプディングも秀逸の出来。ヨーグルトやコーヒーもいい。毎日充実した朝食を楽しめた。


( グロッタホテル 朝食のケーキ)

O ホテルスタッフも相変わらず皆親切で感じが良い。期待していなかったネット環境もロビーでワイアレス接続が可能になっていて、快適な利用ができた(毎日パスワードが必要だけれど無料)。唯一ここで問題があるとすれば、ナクソスタウンから夜帰ってくる時の道が暗いことか(でも安全上の心配はない)。とにかく落ち着けるホテルだし、CPも高いし、ここは当分の間定宿にしたいと思う。
O ミコノスでの印象が今ひとつだったせいか、ナクソスの港に着き、迎えに来たグロッタのお兄さんに会ったらほっとして、さらにホテルに着くと以前と変わりないあたたかい出迎えに感激し、やっと本来のギリシャに来たとすごくうれしい気分になった。グロッタの部屋は以前よりさらに進化していて、スリッパもあるのにはびっくり。スーツケースを置く台が2つあるのも助かるし、クローゼットは小物を入れる棚もあって物がよく片付く。(マー)
O 朝食は以前にも増してリッチな気分にさせてくれた。地元の食材でお母さんが心を込めて作ったケーキは絶品で、甘いものが苦手な私だけど2日目からはパンを食べずにケーキバイキング状態。ゆで卵も殻をむいて2つに切ってお皿に盛られているところなど、心遣いが感じられる。そういえば、おもしろかったのは、ミコノスではみんな朝はゆっくりで8時半くらいに食堂へ行っても誰もいないが、グロッタでは出足が早く8時すぎからどんどん人がやってきたことだ。ナクソスへ来るのはファミリー中心だから、夜更かしはしないのだろう(といっても夜ごはんは遅いのだけど)。(マー)

★ナクソスのビーチ
O ナクソスでも毎日ビーチへ出かけた。ここで借りたバイクは大きめのスクーターで一日20ユーロ。ナクソスタウンから周辺のビーチへは30分毎にバスも出ているようだ。今回はプロコピオス、プラカに2回ずつ行った。ナクソスタウンからバイクで20分ほど。
O 2年ぶりとなるプロコピオスビーチは本当に素晴らしかった。透明なエメラルド色の海、白い砂浜はエーゲ海に多くあるけれども、ここはそれ以上に魅力たっぷりだ。適度な遠浅で波が穏やかなこと、砂浜は細かい砂利で足につかないこと、パラソルの配置がゆったりしていること、家族連れが多くまたなぜか(老若男女を問わず)スタイルがいい人が多いこと、沖を通る船を見られること、ドーナッツ売りのおじさんが来ること、などなど。しかもパラソルの値段は8ユーロだ。それだけに人気があるようで、初回は10時半に来た時点で最前列のパラソルはいっぱい。2回目は10時前に来て確保した。ただ、午後になって混むといっても、ビーチは広いから窮屈に感じることはない。


( プロコピオスビーチ)


( プロコピオスビーチのドーナッツ売り)

O 前回、プロコピオスはミコノスのエリアビーチに雰囲気が似ていると思ったけれど、エリアビーチが妙に高級化してしまい客層の変化も感じた直後だけに、プロコピオスの素晴らしさが余計強く感じられる結果となった。我々がギリシャのビーチに求めるもの、一日心からくつろいで楽しめること、がほぼ満点でここにはある。
O プラカは2回とも午後になってから行った。かなり長いビーチなので、端のほうに行くと午後でも空いたパラソルを見つけることができた。ここもレベルが高いビーチで、やはり家族連れが多い。パラソルはちょっと高めで10ユーロ(目の前のタベルナのおじさんが徴収していた)。
O プラカでの昼食はそのタベルナで、グリークサラダ、カラマリ、ビール2杯で20ユーロ。プロコピオスでは前回同様、アギオアンナのギロ屋さんでギロ2つ、ビール2杯で7.8ユーロ。とても美味しいし、これで満腹になる。


( ギロとビールの昼食)

★ナクソスの内陸部
O ナクソスはキクラデス諸島最大の島だが、バイクでも内陸部や島の反対側へ行くことが可能だ。3日目の午前中に内陸部をツーリングしてみたが、変化に富んだ景色を楽しむことができた。白い壁の村や山間部にも必ずある教会はきれいな絵になっている。小さな村に入ってみると、タベルナには午前中から男たちがたむろしているし、花で飾られた庭先ではおばあさんが食事の下ごしらえをしている。大理石を採取している山もあって、ナクソスは結構豊かな島であることがわかる。


( ナクソス内陸の村の家)


( ナクソス内陸のツーリング)

O 内陸部の村ハルキから島の南端まで行ってみたが、道路は広く快適なツーリングだ。島の南部にも幾つかきれいなビーチがあるけれど、これらは(パラソルがある)オーガナイズドビーチではないため、長居には向かない。

★ナクソスのタベルナ(レストラン)
O ナクソスタウンは「にぎやか」という言葉がぴったり。海岸通り沿いには子ども向けの遊び場があるから、この近くはかわいい子どもたちでいっぱいだ。夜11時になっても小さな子の歓声があがり、乳母車を押すお父さんの姿が見られるのは、これこそ夏のギリシャという感じだ。
O オールドタウンはミコノスよりはずっと小さいが、それでも狭い迷路の雰囲気は十分味わえるし、タベルナの数も多い。新市街方面も結構な賑わいで、前回はここのタベルナにも行ったけれど、今回はオールドタウンだけになった。
O 今回行った中で特に良かったのはラビリンス。10卓ほどの小さな店で、タベルナよりレストランの雰囲気だが、ここの料理はかなり美味しかった。マーが食べたチキンフィレのエビクリームソースは絶品とのこと。サラダ、シーフードスパゲティにロゼワインを頼んで30ユーロは、店の雰囲気を考えればお値打ち。ミコノスに比べれば5割安かも。我々が入った直後に満席になったから、次回行くなら予約必要か。


( ラビリンスのチキンフィレ)

O その他のタベルナも外れなし。前回感心したオニーロではラムやポーク、オールドタウン通り沿いにあるメタグ・ナスでは小魚フライ、オクトパスにケフテデス。どれもいい出来だった。港の通り沿いにあるタベルナにも入ってみたけど、ここも悪くない。ここにはサバの干物があって美味しそうだった。次回の宿題にしよう。


( 定番のスタッフドトマト&ピーマン)

O ナクソスの食事処は、オールドタウンには昔ながらの安いタベルナ、港沿いには魚介を売りにした店やカフェ、坂の途中には眺めのよい店、高級そうなイタリアンと、バラエティに富んでいて店の数も多い。前回と併せて9ヶ所のタベルナへ行ったことになるが、まだまだ行きたいお店がたくさんある。(マー)

★ナクソスからパロスへ
O ナクソスからパロスへは高速船Highspeed 4を利用した。わずか30分なのにエコノミーが満席でビジネスを使うことになったが、乗ってみたらエコノミーにも空席があったのは何故? まあ確かにビジネス席はゆったりしていて眺めもよかったけれど。


( Highspeed 4 ビジネスクラス)

O この日も強風だったが、運行は定刻どおり。ほとんど揺れを感じることはなく、快適な船旅であった。

★パロスのホテル(Argonauta Hotel)
O ホテルはパロスのメインタウン、パリキアの港から歩いて2分。立地条件は便利だが、眺めは期待できない。広場に面しているものの、夜は静かだった。ここもネットから直接予約し、1泊80ユーロ(朝食なし)。
O 最初に通された2階の部屋はバルコニーがなかったので、別の部屋に代えてもらった。新たな部屋は3階に一つだけある離れで、ベッドが小さめだったけれど、両側に窓があって明るいし、バルコニーからは港も見える。ここには5泊したが、値段相応ではあるものの、特に不満はなく過ごすことができた。
O 朝食はひとり5.5ユーロとのことで、結局一度も利用せず、目の前のパン屋ですませたりした。ホテルのサービスはごく普通。このクラスだとシャンプーが置いてないとか、タオル交換は一日おきを許容しなければならないけど。ただ、インターネット接続が無料で快適にできたのはありがたい。結局、今回はどのホテルでもネット利用(ワイアレス接続)ができたから、この面ではかなり進歩している。

★パロスのビーチ
O パロスでもバイクを借り、毎日ビーチへ出かけるのは同じだ。島はナクソスより小さく、どのビーチへも1時間以内で行くことができる。バイクはホテルに紹介されたところで借りたけれど、5日間で120ユーロとちょっと高め。馬力もイマイチだった。
O パロスで行ったビーチは、島の北側にあるコリンビスレスとサンタマリア(2回)、東側にあるゴールデンビーチ、そしてパリキア近くのリバディア。全体的なレベルは極上とまではいかないまでも、かなりいいと思う。どこかのガイドブックにパロスのビーチは日本とあまり変わりないと書いてあった記憶があるが、少なくとも我々が行ったビーチはどこもエーゲ海ならではの美しさ、居心地のよさを楽しむことができた。
O コリンビスレスは遠浅で、岩と砂がきれいだ。島の北にある町ナウッサからボートが出ているようで、これでやって来る人も多かった。


( コリンビスレスビーチ)

O サンタマリアも遠浅だが、入り江になっている一角は波もなく、とても泳ぎやすい。雰囲気もよくて、パロスではここが一番のお気に入りになった。なお、サンタマリアは同じ名前で2ヶ所のビーチがあるが、北にある奥まったところがお勧め。お客はナクソス同様に家族連れが多く、2回目に行ったときは犬を連れた人が何組かいて面白かった。


( サンタマリアビーチ)

O サンタマリアではビーチ近くにあるタベルナで昼食をとったが、ここは生簀に何匹ものロブスターがいて雰囲気もそれなり。我々は軽めの食事(1回目はスタッフドトマト、2回目はトマトクロケットや小エビから揚げなど)にしたけれども、夜こういうところに来て食事をするのもいいかも。


( トマトクロケットと小エビから揚げ)

O ゴールデンビーチは島の東側にある有名なところで、かなり広い。ここもいいビーチだが、我々が行った日は風が強めだったのが残念。ここにはプロ級のウィンドサーファーがいて、華麗な技を披露していた。


( ゴールデンビーチ)

O リバディアは最終日の午前中だけ行ったところ。パリキアからはすぐ近くだが、水もきれい、落ち着いた感じで良かった。この日は無風だったので、南向きのこのビーチはプール状態。ここはすぐ横のバーから飲み物を頼んだら、パラソル代は無料になった。他のビーチはどこも8ユーロで、ナクソスと同じ値段。


( リバディアビーチ)

O パロスのビーチはそれほど期待していなかったので、まぁこんなところだとは思う。どのビーチも海底の砂の色が少し暗い色のせいか、水の透明度は悪くないがキラキラと輝くクリスタルな感じまではいかない。島中のいろいろなビーチを見てまわったが、どこも同じだった。パロスでギリシャの島は13個目になったが、こういうビーチしかない島はめずらしい。(マー)
O 島全体の客層は、もっと若い人中心かと思ったがそうでもなく、家族連れも多くてそこそこ落ち着いている。初日のビーチ、コリンビスレスのタベルナでは昼食時にギリシャ人の年配のグループが食事をしており、ダンス好きのおばさんがBGMのギリシャ音楽に合わせて踊りだす場面もあり、いい雰囲気だった。(マー)


( ビーチタベルナでのダンス)

★パロスの町、タベルナ
O パリキアの町は大きさとしては普通で、港の通り沿いには多くのタベルナや土産物屋がある。けれども、いわゆる旧市街のような迷路は意外に少なく、それがちょっと残念。正確に言うと、町の奥には普通の住宅が並ぶ通りが多く、観光客が楽しめる通りはあまり多くないということだ。こうした町の奥の一角にはちょっと洒落たレストランが数軒あったが、タベルナは港周辺の通りに固まっている。


( 夜のパリキアタウン)

O 町の奥にあるレストランには1回だけ行った。イル・ススレデルピーノという難しい名前のところだが、ここはかなり良かった。ガーデンレストランになっていて雰囲気はいいし、値段も安め。ロブスタースパゲティfor twoが25ユーロだったので、思わず注文してしまったが、トマトソースではなくクリームソースの味付けはロブスターのだしがよく味わえて見事な出来だった。グリークサラダのフェタチーズが生っぽいソフトタイプだったが、これはパロスの特徴のようで美味しかった。


( ロブスタースパゲティ for two)


( ソフトタイプフェタが入るパロスサラダ)

O 港通りのタベルナは、一番の老舗だというハイビスカスに入ってみた。料理も値段もわりと良かったが、ここは芸人(パフォーマー)がやってきてチップをねだられるのが欠点。まあ、たいしたことないと思ったらノーと断ればいいのだけれども。
O 港通りでは北側(リバディアビーチ側)にも何軒かのタベルナがあり、こちらのほうが落ち着いて食事ができる(芸人はやって来ない)。道をはさんで海のすぐ近くにテーブルをセットした店もあり、雰囲気はよいけれど風のある日はちょっと寒そう。エゴミオというタベルナとその横の店(名前失念)に行ったが、どちらも料理は平均以上の出来だし、安心して食事が楽しめる。メイン2品にサラダ、ワインで30ユーロ程度。
O ホテル近くの広場にあるタベルナ(アリガリア)では、野菜料理が美味しかった。特にイマム(ナスの煮込み)は絶品。9時過ぎに満席になったから、人気店なのだろう。
O パロスで一つ不思議に思ったのは、フランス語の多さだ。店先に出ているメニューも英語とフランス語の2つになっていることがあったし、タベルナの中でもフランス語の会話を耳にすることが多かった。ホテルの人に聞いてみたら、確かにフランス人のお客は多いが、その理由はわからないとのこと。歴史的な経緯はあまりないと思うけど、クチコミ的な広がりなのだろうか。一方、ナクソスでは英語が多かったように思う。
O パロスは飛行機が早々に予約満になってしまうところで、何がそんなに人気なのだろうと気になっていた島だ。実際に過ごしてみると、ビーチも町も合格点以上だし、島の大きさもバイクで見て回るのに適度だ。ただ、これはという突出したものがないとも言える。町としてはパリキアよりナウッサの方が面白いかもしれないので、次回来るとしたらナウッサ泊まりだろうか。
O パリキアはどこに行ってもリーズナブルな値段で食事ができるので、その点はよかった。また、例の赤いガイドブックによるとパロスは野菜料理に特色があるということだが、野菜系の料理はどれも本当においしかった。そのおいしさは“地のものを使った素朴なおふくろの味”という感じで、いかにも体にやさしく毎日食べても飽きない。これこそギリシャ料理の基本と思う。(マー)

★帰国までのトラブル(長文)
O さて、今回もまた帰りのフライトでトラブルが発生した。パロス16:15発のオリンピック航空でアテネに戻り、そこからエールフランスで帰国という予定だったが、このオリンピック航空でオーバーブッキングに遭遇してしまったのだ。
O トラブルには伏線があるものだが、まずは前日のメールチェックだ。旅行中、会社メールは毎日チェックするものの、プライベートメールはあまり確認しないのだが、前日たまたま見た際にオリンピック航空から時間変更メール(45分遅くなって17:00発)が来ていた。ホテルの人には、パロス空港は小さいから16:00のバスで行っても間に合うと言われたけど、それでもタクシーを使って空港に着いたのは15:40頃だった。
O 空港にはカウンターが一つしかなく、ゆっくりしたペースで手続きが進んでいたが、我々の前になってなぜか手続きがいったんストップ。この時点ではまさかオーバーブッキングとは予想もせず、むしろ飛行機がさらに遅れることを心配していた。2004年の帰り、アテネでの乗り継ぎ時間を1時間強しかとらなかったため乗り継ぎに間に合わなかった苦い経験をしたが、今回は2時間半以上の時間があったものの、さらに出発が遅れれば厳しくなるので、荷物を持ち込みにするしかないと思っていた。そのうち、飛行機はアテネを出発したのでまもなく到着するとのアナウンスがあり、ほっとしたが、手続き済みの客はセキュリティチェックへの移動になったのに、残りのチェックイン手続きが始まらない。そうすると、残った10人ほどの客に「オーバーブッキングなのでこれ以上は乗せられない」との話が告げられ、さすがに呆然となった。
O 怒鳴りだす客もいたが、我々はすぐにあきらめ、係りのお姉さんにチケットを渡して今後の対応を任せることにした。これも以前の教訓だが、帰国は金曜夜なのであと一日延びても特に問題はないのだ。それにしても、メールチェックなどしなければフライト時間変更も知らなかったのだから、もっと早く空港に来て手続きも終わっていたはずだ(時間を持て余しただろう)。
O また、もっと大きな飛行機ならオーバーブッキングの調整もやり方があったはず。オーバーブッキング自体はよくある話で、次の飛行機に変更してもかまわないボランティアを募るのが普通だと思う。あるいは、国際線ならばビジネスやファーストにアップグレードすることも多いらしい。実際、チェックイン締切りぎりぎりに来てアップグレードを獲得する裏技を聞いたことがある(もちろん乗れないリスクもあるかも)。しかし、今回のように40人乗りプロペラ機ではアップグレードもありえないし、これが本日最終便なのだ。
O 我々のチケットを見て、成田までの帰国便再手配を知った係員も災難だったと思う。最後まで残った客の一人(被害者の同士)が、「成田まで帰るあなたたちより、もっと簡単に調整できる人がずっと多かったはずなのに。」と半分慰め、半分呆れ顔で言ってくれた。
O さて、係りのお姉さんはエールフランスに何回も電話したが、アテネ空港もパリも応答なしとのこと。これには困り、ならばアテネ空港のオリンピック航空の人に、エールフランスカウンターに行ってもらえばいいと言ったところ、「空港の人は、それは自分の仕事ではないと言っている」との回答。お姉さんも困り顔だったが、どうなっているのかとちょっと呆れた(オリンピック航空にも、電話に出ないエールフランスにも)。
O 結局、2時間近く費やして、エールフランスには連絡がとれないまま、この日はパロスにもう一泊することになった。オリンピック航空が出した条件は、「ホテル代はオリンピックが負担、飛行機チケットは払い戻し、弁償金としてひとり250ユーロ。」というもの。交渉したわけではないので、このあたりは決まっているようだ。問題はアテネまでの行き方だが、「翌日の飛行機も満席なので望み薄、フェリーで行くべき」とのことで、これも納得した。
O ホテルはパリキアの町外れに近いところで、一見かなり豪華だったが、中身はすべてに中途半端。自腹で泊まったらがっかりすると思う。ただ、このホテル近くのタベルナ(バウンタラキ)はシーフードが美味しく、なかなか良かった。
O アテネまでのフェリーはこの日の夜に購入できたが、明日のエールフランスに乗れるかはまだ確約されていない。さらに、変更手数料がかかるかもわからない。パロス空港のお姉さんは、朝9時過ぎにエールフランスに確認後、我々のホテルに電話するとのことだったが、心配だったので明け方にこちらから東京のエールフランスに電話してみた。事情を説明したところ、担当者は上長と相談して以下のように回答してきた。「本日のフライトに空席はあるので搭乗は可能。ただし、変更手数料がひとり1.5万円、さらに現在空き席があるチケットは高い運賃になってしまうので、その差額でひとり7万円程度、合計で16万円ほど追加になります。」 これにはさすがに唖然としたが、この時点で口論しても仕方ないと思ってやめた。
O 一方、朝9時過ぎに来たオリンピック航空からの電話では、「変更手数料は1.5万円相当で、オリンピック航空は負担しない(弁償金を別途払っている)。また、本人が直接アテネ空港のエールフランスに電話することが必要。」との内容だった。まあ、このあたりが妥協線かと思い、エールフランスに電話した。最終的な変更手数料は週末加算含めてひとり2万円になったが、とにかく一日遅れで帰れることがようやく確定した。
O パロスからアテネ(ラフィーナ)までのフェリーは比較的小さな高速船(Sea Jet)。この船はミコノス、シロスを経由してラフィーナまで4時間というスピードだが、途中はずっと相当な揺れが続いた。ピークシーズンなのに乗船率は半分程度だったから、よく知っている客は敬遠しているのかもしれない。我々を含めて船酔いになった人はいなかったようだが、あまりお勧めできる船ではない。乗るなら最新の高速船を選ぶべきだ。
O 正確に言うと、前にも書いたように乗客オンリーの小型高速船はカタマランでもかなり揺れる。どうしてもこのような航路で乗るなら、クルマも乗れる大型のカタマランカーフェリー(Highspeed)が一番だ。(マー)
O ラフィーナからアテネ空港までは路線バスで30分。ちなみに、フェリー(49.5ユーロ)、パロスでのタクシーを入れるとこの代替ルートの値段は、払い戻しになるオリンピック航空チケット(ひとり61ユーロ)とほぼ同じになった。
O アテネ空港ではまずエールフランスのカウンターに行き、変更手数料を支払ってチケット入手。さすがにほっとした。次に、オリンピック航空カウンターに行って、弁償金とチケット払い戻しを頼んだが、この対応が最悪だった。年配の女性が担当になり、この人の顔を見た時点で覚悟はしたけれども、最初から最後までお詫びの一言もなし。弁償金証明書は嫌そうな表情を露骨に示しながら現金を渡したし、チケット払い戻しはこちらから言って初めて書類を出す始末。これには本当にがっかりした。
O さて、今回のトラブルではいろいろと勉強になった。個人旅行ではこうしたトラブルはつきものだから、スケジュールは余裕をもつべきだし、出くわしてしまったら落ち着いて対応するしかないだろう。
O 旅行者の視点で見ると、オーバーブッキングは航空会社の責任であって(チェックイン時間に間に合うように到着していれば旅行者の責任はないはず)、それによって被った損害は(明確な間接損害を除いて)すべて補償されるべきだと思う。ただ、別購入の乗り継ぎチケットに対して全部補償というのは(法律的には)難しいのかもしれない。今回のオリンピック航空の対応も、エールフランス航空の対応も、間違ってはいないと思う。
O けれども、問題は「誠意」ではないだろうか。浪花節かもしれないが、日本人にとっては大事なところだと思う。オリンピック航空も、パロス空港のお姉さんはそれが折衝窓口となった自分の役目だと、一所懸命対応してくれた。でも、エールフランスへの連絡を頼まれたアテネ空港の人は「自分の仕事ではない」との態度だったし、弁償金手続きのカウンターでは誠意のかけらもない対応だった。
O エールフランスも日本支社に電話した際の回答は、あまりに紋切り型ではなかっただろうか。ちなみに、過去にチケット変更が必要になったケースでは、KLMは無料で対応(父の急死という状況だったにせよ)、マレーシア航空も完全に我々のミスだったのに無料で対応してくれた。やはり、困った時にどのように接してくれたか、良かった場合も悪かった場合も長く記憶に残るのだと思う。
O ということで、このトラブルについて長々と書いたが、航空会社を非難する意図ではないことは強調しておきたい。こうした経験も何かの参考になれば幸いだ。

★帰国フライト
O パリのシャルルドゴール空港では改善点があった。セキュリティチェックで行列ができているが、係員がチケットを確認して時間が迫っているフライトの場合は特急レーンに案内してくれた。我々の場合、乗り継ぎ時間が1時間半だったのでこの特典を利用できた。以前にあせった思いをしただけに、これはいいシステムだと思う。また、新たにターミナルEがオープンしていた。さすがにきれいでデザインもいいけど、この空港の乗り換えはちょっと移動距離が長いのが気になるところ。
O パリから成田までのフライトには参った。777型ジェットで3−4−3配列のシート配置だったのだ。通常は3−3−3だから座席幅がかなり狭くなった上に、座席の長さも短くなっていたから、相当に圧迫感がある。大柄な外国人には無理ではないかと思うほどの狭さだ。この機材は通常ならカリブ海方面行きに使われているようだが、夏休み最後の混雑日ということで日本線に回されたのだろうか。確かに、この機材でなければ一日遅れとなった我々は乗れなかったかもしれないが、12時間のフライトにあのシートではちょっと厳しい。

今回のまとめ
O やはり、夏のギリシャは我々にとって本当にくつろげるところだ。毎日バイクでビーチに行き、パズルに音楽、それにマンウォッチングを楽しんで、夜はタベルナで安ワインを飲みながらシンプルな料理を味わう。マッサージがないのが残念だけれど、でも贅沢な休日がここにはある。
O ただ、ミコノスはしばらくパスかなと思う。食事もパラソルも他の島より3割から5割くらい高い(多分サントリーニはミコノスと同程度だろう)。物価高は前からもそうだったけれど、エリアビーチで経験したお金で区別するようなやり方には幻滅だ。我々がギリシャを好きなのは、ヨーロッパで何となく感じるような差別(人種的なもの、貧富のもの)を気にすることがなく、居心地がいいと心から思えるからであって、これがぐらついてしまうのはとても悲しい。ミコノスの混雑が以前より明らかに減った感じがしたが、こうした状況を反映しているのかもしれない。(でも、多くの人はギリシャにそう何回も行かないだろうから、その場合はやはりミコノスとサントリーニをお勧めする。)
O 前回に続いて良かったのはナクソスだ。ビーチもタウンもレベルが高いから、昼も夜も十分に楽しめる。家族連れが多くてにぎやか、何かほっとするギリシャがここにはある。パロスもいい島だが、ビーチもタウンもナクソスの方が上だと思う。
O 最後のオーバーブッキングトラブルで貴重な経験をしたけれども、夏のバカンスはやはりギリシャだということを改めて強く感じた。来年はきっとナクソス+新しい島になると思うが、それを楽しみにまた日々の生活をがんばりたい。
O ここしばらくはユーロ高だったため、島から島への移動に船を利用してコストダウンを図ろうとした結果、船の便が便利なキクラデス諸島が行き先となっている。たーぼも書いたように、今回はナクソスの良さを再認識したが、次回はキクラデス以外の素朴な島もぜひ訪れてみたい。(マー)

(2009.9.26完 たーぼ・マー)

home世界のビーチリゾートIndexへ