たーぼ・マーさんの2003夏 ギリシャ旅行

〜はじめに〜

 今回も簡単なメモ形式にしようと思う。今はアムステルダム・スキポール空港のゆったり椅子で、PC電源が1時間と持たないだろうなと思いつつ、かつ毎度のことながら乗り継ぎ時間を持て余しつつ、書き始めたところである。
ギリシャもこれで7回目、99年からは5年連続である。こうなると毎年夏はギリシャに来ないと始まらない、いや感覚的にはギリシャ旅行とともに夏も終わるという方が正しいかもしれない。ただ、慣れとともに事前の調査は手抜き傾向にあり、今回はミロス島という初めての選択があるにもかかわらず、準備は十分に整っていない。まあ、行けば何とかなるということと、エーゲ海の情報を探すのは結構大変ということなのだが。

なお、今回もホテル手配は遅れて、6月頃に照会メールを送った時点では満室という回答があった(ミロスもミコノスも)。夏のエーゲ海は正月の伊豆箱根と同じで、早い人は1年前から予約をするのかもしれない。もっとも、これもわかっていながらここ何年か同じ轍を踏んでいるのは、仕事の状況でどのくらい行けるか踏ん切りがつかないから。でも、今年もまた何とかエーゲ海に来ることが出来たのは、幸せなことである。
(エーゲ海にはまだまだ我々の知らない素敵な島がたくさんあるはず。できれば毎年1つずつでもコレクションを増やしていきたいと思っている。メジャーな島は情報も豊富だけれど、いろいろな島へ行こうとすると、だんだんと情報収集が難しくなってくるのはしかたがないことだ。しかし、その苦労も、私にとっては旅の楽しみの1つである。)

8月12日(火) 成田→アテネ

・昨年に続いて今回のKLMも満席だった。昨年は事前指定で後部の2人席を確保できたが、今年は機体がコンビ(貨物混載)で良い席がなかったため、事前指定はやめにした。4人がけの2人席がとれたが、周りは個人客ばかりで団体が乗っていないのは珍しい。アムステルダムまでのサービスでは、細かいところでさらにコストダウンを進めていることが伺えた。例えば、日本語の機内誌は無し、食事メニュー配布も無しなど。カップヌードルサービスは続けていた。

・スキポール空港では毎度のことながら5時間の待ち時間を持て余す。2階にあるゆったり椅子で少しだけうとうとする。

・アテネ行きのB737では、前方の優先席(2−3配置)が取れなかった。非常口横の席で、前がゆったりとしていたから良かったが、年によって優先席が取れるかどうかは変わるようだ。まあ、3時間のフライトだから大きな問題ではないが、マイレージプログラムを継続して利用している立場としては、このあたりはこだわりたいところ。

・アテネ新空港に着いたのは夜中12時半。今回はここでちょっとしたトラブル。マーの手荷物が出てこなかったのだ。まあ、これはある程度の確率で多くの人が経験していることだが、我々には初めてのことだった。他にも10人くらいいたから、アムステルダムでのロット単位トラブルなのかもしれない。ホテルの住所を伝えて、今夜中に届くことを願いつつ、空港前のソフィテルホテルに入った。マーにはショックだったようで、「もう二度と荷物は預けない」と息巻いていた。(以前は、最終目的地までに乗り継ぎがある場合は、ロストバゲージのリスクを回避するために往きは荷物を預けないことにしていたのだが、今回はたーぼがかばんを変えたためもあって心配しながらも預けてしまった。たまたますぐに次の便で荷物が届いたのでほとんど影響はなかったが、その便に載らなかったら、ギリシャでの初日は水着もなしで悲しく過ごさなければならないところだったのだ・・・。次回にむけて対策を考えることとしよう。)

8月13日(水) アテネ → ミロス

・昔は初日の夜熟睡できたのに、昨年あたりから時差ぼけが残るようになった。これも年のせいなのだろうが、せっかく5つ星ホテルに泊まりながら十分に眠れないのはもったいないと思う感覚(貧乏根性?)は変わらない。

・朝食のビュッフェはさすがに豪華版。ビジネスらしいひとり客が目立つ中で、日本人の女性二人連れもいた。このホテルを利用するのは、エーゲ海直行組しか考えられないから、「おたくら、結構やるな」という目で見てしまう。

・朝食前にコンシェルジェに聞いた時は荷物到着なしという返事でがっかりしていたが、チェックアウトの際にフロントでは「着いています」とのメッセージ。まあ、何はともあれこれで一安心。島に行っても困ることはなくなった。」

・ミロス島へのフライトは9:30発。小型機かと思っていたが、36人乗りのプロペラだった。離陸してからは30分ほどで到着。途中、我々が座った右側からはあまり島が見えなかったが、それでもところどころで見事な景観が楽しめた。

・ミロスの空港は本当に小さなもので、ここではさすがに荷物はすぐに出てきた。バスはないので、タクシーに乗り込み、10分余りでアダマスの町に到着した。ちなみに、料金は6.5ユーロ(800円)。ギリシャのタクシーもアテネ以外は安心できる。

・今回の宿はクロニスホテルで、インターネットのギリシャ旅行会社経由で予約したところ。まだ11時前だったので、部屋が用意できるまで1時間ほど待てとのこと。この間にアダマスの町を散策して情報を仕入れた。

・アダマスはミロス最大だが、それでも人口千人だから本当に小さな町である。港には観光客向けのカフェが何軒かあり、これはエーゲ海、というよりも南ヨーロッパ共通の光景だろう。小さい町だが、おしゃれなアクセサリー店もあるようで、マーは結構気に入った様子。

・ホテルに戻り、部屋に案内された。1階の部屋だったが、もともと海の眺めは望めないホテルだったからそこはOK。部屋が広めでバルコニーも十分な大きさ。シャワーだけだが使い心地はいいし水周りも清潔。ということで、値段(112ユーロ)に見合った合格点はつけられる。

・この日は午後半日あるので、バスでビーチに出かけた。マーの情報を元に、近場のヒバドリムニなるビーチへ行ってみたが、ここは北向きで風が強く、タベルナもないので退散することに。1時間後のバスで南にあるプロバトスまで行った。こちらはこじんまりしたビーチで、雰囲気もまあまあ。

・着いてすぐに、ビーチ上のタベルナで軽い食事をとった。1年ぶりの定番グリークサラダ(4.5ユーロ)に大満足。トマトも玉ねぎも日本とは甘みが一味違う。フェタチーズも美味しいし、オリーブオイルをたっぷりかけて食べていると、幸せな気分を実感できる。

・ビーチでも定番、読書とパズルと音楽で至福のひと時を過ごす。毎年同じことをやっているが、エーゲ海へ来て大瀧詠一を聞くと、本当に夏が来たなあと思うのだ。

・満員のバスに15分ほど揺られてホテルへ戻り、シャワー、旅行記執筆、洗濯、およびビールタイム。8時を過ぎてから夕食に出かけた。これも教訓の一つで、島初日(旅行2日目)はまだ時差ぼけもあるので食事は軽めにしている。この日は港左手にあるタベルナで、サラダとフィッシュケフテデス(つみれ揚げ)に白ワイン(計16.3ユーロ)。

8月14日(木) ミロス

・ホテルは静かで良く眠れた。時差もほぼ解消か。

・朝食はなかなかの豪華版ビュッフェ。パンやフルーツの種類が豊富だったが、一番驚いたのがオレンジの生絞りジュース。大きな機械にオレンジがたくさんセットされていて、ボタンを押すと一つずつその場で押しつぶしてジュースが出てくる。絞りたてはさすがに美味しく、日本ではまず味わえないものだろう。(このクラスでは珍しく、目玉焼きにベーコンというホットミールもあって嬉しい。数種類のジャムも手作りで、ねっとりとした濃厚なヨーグルトと一緒に食べるとこれまた美味しいのだ。)

・朝食後にバイクを借りた。一日18ユーロで3日間。これに乗ってすぐにビーチへ。

・この日向かったのは南にあるパレオホリ。結論から言うと、ここはこれまで行った中のベストビーチ候補だ。水がきれいなこと、波がなく適度な深さで泳ぎやすいこと、砂浜が細かい砂利で足につかないこと、雰囲気がよく周囲の景観にも変化があること、設備が整っていること、などビーチに必要とされる条件をほぼ完璧に満たしている。自信をもってお勧めできるところで、多分我々も滞在中にもう一度行くのではないか。
(やはり、夏のエーゲ海は北からの季節風“メルテミ”が吹くので、もろにこれを受けてしまう北側のビーチより南側のビーチの方が波がないのはどの島も共通で、ビーチ選びの鉄則だ。また、パレオホリビーチは我々がビーチに要求するほとんどすべての条件を高いレベルで満たしていて、これまでの中でもベストビーチといえると思う。特に、この海の泳ぎやすさは素晴らしく、あまり泳ぎが得意でない私でもいつまでも泳いでいたくなるような感じだ。唯一の欠点をあげるとすると、パラソルがメッシュの布でできており強烈な日差しをかなり通してしまうこと。パラソルの影にいても暑いし、日焼けもしてしまうので、注意が必要。)
パレオホリビーチ
・往復の道は舗装もされていて、交通量はそれほど多くないからバイクでも走りやすい。ミロスは火山島とのことだが、その感じは途中の内陸部を走っていると頷けるところ。

・11時から18時までビーチで過ごした。昼間食べたカラマリ(イカの空揚げ)も毎度のことながら美味。

・ホテルに戻ってから、夕食は港のちょっと高台にあるタベルナ(アダマス)へ。ここも当たりで、スタッフドトマト、スパイスドミートボールが美味しかった。観光地はどこもそうなのだろうが、港や繁華街から少し横に入ったところが狙い目なのだろう。

・ミコノスでのノウハウの一つに、8時半の法則というのがあったが、これも夏のエーゲ海全般に使えそう。これは、タベルナに入る時間を8時半にせよというものだが、この日もまさにこの重要性が証明された(?)。8時半は日没直前でまだ明るかったが、このタベルナも窓際のいい席は一つだけ空いていた状態。我々が食事を始めた9時前には入口側の席もほぼ埋まり、食事を終えた9時半ごろには次の客が入口で待っている状況だった。ギリシャ人の生活リズムだと夏の夕食は9時半頃からということなのだろうが、国によって生活時間が違うだろうから、その合間を縫って快適な食事をするには8時半が重要ということ。これは昨夜のタベルナでも同様で、9時半頃にはその周囲も含めて満席だった。

・この光景を見ていて感じたのだが、欧米人はルールを守った上で実にすばしこい。タベルナの席が空くと、ほぼ間髪をいれずといった感じでどこからか待っていた客がその席を確保するのである。これが日本のおばさんだと、厚かましいというかしょうがないなあといった感じがするのだが、そのあたりがこちらの人はスマート。飛行機の中で空いた席への移動も欧米人はタイミングが絶妙だというのを読んだことがある(実際にそう感じたことも多い)が、感心することの一つだ。

・もう一つ。タベルナの従業員は実によく働く。8時半の法則も、要するにピークシーズンは需要が供給を大きく上回っているからなのだが、昼のビーチタベルナも夜のタウンタベルナも、休み無しの満席状態が何時間か続く。彼らはそれが飯の種とはいえ、ベストシーズンのエーゲ海を楽しむこともなく、休日無しで働き続けている。

8月15日(金) ミロス

・朝食後、10時にバイクで出発。島の北側を走り回った。何ヶ所かのビーチをはしご、どこも十分にきれいだったが、パラソルがなかったりタベルナがなかったりで長居するには向かない。結局、北東にあるこの島第二の町ポローニャまで行き、ここで半日過ごした。

・ポローニャは小さな町だが、ホテルはそこそこ多そうで雰囲気もいい。ただ、ここのビーチは地元用でパラソルはなし。久々に持参のビーチマットとタオルで寝転がる。

・タベルナはビーチ沿いに何軒かあるので、そこで昼食。今回初めてとなるタコグリルを食べたが、やはりうまい。考えてみると日本で地タコの刺身を出す居酒屋があるが、タコグリルはあまり見た記憶がない。炭火でじっくり焼けば絶対受けると思うのだが。

・夕食はホテルから港と反対方向に100mほど行ったところのタベルナに。昼間バイクで走った時に見つけたものだが、「ここに入った日本人は僕らが初めてかな」なんてことを話しながら食事を楽しんだ。ロケーションのわりにはわりと上品な雰囲気で、ゆですぎ覚悟で頼んだシーフードスパゲティはアルデンテに近い出来上がり、かつかなりいい味を出していた。マーはイマムなる料理を頼んだが、これもナスのオーブン焼きのような料理で美味。毎夜頼んでいるハウスワインは店ごとに味が異なるものの、やや酸味を感じさせながらもすいすい飲めてしまうところは共通で、やはりローカル料理にローカルワインは良く合うという普遍の格言を再認識する。

・こちらで入手したガイドブックでは今日は教会でお祭りとのことだったが、特にそれらしい雰囲気はわからなかった。ただ、10時を過ぎても港界隈は大変な賑わいで、ミコノスほどではないにせよ、エーゲ海の夏はどこも同じように楽しめる。

8月16日(土) ミロス

・今日は島の南側に向かった。最初に着いたツグラドは、崖の上から覗きこむ景観が本当に素晴らしい。ミコノスやサモスで美しいビーチを多く見てきたが、ここの海の色はそれらを凌いでいる。エメラルドグリーンというのはこうした色を言うのだろう。
ツグラドビーチ
・ビーチへは急な砂坂を降りていくのだが、下におりてみてもまた素晴らしかった。湾になった一角は幅が100mほどしかないのだが、水は当然のことながら限りなく透明、クリスタルウォータとでも言えばよいのだろうか。水の中に立っていると、小さな魚が足をつつき始める。波は全くなくて、泳ぎやすさ心地よさ最高。

・ということで、ここはある意味でこれまででベストのビーチとも言えるが、パラソルやタベルナの類はない。我々も1時間ほど満喫した後はすぐ隣のフィリプラカへ場所を移った。

・フィリプラカもいいビーチだった。昼過ぎまでは空いていたが次第に混雑が加速し、夕方にはミコノスなみの満杯状態に。完全な晴天の土曜日ということもあるのだろうが、ここもミロスでは結構有名なビーチなのかもしれない。タベルナはなかったので、売店でビールとフラッペ、ポテトチップで昼食を済ませた。

・ミロスのビーチでは圧倒的にギリシャ語が多く(理解できないが多分そうだと思う)、この点はミコノスのビーチと違っている。当然予想されたことだが、ビーチ4日間で日本人には全く会わなかった。

・夜はホテル横のタベルナへ。フライドオニオンが甘くて美味しかった。

8月17日(日) ミロス→ミコノス

・クロニスホテルは特別なサービスを受けたわけではないが、気持ちよく滞在できた。設備は標準以上、部屋が広いからゆっくり落ち着けるし、朝食の生絞りオレンジジュースは特筆ものだ。ミロスに来る時はお勧めできる。

・ホテルを清算。電話代(会社メール)は30分ほど2回使って8ユーロとのこと。予想より随分安かった。3年前は同じくらいの時間で2万円近くかかったのだから。

・荷物を預けてバスでパレオホリビーチへ。ここは2日目に行きベストビーチとして認定したところだが、この日も十分に満喫できた。非常に高いレベルで言えば海の色は昨日のツグラドに一歩譲るが、全体のまとまり、居心地のよさは素晴らしい。

・15:30のバスで戻り、港近くで少し時間をつぶした後、タクシーで空港へ。

・定時どおりのフライトでアテネに到着。ここで2時間以上待つので、空港のセルフサービス形式レストランで軽い夕食をとる。周りは男女を問わず半分以上が喫煙組で、やはりギリシャは世界有数の愛煙国である。

・ミコノスまでは70人乗りの大型プロペラ機。日曜日の夜遅いフライトでもやはり満席だったが、ここで久々に日本人を見かける。ミロスでは港のカフェで一人旅の若い男性を見ただけだが、ミコノス行きになると毎年数カップルと一緒になっている。今回は小さな子供連れで、例年とはちょっと違うパターンだ。

・ミコノスには22:40頃到着。この時間はミコノスの最繁盛期で待合タクシーは期待出来ないため、ホテルに出迎えを頼んでおいた。無事、ポセイドンホテルの運転手が見つかり、10分ほどでホテルに着いた。ミコノスタウンはまだまだ賑やかな時間だろうが、さすがにこの日は荷物を片付けてすぐに寝ることにした。

8月18日(月) ミコノス

・ミコノスは5回目、ホテルもここが5軒目となる。毎回ミコノスのホテルをどこにするかマーと議論になるのだが、@街に近くて、A設備がそこそこで、B眺めが良くて、C値段も手頃で、となると難しい。最後の条件を緩和すればベルベデーレ、セメリあたりが候補だろうが、これらのいい部屋は3万円以上するのだ。で、今回はポセイドンのデラックスルームを選択したのだが、結論としては一応合格点だろうか。

・部屋はまずまずの広さ(簡単なキッチン付き)、狭いながらもバスタブ付きでシャワーの出も良好、プールに面したバルコニーからは海と夕日も眺められる。1泊140ユーロはロケーション(タウンから歩いて2分)を考えると安いのかも。不満は部屋の防音が良くないこと(タウンの騒音は届かないが)。

・ホテルの朝食は平均レベルか。フルーツやホットミールは少ないが、パイの種類が多かった。ただ、ミロスでのオレンジジュースを知ってしまうと、ここのは紙パック並みだ。そういえば、これまでのミコノスホテルでは必ず見かけた日本人がここにはいない。

・朝食後すぐにバイクを借りた。1日20ユーロは昨年と同じ値段。イタリア製でトルクがやや弱かったが、安定感があって乗り心地は良い。

・この日はカロリバティビーチへ。ミコノスでのお気に入りの一つだ。広くて遠浅、家族連れが多い。ミロスに比べて風が強いのは仕方ないところか。パラソルチェアの値段が8ユーロ、ミロスはどこも6ユーロだったからやはりミコノスの物価は高い。

・ミロス滞在時から毎日同じ繰返し。夕方6時過ぎにホテルに戻ってシャワー、旅行記執筆、夕日を見ながらビール。8時半にタウンへ。
ホテルから見たミコノスの夕日
・1年ぶりのミコノスタウンはこれまでより空いていた。今までは人込みで通るのが苦労するところも比較的スムーズに歩ける。曜日はあまり関係ないだろうから、やはり8月も15日を過ぎるとピークを越したということだろうか。タウンを歩くと一晩で数組の日本人に会ったものだが、今年は二組見かけただけ。

・ミコノス最初に夕食はやはりここしかないということでタキュピアへ。もう7回目くらいになるだろうか、でも見覚えのある店員がまたいる。ここでの定番、ロブスタースパゲティは16ユーロと値上がりしていたが、それでも他の店の半値。で、1年ぶりのその味は本当に美味、しっかりアルデンテで言うこと無し。マーが頼んだシーフードライスもムール貝がいい味を出していてアタリ。ワインやサラダも値上がりしていたが、それでもこれだけうまいものが食べられれば文句無しだ。

8月19日(火) ミコノス

・これまたビーチの定番、スーパーパラダイスへ行く。ここももう6回目だと思う。途中の道が前より舗装が良くなっている。山道は相変わらずだけど、以前を知っていると随分走りやすくなった。一方、タウン周辺はバイパスができたのはいいが、信号がないからここを横切るのは結構大変。タウンへの侵入は通行止め規制をやっているところもあるし、もうミコノス地理は知り尽くしたはずの我々もちょっと戸惑う。

・さて、スーパーパラダイスでは一つ変化が。海に入ってすぐのところに藻が生えた岩があってとてもすべりやすく、それがここのマイナス点(すべるのを見て楽しむという点ではプラス点)だったのだが、見事にその岩が消えていたのだ。藻の滑りやすさは年々増えていたような記憶があるから、自然消滅したとは考えにくい。何か大掛かりな工事でもしたのだろうか。とにかく驚いた。

・それ以外は相変わらず。透きとおったエメラルド色の水も、足につかない細かな砂利も、ビーチ全体の雰囲気も。我々はゲイ・ヌードゾーンと一般ゾーンの間くらいに陣取ったが、すぐ横にはモヒカン刈りにしたベッカムそっくりさん(男二人組)がいたし、もう片側では若い女性(こちらは女性2人組)がオールヌードで日光浴を始める幸運(?)に恵まれた。

・ただ、この日は風が強かったのが残念。それでも十分泳ぎやすいのだが、このビーチの本当の魅力を味わうまでには至らず。マーは1回か2回しか泳がず、もっぱらタオルに身をくるみ昼寝していた。

・4時頃からビーチバー3ヶ所の音楽が徐々に大きくなり、我々が引き上げる6時頃にはディスコが始まっている。これも毎年同じ光景で、帰る途中の道でスーパーパラダイスに向かう若者と何組もすれ違った。
スーパーパラダイスのビーチバー夕方
・夕食はいろいろと議論の末にダイナスティを選んだ。タウン中央のタイ・中華レストランで、今回は3年ぶりになる。過去3回ほど行った時はだいたいアタリだったが、今回も大いに満足。ビーフもエビもタイ風のいい味付けだったし、値段もリーズナブルだった。9時半頃からは満席状態が続いていたから、結構はやっているのかも。

8月20日(水) ミコノス

・昨日に続き風が強かったので、ミコノスの中で最も穏やかと思われるプサルゥビーチを選択。タウンからも比較的近いし、水は十分きれいだからマーのお気に入りの一つ。

・昼は隣のプラティヤロスまでバイクで行き、ここのギロをテイクアウト。僕がギロを食べるのはこれが初めてだが、なるほど皆さんが勧めることがよくわかった。包んであるパイ生地が美味しいのだと思うが、ボリュームも適当だし昼食には一番かも。ちなみに、このギロ屋さんにはポーク、ラム、ビーフと種類があったのがちょっと不思議。

・ミロス、ミコノスと毎日同じパターンを繰り返してきたが、それも今日で終わり。楽しかったエーゲ海の休日も終わりに近づいていると思うと悲しくなる。

・最後の夜にどこへ行くか、昨日に続いて議論となったが、新しいところにしようということでマルコポーロへ。ここは南のバス停近く、イタリアン街の一角にあり、毎晩前を通っているがこれまで入ったことはなかった。結果的にはここもかなり当たり。普通のタベルナに近い感じで、値段はミコノスの割には安め。この日に食べたビーフトマトソース煮込み、オリエンタルスブラキはともに家庭料理風のいい味を出していた。

8月21日(木) ミコノス → アテネ

・飛行機は夕方なので、再びビーチへ。といっても、遠くへ行くのは面倒だったのでまずは近めのオルノスに向かった。ここに1時間ほどいたが、マーが船を見たいと言い出したので、北にあるステファノビーチへ移動。

・ステファノはミコノスで一番初めに行ったビーチだが、ミコノスの中では「行く価値無し」に近いところ。ただ、ここは港に近いので、船の行き来はよく見える。実際、この日も大型クルーズ船がやってきたりして、あまり飽きることはなかった。マーはエーゲ海の旅行プランを立てる頃から、やたらと船に詳しくなっているようで、どこの会社だとか夢中になって追いかけていた。僕は飛行機には興味があるものの、船には興味なし。

・15時頃にホテルに戻り、バイクを返す。その後今度はタウンへ出かけた。昼のミコノスタウンは夜に比べれば半分以下の賑わいだが、それでもクルーズ船乗客を含めて結構な数の人が歩いている。

・遅い昼食をバルキアで。ここは老舗のイタリアンとして有名で、雷波少年の麺ロードにも出てきたところ。番組ではロブスタースパゲティを考案したところと紹介されていた。で、結論はさすがという感じ。ロブスターは高かったので(タキュピアの3倍くらい)、普通のシーフードスパゲティ、マーはサーモンパスタを食べたのだが、麺はアルデンテだったし、とてもいい味を出していた。ただしここは値段もそれなりで、サラダにワインを含めると60ユーロ(=8千円)。日本で食べるのとあまり変わらない。最初に出てくるパンも凝っていたし、まあ一度は行ってみるべきところとしてお勧めはできる。

・その後はタウンでお土産をいろいろと。タクシー乗り場近くの地元お菓子屋さんでルクミに似た菓子を会社用に買ったが、これは値段ほどではなかった。アーモンドとハニーが入っているとのことだったが、値段からしたら普通のルクミ(甘いギリシャ菓子)で十分。その他、オリーブ石鹸やウゾ、オレガノ、ミコノスのカレンダーなどを買い込む。

・ホテルに戻って着替え、ホテルの送迎バスで空港に向かう。今回のポセイドンホテルは特別なサービスは何も受けていないが、値段・設備・ロケーションから考えると合格点はつけられる。まあ、我々にとっては、特別な(過剰な)サービスはいらず、気持ちよく過ごせれば良いということかも。

・40分ほどのフライトでアテネに戻る。オリンピック航空は昔、遅れるのが当たり前だったが、この2〜3年はほぼ定時運行。これは大きな進歩だ。

・再びソフィテルホテルに入り、すぐに寝た。

8月22日(金) アテネ → アムステルダム → 成田

・3時半に起床、4時には空港カウンターに並んだが、今年も長い行列で時間をとられた。それでもマイレージ会員の特典(だと思う)で前方の優先席がとれた。アムステルダムまでは3時間半のフライト。

・スキポール空港では、相変わらず6時間ほどの乗り継ぎ時間をつぶさなければならない。昨年は空港内で過ごしたが、今年は久々にアムステルダム市内まで出かけた。

・空港直下の駅からアムステルダム中央駅まで15分、往復でひとり5.5ユーロ。電車はほぼ10分おきに来るが、たまたま我々が乗ったのはインターシティ列車でなかなかの豪華版だった。

・アムステルダム駅前は旅行者も多く、なかなかの賑わい。2時間ほど歩き回り、昼食にはアジア系を狙ったのだがあまり適当なところがなく、結局はピザ、ケバブで簡単に済ませた。もう少し時間があれば、運河を船で回ってみるのがいいと思う。

・空港に戻ってKLMに乗り込んだのが14時半。今回は前方の2人席が割り当てられた。ここはエコノミーの中でも優等席で、そのせいか珍しく少しは眠れた。成田には定刻に到着。7回目のギリシャ旅行は無事に終了した。

最後に

・前にマーが書いていたが、ギリシャの一番の魅力は居心地の良さということかもしれない。もちろん外国(かつ観光地)だからそれなりの警戒は必要だが、我々の感覚では日本以上に安心だし、余計な気を使わなくてすむ。バリには多くの魅力があって何回でも行きたいが、話しかけて来る現地人は要注意だし、会話だって多少は気を使う(日本人も多いし、日本語がわかる人もいる)。食事でも痛い目に会った。

・それに対して、ギリシャ(エーゲ海の島)では毎日同じパターンでビーチに出かけ、同じような食事をしていても、それがとても気持ちいいし自然体で過ごせるのだ。リゾートでのんびりするというのは、何も高級リゾートホテルの特権ではなく、むしろ普通のビーチや街中のレストランでそう感じられることが素晴らしい。

・今回の旅では、予想以上にミロスが良かったと思う。一昨年のサモスもそうだったが、やはり素晴らしいビーチがあって、適度な大きさ、適度な混雑の島というところは魅力的。これもマーの調査のおかげか。

・さて、来年をどうするか。会社の夏休みは見事にアテネオリンピックと重なりそうだが、マーはそれでもアテネをうまく避けてエーゲ海に行く方策をもう考え始めているようだ。
(2003.9.5完 たーぼ・マー)
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