たーぼさん、マーさんの
2006夏 ギリシャ旅行
〜はじめに〜
ギリシャはついに10回目、8年連続となった。今年はイカリア島、ミコノス島という組合せで14日間。過去の教訓を生かして4月にはおおかたの手配が終わっていただろうか。今はアテネ郊外のホテルで2日目の朝を迎えたところだが、これから夏の定番となったエーゲ海の休日を満喫したいと思う。
以下は滞在中毎日、夕食前に持参PCに書きためたもの。また、最後にギリシャ旅行に関するまとめを書いてみたので、参考にしていただければ幸いである。
★日程
- 8月12日(土) 成田 → アテネ (AF、パリ乗り継ぎ)
(グリファダ Emmantina Hotel泊)
- 8月13日(日) イカリアへ移動(OA)
(イカリア Erofili Beach Hotel泊 … 6泊)
- 8月19日(土) イカリア → ミコノス (フェリー)
(ミコノス Rochari Hotel泊 … 5泊)
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8月24日(木) ミコノス → アテネ → 成田 (OA、AFパリ乗り継ぎ)
★フライトについて
- 旅行直前にイギリスでテロ未遂騒ぎがあり、かつ夏休みピークということで成田にはかなり早めに行ったが、エールフランスのチェックインは拍子抜けするほどスムーズだった。10:30発のエアバス330で今年も満席。サービスは良好で、座席の広さやパーソナルモニタ(ゲーム付き)で快適に過ごせる。食事も2回とも結構美味しかったし、ワインもグッド。やはり食の国という感じか。
- シャルルドゴール空港の乗り継ぎは結構歩くし、またこの空港はあまり見るところもない。ただ、待ち時間は少ない点は助かる。アテネまでのフライトも去年と同様に良好で、冷えすぎない機内は快適だったし、食事も美味しかった(スモークサーモンといくらのリゾット、ラタトィユとモツァレラチーズ、フルーツ、これまでの機内食でもベスト3に入る出来か)。
★アテネ(グリファダ)からイカリアまで
- 翌日の飛行機が遅いので、今年は空港横のソフィテルホテルをやめてグリファダにあるエマンティナホテルへ。これで1万円節約になる。ホテルへは空港からバス(X96)を利用したが、深夜は30分おきで一人3.2ユーロ。ピレウス港まで向かう客が多く、結構な混雑だった。30分弱の乗車だが問題は車内アナウンスがないことで、地理を知らずに途中で降りる場合はあせるかも。我々もグリファダには何回か来ていたものの、運転手に確認して何とか目的バス停(Glyfada
5)で無事降りることができた。
- エマンティナホテル(四つ星クラス)は2001年にも一度泊まっている。部屋は狭いが、バスルームはバスタブ付きで使い勝手はいいし、トランジットには十分だ。朝食ビュッフェには卵、ソーセージなどのホットミールもあって結構満足できる。
- 12時のホテルバスで空港へ(一人7.5ユーロ)。サンドイッチとビールで簡単な昼食を済ませ、15時発のイカリア行きに乗った。さすがにこのフライトではアジア系は我々だけ。30分ほど遅れて到着し、ホテルが手配したタクシーをすぐ見つけることができた。
- イカリアはミコノスの東、サモスの西に位置する島だが、日本ではほとんど知られていないだろう。といっても結構大きな島で、東の端にある空港からホテルまで60km、1時間半かかった。アップダウンの多い山道が続くのはヒオス、ケファロニアと同じだ。
★イカリアのホテル(Erofili Beach Hotel)
- 島の北西にあるアルメニスティスという町のホテルを選んだ。イカリアは情報が少ないし、ホテルも多くないが、その中で眺めの良さそうなところをネットで直接予約した。
- 部屋の大きさは普通だが、ベランダから一望できる海が素晴らしい。予約時に90〜120ユーロと部屋の選択があったが、このくらいの差であれば120ユーロを選んで正解だったようだ。バスタブはなくシャワーのみだが、特に問題なし。ツインベッドも広めでゆっくり眠れる。とにかく眺めが良いからとても居心地がいいのだ。
今回の部屋は私がギリシャでのホテルに求める要件をほぼすべて満たしている。水周りも狭いスペースがうまく設計されており、洗面台はカウンター式で物が置けるし、シャワーブースは十分な広さ。部屋もクローゼットの中に引き出しもあって洋服や小物がきちんとしまえる。ベッドの横にちゃんとライトもあるし枕も2つずつあって快適。バルコニーも広くてくつろげるが、タオルや水着を干すラックが置いてあるのは初めてでうれしい。あとはバスタブだけだが、夏のギリシャではMustではない。(マー)
- 朝食も結構充実している。アジアリゾートには及ばないがギリシャでは標準以上の内容で、卵料理やソーセージ、ヨーグルト、それにパンも美味しかった。
朝食は感激モノ。エマンティナと同等以上の内容のビュッフェ形式で、しかもパンもあたためたものを少しずつ出してくれるなど、グレードの高いサービスだ。特に、ほうれん草のパイは生地も具も最高に美味。すべてにおいて地元の食材で手作りされたものばかりと思われ、これこそリッチで幸せな気分にさせてくれる朝食だ。(マー)
- このホテルは眺め・設備・朝食で十分満足できる内容だった。事前予約の際のメール回答も的確、最終日の朝早い出発にはサンドイッチを用意してくれるなど、サービス面も良かった。イカリアに来る人はまずいないだろうが、その際にはお勧めできるところだ。
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エロフィリホテルからの眺め |
★イカリアの町、移動方法
- アルメスティスは小さな街だが、タベルナやスーパー、レンタカーなど一通りの店は揃っている。最初の3日間はバイク、後半2日間レンタカーを予約しておいたのだが、ホテルからすぐ歩けるところにビーチも店もあることがわかり、結局レンタカーはキャンセルしてバイクを4日間借りることに変更した。
- バイクで山の方にも行ってみた。勾配は結構きつく、運転は慎重にする必要がある。教会を見たり、眼下に広がる紺碧の海を眺めたり、ちょっと足を伸ばすと新たな発見があるのも楽しい。
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アルメスティスの街 |
★イカリアのビーチ
- 島の北側にあるビーチ4箇所に行った(メッサクティ、リバディ、カンポス、ナス)。最初の2つはアルメスティスのすぐ近くで、イカリアで最もきれいなビーチということらしい。確かに海の色はエメラルド、もちろん透明度も高く、エーゲ海のビーチを満喫できるところだ。ナスを除きパラソル・チェアがあって、一日6〜7ユーロだった。
- ナスはアルメスティスからバイクで10分ほどのところ。崖の下にあるビーチできれいだが、設備は何もないので長時間過ごすにはつらい。ここにはヌーディストもいた。
- 3日目くらいから波が高くなり、沖まで泳ぐのは無理という状況になった。イカリアのビーチは北に面しているから風が強いことを覚悟していたのだが、風は思いのほか弱く、デッキチェアに寝ていても肌寒さを感じることはなかった。何故波が高くなったのかはよくわからない。近くで泳ぐ分には問題ないし、むしろ波乗りに近い感じで十分楽しめたのだけれど。
- ビーチの客層は比較的年配のカップルや家族連れがほとんどで、イケイケ風の若者はいない。イカリアの知名度からすれば当然かもしれないが、これはこれで結構落ち着いて過ごすことができた。
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リバディビーチ、エメラルド色の海 |
★イカリアのタベルナ(レストラン)
- アルメスティスには6軒ほどのタベルナがあり、夜はどこも満員状態だった。近くのホテルやアパートから大勢来ているようで、席待ちする人もちらほら。我々は「8時半の法則(8時半頃に食事に出かけるのがベストという経験則)」に従って行動していたが、その時点で満席のタベルナもあった。もちろん、10時過ぎに来る客(多分ギリシャ人)も多く、最盛期のタベルナは本当に忙しそうだ。
- ナスのタベルナにも2回行った。ここにも6軒ほどあり、こちらの方が規模も雰囲気もいい。皆クルマやバイクで来ている。シーフードが有名なようで、ロブスターや炭焼きの魚を頼んでいる人が多かったが、ロブスターなら50ユーロ以上は覚悟。
- 肝心の味だが、どこも平均的。ただ、値段は(ミコノスに比べれば)安めで、グリークサラダが平均4ユーロ。メイン2品とワインを頼んで、20ユーロくらいだ。
- 最後の夜に行ったタベルナでイカのグリルを勧められたが、これが結構美味だった。カラマリ=イカの空揚げと思っていたが、グリルもあるようだ。日本の屋台によくあるイカ焼きのようなものだが、炭火焼は香ばしくてなかなかいける。もちろん、醤油味ではなく、レモンを絞って食べるシンプルな味付けなのだけれども。
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ミートボールトマトソース |
イカのグリル(4ユーロ) |
★イカリアからミコノスへ
- イカリアからはフェリーでミコノスに渡った。チケットはイカリアに来てから購入、ひとり13.1ユーロだった。
- 土曜日の朝7時半にタクシーでホテルを出発。運転手は行きと同じ人で、日産のクルマに乗っていた。この人の運転はうまく安心できたが、途中何度も携帯電話が鳴ってその度にマニュアル車ながら片手運転。ギリシャではこれって許されているのだろうか?
- フェリーは大型で、イカリアからは数百人が乗り込んだろうか。一方、降りたのは数十人程度。この状況はミコノスでも同じで、降りた人よりはるかに多い人が乗った。8月中旬土曜日のピレウス行きなので、そろそろピークを過ぎて帰る人が多くなっているのかもしれない。
- イカリアでの乗船(特にクルマ)に時間を要したため、出港は予定より1時間近く遅れた。そう言えば昔ミコノスからサントリーニまで乗った時は5時間ほど遅れて船が来たことがある。この時の船はテッサロニキ始発だったので、途中の寄港地で遅れが重なったようだ。夏のフェリーは結構な遅れがあることを覚悟しておくべきか。
- ミコノスまでは3時間ちょっと。途中周期的に風が強くなったが、この大きさの船になるとあまり大きく揺れることはない。それでも船内はそこそこの混雑で、我々は上部のデッキに居場所を決めてエーゲ海を眺めながら過ごした。
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イカリアからミコノスへのフェリー |
★ミコノスのホテル(Rochari Hotel)
- 昨年に続いてミコノスタウンの老舗ホテル、ロハリに泊まることにした。昨年より5ユーロ値上げで1泊155ユーロ。タウンのすぐ上のロケーションで8月トップシーズンを考えれば、この値段は安いと思う。4つ星は200ユーロ以上、5つ星なら300ユーロは軽く越す時期だから。
- 今年の部屋(507)は低層にあって、海は少し見える程度。バスタブはなくシャワーだけ、その他の設備も普通だが、タウンから歩いて5分で帰って来られる立地条件を考えるとこれで良しだと思う。初日フェリー到着が1時間近く遅れたが、ちゃんと迎えのクルマが待っていてくれた。
- 朝食はビュッフェだが、パン、ジュース、ゆで卵にヨーグルト程度で結構質素。
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ロハリホテルからの眺め(ミコノスタウン) |
ミコノスタウンの夕日 |
★ミコノスのビーチ
- 今回はプラティヤロス、スーパーパラダイス、エリア、プサルゥの4箇所へ。多少風があったが気温が高かったため、どのビーチも十分満喫できた。
- ミコノスのビーチはレベルが高く、高い透明度をもったエメラルド色の水は多くの場所で楽しめる。なぜか、同じ緯度の島に比べて水が冷たいのが不思議だ。
- ビーチの差はあまりつけられないが、個人的には、水のきれいさ(エメラルド色の濃さ)でスーパーパラダイス、エリア。波のない泳ぎやすさでプサルゥ。落ち着いた雰囲気でカロリバティ、といったところが上位だろうか。
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スーパーパラダイスビーチ |
プサルゥビーチ |
- プラティヤロスは便利でよいビーチだが、デッキチェアの密度が高く混雑すること、頻繁に物売りやマッサージがまわってくること(プーケットのパトンビーチのようだ)が特徴。今回初めてビーチマッサージを試してみたが、20分15ユーロという値段だった。中国人の女の子がやってくれたが、腕はイマイチといったところ。
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プラティヤロスビーチ |
マッサージのお姉さん |
- スーパーパラダイスはまだ総合的には一番だろうか。かつての独特な(ソフィスティケートされた)雰囲気は薄れて、普通のビーチに近くなった。数年前、我々の横に若い女性3人組が来て、そのうち2人がいきなりスッポンポンになって日光浴を始めたなんてこともあったけど、そんな驚きはもうないか。ここは午後からダンスミュージックが始まり、夕方頃には結構な音量になる。それが嫌でなければやはりお勧めのところ。
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ボートが到着したところ |
午後のスーパーパラダイス |
- パラソルとチェアで8〜10ユーロ。どのビーチも夕方近くにはほぼ満員の盛況になる。日本人は各ビーチで一組くらい見かけた程度だった。
- 10年近くミコノスのビーチを見てきたが、最近は少しずつ変化が感じられ、ビーチ毎にやや客層を意識してか特色が出始めている。今回エリア、プサルゥ、プラティヤロスには、豪華版のデッキチェアセットがお目見えした。厚手のマットレスにビーチタオル付で、一部は予約もOKのようだ。これらのビーチはビーチ沿いにLクラスのホテルがあることもあってややハイクラスの客層を狙っているのだろうか。比較的若者向けのパラダイスやスーパーパラダイスは従来通りだった。どこよりも素晴らしい海と素朴で気軽な雰囲気がギリシャのビーチの好きなところだったのだが、一番人気でダントツに多くの人が訪れるミコノスは段々とヨーロッパの一般的なリゾートに同化されつつあるのだろうか…(マー)
★ミコノスの町、タベルナ
- 夜に行ったタベルナは順に、アントニーニ、タキュピア、ブルージンジャー、パラポルティアニ、ニコス。
- アントニーニは北のタクシー乗り場のすぐ近くにある老舗のタベルナ。特に変わった料理があるわけではないが、ミコノスでは良心的なタベルナだと思うから、無難に食事をしたい時にはお勧め。グリークサラダ、タコグリル、スタッフドトマト、ハウスワインに水で28.5ユーロ。これがイカリアだったら22ユーロくらいか。
- タキュピアは少し変わった。テーブルクロスが布に、カバーのパンはトーストしたものに、また座席配置もグループ客を意識したものに。すぐ前のニコスが相変わらず超混雑だから、差別化を図ろうとしているのかもしれない。毎回恒例のロブスタースパゲティは何と75ユーロという値段になっていた。「昨年は22ユーロだった」と聞いたところ、ロブスター1匹をすべて使った2人分とのことだったが、でもさすがにこの値段では諦めてシーフードスパゲティ2人分(35ユーロ)に変更。これも多くの魚介類を使い、ニンニクの風味をきかせた味付けでとても美味しかった。1ユーロ=100円で考えれば十分納得、でも今のレートで5千円以上となると日本では考えにくい値段だろう。ここはメニューが豊富だし(5ヶ国語で書かれた分厚いメニュー)、サービスも迅速で良いから、まだお勧めできるところだ。
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タキュピアのシーフードスパゲティ |
- ブルージンジャーはパイパス近くにあるタイ・チャイニーズレストランで、昔タウン中央にあったダイナスティという店が移転したもの。徒歩ではちょっと行きづらい。結構お洒落なつくりになっていて、10時過ぎには満席近い盛況だった。グリーンカレーもシンガポールライスヌードルも美味しかった。旅の途中でちょっと中華系の料理も楽しみたい時に良いと思う。ただ、値段はそこそこ高め(チップ込みで60ユーロ)。
- パラポルティアニはニコスとタキュピアに挟まれた位置にあり、随分昔に一度入った記憶がある。今回ここはかなり当たりだと思った。スティファド(ビーフシチュー)とフィレステーキという肉料理を試してみたが、どちらも十分な美味しさ。ステーキのマデラソースは高級店シェ・マリアで頼んだものと同じだが、あのレベルまでは無理としても満足できる出来だった。ワイン、サラダを含めて42.5ユーロという値段も良心的(シェ・マリアではこの2.5倍)。座席配置や雰囲気がタキュピアよりもいいかもしれない。
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パラポルティアニのステーキとスティファド |
- ニコスは最終日に久しぶりに入ってみた。ロブスタースパゲティが18ユーロ(昨年のタキュピアより安い)、他の料理もかなり安めの値段設定だ。肝心の味だが、ロブスターのミソのうまみを十分生かしたというところまではいかないが、パスタはアルデンテに近かったし、値段を考えれば十分合格点。もう一品、シーフードリゾットは魚介のうまみをしっかりとしみ込ませており、かなり高いレベルの出来だった。ここは常に満席状態、テーブルも狭くて落ち着かないところもあるが、シーフード系の料理を安く食べるにはいいだろう。今回見直した店だ。
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ニコスのロブスタースパゲティ |
★帰りのフライト
- 帰りは昨年と同じく、ミコノスを昼に出て、同日中にアテネ、パリ経由で成田というフライト。ミコノスからはエージアン航空を利用したが、日本からの予約支払い(e-チケット)ができるのは楽だ(2006年時点でオリンピック航空は日本からのネット予約不可)。飛行機もジェットだったし、値段が多少高いことを許容すればエージアン航空はいいと思う。
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エールフランスは帰りも美味しい食事だった。この夜行便はパリ発23:10、成田着18:00だが、飛行機の中で少し眠れれば時差ぼけ解消には楽なフライトだと思う。夏休み中ということでほぼ満席のフライトだった。
★ギリシャのまとめ
ギリシャで何を楽しむか?
- 我々の場合、ギリシャの楽しみはビーチに尽きる。だから行くのも必ず夏だし、よりきれいなビーチを求めてエーゲ海の島に繰り出すことになる。アテネは一度は訪れるべきだし、他にもメテオラなどの遺跡・名所はあるが、ここではエーゲ海のビーチを楽しむことを目的としてまとめてみたい。
どの島に行くか?
- ミコノス、サントリーニはやはり別格の存在で、両方とも一度は訪れたいところだ。ただ、旅行期間が1週間とすると2つの島を訪問するのはかなり忙しい。日本との往復で3日、島の移動で1日とられてしまうからだ。ミコノスには素晴らしいビーチが幾つもあるので、できれば3泊はしたいところ。一方、サントリーニはビーチのレベルはそれほどでもないが、フィラやイアからの景観、夕日の素晴らしさ(世界三大夕日の一つ)は捨てがたい。テレビや写真で見なれていても、実際の風景を見た時に思わず感嘆の声をあげるような場所の一つだと思う。どうしても一つしか行けないとしたら、ビーチを重視するならミコノス、そうでないならサントリーニ、だろうか。
- クレタは大きな島で、高級リゾートも多いようだ。西にあるハニアはベネチアンポートの雰囲気が魅力的で、もう一度行きたい街。それに比べてイラクリオンやクノッソス遺跡は個人的にはあまり印象に残らないところだった。
- ロードスは旧市街の雰囲気を味わいたい時に。ビーチは特に行ってないので評価できず。
- 以上が昔言われたエーゲ海4点セットの島だが、それ以外の島でお勧めできるのは、ミロスとサモス。ともに適度な大きさの島で、ビーチのレベルが高い。特にミロスのパレオホリビーチは個人的にはエーゲ海のベストビーチと思っている。
- ケファロニアもいい島で、ミルトスビーチの美しさ(上から見た時)は忘れがたい。映画「コレリ大尉のマンドリン」にでてきたエメラルド色のビーチだ。
ベストシーズンは?
- 値段を考えれば、7月前半または9月前半が良いと思う。多くのホテルが最高値とするのは7月20日頃から8月末までだが、我々を含む多くのサラリーマンの場合、夏休みを取れるのはどうしてもこの時期に重なってしまう。ただ、この時期は混むし高いが、ビーチ派に最高なのもまた然りで、特に8月中旬は海水温が最も高くなる時だ。
- ビーチリゾートに行って雨に降られるほど残念なことはないが、その点、夏のエーゲ海は毎日必ず晴天だ。ただし、ミコノスなどの島では風(メルテミと呼ばれる北風)が強く、日によっては寒く感じられることも。風の状況は周期的に変わるようで、これは多少運次第ということか。
- ピークシーズンの場合、予約は早めに行う必要がある。エーゲ海の島はヨーロッパの人に高い人気があり、島によっては2ヶ月前時点でホテルも飛行機も取れないということがある。過去にこれを経験した我々は、3月から4月に手配をするようにしている。この場合の問題は、エーゲ海への飛行機や船のスケジュールがもう少し後にならないと決まらないこと。でも、インターネットのおかげで随分楽になった。
ビーチでどのように過ごすか?
- ビーチチェアに寝そべってリラックス、体が熱くなったら海に飛び込んで泳ぐ、ということの繰返しで一日を終わるのが我々の過ごし方。多くの人も同じことをしている。もちろん、それだけでは飽きてしまうので、好きな文庫本を読んだり、パズル本をやったり、それに携帯プレーヤーで音楽を聴いたり、も大事な要素だ。
- でも、これって日本でも出来ることだし、わざわざ高い飛行機代を払ってギリシャまで来てすることではない、と考える向きもあると思う。我々のようにそれを10日間以上も続ける(他にどこも見ない)なんて信じられないという人もいるかもしれない。まあ、このあたりは価値観の問題なので人それぞれだが、これが我々の夏の過ごし方。自分でも贅沢で恵まれていると思うけど。
- 我々はやらないが、ダイビングとかできればビーチの魅力はまた変わると思う。ただ、エーゲ海ではダイビングも他のマリンスポーツもそれほどポピュラーではないようだ。
- もう一つ、エーゲ海のビーチではとにかく日本人が少ない。ミコノスでは数組見かけることがあるが、ちょっとマイナーな島に行けばまず会うことはない。その点では自由に過ごせる。決して悪口や危ない会話をしているわけではないが、我々が何を話していても周りの人には通じていないのは気楽でいいかも。
島での交通手段
- ミコノスやサントリーニではバスが頻繁にあるから、これを利用することであまり不便は感じないと思う。乗客はみな観光客だから、切符を買うのも降り場所を確認するのも問題ないだろう。
- ただ、レンタバイクを利用すれば行動範囲も自由度も大きく増える。1日20ユーロが相場で、日本の原付(オートマチックスクーター、2人乗り可)が借りられる。借りるには国際免許が必要(場所によっては不要なところもあるが代わりにパスポートを取られることがあるので、国際免許持参をお勧め)。我々も多くの島でレンタルバイクを借り、あちこちのビーチに出かけた。
- なお、バイクは便利だが、運転には十分注意すること。右側通行はすぐ慣れると思うが、滑りやすい道もあるし、特にミコノスではタウン周辺の交通量が多い。私自身も昔レスボス島で転倒し、ひざを擦りむく傷を負った(この程度ですんだのはラッキーだった)。また、ミコノス空港ではバイクで骨折した日本人男性に会ったこともある。ちょっと慣れた頃が危ないので、カーブでのスピード出し過ぎには注意を。
- また、レンタカーも島によっては選択肢となる。ギリシャではオートマチック車がほとんどないので、右ハンドルマニュアル車を運転することになるが、その経験があれば便利だと思う。道路状況は比較的良好。ただ、助手席のナビゲータが重要になる。
ホテルの選び方
- ホテルの選択は立地、眺め、設備、サービス、値段と幾つかの要素があるが、エーゲ海の島の場合はやはり眺めを優先した方がいいと思う。ビーチを主体にすればホテルの部屋にいる時間はそれほど長くないのだけれども、やはり部屋からどのような眺望が望めるかは気分に大きく影響する。もちろん、ほとんどの場合部屋の眺望(海がどの程度見えるか)で値段は変わるから、最終的には予算との相談になる。
- ミコノスはホテルの値段が高いため、我々はタウン周辺のA〜Bクラスを選んでいる。ロハリ、ポセイドン、イリオマリス、クーロス、カボタグーなど。この中でクーロス、カボタグーはAクラスでバスタブ付き、その他設備や朝食もそれなりに充実しているが値段は200ユーロ以上になる。タウンを外せばもっと豪華なホテルがあるし、もう少し設備と値段が見合ったホテルもあるだろうが、ミコノスでは夜のタウン散策が大きなポイントで、この便利さとの取り合いになる。だから我々はミコノスに限っては眺めを多少犠牲にして、便利で比較的安めなところを選んでいる。
- サントリーニはしばらく行ってないので古い情報になるが、やはりフィラの眺めのいいホテルをお勧めしたい。イアにもいいホテルができているようだが、人気のプチホテルは驚くほど高いと聞く。
- その他の島ではホテルの値段も比較的リーズナブル。ピークシーズンでも100〜150ユーロ出せば満足できるホテルが取れるはずだ。
- ただ、一般的にギリシャのホテル水準は高くない。Aクラスを除けばバスタブ付きはまれだし、その他設備全般も世界水準からは遅れをとっている。同じ値段を出すならアジアリゾートでははるかに良いホテルに泊まれる。その意味ではホテル設備にはあまり大きな期待をしないほうがいいかもしれない。
ギリシャでの食事
- 食事に関しては個人の好みによるところが大きいので、あくまで一般的な話として書くことにする。
- ギリシャのタベルナの定番メニューは素朴な家庭料理。料理本を現地で購入し、いくつか自分でも作ってみたが、実はスタッフドトマトをはじめとしてけっこう手間や時間のかかるものが多い。朝から仕込んでおいて、注文するとそれをあたためて出してくれる。作りおきしたものがなくなれば終わり。ギリシャ版おふくろの味といった感じでとてもおいしいので、伝統ギリシャ料理は必ず試すべし。(マー)
- 日本人にとって魚料理はハズレが少ないが、ただ結構高価になることが多い。特にフィッシュタベルナでの炭火焼は日本の値段から考えれば高いし、驚くほど美味しいわけではない(醤油が欲しくなったり、刺身も欲しいと思ったりする)。エビ、イカ、タコの類いはお勧めできるもので、小型のイカの空揚げ(カラマリ)はオリーブオイルならではの美味しさだし、タコのグリルも香ばしく焼いたものはとても美味しい。
- 肉料理では挽肉系(ミートボールのトマトソースなど)やスブラキが無難だろうか。
- 必ず頼むのがグリークサラダ。現在の相場はミコノスで5〜8ユーロ、他の島なら4〜5ユーロだが、たっぷりのトマト、キュウリ、オニオンなどにフェタチーズ。こうした素材そのものを生かしたサラダは本当に美味しいと思う。
- 昼食などにギロはお勧め。また、トマト、チーズなど好きなものをはさんでトーストしてくれるサンドイッチも美味しい。ビーチを含めちょっとした売店で売っている事が多い。
- 乾燥した暑さなので、ビールはもちろん最高。地元ビールはアムステル、ミソス。また、ワインも安くてお勧め。特にこだわらなければ、ハウスワインがカラフェで頼めて0.5リットルで4〜8ユーロくらい。
- 最盛期のタベルナの店員は本当に忙しく働く。店によっては夜8時過ぎから混み始め、12時過ぎまでその状況が続く。日本人はどうしてもせっかちな傾向にあり、店に入ってからの注文、食事、そして勘定と早く済ませたいところだが、ギリシャではかなりスローペースなことを覚悟しておいた方がいい。食事を終わってから勘定を済ませて店を出るまで30分以上かかることも珍しくない。
ミコノスでのお勧めタベルナ
- ミコノスタウンには高級レストランから庶民的タベルナまで多くの店がある。予算さえ許せばシェ・マリアのステーキはお勧め。その他、フィリッピ、インテルニ、カトリンなども評判は高そうだ。このクラスの店の予算は二人で100ユーロ以上。
- 一般的なタベルナでは、やはりニコスがある地区の3軒のタベルナがお勧めだと思う。タキュピアは毎年行っているが次第に高級化されつつある。その横のパラポルティアニは全体の雰囲気がいい。ニコスは値段の安さでは一番かもしれない(ロブスタースパゲティがニコスでは18ユーロ、魚介系を頼むなら安くてハズレがないかも)。3店の競争でレベルが上がっているのだと思う。ただ、ニコスはいつも満員で、かつ席の配置が窮屈だから落ち着かない。その意味ではパラポルティアニが今年時点でのお気に入りか。
- リーズナブルに食べるのなら、北のアントニーニ、南のマルコポーロ(イタリアン地区にある)も良心的なタベルナだ。予算は30ユーロ程度。
- もう少し高級にという場合、これまで入った中で比較的良かったのはオアシス(タウン中央)、アブラ(北から少し入ったところ)。逆に良くなかったところ(まずかったりサービスが良くなかったり)もあるが、これは年毎に変わっているかもしれないので、ここでは店の名前は出さないことにする。良い店を見つけるコツは、一般的には混んでいる店を狙えなのだが、ミコノスではこれが必ずしもあてはまらない場合があるのが難しいところだ。
- サントリーニは古い情報になるのであくまで参考だが、とても気に入ったタベルナはナウッサ(フィラの北側)。有名なところだと思う。
ギリシャの魅力まとめ
- さて、随分長く書いてきたので、最後に簡単にまとめてみよう。ギリシャ、それもエーゲ海の島の魅力は何と言ってもビーチで、それを楽しめる時期に行くことをお勧めする。食事は素朴で美味しいし、日本人が少ないことも一般的には魅力だと思う。言葉は英語がほぼ問題なく通じる。
- ギリシャ人は親切な人が多く、特に年配の男性で日本を良く知っている人に会うことがそう珍しくない。これはギリシャが海運国で、船乗りとして世界各国へ行っていた人たちだが、日本人と知ると「横浜、神戸、長崎・・」と幾つもの地名をあげて、人なつこい笑顔を向けてくれる。
- ギリシャで一つ嫌いなことがあるとすれば、喫煙率の高さだ。ヨーロッパ全体がある程度そうなのかもしれないが、ギリシャのタベルナ、ビーチ、どこでも本当にタバコ吸いが多いのは困ったものだ。また、タベルナでのスローな対応もある程度覚悟したほうがいい。店員は本当に良く働いているのだけれども。
- ギリシャは遠い国で、夏のピークに行こうとすれば飛行機代二人分で50万は覚悟しなければならない(アジア系を使えばもう少し安いかも)。かつては物価が安かったけれど、最近はユーロ高も加わって、2週間旅行すれば全部で80〜100万円ほどかかる。これはアジアビーチに2回行ける値段だ。でも、これだけ毎年我々が出かけるのは、エーゲ海のビーチの素晴らしさと、居心地のよさ、ということに尽きる。これを読んでエーゲ海ビーチに興味を持っていただき、実際に訪れる機会が実現して、その時にこのメモが少しでもお役に立てればうれしく思います。
(2006.8.25完 たーぼ・マー)
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