警察官を志望する人に、
毎年、本学学生にはかなりの数の警察官志望者がいるので、特にその人達を対象として説明する。
警察官の場合、身体的条件、特に視力が大きな壁になることを良く認識しておいてほしい。たとえば、東京都警視庁の場合、次のような条件となる。
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身体要件 |
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項 目
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男 性 |
女 性 |
身 長
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おおむね160cm以上であること |
おおむね154cm以上であること |
体 重
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おおむね48kg以上であること |
おおむね45kg以上であること |
視 力
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裸眼視力が両眼とも
0.6以上であること。ただしこれに満たない場合は、裸眼視力がおおむね各0.1以上であって、矯正視力が各1.0以上であること |
色 覚
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職務執行に支障がないこと |
聴 力
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職務執行に支障がないこと |
その他
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警察官としての職務執行上、支障のある疾患がなく、かつ、四肢関節の諸機能に異常がないこと |
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体重は何とかなるとして、身長と裸眼視力だけは、努力ではどうにもならない。
1年生に入学した時点で、両眼とも0.6以上であれば、おそらく問題はない。しかし、入学時点で、下限の0.1に既になっているものは、今の時点で警察官志望は断念することを勧める。法学部での勉強は、すべて本を読むという形で行われるために、かなり急速に視力が低下することは避けられないからである。
もっとも、警察庁や警視庁に拘らなければ話は違ってくる。例えば、千葉県警は次のような条件となる。
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体格・体力検査基準 |
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検査項目 |
警察官(男性) |
警察官(女性) |
身 長 |
おおむね160cm以上であること。 |
おおむね155cm以上であること。 |
胸 囲 |
おおむね78cm以上であること。 |
(検査はしません。) |
体 重 |
おおむね47kg以上であること。 |
おおむね45kg以上であること。 |
視 力 |
両眼とも裸眼視力が0.6以上であること。
又は両眼とも矯正視力が1.0以上であること。 |
色 覚 |
正常であること。 |
関節及び
五指の運動 |
職務遂行上支障がないこと。 |
腕立て伏せ |
筋力、敏しょう性、瞬発力等について検査します。 |
反復横跳び |
垂直跳び |
握 力 |
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警察庁の受験
● 採用実績
残念ながら昨年度の実績は不明であるが、その前6年間の採用実績は下記のとおりである。採用後は試験区分にとらわれることなく、幅広い業務が経験できるように配置される。女性の採用実績については、平成元年以降17名を採用している。
平成7年度以降の試験区分と採用状況
採用年度 |
法律 |
経済 |
行政 |
社会 |
計 |
平成7年度 |
17 |
1 |
2 |
0 |
20 |
平成8年度 |
15 |
2 |
1 |
0 |
18 |
平成9年度 |
12 |
2 |
0 |
0 |
14 |
平成10年度 |
12 |
0 |
0 |
0 |
12 |
平成11年度 |
10 |
4 |
0 |
0 |
14 |
平成12年度 |
18 |
0 |
1 |
0 |
19 |
残念ながら、13年度以降についてはあきらかにされていないが大勢として変化はないものと思われる。
● 採用後のキャリアステップについて
Ⅰ種採用者は入庁してまず、警察大学校での研修及び人事院の初任行政研修を受けた後、警視庁ほか大府県の警察署及び警察本部で第一線勤務に当たる。
第一線勤務終了後は、警察大学校で研修を受け、警察庁各課で係長として勤務する。そして、警察署等の第一線における課長代理としての勤務、欧米等の大学院への留学などを経た後、警察庁においては課長補佐等の政策の企画立案者として、各都道府県警察においては課長等の指揮官(政策実現者)として、事故のイニシアティブを発揮する多くの機会に恵まれた勤務を行うこととなります。その間、在外公館をはじめとする海外勤務、内閣官房や他省庁への出向の機会も豊富にある。
警察庁を目指す場合、国家Ⅰ種に合格の上、警察庁から採用内定を貰わねばならない。そのための重要な条件として、大学における専門科目の成績証明書をほとんど優で占める程度のレベルが要求される。
警察庁では、国家Ⅱ種職員も採用している。採用即巡査部長となれるから、地方試験の大卒級を受けるより、かなり有利な道である。国家公務員採用Ⅱ種試験(行政区分)合格者の中から毎年10名程度を採用している。