参議院職員試験
参議院では、事務局と法制局では、それぞれ独自に採用試験を行っている。
それぞれの特徴を理解して応募しよう。
議院の自律権に基づき、衆議院の事務を処理するため置かれている機関で、そこで働く職員は、特別職の国家公務員とされ、国会の立法活動を補佐するさまざまな仕事に従事している。 大卒相応の試験としてはT種試験とU種試験を実施している。参議院は国家T種からの採用を行わないため、前者の採用は毎年度5〜6名と衆議院より倍程度多い。毎年採用になっている。後者の採用は約10名とされているが、実際には十数名程度である。 議院法制局は、議員の法制に関する立案に資するために置かれ、議員発議の法律案・ 修正案及び委員会提出の法律案の立案、委員会の命による法制に関する予備的調査、議員等からの依頼による法制に関する調査等を行っている。
近年、議員立法は、複雑多様な社会経済情勢を反映して質量ともに拡充しており、その重要性は増大している。そのためか、近年新卒の採用を始めたものである。試験レベル等は、衆議院と同等と思われるが、正確に把握していない。
15年度の試験制度は、14年度に比べて相当変更されたので注意しよう。受験が容易な方向への変更であるので、倍率は昨年までよりも上がる可能性がある。変更点は次のとおりである。
○I種第1次試験において実施していた総合試験を廃止した。
○II種第1次試験について、一般常識試験を廃止し、専門試験において選択科目であった国際関係論を廃止した。
○II種第1次試験の専門試験は、受験申込時に憲法、経済学のどちらかを選択することになった。
○ 従来は、T種とU種の併願はできないことになっていたが、今年から、両者の試験日がずれたため、併願が許されることとなった。
受験資格、試験日程(15年度の場合)
I種 | II種 | ||
---|---|---|---|
受験資格 | 1.昭和52年4月2日から昭和57年4月1日までに生まれた者 2.昭和57年4月2日以降生まれた者で次に掲げるもの a.大学を卒業した者及び平成16年3月までに大学を卒業する見込みの者 b.参議院事務局がaに掲げる者と同等の資格があると認める者 |
||
受付期間 |
郵送 4月1日(火)〜5月2日(金)
持参 4月1日(火)〜5月2日(金) 受付時間 9:30〜17:30 (土曜日、日曜日を除く) |
郵送 5月12日(月)〜6月13日(金)
持参 5月12日(月)〜6月13日(金) 受付時間 9:30〜17:30 (土曜日、日曜日を除く) |
|
試験 日程 |
第1次試験 |
5月17日(土)
|
7月5日(土)
|
合格者発表
|
5月30日(金)
|
7月18日(金)
|
|
第2次試験 |
6月11日(水)〜6月13日(金)
いずれか指定する日 |
7月28日(月)〜7月30日(水)
いずれか指定する日 |
|
合格者発表
|
7月3日(木)以降
|
8月8日(金)以降
|
|
第3次試験 |
7月10日(木)
|
8月18日(月)〜8月20日(水)
いずれか指定する日 |
|
合格者発表
|
7月31日(木)以降
|
9月2日(火)以降
|
|
採用方法 | 最終合格者名を採用候補者名簿(1年間有効)に記載し、採用は名簿に記載された者の中から行います。 | ||
採用予定数 |
約4名
|
約10名
|
|
採用予定期日 |
平成16年4月1日
|
試験種目
I種 | II種 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
試験種目 | 内容 | 解答 時間 |
試験種目 | 内容 | 解答 時間 |
|||
第1次 試験
|
教養試験 (多枝選択式) |
一般的知識・知能 | 3時間 | 教養試験 (多枝選択式) |
一般的知識・知能 | 2時間 | ||
専門試験 (短文記述式) |
「法律部門」選択の場合 | (1)憲法 | 3時間 | 専門試験 (短文記述式) |
憲法、経済学のどちらかを選択 | 1時間 | ||
(2)民法 | ||||||||
(3)行政法又は刑法 (選択) |
||||||||
「経済部門」選択の場合 | (1)経済理論 | 3時間 | 専門試験(論文式) | 憲法、経済学のどちらかを選択 | 1時間 | |||
(2)財政学 | ||||||||
(3)経済政策 | ||||||||
第2次 試験
|
専門試験(論文式) | 「法律部門」選択の場合 | 憲法 | 3時間 | 人物試験 (集団面接による人物評価) |
|||
民法 | ||||||||
行政法又は刑法 (選択) |
||||||||
「経済部門」選択の場合 | 経済理論 | 3時間 | ||||||
財政学 | ||||||||
経済政策 | ||||||||
人物試験 (集団面接による人物評価) |
||||||||
第3次 試験
|
人物試験 (個別面接による人物評価) |
人物試験 (個別面接による人物評価) |
||||||
身体検査 | 身体検査 | |||||||
*第1次試験及び第2次試験の専門試験については、受験申し込み時に法律部門及び経済部門のうち1部門を選択する。 | *第1次試験の専門試験については、受験申し込み時に憲法及び経済学のどちらかを選択する。 |
参議院T種受験倍率
1次申込 |
1次受験a |
1次合格 |
最終合格b |
倍率a/b |
|
平成14年度 | 161 | 6 | 26.83 | ||
平成13年度 |
217
|
7 | 31.00 | ||
平成12年度 | 143 | 5 | 28.60 | ||
平成11年度 |
239 |
148 |
74 |
5 |
29.60 |
平成10年度 |
240 |
145 |
64 |
5 |
29.00 |
平成9年度 |
348 |
191 |
80 |
4 |
47.75 |
平成8年度 |
309 |
157 |
74 |
8 |
19.63 |
平成7年度 |
300 |
135 |
68 |
5 |
27.00 |
参議院U種受験倍率
1次申込 |
1次受験a |
1次合格 |
最終合格b |
倍率a/b |
|
平成14年度 | 658 | 14 | 47.00 | ||
平成13年度 |
1,176
|
15 | 78.40 | ||
平成12年度 | 1,207 | 15 | 80.47 | ||
平成11年度 |
2,299 |
1,349 |
210 |
12 |
112.42 |
平成10年度 |
2,185 |
1.322 |
203 |
22 |
60.09 |
平成9年度 |
2,639 |
1,555 |
203 |
22 |
70.68 |
平成8年度 |
2,915 |
1,725 |
105 |
20 |
86.25 |
平成7年度 |
2,292 |
1,355 |
94 |
31 |
43.71 |
I種試験過去問(過去3年分)
|
第1次試験
○多肢選択式試験 | 180分 | 出題範囲 | 1. 憲法、行政法、民法及び刑法 2. 一般教養 |
||
○試験日時 | 5月17日(土)午前9時30分〜午後0時30分 | ||||
○試験会場 | 東京: | 東京大学本郷校舎法文1号館 (東京都文京区本郷7-3-1) |
|||
京都: | 京大会館(京都府京都市左京区吉田河原町15-9) | ||||
○合格者発表 | 5月22日(木) | 参議院第二別館前に掲示します。 合格者のみ別途郵便で通知します。 |
第2次試験【論文試験】(第1次試験合格者に対して行う。)
○論文試験 | 150分 出題範囲 | 1. 憲法 2. 民法又は行政法(いずれかを選択) |
○試験日時 | 6月4日(水)午後1時30分〜午後4時 | |
○試験会場 | 参議院第二別館 | |
○合格者発表 | 6月11日(水) | 参議院第二別館前に掲示します。 合格者のみ別途郵便で通知します。 |
第2次試験【面接試験】(第2次試験【論文試験】合格者に対して行う。)
○面接試験 | ||
○試験日時 | 6月20日(金)〜22日(日)の間で指定する日時 | |
○試験会場 | 参議院第二別館 | |
○合格者発表 | 6月23日(月) | 参議院第二別館前に掲示します。 合格者のみ別途郵便で通知します。 |
第3次試験(第2次試験【面接試験】合格者に対して行う。)
○口述試験及び面接試験 | |
口述試験の出題範囲 憲法を中心とする法律問題 | |
○試験日時 | 6月27日(金)の指定する時間 |
○試験会場 | 参議院第二別館 |
○合否の通知 | 7月4日(金)以降各人に郵便で通知します。 |
(1) 提出書類
受験申込書(参議院法制局交付のものとし、必ず所定の位置に50円切手を貼ってください。)
第2次試験【論文試験】合格者には、第2次試験【面接試験】の受験までの間に、原則として、大学の成績証明書等の提出をお願いすることになります。
また、第2次試験【面接試験】合格者には、第3次試験の受験の際に、健康診断書の提出をお願いすることになります。
(2) 提出先
参議院法制局総務課
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-16参議院第二別館(南棟)5階
TEL 03-5521-7728
(3) 受験申込書の提出方法
郵送又は持参(郵送による場合は、封筒の表に「法制局 I 種受験」と朱書し、配達記録郵便にしてください。)
(4) 受付期間
4月1日(火)〜5月2日(金) (郵送による場合は、最終日の消印有効)
持参の場合の受付時間は、午前10時〜午後5時(土曜日、日曜日及び祝日を除く。)
―憲法(必須)―
国政調査権の性質について反対説に論及しつつ自説を述べた上で、行政権との関係における国政調査権の限界について論ぜよ。
―民法・行政法(選択)―
【行政法】
国家賠償と損失補償の意義をそれぞれ述べた上で、両者の谷間といわれる問題について、具体例を挙げて論ぜよ。