ハイブリッドカー
後藤 博栄 


      

 この間、といっても2週間くらい前であるが代々木公園にいってきた。ちょうど紅葉がピークの時で赤や黄色の葉が美しく、いちょうがハララ舞っている姿は、終始言葉が出ないほどだった。「車でドライブにでかけたい。」車好きの私は当然そんなことを考えた。「紅葉を見ながらライブしたい・・・。」
 97年10月、世界初の量産ハイブリッドカーが発売された。限らた資源や自然環境を考え人に優しく、地球に優しい車として登場。2世紀の乗り物として考えられていたくらいだからその登場には世間をっとさせた。しかもハイブリドシステムをつんだこの車は量産が可能のだ。すごい・・おもわずため息がこぼれてしまう。
 しかし、この聞きなれないハイブリッドシステムとはなんなのか。それは、ガソリンエンジンと電気モーターを使い分けながら走っていくパラレル方式を採用していて、発進時はガソリンエンジン、走行をはじめて時速50Kmを超えたあたりから電気モーターに切り替わる。車が停止しているときはエンジンがストップしてより燃費を向上させている。説明が多少難しいかもしれないが、自分でもよくわからない。要するにすごいのだ。
 車を購入するときなにかと税金がとられる。消費税、取得税、自動車税、重量税・・・数えだしたら気が遠くなる話だ。そんなこんなで車の車両本体価格+20〜30万くらいかかってしまう。あー気が重い。しかし、ハイブリッドカーはエコカーだから減税される。しかも国から補助金まででる。エコカーとは高燃費車や低排出ガス車のこと。いたれりつくせりだ。
 ハイブリッドカーのすごいところは、なんといってもガソリンカーに比べはるかに一酸化炭素や二酸化炭素の排出量が少ないこと。将来的には排出量0の電気自動車に期待だが、現時点で電気自動車は1回の充電での走れる距離が短く、実用性がない。ハイブリッドカーなら実用上、問題なく走行できる。環境に優しく、今できることを最大限に生かした車だ。
 2000年2月に市販化される電気自動車もある。いつだか信濃町の方へ散歩に行ったとき、元気よく走っている小さな電気自動車をみた。軽自動車でミゼットみたいにほんとに2人しか乗れない車だったけど、周りのガソリンカーと見劣りしなかった。そのあと本で調べたのだが、これは日産自動車からでている『ハイパーミニ』という車だった。かわいらしい丸い形でヘッドランプが縦長、2人乗りの小さな車だ。長距離の走行は厳しいが町を走行する分には、問題ないらしい。それならなぜハイブリッドカーよりこの車は注目されていないのか。なぜなら、・・・値段が高い。通常、軽自動車クラスなら100万そこそこで買えるのだが、この車は400万円。約4倍の価格だ。まだ電気自動車の実用化には、程遠いようだ。
 ハイブリッドカーは発売以来好調な売れ行きをみせている。それだけ国民が環境問題に目を向け、環境に優しい車に期待を寄せているのだと思う。車は便利だし、乗ったことのない人はいないだろう。車は、現代社会になくてはならないものである。身近な環境問題を身近なところから解決していかなくてはならない・・・ハイブリッドカーは解決の方法をほんの少しだけど見せてくれた。21世紀はもっといろいろな環境問題が起こってくる。21世紀はもうそこまできているのだ・・・将来自分が車を買ったころ、紅葉を見にドライブに出かけられるだろうか?