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(2004/10)


[ 災害とタバコ ]
 百害あって一利なしと言われ、害悪の源のように言われているタバコ。喫煙をする人間にとってタバコは楽しみであり、憩いであり、コミュニケーションの道具とさえなりうる。が、ここで言いたいのはタバコの効用ではない。被災・災害時の喫煙者にとってタバコがいかなる役目を果たしうるか、ということである。
 災害の救援物資としてタバコとは、被災地の人からは一言も出てこないが、果たしてそうであるのか。被災地の人にとっての急務は水、電気、食料、トイレ、仮設住宅などであろうが、昨今の反喫煙運動によって、タバコが吸いたいと言えない風潮にはないかと喫煙者の私は考えてしまう。
 災害時にタバコが吸えないことは、喫煙者にとってかなりのストレスではないか、という思いに至る。被災し、心的余裕をなくした人にとって喫煙が精神的な癒しとして大きな役割を果たしうるのではないかと思うのである。
 そう考えるとタバコを支援物資の中に少しでいいから入れてくれと言いたくなるのである。

(毎日新聞の投稿欄に投稿したものです。)
2004/10/26(Tue) 晴れ

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[ 管理者:まむ 著作:じゃわ 画像:牛飼い ]