[ つるちゃんのこと。(vol.12) ]
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つるちゃん
僕は、小中学校時代友達はいなかったと言っていいほど、人見知りしている人でした。よく、クラスに一人は、何にもしゃべらない子というのがいるものですが、僕はその一人でした。小学校3年か4年のころ、僕の笑ったところみたことないよ、という噂がクラス中に広まり僕は本当に笑えなくなってしまいました。 そんな折です、つるちゃんが転校してきたのは。つるちゃんは、転校生でしたが、明るく、誰とも仲良くなれる人で、クラスの人気者でした。僕は今でははっきりと思い出せないのですが、つるちゃんのうちに遊びに行きました。つるちゃんは、色々面白いことを言ってくれて、僕を楽しませてくれました。僕は思わず「ぷぅ」と笑ってしまいました。弱い人や、いじめられているひとを見るとほっておけないような正義感の強く、優しいつるちゃんでした。そんな人柄もあったのでしょう。ほっとしていて笑ってしまいました。 それから、20年以上たって、つるちゃんと再会することになるのです。つるちゃんは、姉が結婚してから住んでいたマンションの管理人さんの息子さんで、縁があり、またあってみることになりました。つるちゃんは、僕が出した年賀状「あけまして、おめでとら(寅年だったらしいです)」を大切に取っていてくれいたそうです。つるちゃんのお母さんは、転校生だったからうれしかったのよ、と姉に語ってくれたようです。僕はそんなに仲良しと呼べるほどではなかったのですが、つるちゃんの友達を大切にする心が嬉しかったのです。目立たなかった僕なんかのことを覚えていてくれたことが嬉しかったのです。 最近再会して、僕の「あけまして、おめでとら」が気に入ってくれていたという話を聞いて、すごく嬉しかったです。つるちゃんは、ちょっとまぁるくなってましたが、面影は残っており、優しさも人一倍の人となっていました。僕が気に入っていたジーンズをもう一本買うために、ユニクロのお店を一日に三軒もはしごしてくれるような人です。 僕はそんなつるちゃんと大切に長いお付き合いをしていけたらな、と思っています。
2003/11/16(Sun)
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