クリプトコリネって?

 主に東南アジアからインド、スリランカ、ニューギニア、中国南東部にまで分布するサトイモ科の植物。 クリプトコリネ(cryptocoryne)という属名の由来は、「crypto」というのは「隠れた」という意味であり、「coryne] は、「花序」のことで、つまりはその特徴的な花の姿をあらわした物である。 しかし、クリプトコリネを知ってくると、名前の由来が花ではなく、人里離れたところにひっそりと息づくその生活振りこそがその由来なのではないかと思われてしまうものである。 現在約百種類ほどあるといわれ、いまだに奥地より新種も次々に発見されている。恐らくそういった物も含めて、120種以上は存在するはずである。 当然種類種類によって様々な形状を示し、その特徴的な姿、 また様々な種それぞれの姿の違いなどからドイツなどを中心に世界中でマニアも多い。 ある意味、水草ファンの最終到達点であるとも言える。異論は多かろうが…。

 もともと成長力、繁殖力がそれほど旺盛ではなく、最近の生息地での汚染、山火事等により生息地が失われつつあり、絶滅の危機も叫ばれている。 採集業者による乱獲もその理由の一つであり、それゆえ我々アクアリストも、せめて水槽の中においては種の保存、繁殖に努めなければならない。

 クリプトの魅力としては、やはり特徴的な草姿のそのシブさにあり、その神秘的な花にある。一度花を咲かせてしまうと、もうあなたはこの属の魅力に取り憑かれてしまうに違いない。 また一株ごとに個性というか、特徴が有り、一株一株に愛着が沸くというのもこの属の魅力だろう。 また、機嫌を損ねたり(?)すると、溶けてしまうというちょっと気まぐれな性質こそがこの属の特徴的な魅力なのではないかと個人的には思っている。

クリプトコリネというと、どうも難しいというイメージの先行する人が多いようだが決してそんなことはないと思う。もちろん種類によるが、 一度植え込んで落ち着いてしまえばそんなにすぐに完全に溶けてしまうことはないし、 頻繁な水換えもトリミングもいらず、光量やCO2だってそんなに必要ではないし、 管理に関しては非常に楽な種だと言えるはずである。気を付けることは植え込み直後と水換えだけである。 尻込みしてないで、一度試しにやってみることを心よりお勧めする。


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