ささやかなおはなし |
冬の凍てついた空気が、目覚めろ、と体を動かす。 二酸化炭素に犯された脳を振って、窓の止め具をかちゃり、と外した。 自分の腕を自分でさすって、温度を逃がさないようにしていた。 「あのさぁ……」 ごめん、と赤い舌が口から伸びた。一緒に白いものがこぼれた。 例え窓を閉めても、部屋のストーブはもう能力を発揮できないだろうと思った。 「ほんとごめん。あと、誕生日おめでとう」 床に散らばったガラスの中で転がっていた石ころ。 「来年は失敗しないようにする」 じゃあこれで。と、くるっと向きを変えて走っていく。 「……さむー」 カーテンの揺れ方で。 |
おしまい。
晴れた日の音がする。。は、1月23日で、無事二歳になりましたー。 |
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