+小説暦+

前書き。小説家さんのあいうえお順、敬称略させていただいてます。
私は作者読みする傾向があります。
作者名/『作品名』 
水色が簡単キーワード
ミーハー感想です。真面目じゃございません。気をつけてますが、ネタばれありますたまに。

 ★ 最新版は読書メーターのほうにつづってます。 → 読書メーター+

国内のもの
青木和雄 『ハッピーバースデー』
児童文学
課題図書
夏休みの読書感想文の課題図書で、はじめて私が面白いと思った本。主人公・あすかちゃんがひたむきに愛されることだけを望む姿が可哀想で、読んでいてつらかったです。途中からお兄ちゃんが味方になってくれて非常に救われました。大好きになりました、当時。でもよく考えてみるとお兄ちゃんもまだ中学生だったんです。すごいなぁ。ハッピーエンド。終わり方がまた格別に好きなんです。
『イソップ』
児童文学
イジメや虐待、身近な人の突然の死を経験して、心に深い傷を持つ子供たちが、イソップ物語を引き合いに出して、自分のこと、家族のこと、友達のこと、たくさんのことを考えて、成長していく物語。
ママちゃんの「子供たちは宝物を見つける天才」という言葉がすごく印象的でした。その通りだなって。失敗してもいいとか、謝ったら許してあげるんだとか、と子供たちの考え方はとても柔軟で、ほっとします。むしろ大人たちの成長が必要だとやんわりと厳しく訴えられたような気がしました。

 

浅田次郎 『蒼穹の昴』
歴史もの
中国(明・清時代)
漢文が結構好きなので。流れるような文章にめろめろになりました。ビジュアルが辮髪なのと、科挙試験と、宦官のあたりを乗り越えられれば非常に面白いと思います。所々に出てくる歴史上知られた名前の人物たちがユニークで笑ってしまう。浅田さんの書く西太后が可愛くて大好きになりましたよ。脇役では、復生さんにやられましたよ。この時代の中国は本当に入り組んでいて、混乱したでしょうね。
『壬生義士伝』
歴史もの
新撰組
泣きっぱなしです。涙腺おかしくなります。何度も繰り返し繰り返して、追い詰める書き方をするんだもの。ううう。地の文も方言で語られるので、かなりなまってますが、慣れると温かみがあってよいです。ずっと雪が降ってます。ううう。
斎藤一が恐ろしくかっこいいと思いました。沖田さんとの「左側を歩かない」と言う挿話が妙に好きでした。
『鉄道員』
短編集
現代
何か事件が起こるわけでもなく。静かに涙が流せる本って貴重だと思いました。
有名ですが、特に『手紙』と『うらぼんえ』が好きです。

 

あさのあつこ 『バッテリー』
児童文学
スポ根
野球
ふてぶてしいほどピッチャータイプの巧くん。すごく生意気なんですが、カッコいいんです。その巧くんの天才ぶりに、よくも悪くも影響されている仲間やライバルたちが、立場や考え方や才能の差を感じてたびたびせつない要素を見せてくれるのがまた、いいんです。野球中心の話、というよりも、それにまつわるエトセトラのほうが重きを置かれているような。個人的に、海音寺先輩と瑞垣くんを応援してます。
『NO.6』
児童文学
ファンタジー
選ばれたエリートだけが住める都市、NO.6。そこで優れた才能のもとにエリートとして育っていた紫苑と、NO.6の外の世界を知る逃亡犯ネズミが出会って、というお話。
二人とも頭もいいし、人柄も温かくて好き。特に紫苑くんの危機管理不足の鈍感さがとてもよく、みんなのアキレス腱化しているのが面白いです。
『The MANZAI』
児童文学
女の子みたいな歩とスポーツマンの秋元、並ぶだけでなんとなく笑えてしまう二人の漫才のような日常を描いた物語。だと思います。面白い奴が一番かっこいい、笑いは世界を救うパワーを持っている。そのとおり! ずっと笑いながら読みました。脇役たちもぴりりと輝いていていい感じです。気持ちのいい一冊。
『ガールズ・ブルー』
児童文学
女の子同士の友情もいいもんだよねえと思いました。が、やっぱりあさのさんの書く男の子が好きです。かっこよくて、つい脇役なのに目がいきます。……私の性別が女だからでしょうかね。続きが読みたい。

 

伊坂幸太郎 『ラッシュライフ』
現代
ミステリ
独立した細切れの話がバトンで繋がれて、リレーしていく、表紙の絵どおりの物語。
ゴールテープを切った瞬間、お見事!と思わず拍手しました。とても気持ちのいいラストでした。黒澤さんの、泥棒とはどうあるべきかのうんちくを聞くのが楽しかったです。これからもちょこちょこ登場してほしいなぁ。
『陽気なギャングが地球を回す』
『陽気なギャングの日常と襲撃』
現代
サスペンス?
嘘を見破る名人、スリの天才、演説の達人、体内時計の持ち主、そんな四人の個性的な男女が銀行強盗をする話。
シリアスな場面そっちのけで、ぽんぽんと交わされる会話のギャップがたまりません。四人の能力がぴたりとはまる瞬間が爽快です。面白かった!と読み終えた瞬間に思えました。こういう感覚は結構貴重なような。
『重力ピエロ』
現代
ミステリ
春が二階から落ちてきた。
というなんとも印象的な一文から始まる家族の物語。きれいな文章が次から次へと出てきて、読んでいるうちに作品の上でぽっかりと浮かんでいるような、そんな心地よい感覚がたまりません。大好きな言葉がつまった大好きな一冊になりました。私、二階から落ちてきた春くんがとても好みです。
『アヒルと鴨のコインロッカー』
現代
ミステリ
なぜかいきなり本屋を強盗するシーンから始まり、一気に惹き込まれます。現在と二年前とが交互に語られていき、広辞苑から適当に引っ張り出してきたような題名のなんとも意味不明な三つの単語の意味がわかったときには爽快な気分になりました。私は疑う余地もなく仕掛けに騙されてました。でも絶対気づけないと思うんですけどねぇ……
『チルドレン』
現代
短編集
色々な人の視点で語られる話が一冊になって、新しく一つのストーリーが浮かび上がってくる。共通点は、陣内さん。この人クセ者です。色んな立場や境遇の人が出てきますが、どの人も口を揃えて変人扱いしています。ちなみに、永瀬さんの優しい視点が一番好きかなです。伊坂さんを初めて読むならこの話からが入りやすいかも。
『死神の精度』
現代
短編集
面白かった。やっぱり伊坂さんは軽めの読み物のほうが好み。カタオモイの話とおばあちゃんの話がとてもよかったです。
途中の仙台で出てきた落書き青年は「春くん」ですか?
伊坂さんの唐突に繋がる世界は良し悪しですね……

 

いしいしんじ 『プラネタリウムのふたご』
ファンタジー?
テンペルとタットルは、プラネタリウムに住んでいるふたご。ある日を境に、テンペルは手品師に、タットルは星の語り部になる道を選ぶことになる。
つまり、テンペルもタットルも人を騙すのが仕事なんです。物語を読む上でも、頭を空っぽにして、ころりと騙されてしまう、というか、すっかり信じてしまうぐらいがおすすめです。闇の怖さと温かさが同時に感じられる、すごくキレイなお話です。
『ぶらんこ乗り』
現代
ファンタジー?
内容も字の並びなどの見た目もちょっと不思議な世界にひたれます。何度も読み返してる。

 

石田衣良 『4TEEN』
現代
この人の書かれるお話って、若者が出てきては、めちゃくちゃをやらかすイメージだったんですが(池袋だね)みんな、大事にしなきゃいかんところはきちんとおさえてて。このお話でも、中学生4人組、確かに大人が顔をしかめるようなこともたくさんしでかすんですが、友達を大事にするとか、人を傷つけるようなことはしないとか、基本的なことはちゃんと理解していて。その見事な線引きぶりを読んで、なんだかほっとしました。
サインをいただいてしまった。うふふ。
『波のうえの魔術師』
現代
ある日、ぷーの青年が、あやしいおじいさんに株の手ほどきを受ける。私は化け物のような老人が出てくる話がとても好きです。株っていう奥深い世界が少し覗き見できて楽しい。 ドラマがすごい好きだったんですよ(原田タイゾーが特に)。石田さんの話ってメディア化するととても良作になる可能性を秘めているのかな。

 

伊藤遊 『えんの松原』
児童文学
和風ファンタジー
とある理由から女の子の格好をしている音羽(丸)。ある夜、音羽の仕えている邸に忍び込んできたのは、東宮憲平だった。
身分や性別をこえた友情に私は弱い。二人とも素直でけなげで、そういう少年に私は弱い。大人になっても、今の関係でいられることはないだろうけど、二人ともお互いにかけがえのない存在になったんだろうな。
『鬼の橋』
児童文学
子供時代の小野篁がでてきます。最初はいやなやつなんだけど、だんだんたくましくかっこよくなってくんです。少女、阿子那と非天丸の心の交流がしんみりと泣けます。

 

上橋菜穂子 <守り人シリーズ>
『精霊の守り人』
『闇の守り人』
『夢の守り人』
『虚空の旅人』
『神の守り人』
児童文学
ファンタジー
短槍使いのバルサをはじめ、呪術士見習のタンダ、新ヨゴ国皇太子のチャグムなど、魅力的な登場人物いっぱいです。特に、30過ぎのおばさん(じゃないけど全然)バルサがたまりません。カッコよすぎます。
民族学の知識が反映されているようです。しっかりとした世界の土台作りが、そこに生きている人々をリアルなものにするのでしょうか。国によってまったく違う、独特の文化が面白いのです。
番外的な『虚空の旅人』が、一番シリーズの面白さを凝縮している気がします。
『狐笛のかなた』
児童文学
和風ファンタジー
傷ついた子狐を助けた一人の少女と一人の少年。子狐は、呪者に使役されている野火。少女は、聞き耳の力で人の心が読める小夜。少年は、森陰の屋敷に幽閉されている小春丸だった。
せつなすぎました。とくに霊狐の野火の健気な愛し方には、涙が止まらなかったです。ちょっと物足りないような気になったのはきっと、もっと幸せな結末を迎えてほしかったらでしょう。いや、とてもきれいなラストなのですけど、胸に痛かったので。
『獣の奏者』
児童文学
ファンタジー
けっして人に馴れずまた馴らしてもいけない獣を、少女エリンは馴らす術を身につけてしまう。それは古の人たちが禁忌とする法だった。期せずして、エリンは国家の命運を握る鍵となってしまう。
どんなに心が通っているように人間側が思っても、獣側はけっしてそうではない……
という根底はずっとゆるがなくて、切ない気持ちになりました。だからこそのラストがまたすごく好き。もしかしたら、という希望にすがることを、獣は赦してくれているように感じました。

 

魚住直子 『非・バランス』
児童文学
クールに生きること。それがわたしが中学でバランスを保って生きていくための方法だった。
バランスのいい人って私の中で最上級の誉め言葉なのです。でも実際いつも常にバランスのとれる人なんていないんだと思う。バランスを失ったとき、支えてくれる人って絶対に必要なんだろうなぁ。
『超・ハーモニー』
児童文学
有名な学校に入って、有名な会社に入って。ってのは今は否定されつつあるけれど。それでも一度はこの道を歩くことになるわけで。そこから外れることは怖いと思うのです。響には祐一兄ちゃんみたいな例が近くにあってよかったんじゃないかなと。自分の歩いている道を自分で確認することが第一歩で。そこから迷わずに踏み出せたときに、未来が開けるのだと思いました。

 

岡田淳 『放課後の時間割』
児童文学
岡田さん実は初体験。どの時間もすんごく可愛かったですが、やっぱりヤモリの回がお気に入りでしょうか。日常の中に突然現れる不思議の扉。あまりにも普通に現れるもんだから、すんなりと、子どものように受け入れてしまいました。

 

小川洋子 『博士の愛した数式』
現代
数学は一つしか答えがなくて導き出せなかったらそこで終わり、のような気がして苦手だったんですけど。それはたった一つの楽しみ方でしかなくて。物事にはたくさんの見方があり、たった一つの数字でさえも無限の可能性を秘めている。それを拾い上げてくる、博士のような職業ってとても素敵です。すべてが愛しく思える、優しいお話でした。

 

荻原規子 <勾玉三部作>
『空色勾玉』
児童文学
和風ファンタジー
ひとりは闇の血筋に生まれ、輝く不死の光にこがれた。
ひとりは光の宮の奥、縛められて闇を夢見た。
小学校の図書館ではじめて出会いました。活字を読むって面白いことなんだなと初めて思わせてくれた本です。読んでおいてよかった本です。日本古代というあまりなじみのない雰囲気のとりこになりました。美しく、妖しく、魅力的な登場人物ばかり。男性が美しいっていうことがどいうことなのかと想像したものです。カラスになった男の子が大好きです。
<勾玉三部作>
『白鳥異伝』
児童文学
和風ファンタジー
ひとりの手には輝の剣、ひとりの手には闇の勾玉。
神代の力を手にしたときに世界の果てに離れてしまった。
何度も何度も読み返しては泣いています。遠子と小倶那の、お互いがお互いのために命を投げ出してもいいほど思い合っているのに、対立しなければならない運命、せつなすぎます。
大好きなシーンがすごーくたくさんあって。大好きな台詞も、大好きな人もたくさんいます。私的ナンバーワンシーンは、海小屋での、「遠子の傷だったのに……」だったりしますが(ごめんなさい)で、最愛の人は菅流です。彼は、私の理想的な男性像なのです。
<勾玉三部作>
『薄紅天女』
児童文学
和風ファンタジー
滅びの都に天女が降りる。
手に伝説の明玉……  
三部作の中ではこの一冊が一番乙女心をくすぐるのではと思います。阿高は外見も中身もかっこよすぎます(のでひねくれものの私は藤太のほうが好きだったりするのですが)
三部作の中では一番恋愛色が強かった気がします。阿高が男の子らしい男の子だからでしょうか。やっぱ一番いいのはあれですよね、決めた?
『西の善き魔女』
児童文学
西洋風ファンタジー
セラフィールドの少女、フィリエルと、幼なじみのルーンの物語。二人とも秘められた過去を持っています。そのせいで、本人たちの意思とは関係なく、国家の女王争いに巻き込まれていくことになります。いつも思うのですが、荻原さんは少女の成長物語を書くのがうまいです。その女の子に振り回される男の子の成長もついでに書いてしまうのもうまいなぁと思います。
二巻あたりで宝塚の雰囲気になるのですが。女の子の集団ってすさまじいですね……。勝手な思い込みですが、ルーンは、ハリー・ポッターと坂本一至と似ているような気がします(いやみんな全然違うんだけど並べてみるとさ)
『これは王国のかぎ』
児童文学
アラビアンナイト
今手元になくて具体的な感想が書けませんが。ハールーンがすっごい好きでした。カッコいいよ、この人の気ままさ。
『樹上のゆりかご』
児童文学
学園ファンタジー
『これは王国のかぎ』のひろみちゃんが高校生になりました。どこか懐かしい、古めかしく感じる学園小説でした。舞台は思い切り現代だし、登場人物も今っぽいのだけどなんでかな。合唱コンクール、燃えました。思い出しました。
少しジェンダーを感じさせるお話でもありました。男の子が女の子を当たり前に女の子とみなして扱う、ということは、変なことなのかもしれない、確かに。でも私、直感で紳士的振る舞いをする男の子は嫌いじゃありません。浴衣少年大好きですが、会長も、そして加藤くんも好きです。
『風神秘抄』
児童文学
和風ファンタジー
久しぶりの新刊は、源氏と平家。多少知っている時代なだけに狭間で奔走する主人公の草十郎と糸世の姿が目に浮かぶよう。熊野など、情景描写は相変わらずため息がでるくらい素敵です。故郷のよさを再認識しますね。日本人でよかった、と。そしてなんといってもやはり、鳥彦王でしょう。草十郎が鳥の王として生きるというエンドを願ってしまうほど、カラスを愛しく感じました。ところで、草十郎は薄紅の彼のご子孫でしょうかね。
『RDG レッドデータガール』
現代ファンタジー
登場人物がみんな魅力的。続きが楽しみです。

 

乙一 『暗いところで待ち合わせ』
現代
視力を失ったミチルの家に、殺人容疑で追われているアキヒロがこっそり忍び込んだ。気付かれているのか?心を澄まし、お互いを感じつつ、奇妙な二人暮らしが始まった。
二人の距離が少しずつ、本当に少しずつ、近付いていくのが感じられて、その過程がいいんです。初めて触れ合ったときと、声を交わしたときには、思わず鳥肌が立ちました。誰かがそばにいてくれるだけで、救われているものがあるんだなと思いました。せつなさの達人、初体験でした。乙一さんの話の中で、一番好き。
『さみしさの周波数』
短編集
現代
これの手を握る泥棒さんの話がやけに好き。乙一さんなら他作品のほうが深いし、いいものが多いんですけどもちろん。個人的好みとしてこれくらいかるーい雰囲気の話も好きよということで。普通の話書いても巧いんだろうなと思いました。
『失踪HOLIDAY』
短編集
現代
同収録の『しあわせは子猫のかたち』が好きです。前の部屋の持ち主が置いていった猫。一緒に暮らし始めてみると、不思議なことが次々と起こり出した。せつなくて、優しくて。ミステリーの要素も含め、真相が明かされるときまでの心情の揺れがじかに伝わってきて泣けます。
『きみにしか聞こえない』
短編集
現代
『Calling You』がすごくせつない。なんとかなりそうなのにならない、もどかしさはきれいな文章のおかげで、不完全燃焼にならず。『傷』もそんな感じがしますが、こっちの場合は主人公たち二人が可愛すぎる……
『夏と花火と私の死体』
短編集
現代ホラー?ミステリー?
解説が小野不由美さんだったので手にとったのが始まりです。死体の一人称で語られる話です。何といいましょうか。ぞっとする不気味さがずーっとまとわりついていて。怖いのですが。けして私の好きな感じではないのですが。
アイディアは斬新だし、文章が、読みやすいんですよね、すごく。執筆当時17歳ってすごすぎる。
『天帝妖狐』
短編集
現代ホラー?ミステリー?
同時収録の『トイレの花子さん』のほうが好みだったりします。さりげなーいばらし方がいいですよね。トイレの落書きが題材なのにおしゃれ。
『GOTH』
現代
犯罪に第三者として関わろうとする。そんな思惑とは裏腹に結構踏み込んでいってしまう主人公が、好きですよ。共感するのは、その行為にではなくて精神に対して、なんですよね。その思いを実行するかしないか、曖昧だけれど明確な線が見えたような気がした一冊でした。

『銃とチョコレート』
児童文学?
探偵もの

世間は、怪盗ゴディバと名探偵ロイズの話題で持ちきり。もちろんリンツも名探偵ロイズの大ファンだった。−この名探偵のキャラクターがいい。ちょっと癖がありすぎる感じで。そしてドゥバイヨルがかっこよい。みんなおいしそうな名前なんですが、それも伏線になっていたりして、なかなか凝ったお話でした。子ども向け、と言い切れないところが、この作者さんらしいのかな。

 

小野不由美 『魔性の子』
現代ホラー?ファンタジー?
最初に読んで見事挫折しました。ので諦めて『図南の翼』後に読みました。高里くんの受難がいたたまれなくて。可愛い時代を知っているだけに。どうしてそうなるのかという理由は知った状態で読んだので、怖くはなかったのですが。これが第一冊目ってところが小野主上のすさまじいところですね……
<十二国記シリーズ>
『月の影影の海』
『風の海迷宮の岸』
『東の海神西の滄海』
『風の万里黎明の空』
『図南の翼』
『黄昏の岸暁の天』
『華胥の幽夢』
異世界ファンタジー
中華のかおり
初めて読み終えたときに、震えたのを覚えています。そもそもは高校の図書室の先生にすすめられて読んだのでした(先生ありがとう)
最近はアニメ化もされて、ますます人気なシリーズですが、一向に新刊の出る気配もなく。しかし文句なしの面白さゆえ、誰も小野主上には逆らえませんというわけで。最後まで読まずに死ねるか、がファンの共通語です。
もちろん面白いのはストーリーです。美しい日本語を再認識させてくれる文章も好き。
あと、出てくるキャラクターみんなことごとくツボにきます。誰もが、物語、十二国の一国を支える礎なのです。
私が一番好きなのは、『図南の翼』の主人公、珠晶です。永遠の12歳。彼女の我がままになら振り回されてみたいものです。あと、延王も愛してます。どうやら私は王びいきらしい……。主従コンビで好きなのは漣。暮らしてみたいのも漣かな。ああでも楽俊も好きなんですよ。やっぱ拾われたいですよ。あとね、夕暉や更夜あたりも捨てがたく(私は小野主上の書く少年に弱いです……)

すっかりミーハーな感想になってしまってますが。
こんな感想入り込む隙間のないくらい、恐ろしく整った読ませてくれる物語です。ファンタジーなんて。け。という方にもおすすめ。
読んでない人羨ましい!と思えてならないシリーズですよ。
泰麒が幸せになれますようにと祈りつつ、新刊を待っています。

<ゴーストハントシリーズ>
ホラー入門編
漫画も刊行されているしと続きを求め、うっかりホワイトハートから手を出すとネタばれで撃沈します。残念ながら小野先生は続きを書く予定はないそうですが、もしかしたらという期待をファンとしてはいつまでも持ち続けたいものです。ナルがすごく好きですが、麻衣ちゃんの味方です。漫画も好き。
『屍鬼』
超ど級ホラー
夜、部屋で一人きりでカーテンをわざと少し開けて読むと最高に怖くていいです。人間の底というものを見ることができます。
少年、結城夏野について語るだけで読書感想文ができあがってしまいそうな。でもやっぱり一言も語るべきではなく。夏野読みがしたいために分厚いハードカバー二冊、買ってしまいました。文庫版解説で宮部みゆきさんもおっしゃってましたが、読むなら絶対ハードカバーがおすすめ。
読後、ずどーんと一週間ぐらい落ち込みました。それくらい影響力の強い本です。

 

恩田陸 『蛇行する川のほとり』
現代
恩田さんの描く美少女でも美少年でも、人物造形に嫌味がないというか、独特の雰囲気を持っていると思う。この話は3人の女の子の視点で語られるのですが、彼女たちから見た他の人物とか物事への感じ方が興味深かったです。いまいちの存在感になりかかってる男性陣もでしゃばりすぎず好きでした。
『三月は深き紅の淵を』
現代
四部構成の一冊の本をめぐる、四部構成の一冊の本の話。これを内側の物語と外側の物語と呼ぶのだそうですが、内側で一番読みたいなと思ったのは第三章で、外側で一番面白かったのは第一章でした。本好きにはたまらない一冊だと思います。なにやらここから派生していく物語がものすごくたくさんあるようなので、一生懸命追いかけなくてはと思っている最中です。
『麦の海に沈む果実』
現代
学校、という舞台で恩田さんの不思議ワールドが展開される、なんて素敵なんだろう。うっとり。しかし、ちっとも先が読めませんでした。しかもあんまり好きじゃない方向にばかばか進んでいって、読後にすっきりしない感じが残りましたが、雰囲気は好きです。↑の三月の本がここにも登場(内の3章、外の4章となにやら繋がりが。メモメモ)
『夜のピクニック』
現代
3年間一緒に過ごした友達と一緒に、ただひたすら歩く行事。たったそれだけのことなのに、どうしてこんなにもドキドキして興奮するのか。恩田さん作品ならではの頭のいい美少年と美少女が出てきて、でも裏がなく、爽やかで。こういう普通の青春ものも読ませてしまうところがすごいなぁと思いました。かなり好きな一冊。マイナスの優しさという表現がすごくいいと思いました。
『光の帝国−常野物語』
現代
ちょっと不思議な能力を持った、常野の国の人々。その力のせいで起こる哀しい出来事を、穏やかに受け入れる姿が優しい物語だと思いました。世界の片隅に本当にこうい人たちがいるのかもしれない、そんな錯覚が信じられて、ちょっと救いにもなります。すべてを記憶しひきだしにしまっておく話と、耳のいい人の話が好きです。

 

角田光代 『キッドナップ・ツアー』
児童文学
女の子がお父さんに誘拐された夏休み。娘視点のお父さんは情けなくてだめな大人なのですが、どこか憎めないんですよ。お父さんが、どういう目的を持って娘を誘拐したのかとか、いろいろ気になることがあるものの最後まで明かされず。仲良し親子を見ながら、夏休みの終わり特有のもの哀しい雰囲気に浸りました。

 

金城一紀 『レボリューションNo.3』
現代・青春
こういうものを読むと、男の子に生まれたかったかなぁとちらりと憧れますね。頭がいい、というステータスは勉強ができるとイコールではなくて、成績悪い高校に通っている彼ら、ゾンビースが、やらかすことには、一々に、理由と筋が通っていて、パンチとしゃれがきいてて、かっこいいなぁと思います。
『FLY,DADDY,FLY』
現代・青春
おじさんもがんばる話。↑のゾンビーズも出てきたりします。客観的に見ると、みんなっこいいんだなぁと改めて感心したり。特に朴くんが! もちろん一番かっこいいのは、主人公のおじさんで間違いなし、ですが。

 

壁井ユカコ 『キーリ』
電撃文庫
死んだ人が見える女の子キーリと、不死人ハーヴェイと、色んな亡霊たちのお話。キーリが容姿も含めてかわいくてねえ。ハーヴェイがさりげなく優しくてかっこよくて好きなんです。年の差カップル好きな人にぜひすすめたい。
最近こういう淡々としたファンタジーが流行っているのかな。その中でも良質に感じました。

 

茅田砂胡 『デルフィニア戦記』
長編
異世界ファンタジー
王様がいたり騎士がいたりと、ファンタジーらしい長編ファンタジーだったなぁと。しかし。ただのファンタジーと呼ぶことは非常にはばかられます。戦記と名がつくだけあって、登場人物がたくさん出てきます。なんといいますか。どれも一癖ニ癖では終わらせてくれない人ばかりです。やかましいです。かっこいいです。そして頂点に立つ、王と王女が一番厄介です。10巻が一番お気に入り。
『スカーレット・ウィザード』
SF
ハーレクィーンロマンス?
海賊王と女王が出てきます。夫婦です。だんだん、主人公二人に振り回される周りが気の毒になってきます。
海賊王も女王も文句なしでカッコいいです。
ある意味とっても恋愛色の濃いおはなしだったのだと思いました。
『暁の天使たち』
ごちゃまぜファンタジー
やられた。というか、そりゃ反則だろう。と思いました。生理的にも拒絶反応を起こしかけたのですが、面白いからしょうがないですね。好きになったほうが負けなのです。登場人物の個性が強すぎて、その印象しか頭に残りません。読んだ後、面白さだけが先立って、ストーリー展開をちっとも思い出せないのは私だけでしょうか。
『桐原家の人々』
現代
家族もの
元気はつらつのホームコメディー。読んだ後、元気になれます。前向きになります。何が起こっても大丈夫な気がしてきます。零くんの番外編があるとは知りませんでした。茅田さんはとことん書いてくれるから好きです。

 

草野たき 『透きとおった糸をのばして』
児童文学
香織、知里、るう子。一緒に暮らし始めた三人を結ぶ透明な糸。
知里ちゃんの言葉が印象的。すごく嫌いですごく会いたくないと願った人でも、一度出会い繋がった糸を切ることはできない……。それは煩わしくもあり、救いでもあり。どう手繰り寄せるかは自分次第なんだよなぁと思いました。

 

五條瑛 <鉱物シリーズ>
『プラチナ・ビーズ』
『スリー・アゲーツ』
『3WayWalts』
現代
葉山さんに癒されます。だってエディも坂下さんも日本サイズで収まってくれないんだもん。
うーん。この人の描くものは男女ともに扱いがひどいんだけれど。信念がしっかりとしている人ばかりでひどいことをひどいって認識した上でやっているから、そこまで嫌悪感を抱かなくてすみます。むしろ魅力的に見えてくるから不思議です。
北朝鮮やアメリカ、安全保障問題とか、どっかで聞いた覚えのある事件にスポットが当てられて、とてもタイムリーです。時代遅れになる前に読むべし。自分の価値観を大事にすること、に気をつけて私は楽しんでいます。
<鉱物シリーズ・番外編>
『夢の中の魚』
『君の夢はもう見ない』
現代
夢の中の魚は、韓国人スパイ洪のお話。で、君の夢〜は葉山さんの下の階に住んでいるメールマン仲上さんのお話。二人とも本編ではさらっと出てきたただの脇役のくせして、大変なことをやらかしてます……。これでもう例え一行の出番でも(登場しなくても)無視はできないなと悟りました。ちなみに私は仲上さんが大好きかもしれない、どうしよう。
<革命シリーズ>
『断鎖 Escape』
『紫嵐 VioletStorm』
『心洞 OpenSesame』
現代
貴様、こんなところで何をしているんだ、と突っ込まずにはいられません。ここにいやがりますよ!と某アナリストさんに情報を流してあげたい。上の作品と微妙にリンクしておりやがります。
あの男の子に、スミレという名前はぴったりだなぁと思いました。これから化ける子なんだろうな。亮司さんの普通さが心のオアシスです。大好き。お願いだからそのままでいてくれ(無理そうだけれど)↑とは出版社が違うからこれ以上関わることはないんでしょうか……謎です。
『スノウ・グッピー』
現代
自衛隊
軍事機密グッピーが自衛隊機とともに海に沈んだ。グッピーをめぐる争いを描いた物語。日本の、今とこれからの問題について触れていて、妙に神経を刺激されます。三津谷さん(主人公)の最後の決断については色々言いたいことがたくさんありますが。問題提起、としてはいい一冊なのでは。
五條さんの描く男性は誰を選んでも、どこか色気があって、かっこいいです。三津谷さんも宇佐美さんも江崎くんも好き。きゃーきゃー騒げる仲間がほしいな(笑)
『熱氷』
現代
氷山の氷ハンターだなんて壮大すぎて想像もつかない職業です。いつにもまして登場人物の年齢層が若くて優しい(甘い?)子が多かった気がします。双子とか可愛くて大好きでしたよ。主人公を最後の良心、みたいな扱いにするのはなんだかこだわりでもあるのですかね。

 

今野緒雪 『マリア様がみてる』
コバルト文庫
女の園に紛れ込むお話。大人気なんですね(笑)私はかわいい女の子に弱いです。いっぱいで嬉しいです。でれでれです。そういう雰囲気を匂わせてるところもあるけれど、全然そうじゃない場面でもやけに勘ぐって照れてしまいます。白薔薇ファミリーが好き。とくに志摩子さん。

 

坂木司 『青空の卵』
『仔羊の巣』
『動物園の鳥』
ほんわかミステリー
主人公・坂木くんと、ひきこもりの友達・鳥井くん。坂木くんのいい人ぶりは充分鳥井くんにも負けない個性だと思うのです。だから二人の周りには素敵な人たちが集まってくるんじゃないかな。二人ともお互いがいないとダメダメで、友情よりもずっと深い関係のようで。これから二人がどうなっていくのか心配で心配で。でも、ラストまで読んだら大丈夫、と思えました。

 

佐藤多佳子 『黄色い目の魚』
青春恋愛グラフィティー
きました、どツボに。みのりちゃんと木島くんの16歳の可愛い恋愛模様を描いた普通の青春小説、です。でもそういうのってなかなかないんですよねえ。私はそうでもなかったんですが、読む人が読むと涙が止まらなくなるシーン満載みたいで。言われてみると、大きな喪失感を秘めている物語なのかもなぁと。青春のきらきらとしたものが、胸にぐわっと押し寄せて。
細かくて申し訳ないけれど、P.275の木島くんの呟きがお気に入り。
『神様がくれた指』
現代
ある日、占い師は傷ついたスリを拾った。そこから二人の奇妙な同居生活が始まっていくのですが。二人とも奇妙な職業なので、全体的に妙な雰囲気の話でした。出てくる人たちのことごとくどっか変。占い師とスリが、微妙な三角関係になってたところがいいなぁと。
『しゃべれどもしゃべれども』
現代
またもや奇妙な職業。今回は、落語家。三つ葉が開いた落語教室に通ってくる、しゃべりたくてもしゃべれない人たち。私も口下手なほうなので、みんながだんだん自分の言葉で話せるようになる過程が染みました。
村林くんの落語のシーンがすごく好き。
『サマータイム』
『九月の雨』
児童文学
広一くんが弾く右手が強いサマータイム。主人公三人の視点で語られますが、広一くんの回が一番スキだったな。すごくいいんだけれど、もうちょっと踏み込んだ話が読みたかったというのがミーハーな感想で。進の上手になったピアノを聴いて、広一くんがどう思ったとか知りたかったです。
私が持ってるのは文庫本。解説が森絵都さんのです。
『一瞬の風になれ』
青春小説
幼い頃から、新二はプロとしても将来有望視される兄を目標にサッカーを続けてきた。けれどその背中は遠く、どうしても埋まらない距離をずっと感じてきた。サッカーを辞めようと決心した新二は、幼なじみの連のおまけで、「かけっこ」を始めることになる。
ずっと精一杯全力で、荒削りなんだけど本物で、主人公の新二も、物語全体もそんな感じでした。手抜きがなくて、逃げもなくて。すごく痛い。苦しい。でもだからこそ得られる快感もあって。
読み終えて、今の感想はこれに尽きます。すごく疲れた。……でも続きがもっと読みたいような、もっともっとって貪欲になれる物語だと思います。

 

佐藤ラギ 『人形(ギニョル)』
SM小説?
人形と呼ばれる少年に魅せられた男たちの話。
あやしくて美しい雰囲気。生理的に受け付けないシーンがたくさん出てきて、ぶっちゃけ気分が悪かったです。でも最後まで読むことができたのは、私もどこか人形に惹かれてる部分があったからだと思います。自虐的でありながら気高いというか。 不思議な話でした。

 

佐野洋子 『コッコロから』
初恋愛物語
こけしのようなカワイさで、みんなに愛される亜子。美人とは程遠い自分が恋愛をするだなんて信じられない。しかも超二枚目東大生相手にだなんて。
という設定が最初からツボでした。亜子ちゃんの人生の悟りっぷりにはジョン・ローン・マサノリじゃなくてもメロメロだと思う。下手な美人より亜子ちゃんになりたいです。
ちなみに著者は、『百万回生きたねこ』の絵本で有名な佐野さんと同じ方ですよ。

 

時雨沢恵一 『キノの旅』
電撃文庫
黒星紅白さんのイラストともに独特の無常な世界観にメロメロになっているわけなのですが。私が好きなのは、定番の『優しい国』と、『砂漠の真ん中にて・b』『続・絵の話』『伝統』(シズさまの可愛さが!)『橋の国』『人を殺すことができる国』『安全な国』『祝福のつもり』かな、です。ちなみに一巻の話は全部好き。元祖キノがすごく好きなので。

 

 

重松清 『その日のまえに』
現代
風邪をひくと思い切り泣ける話が読みたくなるのでチョイス。鼻水が出過ぎました。その日を日常で意識して生きていくことは私にはとても無理そうです。でも、自分や大事な人のその日を知ることができるなら、一日一日を引き算していくような生き方はしたくないですね。この話の登場人物たちのように、その日のあとも生きていくことを考えたいと思いました。

 

 

柴田よしき <RIKOシリーズ>
『RIKO-女神の永遠-』
『聖母の深き淵』
『月神の浅き夢』
現代
主人公・村上緑子さんは、刑事としても女性としてもかなりデキル部類の人で。色んな魅力的な男性が出てくるのですが、みんなして、彼女に対して何らかの感情を抱くんですよ。愛とか尊敬とか嫉妬とか憎悪とか。そのせいで彼女は、すごく羨ましい状況になったり、これでもかってぐらい酷い目にあったりします。でも彼女はたくましいんですわ、巻数を重ねるごとに、世の中で一番強いのは母親なんだなって思い知らされます。でも私は実は彼女が、そのたくさんの傷で苦しむ姿を見るのが好きなんですけどね。いやそういう趣味ではなくて。彼女が時折見せる弱さにいやおうなく惹かれます。
『聖なる黒夜』
現代
↑で彼らについて語らなかったのはこちらで語ろうと思ったからで(笑)RIKOシリーズにも出てくる、麻生さんと山内の過去がわかる話です。
山内は紛れもなく大多数にとって、害、なのですが。極地的に彼に対して例外の感情を認めてる人たちがいるんですね。その代表格が麻生さんで。山内と麻生さんの関係については切ないとか痛いとか色々あるのですが、なんだろう、二人で線路を見にいく場面が好きで、朝が近いっていうのが再生のイメージというか、山内と麻生さんに救いがあればいいなって思うんです。もう性別なんていうのはですね、はじめから関係ないんです。私は極上の恋愛小説だと思って読みました。
<花咲慎一郎シリーズ>
『フォー・ディア・ライフ』
『フォー・ユア・プレジャー』
『シーセッド・ヒーセッド』
現代
元刑事の経験を生かして探偵をしながら、保育園の維持費を賄っているという花咲さん。なごみ系。でも山内に多額の借金あり、しかも好意をもたれているというかわいそうな人(笑、えない)こちらで出づっぱってる斎藤さん、RIKOシリーズでもちらりと出てましたが、やっぱり好きだと確信(埋められても愛を疑わない、すごい)上の二作品に比べれればハードではない、ような気がする。やっぱり子どもたちと保母さんたちの存在が大きいんだろうなぁ。
『ふたたびの虹』
現代
小料理屋の女将さんとお客さんたちの交流を書いた穏やかな短編集。女将さんと、古道具屋さんのご主人の、ゆっくりのんびり進んでいく関係がとても素敵。そして、どの場面に出てくる料理もものすごくおいしそうです。
『炎都』
『禍都』
『宙都』
現代パニックファンタジー
京都が地震で崩壊したり、妖怪が跋扈したり、宇宙から謎の生命体が襲来したり、島が動き出したり浮かんだり、というなんとも想像のつかない展開が次から次へと待ち受けている話。パニックファンタジー、納得です。でもやっぱりこの人の書く女性たちは変わらず、強くてかっこいいです。 個人的に、人間とヤモリのカップルがかわいくて大好きです。

 

島本理生 『生まれる森』
現代恋愛
今度あの人に触れたら、きっとわたしは死んでしまう。そんな帯の文句を読んで、そんな恋はしたことないと思って手に取った一冊。ドロドロとしたものも出てくるけれど、きれいであっさりとしていて後に何も残さない、優しくて切ない話だと思いました。
『ナラタージュ』
現代恋愛
先生と生徒の恋愛ものの醍醐味どおり、先生と生徒の間の線でふらつく二人とか、それをちょっとしたハプニングで越えてしまう所とかドキドキします。けど、しっかりとリアルを踏襲していた気がしました。恋愛の切なさを越えて、ちょっと痛い気持ちに。作者さんの年齢が近いせいか、うまいなぁと思いました。

 

白倉由美 『きみを守るためにぼくは夢をみる』
現代恋愛
ほんの少し眠っただけ、けれどその間に現実では10年のときが過ぎていた。弟には年も背もサッカーもすべて追い越され、同級生だったはずの彼女は20歳になっていた。
ええと、いつのまにか年の差カップルになってしまってむしろツボにきました(笑)大きくなった弟がまたかっこいくてそれが切なさをそそります。まあ、でも主人公の10年後には期待大ですね。

 

須賀しのぶ <流血女神伝シリーズ>
『帝国の娘』
『砂の覇王』
コバルト文庫
ファンタジー
少女・カリエが大きな運命の渦に巻き込まれていくお話。このカリエさん、どんな逆境にも負けずにたくましくてあっぱれな娘さんです。そして、誰とくっつくのか、というのが少女小説なのでとても気になるのですが、これが思いもよらない方向に。びっくりしました。いまだにエディを応援しているのですが……難しいでしょうかね(苦笑) バルアン王子は好みなんですけども。あとはミュカが好き。

 

瀬尾まいこ 『図書館の神様』
現代
国語講師で文芸部顧問の清(女性)と文芸部(部員一名だから自動的)部長の垣内くんとの一年間のやりとりを描いたお話。
この図書館の神様こと垣内くん、元サッカー部だけあって見た目からは想像つきませんが、真性の本の虫で、かっこいいです。あと清の弟が生まれながらの紳士だとか、不倫相手の作るケーキがうまいだとか、ツボのたくさん詰まったお得な一冊。とくに垣内くんの作った「雑草」という詩は傑作だと思います。尊敬。
『幸福な食卓』
現代
家族のあり方はそれぞれ、でもこの家族は特別変です。ささいなことが大事件になったり、大変なことがささいなことになったり。変わらないのは食卓を囲むという決まりごとだけ。
ここの兄妹は、ある意味理想的な関係かもしれないとも思います。変なんですが。他と違うこと、が価値のあることなのか意味のあることなのか、考えさせられる一冊でもあります。

 

宗田理 <ぼくらのシリーズ>
<新・ぼくらのシリーズ>
『ぼくらの七日間戦争』
 〜
『新・ぼくらのサムライ魂』
青春もの
小学生のときからずっと追いかけています。新シリーズは、インターネットなんかを使ってぼくらの仲間は全国に広がっています。前シリーズとはまったく関わりなしで書いていくっておっしゃってましたが、できればちょっとだけ関わってほしいものです。また別のシリーズで、菊地くんは先生になってます。生徒をわざとけしかけて、自分に挑戦させようとする、悪い先生です。好きだなぁ。

 

高里椎奈 <薬屋探偵妖綺談>
『銀の檻を溶かして』
 〜
『雪下に咲いた日輪と』(12巻目)
現代ミステリー
妖怪もの
生まれつき、人を口説く習性を持つ青年・座木、赤髪でちょっとだけ人見知りが激しい男の子・リベサル、天使のような容貌で悪魔の心をくるむ少年・秋、という風変わりな三人組が営む深山木薬店。普通の薬店では扱えない薬を売ったり、人でないものが巻き起こした事件を解決したりするのがおもなお仕事。
そういった関係で、色んな種類の人たちが登場するのですが、やっぱり主役の店主・秋くんのインパクト強しです。もう文句なしでかわいい。しかも一番背負ってる謎も深い、という所がまた。この話では、事件の犯人を暴く、というだけではなくて、様々な所に謎が隠されて、それを解くためのヒントが散らばっています。はっきりいって、私の理解力はリベサルくん以下だと思われ、本当に理解できているのか自信なし(だからわかったときは二倍嬉しいのですが)。
一番好きな一冊は、第7巻『本当は知らない』。好きな人は、秋くんの友人の木鈴くんと、道長円くんであります。わかりやすい!という声が遠くから聞こえてきそうです。
『それでも君が−ドルチェ・ビスタ−』
ファンタジー?
正統派のおとぎ話のような雰囲気で、登場人物たちが楽器の名前になっていたりして、かわいいんです。でもどこか胃の底のもやが晴れない気持ちで読んでいたら、最後にばっさりやられました。びっくりしました。続編はぱらぱらと読み衝撃を受け、まだ読んでいません。

 

高野和 『七姫物語』
電撃文庫
国を継ぐ次代のものとして姫が乱立する世界、主人公は七人目のお姫様。ごく普通の女の子が、頭の切れる軍師と腕の立つ将軍にかつがれる話。3人のやりとりが面白いです。いつか失われてしまうものだろうなと思えて切ないです。あとおそばについて回るヒカゲさんも素敵。キレイな文章ですが、話の進みがゆっくりに見えるのでちょっとじれったいかも。

 

橘早月 『オーバー・ザ・ホライズン』
電撃文庫
飛行機と猫と少年と少女のお話。この人の書く、背負わなくてもいい不幸を背負いにいく、でもどこかあっけからんとしている主人公が好きです。大物になりそうで。できればもっと登場人物が増えてきたら面白そうだなと。猫の故国あたりが気になりますね。

 

 

辻村深月 『冷たい校舎の時は止まる』
学園ものミステリー
大雪の日に同級生8人が校舎内に閉じ込められた。どうやら文化祭で起きた自殺事件が原因らしい。しかし死んだクラスメイトについて何一つ思い出せなくて…という話。誰一人、自分ではないと言い切れずに、自分を疑い相手を疑うシーンが切ないです。誰なのか、という謎解き部分も楽しめる話ですが、登場人物、特に男性陣が魅力的だと思います。榊はもちろん、鷹野くんのリレーバトンエピソードはずるい!と思いました。そんな私は、天然フェミニスト昭彦が好きなんですけどね。
『スロウハイツの神様』
現代ミステリー
人気作家チヨダ・コーキを中心に、漫画家、画家、シナリオライター、映画監督など様々な卵が集まる家、スロウハイツ。あのトキワ荘をモデルにして作られたんだろうなぁという物語。一人一人を掘り下げていくうちに、生まれる謎、解かれる謎のバランスがとてもいい。最後まで一気に読んでしまった。
― 「チヨダ・コーキの小説のせいで人が死んだ」
なかなか衝撃的な出だしでした。
『凍りのくじら』
現代ミステリー
藤子・F・不二雄を先生と呼ぶ高校生・理帆子。学校と病院を行き来する毎日の中で、理帆子はちょっとした遊びをはじめる。藤子先生のSF(すこし・ふしぎ)定義をもじり、自分や周りの人物たちにあてはめていくのだ。
私も主人公ほどではないんしてもドラえもん好きなので、ネタが出てくるとにやりとしました。どうも、辻村さんの描く女の子は好みじゃないんだな。どうも思考に共感できない部分があって苦手です。逆に、男の子はかっこよすぎるほどなんだけど。でもさみしくて、空虚な物語の感じは好みです。

 

 

梨木香歩 『裏庭』
児童文学
現代ファンタジー
ちょっと不思議でちょっと怖かった。読んでて。流れるようなお話で特別語るような出来事もなく。お母さんがいつのまにか少女に戻っているのが印象的だったです。
『西の魔女が死んだ』
児童文学
最後の三行といわず、なんでだかおばあちゃん登場の最初のシーンから泣いちゃって、読み終わるのに時間かかりました。最後も悲しみを残すだけじゃない、こういう優しい生き方がしたいです。

 

成田良悟

『バッカーノ!』
電撃文庫

魅力的な登場人物がわんさか出てきて時代をまたいで馬鹿騒ぎ(=バッカーノ(伊))する話。登場人物50人くらいいるので覚えきれてませんが、私はこういう同時進行する複数の話がぴしゃりと重なる話は大好きです。気持ちよかった。面白かった。
作者さんがバイタリティあふれてるのも伝わってきてよかよかです。すっかりファンになってしまった。

『デュラララ!!』
電撃文庫
池袋を舞台にした若者たちの群像劇。個性的すぎるキャラクターたちが動くだけで物語ができる。面白かったです。

 

西尾維新 <戯言シリーズ>
『クビキリサイクル』
 〜
『零崎双識の人間試験』
ミステリー
というか現代ファンタジー
戯言遣い・いーちゃんが数々の難事件(に巻き込まれる、というよりは)を引き寄せる話。主人公の資質はばっちりだよいーちゃん!という感じで励ましてしまいます。かわいそうに。そして私は、ミステリーといよりはファンタジーを読んでいるつもりで読んでいます。もうキャラクターの魅力に尽きる話かなと。出てくる人みんな、変てこな名前にふさわしく変てこです。そして付いている通り名がみんなことごとくツボです。玖渚ちゃんの死線の蒼でデッド・ブルーとか、とても素敵だ。人間失格・零崎人識が大好き。普通に生きていてほしいぞ。あと、玖渚ちゃんのお兄さんがかなーり気になってます。好きな匂いがぷんぷんします。
いーちゃんの本名がわからない私はおばかなんでしょうか……。どなたか分かったらこっそり教えてくださいませ。

 

畠中恵 『しゃばけ』
ファンタジー
身体が弱く、気持ちが優しい若だんなの周りにはいつも妖怪たちがいる。みんな、若だんなに対して過保護すぎです。きっとこの話は若だんなの自立、の物語になるんでしょうね。そうなったときの、佐助と仁吉の反応が楽しみです。

 

姫野カオルコ 『ツ、イ、ラ、ク』
現代恋愛
「体温のある指は気持ちいい。濡れた舌は気持ちいい。それらが腰を撫でるのも、腹をすべるのも、背中を撫でるのも――」というあおり、しかも、教師と生徒の恋愛もの。どきどきしながら読んだのですが、びっくりするくらい爽やかな純愛小説でした。先生と生徒ですから、やはりこれくらいの苦労はしてもらって結ばれてほしいと思いましたよ。大満足。

 

藤野千夜 『ルート225』
現代ファンタジー?
背中に、ダイオキシン8倍!と書かれたシャツを着た弟と、晴れてるのにビニル傘を持った姉は、家路を急いでいた。でもたどり着いたのは「家」じゃなくて「家´」だったんだ。
正直、なんだかよく分かりませんでした。結局、謎がとけないままだったから。頑張る姉弟が見てて微笑ましいです。でも、笑ってる裏で大事なものを忘れているような気になる、不思議なお話でした。

 

三浦しをん 『風が強く吹いている』
青春小説

万引きした走のあとを追いかけてきたのは、清瀬ハイジ。走の才能に惚れこんだハイジはずっと心温めていた計画を実行に移す。ド素人の寮の住人たちを巻き込んで、箱根駅伝に挑戦する―。 駅伝というスポーツの特質上、一人一人のランナーが背負って走るものが見事に描写されていて大満足の一冊でした。読後感がとても気持ちのいいお話だ。

 

水森サトリ 『でかい月だな』
SF児童文学
満月の夜に親友に崖から蹴り落とされた「ぼく」の話。いいタイトルだなぁと思って読みました。ぼくの抱えた問題は相当大きなものですが、変人たち知り合うおかげであまり暗くなりすぎず。他人、友人、恋人、家族、宇宙人、周りの人をいろいろ定義してみても、最後に残る自分はひとり。ちょっと不思議な感覚のお話でした。

 

宮部みゆき 『模倣犯』
現代ミステリー
悪役が魅力的だと話は面白くなる、と思います。皮肉なことですが。そういう意味でピースにはすごく惹かれました。まるでゲームみたいに、冷静に犯罪を行われると捕まらないだろうな(の割には最後があっさりしすぎてたけれど)豆腐屋のおじいちゃんや、塚田くんみたいな人がいるから世界は成り立っていくのだと思います。どんなにつらい状況にあっても、優しくできるっていうのは強さなんですよね。
『レベル7』
現代ミステリー
宮部さん初体験でした。謎が謎を呼び、一つ一つきちんと解決されていくのが快感です。一気に好きになりましたね。
『竜は眠る』
現代ミステリー
超能力
私は宮部さんの描く少年が好きなんです。そういう意味でこの本はおいしすぎました……。健気でせつなくて、胸が締め付けられます。
『ステップ・ファザー・ステップ』
現代
家族もの
双子の兄弟と泥棒のやりとりが、ほんわかで癒されます。こういう優しい物語が大好きです。
『ドリームバスター』
ファンタジー
宮部さんは何を書いても面白いですが、ファンタジーは気合の入り方が違う気がします。世界観構築がすごいと思います。深い。まだ謎が謎を読んでる状態なので、続きが楽しみだー。
『狐宿の人』
時代劇もの
海と山に囲まれた丸海藩で続く、不吉な出来事。人々は言う、これは加賀殿の祟りだ、と。山のふもとに建てられた屋敷には、江戸で大罪を犯した加賀殿が幽閉されていた。一方、一人の小さな少女がいた。阿呆のほうと名付けられた少女は、様々な縁に導かれ、加賀殿のお屋敷に奉公に出されることとなる。
昔は今より理不尽というか、優しい人が長く生きられない時代で、だからこそ命の重みというものがあったのだろうと思います。とてもかなしいお話でした。
『ぼんくら』
時代劇もの

登場人物は個性豊かでみんなあったかい。とくに主人公の平四郎と「超」美少年の弓之助のやりとりは微笑ましくていいですね。
のんびり屋の平四郎さんが途中で、これ以上真実をさらす必要があるのか、と悩む場面があるのですが。共感しました。「いつでも真実は一つ」。でもミステリーを読むと探偵さんたちがもう少し優秀じゃなかったら、と思うようなときがあります。知らなくてもよいことって、世の中に実は結構多いんじゃないかしら。

『日暮らし』
時代劇もの
宮部さんは時代ものが一番、という意見をよく聞きますが、確かにそのとおりかもしれない。日暮らしっていい題名だなぁと思いました。相変わらずかわいらしい叔父と甥っこです

 

村山由佳 『星々の舟』
現代恋愛
禁断の恋に悩む兄妹、不倫を続ける末妹、居場所を探す団塊世代の長男、コンプレックスを抱える姪っ子、戦争の傷を癒せない父。そんな家族の6つの短編。私は最後の2編が好きです。ラストの墓参りシーンは、何があるわけじゃないのですが、涙が出ました。

 

森絵都 『カラフル』
児童文学
一回死んで他人の身体でもう一度人生をやり直す、というのが大まかなストーリー。
小学生時代に読みたかったですね。周り友達がみんな小学生のときに読んだと言うので余計。途中で謎が解けてしまったけれど、それでもふんわり癒される素敵なおはなしでした。
『つきのふね』
児童文学
ノストラダムスの予言によれば未来はやってこないという。さくらは、友情とか恋愛とかに悩みながら、なんとなく毎日を生きている。運命の日、つきのふねはやってくるのだろうか。
変な人がたくさん出てくる話でした。みんな、どこかしらに変な病を大事に抱えていて、そういうのひっくるめて愛しくなるものなんだわ。と思いました。
『DIVE!!』
児童文学
スポ根
飛び込み
無限の可能性と闘志を秘めた知季、天性のバネと豪快なジャンプを持つ飛沫、才能も努力も人三倍な要一。三人とも、振り返れば飛び込みしかなかった。オリンピック出場権を賭けて、彼らはコンクリートドラゴンの上に立つ。
かわいい知季、野性味溢れる飛沫も大好きなんですが、カッコよくてもてるのに、三人中で一番恋愛経験の薄い要一くん万歳だったりします。レモンイエローも許します。三人が色々なものを捨てて、手にしたものは唯一のもので。うがあ!スポーツっていいなこんちくしょう!と悔しくて羨ましくてたまらなくなりますよ。
『いつかパラソルの下で』
現代
児童文学ではない、大人に向けて書かれた読み物だというのは題材からして分かるのですが(父親の恋愛とか不倫とか性描写も出てきますし)、それでも後味がいいのは森さんだなぁと思いました。野々の心情がわかるような気がしました。なんでもない日常に巧妙に隠されたものに気づいたときの不安とか。外から見れば小さいことでも、自分にとっては大きなことというのはよくありますよね。

 

森博嗣 『スカイ・クロラ』
ファンタジー?
表紙惚れ、です。すごくキレイですよね。青空と、浮かぶ言葉。中身も表紙負けしないキレイさでしたが。なんとも言えません。薄荷の飴をなめた後の感想と似ています。

 

森雅裕 『モーツァルトは子守唄を歌わない』
歴史もの?
ミステリー
モーツァルトは毒殺された。その真偽を確かめるため、ベートーヴェンとその弟子チェルニーが、子守唄に託されたメッセージを読み解いていく。
人間味溢れるベートーヴェンがいい人で大好き。本当に、こんな庶民的な天才だったらいいのに。チェルニーとの漫才コンビもかなりいいです。二人が楽観的だから物語が重たくならなくてグーです。

 

山田詠美 『ぼくは勉強ができない』
現代
学校というのは、三角形の角度を計るための分度器の使い方、だけを学ぶための場所ではないんだよなぁと、当たり前のことを再確認。秀美くんのように一つでも秀でたものがあれば、勉強なんてできなくても誇りを持って生きられるのですけどね、一番難しいですね。秀美くんが今ごろどんな大人になっているのか気になります。

 

山本文緒 『パイナップル』
『ココナッツ』
現代
お坊さんが好きな人はぜひ。山本さんはもともとコバルト畑の方なんですね。子供が主人公だし、読みやすいです。年の差カップル好きな人もぜひ。

 

雪乃紗衣 『彩雲国物語』
角川ビーンズ文庫
彩雲国というどこか中華のかおり漂う国の物語。主人公は頭がよくて気立てのいい、名門紅家のお嬢さま(守銭奴)。出てくるキャラクターみんな美形で、魅力的です。少女小説なので誰とくっつくのかは基本ですが、王様を置いておいて私は断然静蘭派。 実は、影で化け物おじいさまたちが暗躍するだけの物語と言えなくもないところが気に入ってます。

 

よしもとばなな 『キッチン』
現代
なくした瞬間に、大切だったと気が付かされる。これでもかというくらいに、痛みと一緒に。
すごく話題になった本だけれど、今のほうが冷静に読めてよさが分かります。私はばななさんの気取らない文章が好き。ちょっと変わった傷を負った人たちが、どこか自分に似ているような気がするんです。
『デッドエンドの思い出』
現代恋愛
せつなくてせつなくてせつなくて、息もできない。ただ涙を流すだけで、消えていく思いもあるんだなぁと思いました。
どうしてうまくいかないのか。どの話もそうですが、特に表題作はあと少しどうにかすればどうにかなりそうなだけにもどかしくてせつなくて。でもせつないってことはきれいってことなのよねと、しみじみ。

 

若木未生 <グラスハートシリーズ>
『グラスハート』
『薔薇とダイナマイト』
『いくつかの太陽』
『AGE/楽園の涯』
『冒険者たち』
『熱の城』
『LOVE WAY』
現代
音楽もの
西条朱音は、本能のままにドラムを叩く女の子。テン・ブランクというバンドで、ロック界のアマデウスと呼ばれるリーダーの藤谷ナオキ、ギターの高岡尚、キーボードの坂本一至という、ものすごい顔ぶれとともに音楽をやっている。唯一最高無限の音楽を。
もはや好きすぎて何も言えない。コバルト文庫であります。読んでると、文章とか思考が引きづられます。大変です。テン・ブランクのみんなはもちろんなんですけど、私、桐哉が好きでして。彼の嘘のかけらもない純粋すぎる音楽は、まっすぐて痛くて優しくて。どうにもまいってしまってます。でも、兄もまた、音楽以外本当にどうしようもない人でほうっておけません。朱音ちゃんの今後の選択が非常に気になります。
『AGE/楽園の涯』に収録されてる『すばらしい日々』という話が、私の読書暦の中でベストです。何度も何度も擦り切れるくらい読み返していて、勇気を分けてもらってます。
<ハイスクールオーラバスターシリーズ>
『天使は上手く踊れない』
 〜
『永遠の娘』
現代
超能力もの
ずーっと読んでいて。どんなに話がつらくて難解で複雑になっていっても絶対最後まで読むだろうな、という確信があります。そもそもこれを読んで初めて、創作する側に回ってみたいと思ったのです。ストーリーというよりは、出てくるキャラクターたちへの思い入れが強いです。みんな好きだけど、神原亜衣さんと希沙良が別格で好き。でも一番気になってしょうがないのは十九郎くんです。あの危うさはいかんよ。続き、すごく読みたいけどすごく読みたくないような、複雑なファン心理です。
『イズミ幻戦記』
ファンタジー
このシリーズも読むのを途中で放棄したくなるぐらいに、痛いんです。スーパーヒーローイズミが出てる間は割と大丈夫なんだけど。主人公二人がねえ。……と思ってたんですけど、なんだか新刊ですっきりした感じ受けました。なんつーか、二人が一緒にいないのがいいのかしらなんて思ったり。でも再会するの楽しみです(複雑な)
『エクサール騎士団』
ファンタジー
実はこのシリーズが妙に好きなんですが、少数派なんでしょうか。ファンタジーって敵役の魅力に尽きると思うのですけど。そういう意味でこれは主人公側より敵が好きーと言えます。主人公が女の子らしい子なので、そこに慣れるかどうかが問題です。兄弟の中では末っ子が好き。
『メタルバード』
スペースファンタジー
スペースファンタジーって好きだな。若木さんはあんまり情熱を傾けすぎると難解になる傾向があると思うので、これぐらい気楽な気持ちで手を出した話もいいんじゃないかなと思います。たぶん、渋いおじさまたちをプッシュすべきなのだと思うので、プッシュ。

 

海外のもの
ミヒャエル・エンデ 『モモ』
児童文学
ファンタジー
これで3回くらい読書感想文を書いたような気がします。途中で出されるなぞなぞが大好きでした。あとホウキが強く印象に残っています。今、感想を書きながら思ったのですが、あんまり内容を覚えていません。でも好きです。

 

ダニエル・キイス 『アルジャーノンに花束を』
児童文学
ファンタジー
読むのが大変でした。挑戦したとき、精神的にも何もかも幼すぎて。それでもやっぱり最後の一文にはあんまり理解してないはずなんですけど、泣いてましたね、ぼろぼろと。視覚的にも泣けるんじゃないかなと思いました。あの構成だとさ。

 

ルーマ・ゴッデン 『バレエダンサー』
児童文学
ファンタジー
バレエが好きでたまらない男の子、デューン。家族のみそっかす扱いだった彼が、尽きることのない才能を存分に発揮して、チャンスを次々とつかんでいくところが爽快です。彼にはクリスタルというお姉ちゃんがいるのですが、彼女の弟への嫉妬っぷりに深く共感しました。同じ世界で比べられるというのはしんどそうだなぁ。デューンと同じようにクリスタルの物語であるところもいい。

 

ダレン・シャン 『ダレン・シャン』
児童文学
ファンタジー
私のダレンは、6巻あたりで終了しています。なぜならカーダ・スモルトらぶだから!(阿呆)初期の頃のダレンが大嫌いでね。自業自得の馬鹿じゃんとまで思っていてね。今は彼の過酷な運命が可哀想で仕方がないです。本当にこれでもかってぐらい試練ばっかりですね。刊行スピードが速いの非常に嬉しいけれど、追いついていません。うう。

 

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 『魔法使いハウルと火の悪魔』
『アブダラと空飛ぶ絨毯』
児童文学
ファンタジー
今から読むのだったら、ジブリの絵をこんなんかなーと想像しながら読むと非常に楽しいのではないかと。とくにハウルを想像するのが楽しいですね。宮崎さんの描くカッコいい青年ってどんなだろう……。でも実はアブダラ〜のほうが好きです。こっそり出てくるハウルたちを見つけるのが楽しかったので。

 

ジェリー・スピネッリ 『スター☆ガール』
児童文学
スターガールはすごく最高なのと最低なのが紙一重な女の子なんだと思います。読んでて身に覚えがあってちくちく胸が痛み、非常にせつない気持ちになりました。でもスターガールにはやっぱり夢を託したくなります。そのままでいてほしい。
『ハッピー*ボーイ』
児童文学
ジンコフは、先生のささいなジョークで笑い、試合に負けても笑い、いじめられても笑い、生死をさまよっても笑う。そんなジンコフを、周りの世界はとまどいながら受け入れる。
ジンコフを本気で嫌いになることって難しいと思います。それは自分の何かを否定してしまうことになる気がするんじゃないかなと。ジンコフのような男の子は世界中の誰よりも幸せだと思うけど、見てると少し、切なくて痛くなるのも本音です。

 

メーガン・ウェイレン・ターナー 『盗神伝』
児童文学
ファンタジー
この世に盗めないものはないといいのける盗人少年ジェンの冒険活劇、と思って読んで、1巻まではそんな感じなんです。が、2巻でがらりと変わりました。盗人というのは嘘をつくのも上手なのですね。顔を使い分けるジェンの、「どういたしまして、女王様」にはやられました。そして、二人の素敵な女王さまの心を盗んでいったのが一番面白かったです。世の中に名の通った盗人はいつもこれをやらかしている気がする(笑)。でもジェンは確かにかっこよかったです。できれば、誰のものにもならないでほしかったなと願ってしまうほどに。

 

ジョージ・R・R・マーティン 『氷と炎の歌』シリーズ

ファンタジー

びしばし人は死ぬし、性描写も露骨だし、ハード。まず登場人物の多いのに辟易。巻末の家系図を頼りにするのですが、カタカナ名前は覚えにくいです。幾人かの登場人物の間で視点が切り替わるのですが、ジョンの回が読みたいがために読んでました。ジョン・スノウが大好きです。他のキャラたちも濃すぎるぐらい魅力的ですが、私はことごとく女性たちと気が合いませんでしたね。ジョンの妹サンサとティリオンが好きなぐらい。リトル・フィンガーも結構好きですよ。ひどすぎて好き。
読むのは大変ですが、続きがもっとも楽しみな話でもあります。

 

J・K・ローリング 『ハリー・ポッター』
児童文学
ファンタジー
魔法とか悪戯とか小道具とか、細部まできちんとファンタジーしてて好感持てます。登場人物も、わかりやすいくらい魅力的で。ハーマイオニー大好きです。よく考えてみると、あんまり嫌いな人がいないなぁと。ダーズリー一家ぐらいかな。名前の呼べないあの人は結構好きなんです。
三作目のアズガバンの囚人を読んで一気に好きになりました。ハリーの親世代が好きなんです。とくにルーピン先生が!

 

 

 

 

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