ライン


「交流で育てるふるさとへの愛と誇り」
-小さな島、7名の湯島中からの発見・発信・発展-
1 はじめに
 前任校、熊本県天草郡大矢野町立湯島中学校は、有明海に浮かぶ小さな島の小さな中学校である。豊かな自然と、温かな人々に囲まれた環境の中で、7名(2年2名、3年5名・赴任当初)の生徒たちが元気に学校生活を送っていた。すばらしいところがたくさんある反面、小さなころから狭く同じ環境、同じメンバーでの生活であり、いろいろな人と接し、いろいろな考えに触れる機会が少ない状況である。
 そのような湯島での3年間の取り組みを振り返り、子どもたちとすごした思い出とともに残したい。
2 目的・ふるさとを愛する心を育てたい
 離島という閉ざされた環境の中では、人と関わる、さらにその関係を深めるといった機会がたいへん少ない。そこで、町内の中学校との交流をきっかけに、島の人たちと、そしてインターネットにより、全国の人との交流が始まった。交流を通して、視野を広げ、多面的にものを見たり、考えることができるようになってほしい。それは、島外へ目をむけるだけでなく、ふるさと湯島を見つめ、自分たちで島を盛り上げていこうという気持ちを高めることにつながると考える。また、ふるさとを大切にすることは、自分自身を大切にすること、ふるさとへの自信は、自分自身の自信であると考える。島を出たときもふるさと湯島を誇り、自分らしさを失わず、胸を張って生きてほしいのである。
 そこで、「ふるさと湯島を愛する心」を交流活動を通して育てていきたいと考え、研究主題を設定した。
3 構想・交流を通して育てたい
 (1) 研究主題について
  「ふるさとへの愛と誇り」とは… 
   ふるさと湯島を愛する、誇りに思うとは、次の3つの活動を通して育まれると考える。                   
   ○発見―ふるさと湯島を見つめ、そのすばらしさを知る。            
   ○ 発信―ふるさと湯島のすばらしさを地域の人、全国の人に伝える。
   ○ 発展―ふるさと湯島をさらにすばらしくしようと考え行動する。

 (2)研究の仮説
 湯島のすばらしさを発見する、発信する、発展するという視点を持って、3つのコミュニティエリアの人たちと交流することにより、ふるさとへの愛と誇りを持つ生徒が育つであろう。

    「3つのコミュニティ」について
  交流相手を、相手の住んでいる場所や交流手段により、次の3つに分けて捉える。  
  • いつでも会うことができるところの人たち(島の方々と日常的に)  
  • ときどき会うことできるところの人たち (県内の中学校の友だちと実際に会って)
  • 実際に会うことが難しいところの人たち (全国の人たちとインターネットを使って)                              
構想図へ
[HOME][2000in沖縄][次へ]