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「交流で育てるふるさとへの愛と誇り」
-小さな島、7名の湯島中からの発見・発信・発展-
5 成果と課題
 活動は予想以上に広がり、子どもたちの追求意欲も少しずつ高まっていった。また、相手にうまく伝えようと表現力も高まり、コンピュータの基本操作も自然と身についていった。
 しかしながら、課題も見えてきた。それらを明らかにすることで、今後の実践をより意義あるものにしたい。成果と課題は次のとおりである。

「湯島のすばらしさを発見する」について
○ 地域の人たちと接し、地域のことを調べるなかで、「湯島にはこんな人がいたんだ」「歴史的にとても重要なことがあったんだ」と改めて湯島の人や自然、歴史のすばらしさを感じることができた。また、自分が湯島の一員としての自覚も高まり、自分の手で湯島を守っていかなければという気持ちが強くなっていった。

「湯島のすばらしさを発信する」について
○ 湯島のことを全国の人に伝えようとする姿から、自分の生まれ育った湯島への愛、そして誇りが感じられる。さらにそれに対して、多くの人からメールをいただき、生徒たちもたいへん励みになったようである。自分が取材し、作成し、ホームページを公開し、それを認められる。ンターネットの双方向性という特質は今後も積極的に活用していきたい。                       
● 相手に自分の思いを伝える能力は高まっているものの、まだまだ取り組む必要がある。他の教科でも 共通理解を図り、プレゼンテーション能力の育成を積極的に行っていく必要がある。

「湯島のすばらしさを発展する」について
● 湯島がますます発展するために考えたことは、すべて実践できたとはいえない。問題意識は高  まったものの、具体的な取り組みははじまったばかりである。島の人たちと一緒に取り組んでいきたい。

その他全体的なことについて
○ いろいろな人と接するなかで、「そんな考えがあるんだ」「そんなすばらしいところがあるんだ」と、今まで得ることができなかった情報や、いろいろな立場の人の考えに触れることができた。それは、自分の考えを深め、自分自身を見つめることにつながっている。
● 各交流のさらなる工夫と、事前の連絡体制などの整備を行う必要がある。
◇ インターネットによる交流は、目的により相手を増やしていくと同時に、現在の交流も目的を明確にして、さらに深めていきたい。メールだけでなく、テレビ会議や、ビデオレター、実際に会うなど工夫をして、より身近に感じることができる交流をしていきたい。
◇ インターネットによる交流を、教科の学習へも広げたい。学び合う過程を共同でおこうなうことにより、多様な考えに触れ、考えを進化させる場面を多く作っていきたい。また、環境教育、国際理解教育へも広げていきたい。
6 おわりに
 私は、4月より全校児童900名あまりの小学校に異動となった。子どもたちがおかれている環境は大きく違うものの、湯島で考えたこと、行ってきたことは、必ず現任校でも生かせると思う。また、湯島中学校でも、交流活動をさらに深めており、ふるさとを大切にしていこうという気持ちが高まっている。子どもたちが、これからもふるさとを、そして自分やまわりの人々を大切にしていってくれることを願う。そして、私自身も、湯島の子どもたちに負けないように、今後もいろいろなことに挑戦していきたい。
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