子どもが伸びる評価とは? 
「総合的な学習」編 ポートフォリオ 自信生まれ目標明確に
日本教育新聞6月16日号掲載
「今では私の持ち味に自信を持てる気がします。私ってこんなことができたんだ、こんなにがんばっているんだと思えて、すごくうれしかったです。」
ある児童の、パーソナルポートフォリオ作成後の感想である。子どもたちの感想の中には「自信」という言葉が多く使われていた。
 総合的な学習では、チームをくみ取りくむことが多い。チームのなかで、「持ち味や得意」を活かした役割を任せられることが、ひとりひとりのモチベーションを高め、チームとして大きな成果をあげることにつながる。自分の持ち味とは何か自信がないという子どもたちの現状をふまえ、自信が持てるポートフォリオの作成を行った。
 教育実習生に自己紹介をしようと、「自分の持ち味やできること」を10個書いてもらった。「なかなか思いつかない」「これは自分の持ち味なのか自信がないなあ」という意見がでたのをきっかけに、自分ががんばったこと、すきなこと、大切なものを集めてポートフォリオを作ろうと呼びかけた。冬休みに集めたメダルや賞状、写真や作文がファイルされた。ファイルした物のなかから、「やったねと思ったもの」を1つ選び、それについて「成功の秘訣を聞き出そう」と子ども同士で対話を行った。対話することにより自分自身をさらに振り返らせたのである。それをもとに、他の人の役に立つために「○○の秘訣」をまとめた。これは、教育実習の先生や友達に紹介した。また、今後ポートフォリオに入れたいものを考え、それを今年の目標にした。
「今までできなかったことをできるようになろうという目標だったが、今回はできることをもっとのばそうという目標を立てることができた。」
と児童は活動を振り返る。ポートフォリオを作り自分を見つめることにより、自信が生まれ、新たな目標も立てることができた。
 現在、「鈴木敏恵とポートフォリオを作ろうメーリングリスト」を運営している。興味ある方は、http://www5a.biglobe.ne.jp/~kanaiを見ていただきたい。

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