FRPとリサイクル
FRP製品は強度、耐久性に優れロングライフ(高寿命)製品であることは前にもお話させていただきました。それではリサイクルについてはどうでしょうか。地球環境を守り、限り有る資源を大切にするためにも大事なことです。プラスチックの種類には熱可塑性の樹脂と熱硬化性の樹脂とがあります。前者にはポリエチレンとかポリプロピレン等があります。仮に熱可塑性の樹脂を食べ物でたとえたとしたら、チョコレートです。普段は一定の形になっていますが熱を加えると解けて、もとの形に戻すことが可能です。しかし再度熱を加えられる事により素材自体が劣化しますので、以前と同じ強度は望めません。ですから新品の材料に数%加える等の方法でリサイクルします。以前と同じ強度等を求められない製品では100%リサイクル材料を使用することが可能です。
さてFRPは後者の熱硬化性です。薬品を加え化学反応により発熱させ硬化させます。こちらも仮に食べ物にたとえるなら豆腐です。大豆ににがりをくわえて豆腐になったものを大豆に戻すことはできません。ですからFRP製品のリサイクルは他の物に形を変える手段を取っています。
1・熱交換リサイクル
これはFRP製品を燃料として、使用するものです。コンクリートプラント等で検討されています。
2・充填剤リサイクル
FRP製品を細かく砕いて、コンクリートやアスファルト等の充填剤として使用する方法です。
しかし、1、2とも大掛かりなネットワークが要求され、私達極小企業だけでは実現にほど遠いのが現状です。大手材料メーカーや(社)強化プラスチック協会が現在推進中ですが、一日も早く実現してほしいと願います。だからと言って手をこまねいて見ている訳にも生きません。私達だけでも出来る所から環境対策を実践しています。
1・廃棄物の量を削減する
現在、一般家庭や自治体でも行っていますが、廃棄物を分別、削減するように努力しています。主材料の樹脂は以前は一斗缶単位で購入していましたが、ドラムカン単位に切り替えました。ドラムカンも廃棄すればゴミになってしまいますが、特定の樹脂メーカーでは無料巡回回収をしてくれます。それまでは缶プレス機でつぶして容量を減らしていましたが、これなら空き缶の廃棄物は減少しますし、樹脂メーカーではドラムカンを再利用していますので、リサイクルに一役買えます。また、製品の製造中に発生するバリ等の廃棄物を極力押さえています。
ドラムカンを回収してくれるメーカーさん、御世話になります。m(__)m
(順不同)
日立化成工業(株)
日本ユピカ(株)
3・工場内再利用
製品カットの際、集塵装置にて回収した微粉末化したFRPを充填剤として再利用しています。微粉末化したFRPを樹脂に混ぜ、FRPの接着時に使用するパテを作成し、使用しています。
3・廃棄物の処理
当然のことですが廃棄物を処分する場合は有免許の廃棄物処理業者に依頼しています。当社が依頼している業者ではFRPを燃焼させ、その残留物を埋め立てる方法を採っています。プラスチック類を燃焼させる場合、ダイオキシン等の生成物が気になりますが、FRP製品に使用する樹脂(不飽和ポリエステル)やガラス繊維には塩素を含んでいませんので、ダイオキシンの発生源にはなり得ません。
|