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琥珀色の朝に
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唐突に なにかを変えたくて
オレンジ色にマニュキュアを塗った朝に
海の見える丘の上の喫茶店で ひとり シナモンコーヒーを飲む
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逢うことができれば こんなに逢いたくは無いかもしれない
あなたに逢えない一日が始まる
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季節は 11月
もうすぐ冬が来る
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思い出をかぞえれば
悲しいことも 嬉しいことも 少なくて
ひとり なにも無かったような一年が過ぎてゆく
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シナモンコーヒーにひそむ 琥珀の悪魔が私に囁く
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『人は皆 恋という遊びをするために生まれたのさ』
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かくれんぼして鬼ごっこして?
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だけど
遊びの中に隠された
恋の鬼ごっこの ほんとの部分
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「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
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お互いに 片思いをしているような 一日だから
私は ひとりで海をみている
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ふたりの心を放し飼いにして暮らせばたまに寂しい自由だから
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