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指 紋 |
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. . .彼女が来るかどうか? . それは わからない . . . |
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. . . 彼女は ペルシャ猫より気まぐれだから・・・ |
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だけど 彼女が来ても 来なくても
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そんなのは どうだっていい
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月に一度くらい 高層ビルの森の中で
一人で 夜の街を窓から見るのも悪くない
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彼女が来たら 素敵な週末の夜が過ごせるし
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来なければ 私は スクランブルエッグとジャーマンソーセージをパンに 挟み
濃いめのコーヒーを飲みながら 朝刊を読んで帰るだけだ
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第3金曜日の夜 私はいつもこの部屋に来て
ドライマティーニに お気に入りの曲を聴きながら 夜景を見ている
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ちょうど 部屋のRadioから 「heartCry」が流れ出した
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ドアを叩く音がした
彼女が来たらしい
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「外は雨みたい」
彼女が言った
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彼女を抱き寄せると
雨の匂いがした
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僕達は 窓のカーテンを 開けたままで |
窓辺で |
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ふたつの蝶のように愛し合った
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いつのまにか ライトブルーに空が変わっていた
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朝の光を浴びながら
彼女はシャワーを浴びている
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私は ゆっくり 起き上がり
窓ガラスに目をやった
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そこには
彼女の 指紋が光をあびて はっきり浮かび上がっていた
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気まぐれな彼女が とりあえず昨夜はここにいたという証しのように・・・
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