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イエスタディを聴きながら
いつもの半分の時間で洗い物を片付けると
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なぜか あの人の声が聞きたくて
受話器を持つ
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だけど
アナタに繋がる電話のナンバー
最後の数字が押せなくて
受話器を置いた
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初めて あの人の車に乗ったとき
まだ 私には
アナタの瞳を見つめる勇気がなくて
ハンドル握る横顔をみてた
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私の家が近づくと
もうすこし
この渋滞が続けと心底 思った
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いつも 渋滞は大嫌いなのにね
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あの人を思うと
心が差し込むように痛い
きっと 心の場所はここだと
人に自慢できない発見をする
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心と心の距離を測りたいけど
私の計測計はきっと正確ではないはず
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正確な計測をする為に
さりげない用事を作って
あの人に電話をかける
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「ルルルルル」とアナタを呼び出す電話音が
心臓の鼓動と微妙に共鳴する
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13回のコールで 出たあの人の声に
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なぜか
私は 突然 貝殻になる
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アナタに伝えたい気持ちと
裏腹の言葉しか言えなくて
きっと 口と心は別の生き物
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.電話の最後に
声をひそめ
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「好き」とつぶやく
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あとは どうにでもなれ
どうせ 百年たったら
誰もいないのだから
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